老後・定年退職後に保険は必要か?保険の賢い選び方を紹介
定年退職を迎えたあとは生活の収支が大きく変わり、給与収入の代わりに年金を受け取ることになります。
しかし、2019年に「老後2,000万円問題」が話題になり、年金だけで老後資金の全てをカバーするのは難しいのが実情かもしれません。
そこで、年金収入以外にも老後の生活費をカバーするための資産形成を考える必要があります。
この記事の要点
- 1.年金収入でカバーできない生活費は、「預貯金」「保険」「投資」などの方法で若いときから効率的に準備を進めることが必要です。
- 2.なかでも「個人年金保険」は受け取りタイミングや年金額を契約の範囲内で自由に設定でき、投資商品の運用も保険会社に一任することができます。
- 3.確実に老後資金を貯めたい方に、個人年金保険はおすすめです。
- 4. 個人年金保険に関する疑問や不安は、専門家に相談してみましょう。
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老後に保険は必要?
公的年金だけで生活するのは難しい
老後の生活費を捻出する際の基本となる収入は、やはり「年金」でしょう。
老後に夫婦生活を送るための生活費は毎月約26.8万円
総務省統計局「令和4年度 家計調査年報(家計収支編)」によると、夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯で必要な生活費は1ヶ月あたり26万8,508円と試算されています。
公的年金だけでは毎月約2.2万円が不足する
老後に必要な生活費は1ヶ月あたり26.8万円でしたが、一方で年金収入とそのほかの収入の合計はいくらになるでしょうか。
同資料では実収入は24万6,237円です。つまり、この試算においては収支を計算すると以下のようになります。
それぞれ平均寿命まで生きると不足するのは……
今回の試算は「65歳以上の夫」「60歳以上の妻」という組み合わせです。
厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によれば、最新の平均寿命は男性で81.05歳、女性は87.09歳ですので、65歳から年金を受け取る場合、男性が平均寿命を迎えるまでは約16年の期間があります。
さらに夫が亡くなったとき、妻は76歳です。平均寿命までそこから約11年の期間があります。
ポイント
- 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)」によれば、高齢単身無職世帯の実収入13万4,915円に対して支出が15万5,495円です。毎月2万580円が不足するとされています。
女性の平均寿命まで同じ状態が続いた場合、不足額は以下のようになります。
試算する際に利用する資料によって計算結果は異なる場合がありますが、今回のケースでは無職の高齢夫婦2人が平均寿命まで生活するうえで「638万円+357万円=995万円」と1,000万円近くの金額が不足する可能性があることが分かります。
ポイント
- ただし、この計算はあくまで平均から導いた試算にすぎません。
- 本当にいくら不足するかは、ご自身が受け取る年金額と将来の支出次第です。
- 年金額は「ねんきん定期便」などで確認できます。
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退職金でカバーできない可能性も考慮する
老後に不足する金額を用意する場合、会社員であれば「退職金」が有力な収入源になります。
ポイント
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によれば、大学・大学院卒の管理・事務・技術職に対する退職給付の全体の平均は「1,896万円」でした。
同調査では、退職給付の全体の平均は以下のように推移しています。
注意点
- 令和5年(2023年)=1,896万円
- 平成30年(2018年)=1,788万円
- 平成25年(2013年)=1,941万円
- 平成20年(2008年)=2,280万円
- 平成15年(2003年)=2,499万円
- 平成9年(1997年)=2,871万円
退職金の金額は右肩下がりで、わずか20年で1,000万円以上少なくなっていることになります。
注意点
- さらに退職金自体がない企業も少なくありません。
- 全体の平均では24.8%、従業員数99人以下の中小企業は29.5%で退職金制度自体が存在しません。
注意点
ただし、自営業者・個人事業主はそもそも退職金がありません。
現在の水準でみても約1,800万円を自力で用意しておく必要があります。
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老後に想定されるリスクを知っておこう
入院日数の増加
老後を迎えて年齢を重ねるごとに、基本的に病気に罹患するリスクは高まっていきます。
厚生労働省の平成29年「患者調査」によれば、入院受療率は年齢を重ねるごとに高くなることが分かります。
年齢階級 | 入院受療率(人口10万対) |
---|---|
30~34歳 | 291 |
35~39歳 | 296 |
40~44歳 | 311 |
45~49歳 | 398 |
50~54歳 | 552 |
55~59歳 | 758 |
60~64歳 | 997 |
65~69歳 | 1,305 |
70~74歳 | 1,712 |
75~79歳 | 2,448 |
80~84歳 | 3,633 |
85~89歳 | 5,326 |
90歳以上 | 7,815 |
出典:厚生労働省|平成29年(2017)患者調査の概況|8P
さらに、一度入院した場合の入院日数も長くなる傾向があります。
厚生労働省の平成29年「患者調査」によれば、年齢階級別退院患者の平均在院日数は全ての傷病の平均でみると以下のとおりです。
年齢階級 | 平均在院日数 |
---|---|
0~14歳 | 7.4 |
15~34歳 | 11.1 |
35~64歳 | 21.9 |
65歳以上 | 37.6 |
75歳以上 | 43.6 |
出典:厚生労働省|平成29年(2017)患者調査の概況|12P
75歳以上といえば、後期高齢者医療制度の対象になる年齢です。
注意点
- 医療費などの自己負担が原則1割になりますが、多くの人はすでに退職している場合がほとんどです。
- 収入源が年金だけになるため、貯金を取り崩す生活になる人が多いのです。
老後のリスクに備えるにはさまざまな医療保険・がん保険に加入を検討するほか、万が一入院した際の生活費までカバーできる預貯金の準備が不可欠です。
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介護にかかる初期費用は自己負担
老後を迎えると、場合によっては介護保険を利用する必要があります。
注意点
- 要介護度・要支援度によって1割負担で利用できる限度額が決まっています。
- また、有料老人ホーム入居費用は自己負担です。
公的施設である「特別養護老人ホーム」であれば入居一時金がかかりません。
しかし、民間の介護付き有料老人ホームでは入居一時金が必要です。
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老後資金を保険で準備できる?
預金・保険・運用商品の組み合わせで老後資金を準備する
若いうちから老後資金を貯めるなら、基本になるのは貯金・貯蓄です。
たとえば会社に「財形年金貯蓄」の制度が導入されているのであれば、利用を検討しましょう。
財形住宅貯蓄と合わせて550万円まで利子等に税金がかかりません。
注意点
- ただし、たいへん魅力的な制度ではあってもそれだけでは老後資金・介護費用の全てはカバーできません。
- 普通預金や定期預金は低金利であり、預けているだけではお金はほとんど増えません。
- たとえば定期預金の場合、適用される金利は年率0.002%程度です。
そこで、より効率的に貯蓄するために「貯蓄性の高い保険」や投資が選択肢になります。それぞれ定期預金以上のリターンを期待できます。
保険以外では個人型確定拠出年金(iDeCo)もおすすめ
詳しくは後述しますが、老後資金を貯める保険として「終身保険」「個人年金保険」などが有力な選択肢です。
そのほか、個人型確定拠出年金(iDeCo)も有力です。
そうして積み立てられたお金を原則60歳以降に一括又は年金形式で受け取れます。
勤務先や働き方によって毎月の掛け金が異なりますが、以下のようなメリットを享受できます。
ポイント
- 掛け金が全額所得控除になる
- 運用期間中の利益が非課税になる
- 一括受け取りなら退職所得控除が適用される
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老後資金を準備するのにおすすめの保険は?
終身保険
貯蓄性の高い保険として代表的な商品が「終身保険」です。
ポイント
- 定年までに保険料の払込が完了するようにすれば、年金を受け取る年齢以降は保険料の払込なしで一生涯の死亡保障が得られます。
- 万が一の際は、死亡保険金として遺族にまとまった金額を残すことが可能です。
- また、死亡保障が不要になった際は保険を解約して「解約返戻金」を受け取ることもできます。
たとえば40歳の男性がO生命の終身保険を契約したケースで考えてみます。
60歳で保険料を払済とし、保険金を500万円に設定した場合の払込保険料と解約返戻金の比較は以下のとおりです。
払込保険料 | 415万3,200円 |
---|---|
保険料払込期間満了直後の解約返戻金 | 430万1,850円 |
返戻率 | 103.6% |
万が一の死亡保障を備えつつ、普通預金や定期預金に預けるよりも効率的に老後資金を準備することができます。
さらに、保険料払込期間満了後も解約せずに契約を続けることで返戻率が高まります。
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個人年金保険
ポイント
- 60歳や65歳、あるいは70歳など決まった年齢から定期的に年金を受け取れます。
- 将来受け取る年金が決まっている定額個人年金のほか、株式・債券などの運用結果で受け取り額が異なる「変額個人年金」などいくつかの種類に分かれているのも特徴です。
なお、一時金の形式で受け取ることもできますが、一般的に受取額は年金形式よりも少なくなります。
投資の知識が乏しくても運用できる
個人型確定拠出年金(iDeCo)の場合、投資する商品を自分で選択する必要があります。
運用益が非課税になるメリットを得るためには投資信託(リスク性の投資商品)を選択する必要があります。
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自分のプランで柔軟に受け取りタイミングを決められる
個人年金保険は、年金を受け取るタイミングを「60歳から」「65歳から」「70歳から」など、保険会社の規定の範囲内で、ある程度自由に選択できます。
ポイント
- さらに途中で解約して積立金を受け取れないiDeCoと異なり、解約返戻金を受け取ることも可能です。
- 加えて円建て・外貨建ての商品から選べるなど、利用者の希望に応じて柔軟に運用できます。
生命保険料控除として所得控除の適用対象になる
民間の生命保険に加入している人は、その年に支払った保険料の金額に応じて所得税・住民税が控除される「生命保険料控除」が受けられます。
生命保険料控除の分類は以下の3つです。
生命保険料控除の分類
- 一般生命保険料控除
- 介護医療保険料控除
- 個人年金保険料控除
それぞれ上限4万円が控除され、全て適用されると最大12万円の控除が受けられます。
これは終身保険などの一般生命保険料とは別々の控除枠になります。
すでに一般生命保険料控除で4万円の控除枠を使い切っている人でも、控除を受けることが可能です。
注意点
- ただし、個人年金保険料控除を受けるためにはその個人年金保険に「税制適格特約」が付加されている必要があります。
- 税制適格特約が付加されていない個人年金保険は一般生命保険料控除の対象になってしまうため、注意が必要です。
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3.取り扱っている保険会社数の多さ
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まとめ
今回は老後の資産形成におすすめの保険商品をご紹介しました。
年金収入でカバーできない生活費は、「預貯金」「保険」「投資」などの方法で若いときから効率的に準備を進めることが必要です。
なかでも「個人年金保険」は受け取りタイミングや年金額を契約の範囲内で自由に設定でき、投資商品の運用も保険会社に一任することができます。
・本コンテンツは情報の提供を目的としており、保険加入その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
・本コンテンツは商品の概要を説明しています。
・詳細は「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり/約款」を、通信販売の場合は、「パンフレット」「特に重要な事項のお知らせ/商品概要のご説明/ご契約のしおり抜粋」「ご契約のしおり/約款」を必ずご確認ください。
・弊社は本コンテンツの正確性、確実性、最新性及び完全性等に関して保証するものではございません。
・本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。
・また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります