日帰り入院とは?通院との違いや対象外となる事例を徹底解説
最近は日帰り入院でも入院給付金が保障される保険が一般的になっていますが、日帰り入院に該当しない単なる「通院」では入院給付金は受け取れません。
医療保険加入前に、日帰り入院の条件を知っておくことは大切です。今回は、日帰り入院とはそもそも何か、条件を満たすためにはどんな治療が必要なのかについて解説します。
この記事の要点
- 1.入院日と退院日が同一で、病院からの請求書の「入院料等」に記載がある場合は日帰り入院ということになります。
- 2.ただし、最終的な判断は保険会社が行うため、自分で判断してしまうのは避けるべきです。
- 3.日帰り入院で給付を受ける場合は医師と生命保険会社に「日帰り入院である」ということの確認を取りながら、漏れがないように確実に請求していくことを心がけましょう。
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目次
日帰り入院とは
よくあるのは、急病によって緊急入院してその日のうちに容態が回復、その日のうちに退院できたケースです。
しかし、医師の判断次第で入院に該当せず、単に外来にカウントされることもあります。
日帰り入院で給付金を受け取れる条件
日帰り入院で給付金の支払対象になるかどうかは最終的に保険会社ごとの判断になりますが、以下の条件が揃っていることが条件として求められるのが一般的です。
条件
- 病院から発行される医療費の請求書に「入院基本料」の記載がある
- 入院日と退院日が同じ日である
保険診療における医療費(公的医療保険制度によって定められる診療)は、すべて医療行為ごとに定められている診療報酬点数表に基づいて計算されます。
医師が入院の必要性を認めると、病院に入院させたうえでの医療行為を行うことで医療機関では入院基本料などの診療報酬を算定できます。
その結果、患者が受け取る請求書の「入院料等」に点数が記載されます。
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入院基本料とは
入院していて入院基本料がかかっている場合、病院で発行される請求書内の「入院料等」の欄に点数が記載されているのが原則です。
ポイント
- ただし「入院料等」の項目は入院基本料だけでなく、「特定入院料」などの入院に関する他の項目も含まれています。
- とはいえ、「入院料等」に記載があれば入院であることは変わりません。
- 「入院料等」に点数の記載がある場合、必ず保険会社に確認して日帰り入院であることを確認しましょう。
入院時間が24時間以内であることも条件
日帰り入院であることを判断するポイントは、「入院基本料に記載があること」「入院日と退院日が同じ」が基本ではありますが、ほかにも判断するべきポイントがあります。
0時から24時までの24時間のうちに入院・退院の両方が行われたことが条件になります。
これは入院日数を数えるとき、日付が変わるのと同じ0時が基準になるためです。
注意点
もし22時あたりに入院して翌日の早朝に退院した場合は日帰り入院ではなく、入院日数は2日とカウントされます。
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日帰り入院と通院の違い
病気の治療のために多くの人が利用する方法であり、風邪やケガで病院に通うことがすなわち通院に該当します。
「入院料等」に特に記載がなかった場合は、通院や検査で治療をしたことになります。
注意点
- この際の注意点は「単なる通院では通院給付金は給付されない」ということでしょう。
- 医療保障に通院保障がついている場合、入院前後の通院・入院を伴わないとしてもがん治療など特定の目的を伴う通院に限られます。
- 単なる通院に対する保障はほとんどありません。
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日帰り入院となる事例、ならない事例とは
1日のあいだに病院のベッドで治療を受けて退院したとしても、必ずしも日帰り入院と認められるわけではありません。
「日帰り入院として認められるケース」と「日帰り入院として認められないケース」について確認しておきましょう。
日帰り入院になる事例
日帰り入院にあたる治療として、代表的なものを列挙しました。
日帰り入院にあたる治療
- 手根管解放術
- 内視鏡的ポリープ切除
- 下肢静脈瘤治療
- 眼科手術
- 上肢の骨折によるインプラント固定手術
- 腱・靱帯の手術
- 口腔内腫瘍切除術
- 痔核根治術
- 鼠径ヘルニア根治術
- 胆石などの腹腔鏡手術
- 内視鏡的副鼻腔手術
- 食道静脈瘤内視鏡手術
- 神経剥離術 など
基本的には上記の疾病に該当する手術を受ける場合で、かつ治療後の経過確認が必要かどうかが日帰り入院と外来治療の判断のポイントになります。
たとえば内視鏡のポリープ切除手術でポリープを切除した後、経過観察のためにしばらく安静にするようにという医師の指示があることが、日帰り入院の判断では重要です。
白内障をはじめとした外来手術で帰宅できるケースでも、日帰り入院手術に対応することが可能な場合もあります。
保険で日帰り入院による手術給付金や入院給付金の給付が認められる場合は、希望を出して日帰り入院にしてしまうのも選択肢の1つになるでしょう。
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日帰り入院にならない事例
日帰り入院として認められない可能性がある事例は以下のような場合です。
外来ベッドでの手術・点滴
医療機関は入院用の設備がある病院ばかりではなく、入院設備がない病院も存在します。
注意点
- 入院用ではない外来ベッドのみの病院や診療所で治療や点滴、透析を受けた場合は日帰り入院としては認められません。
- また、入院設備があるとしても、単なる休養や点滴、透析など入院による医療行為に該当しない場合は日帰り入院に該当しません。
単なる病院での休息
病院のベッドを使用したからといって、必ずしも日帰り入院になるとは限りません。
注意点
- たとえば熱中症と判断されて医師から点滴による処置を受け、病院のベッドで休んだとします。
- 気分が良くなって帰宅した場合は特別な処置は施されておらず、請求書の「入院料等」にも特に記載がありません。
- この場合は日帰り入院としては認められないことに注意が必要です。
- このほか、病院で人工透析を受けるような場合も同様に日帰り入院として認められない可能性があります。
線引きが難しい場合、やはり「入院料等」に点数の記載があるかどうかが判断材料になります。
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日帰り入院が医療保険適用となる条件
いざ日帰りで治療を受けた場合でも、治療内容次第では「日帰り入院である」と認められない可能性があります。
ここでは日帰り入院で医療保険を適用しようとする前に、知っておきたい注意点を見ていきましょう。
日帰り手術では入院と認められない可能性がある
日帰りでの治療の中に「日帰り手術」がありますが、外来で受ける手術と入院を必要とする手術の両方が存在します。
注意点
手術をすれば何でも日帰り入院になるわけではなく、医師が入院は不要と判断して入院を伴う治療をしていないケースや、手術後に休養をとっていただけのケースでは入院料等の支払いがないため日帰り入院とは認められません。
入院を伴うかどうかで保障内容が変わる場合がある
現在の多くの医療保険では入院を伴う手術・入院を伴わない手術で保障内容が変わります。
以下のいずれかが主流です。
ポイント
- 入院を伴う手術では手術給付金を支給するが、入院を伴わない手術では手術給付金を支給しない
- 外来・入院にかかわらず保険会社が定めた手術の場合は手術給付金を受け取れるが入院を伴わない場合は給付額が少なくなる
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医療保険の入院給付金の条件を確認することが大切
医療保険を選ぶとき、保険の内容を比較検討することが大切です。
ポイント
- 入院何日目から入院給付金が支給されるのか
- 入院給付金の支払限度日数
特に「入院何日目から入院給付金が支給されるか」は重要なポイントです。
古いタイプの医療保険では日帰り入院を保障していないことも
医療の進歩によって入院期間は、ここ10年ほどで短期化してきています。
厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査の概況」によれば、医療機関別の平均在院日数の推移は以下のとおりです。
総数 | 病院 | 一般診療所 | |
---|---|---|---|
令和2年 | 32.3 | 33.3 | 19.0 |
平成29年 | 29.3 | 30.6 | 12.9 |
平成26年 | 31.9 | 33.2 | 17.4 |
平成23年 | 32.8 | 34.3 | 17.5 |
平成20年 | 35.6 | 37.4 | 18.5 |
平成17年 | 37.5 | 39.2 | 21.6 |
出典:厚生労働省|令和2年(2020)患者調査の概要|12Pをもとに作成
平成17年から少しずつ入院期間の平均は短くなってきており、平成29年までの12年で平均の入院日数が10日弱短くなっているのが分かります。
日帰り入院が増加しているだけでなく、今後も入院日数は短くなることが考えられそうです。
注意点
- しかし、古いタイプの医療保険の一部では入院給付金が支払われない「免責期間」が設定されているケースがあります。
- たとえば「継続して5日以上入院した場合に1日目から支払い」といった具合です。
- このような場合、日帰り入院はもちろん、4日間入院して退院した場合には入院給付金が支給されないことになります。
今の保険が短期間の入院に対応できない場合、対応している新しい保険への見直しの検討も必要になってくるでしょう。
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日帰り入院に該当するかどうか迷ったときは自分で判断しない
入院した日に退院し、請求書の「入院料等」の項目に点数が記載されていれば日帰り入院に該当する可能性は高いでしょう。
とはいえ、どちらか迷う場合に自分で判断してしまうのは避けましょう。
病院に確認する
入院に該当するかどうかは、入院の必要性を医師が認めることが条件です。入院にあたるかどうか担当の医師に確認するのがもっとも早くて確実でしょう。
医師に直接聞くことが難しい場合は支払いの窓口に確認する方法もありますが、医師の判断と窓口での回答が異なる場合もあります。
ポイント
入院と聞いていたのに請求書の「入院料等」に点数の記載がない場合、「入院ではなかったのか……」と自分で判断せずにその場で確認するようにしましょう。
保険会社に確認する
保険会社によって、同じ「入院給付金」でも支払対象になるケースが異なる可能性があります。
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給付金の請求期限にも気を付ける
入院給付金や手術給付金など、請求は無期限で行えるわけではありません。
ポイント
- 一般的に「入院などの支払事由が発生したときから3年以内」が条件です。
- 請求期限を過ぎてしまうと、基本的に給付金請求をすることができなくなります。
- 日帰り入院では症状が軽く済んだとしても、給付の対象になる場合があるため、忘れずに申請を行いましょう。
医療保険は日帰り入院もカバーされるほうがいい?
医療保険に加入する際には、日帰り入院もカバーされている商品を選んだ方が良いのでしょうか?
日帰り入院もカバーされている医療保険がおすすめ
医療保険に加入するのであれば、やはり日帰り入院もカバ―されているタイプのものを選ぶことをおすすめします。
おすすめする主な理由は以下のとおりです。
日帰り入院に該当する治療を受ける可能性がある
「日帰り入院になる事例」でご紹介したように、日帰り入院に該当する治療にはさまざまなものがあり、内視鏡的ポリープ切除や眼科手術など、だれがいつ受けてもおかしくない治療が列挙されています。
こういった治療を受けても日帰り入院としてカバーされていれば、治療費の負担を軽減することができるでしょう。
入院日数が短縮化されている
以前は、病気やケガの治療などは入院でしっかり治療することが基本でしたが、近年は通院日数が短縮化され、術後の経過は通院による観察や治療がとられる傾向にあります。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」には、直近の入院で「入院日数が5日未満の方の割合」が掲載されています。調査年度ごとの割合をまとめましたので下表をご覧ください。
調査年度 | 入院日数が5日未満の方の割合 |
---|---|
平成19年度 | 12.4% |
平成22年度 | 12.2% |
平成25年度 | 14.3% |
平成28年度 | 17.5% |
令和元年度 | 20.9% |
令和4年度 | 19.8% |
ご覧のように、調査を行う年度ごとに「入院日数が5日未満の方」の割合が上昇していることがわかります。
もちろんこのデータは「5日未満」のものであり、日帰り入院だけの日数ではありませんが、入院日数が短縮化していることを考えると、日帰り入院の割合も上昇していると推測できるでしょう。
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ちなみに、入院日数が短縮化されている理由には、主に以下の2つが挙げられます。
入院日数が短縮化されている理由
- 医療技術が進歩しているため
- 政府の施策に基づくものであるため
患者の身体に負担の少ない、内視鏡手術や腹腔鏡手術といった手術方法が確立されたことで、日帰り入院や一泊などの短期入院が可能となっています。
また、政府は、高齢化社会が深刻化する過程で、医療費の財源確保や高齢者の入院による病床不足などを回避するために、入院日数を可能な限り短期化する施策を打ち出しています。
日帰り入院や短期入院扱いになることが増えると考えらえますので、日帰り入院もカバーできる医療保険で備えておくことをおすすめします。
【参考】
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」平成19年度〜令和4年度
医療保険の加入や見直しにおすすめの無料相談所3選
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日帰り入院に関するよくある質問
「内視鏡的ポリープ切除」「下肢静脈瘤治療」「眼科手術」などが挙げられます。実際にはより多くの事例があるため、記事を確認してみてください。
まとめ
今回は、日帰り入院の特徴について解説しました。
入院日と退院日が同一で、病院からの請求書の「入院料等」に記載がある場合は日帰り入院となります。ただし、最終的な判断は生命保険会社が行うため、自分で判断してしまうのは避けるべきです。
日帰り入院で給付を受ける場合は医師と生命保険会社に「日帰り入院である」ということの確認を取りながら、漏れがないように確実に請求していくことを心がけましょう。
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