債務整理とは?債務整理対応経験のある弁護士へ独自インタビュー
借金を減額するために「債務整理」を検討している方で、債務整理という名前だけ知っていて、債務整理のメリットや注意点などは知らない方もいるでしょう。
今回は債務整理の案件に携わったことのある弁護士事務所の菅野さんに債務整理について独自取材を行いました。
債務整理のメリットや注意点、債務整理の種類など、菅野さんの経験から債務整理についてお伺いしました。
借金問題に携わったことのある経験値からの意見を紹介します。
取材協力者:菅野正太
上智大学法学部法律学科 卒業
早稲田大学大学院法務研究科 卒業
中小企業法務、不動産取引法務、寺社法務を専門とする弁護士法人永総合法律事務所の勤務弁護士
第二東京弁護士会仲裁センター委員、同子どもの権利委員会委員
目次
債務整理とは?任意整理・個人再生・自己破産の違いは?
債務整理は3種類の借金減額方法をまとめた言い方になりますよね。
ーー債務整理の種類について教えてください。それぞれどんな人におすすめなのでしょうか?
大きく分けると、任意整理、個人再生、自己破産の3つに大別できると思います。
任意整理
任意整理の場合は、法的手続きによらない交渉での債務の減額を求めていくことになります。
債務の額が比較的少額で、周囲に知られないように手続きを進めたい、資格制限などを回避したい等の希望がある人が任意整理を検討することになるでしょう。
個人再生
個人再生は、債務が返済できない可能性がある場合に、裁判所を利用して債務の一部(債務総額によるが概ね8割程度)をカットし、残額を分割弁済する手続きになります。
住宅を残したまま手続きができる可能性があるので、マイホームを持っている人は積極的に検討する例が多いです。
また、一定期間の分割弁済が必要になるため、給与など安定した収入を得ている方でなければ利用は難しいと思います。
自己破産
自己破産は、簡単にいえば、自らの資産を換価し、債権者に分配することをもって、現在負っている債務を清算する制度です。
免責が得られれば債務はなくなるので、収入や支払能力を考慮する必要がありません。
債務があまりにも多額な場合などで、職業制限などを気にする必要がないのであれば、自己破産は十分手続きとして視野に入ると思います。
基本的に債務整理は誰でもできる
任意整理・個人再生・自己破産の種類とそれぞれでどんなことができるのかについて伺いました。
リスクやデメリットがある分、債務整理を行うためにはなにか条件を満たす必要があるのでしょうか。
ーーそもそも債務整理は誰でもできるのでしょうか?
債務整理が不可能な場面というのは基本的にはないと思います。
もっとも、先述3つの手続きでそれぞれ活用場面が異なるので、債務者個人の事情に合わせた手続きを検討する必要はあります。
任意整理
任意整理の場合、利息の減額などはあり得ますが、元本をカットするというのはかなり難しいです。そのため、債務の額を劇的に減額するというのは困難です。
また、分割弁済の期間も3年程度で完済が目指せない場合はなかなか貸金業者と合意することが難しいでしょう。
そのため、債務が多額で利息減額だけでは生活再建の目途が立たない人などが任意整理を行うメリットはあまり大きくありません。
個人再生
個人再生の場合は、債務の減額ができるとはいえ、分割弁済が継続します。そのため、収入が安定していない人が利用するには適していません。
また、再生計画の作成などの手続きも含め、相応の労力と期間を要することに留意が必要です。
自己再生
自己破産の場合は、復権を得られない間は職業の資格制限が生じる可能性があること、住宅や生命保険などの資産を換価する必要が生じうることなどのデメリットを嫌う場合には他の手続きを検討することになると思います。
いずれの手続きによるのがベストなのかは個人の事情によって異なるので、専門家のアドバイスを受けながら進めていくことがおすすめです。
ーーでは債務整理をすべき人とすべきではない人はありますか?
先程、債務整理手続きの詳細を説明しているとおり、それぞれの事情に応じた特徴があるため、個人の事情に応じた手続きを選択することをおすすめします。
もっとも、支払能力が十分担保されているような場合でそもそも債務超過にない人を除けば、債務整理を「すべきでない」という人はいないと思います。
債務整理は債務を減らせるメリット以上の大きなデメリットは基本的にはない
債務整理はリスクや注意点を理解していれば基本的に誰でも利用できる制度ということなのですね。
債務整理のメリットとデメリットについて教えてください。
ーー債務整理をするメリットは何がありますか?
債務の減額、破産であれば免責を得られることが一番のメリットだと思います。
債務が減ることで、それだけ生活に回せる資金などが増えれば、本人の生活再建、経済的更生が早まることを意味するためです。
ーーでは債務整理をするデメリットを教えてください。
手続きによっては、資格制限などが生じることは先程お話したとおりです。
このほかには、信用情報に登録されるため、新たな借り入れなどができなくなること等の制限が生じるでしょう。
債務整理や破産という言葉からマイナスのイメージを持つ方が多いですが、実際に手続きをご案内してみると、不安が解消されたのか安心してご依頼いただく方のほうが多いです。
債務整理や借金問題で悩んでいるならまずは相談から
個人の事情によって債務整理をするかしないかを選ぶとのことですが、自分ではなかなか決断できないという方もいるでしょう。
債務整理を検討している方にとって、相談先があるというのは安心できる要素になります。
ーー債務整理は弁護士と司法書士のどちらで相談するのが良いのでしょうか?
実際に会ってみて信頼できる人に手続きを任せていただくのが一番なので、どちらでなければいけないということはありません。
ただ、司法書士の場合は、個別の債務の額による制限があったり、裁判所申立の予納金額が弁護士より高くなってしまう場合があります。
手続きにおける対応の幅の広さという点では弁護士に依頼する方が心配はありません。
ーー債務整理をするための弁護士・司法書士事務所の選び方を教えてください。
債務整理はどの手続きを選ぶにせよ、依頼者から資産状況や支払い状況、債務を抱えるに至った経緯なども含め詳細に事情を伺う必要があります。
依頼者と弁護士、司法書士の付き合いが長く続くことから、実際に面談の上、信頼して手続きを任せられそうか。
話しやすさや問い合わせ対応のレスポンスのよさなどを見極めてもらうといいと思います。
安易に費用の高い、安いだけで決めてしまうことはおすすめできません。
現在は任意整理をする人は減少傾向に…
債務整理はリスクや注意点も多い中、債務を減らせるというメリットは借金を抱えている方にとって大きい存在なのですね。
実際に現在債務整理をする人についてお伺いします。
ーー実際に債務整理をする人はどのような人が多いですか?
事務所や弁護士会などでも相談をお受けしますが、任意整理は数が減っているように思います。
また、最近任意整理で交渉をすると業者との交渉がかなりタフになってきており、債務者に有利な条件での合意は難しい印象です。
ご相談に来られる方は様々ですが、奨学金問題などの影響もあってか、以前より若い人が増えてきたように思います。
債務整理の案件を受ける際は「手続きに対する不安を解消できるように」を心がけ
実際に債務整理に関する案件を受けることもあると思います。菅野さんが債務整理の案件を受ける際についてお伺いします。
ーー弁護士法人 永 総合法律事務所では「債務整理」の案件を受ける際に意識していることはありますか?
債務整理では、資料の迅速な収集、手続きの早期完了が重要であるため、そういった点を心掛けて案件にあたっています。
また、債務整理にはどうしてもマイナスのイメージが付きまとい、手続きを躊躇する方も多いところです。
ご自身の生活再建の第一歩として必要な手続きであることなどを説明の上、手続きに対する不安を解消できるように心がけているところです。
今回お話を伺った「弁護士法人 永 総合法律事務所」
- クライアントとの信頼関係を重視する事務所
- 一般民事事件、刑事事件に至るまで幅広い分野を取り扱い
- 債務整理に関する案件も対応可能
出典:公式サイト
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