60代に医療保険はおすすめ?必要性や選び方・見直し方を解説
しかし、実際には身体の衰えから健康に不安を感じる方も増えており、60代は約9割以上の方が医療保険に加入しています※。
本記事では60代の医療保険の必要性をはじめ、最適な選び方や注意点まで詳しく解説します。
この記事の要点
- 病気やケガのリスクが高まる60代にとって、医療保険の必要性は高いといえます。
- 特に子どもや配偶者など扶養家族がいる人や、将来の健康状態に不安のある人は早いうちに加入しておくべきです。
- 60代の保険選びで重要なのは、保障の充実度と保険料のバランス。自分に合った保険に加入するためには、専門家に相談してみることをおすすめします。
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目次
60代に医療保険はおすすめ?必要性を解説
何よりの理由は特に60代後半にもなると、病気・ケガによって医療費がかさむリスクが高まるからです。
知っておきたい医療保険の基本情報
そもそも医療保険とは
例えば公的医療保険制度ではまかないきれなくても、医療保険で対応できる医療費には次のようなものがあります。
公的医療保険ではなく医療保険でまかなえるもの
- 先進医療費(特約を付加した場合)
- 通院の交通費
- 入院中の食事代
- 入院中の差額ベッド代
- 入院中の日用品代や雑費
- 家族のお見舞いの交通費・宿泊費
具体的に、医療保険で受け取れる保険金は、主に入院給付金・手術給付金の2種類です。
入院給付金
入院給付金の計算式
- 入院日額×入院日数=入院給付金額
入院日額は、医療保険の加入時にあらかじめ決められており、5,000円や1万円、1万5,000円、2万円といったように5,000円単位で決めるのが一般的です。※保険会社によって設定できる入院日額の単位は様々です。パンフレット等でご確認ください。
そのとき受け取れる入院給付金は、2万円×15日=30万円となりますね。
これまでの入院給付金の中には、1日などのごく短期間の入院に対しては保障されないという保険商品もありました。
編集部
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手術給付金
※治療を直接の目的とする手術の他、骨髄移植、放射線治療等、保険会社が約款に定める所定の支払事由に該当する者に限ります。通常、先進医療は含まれません。
手術給付金の計算式
手術給付金倍率×入院日額=手術給付金額
手術給付金倍率は20倍や30倍などの10単位で決められるのが一般的です。
具体例として、入院日額が2万円で、手術給付金倍率が20倍として手術を受けたとしましょう。
そのとき受け取れる手術給付金は、2万円×20倍=40万円となります。
医療保険の種類と特約
基本的に、ここまで解説した保障を受けられる医療保険には、いろいろな種類があり、また多くの特約を付加できます。
それぞれをまとめると、次のようになります。
医療保険の種類と付加できる特約
- 定期医療保険:一定期間に限り保障される
- 終身医療保険:一生涯にわたり保障される
- 女性向け医療保険:女性特有の病気・ケガをしたときに、より手厚い保障が受けられる
- 先進医療特約:重粒子線治療などの先進医療にかかる技術料のうち、自己負担額と同額を保障してくれる
- がん特約:がんになったときに一時金を受け取れる
- 三大疾病(特定疾病)特約:「がん・心筋梗塞・脳卒中」などで所定の状態になったとき一時金を受け取れる
- 通院特約:入院後の通院費を保障してくれる
- 女性向け特約:乳がんや子宮頸がんなどの女性特有の病気になったときに、通常の給付に上乗して保障される
また医療保険と似た性質をもち、病気・ケガなどによる経済的ダメージを補填してくれる保険には、次のようなものがあります。
医療保険に類似した保険
- がん保険:保険会社所定のがんに罹患したときに、給付金により保障する
- 特定疾病(三大疾病)保険:がんや脳卒中、急性心筋梗塞で保険会社所定の状態になったときに、保険金を受け取れる
- 就業不能保険:病気・ケガが原因で保険会社所定の就業不能状態となり、収入が減少したときに保険金を受け取れる
- 傷害保険:ケガによる死亡・後遺障害・手術・入院・通院など保険会社所定の支払事由に該当したときに保険金が支払われる損害保険
- 介護保険:保険会社の定める一定の要介護等級に認定されたときに、保険金が支払われます
- 認知症保険:一定の認知症と診断されたときに、保険金を受け取れる
※ここにあげる保険はその概略のみを記載しています。各保険には支払事由や免責等の制限などが規定されており、上の事由に該当したとしても保険金が支払われない場合があります。必ず各保険会社の商品パンフレット等で詳細をご確認ください。
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60代が抱える医療費のリスク
60代では、病気・ケガのリスクが高まり、医療費がかさむ恐れがあります。
例えば、40〜60代の入院率を確認してみましょう。
40〜60代の入院率(人口10万対) | |||
年齢 | 総数 | 男性 | 女性 |
40〜44歳 | 277 | 278 | 267 |
45〜49歳 | 345 | 387 | 302 |
50〜54歳 | 478 | 551 | 404 |
55〜59歳 | 664 | 776 | 551 |
60〜64歳 | 895 | 1,064 | 730 |
64〜69歳 | 1,207 | 1,444 | 983 |
(参考:厚生労働省令和2年度(2020)「患者調査」)をもとに作成
上の表からわかるように、60代、特に60代後半では1%を超えます。
また60代は、がんなどの重い病気の罹患率も高くなります。
次の表は、現在0歳の子どもが年齢を重ねるごとに、がんにかかる確率がどれくらいになるのかをまとめたものです。
現在0歳の子どもの80年後までのがん罹患率(男性)
現在の年齢(0歳の場合) | がん罹患率 |
---|---|
10年後 | 0.1% |
20年後 | 0.3% |
30年後 | 0.5% |
40年後 | 1.1% |
50年後 | 2.6% |
60年後 | 7.7% |
70年後 | 20.9% |
80年後 | 41.5% |
現在0歳の子どもの80年後までのがん罹患率(女性)
現在の年齢(0歳の場合) | がん罹患率 |
---|---|
10年後 | 0.1% |
20年後 | 0.2% |
30年後 | 0.6% |
40年後 | 2.0% |
50年後 | 5.8% |
60年後 | 11.7% |
70年後 | 19.9% |
80年後 | 30.9% |
(出典:国立がん研究センター「最新がん統計 がんに罹患する確率~累積罹患リスク」)をもとに作成
上記の表を見てみると、男女ともに60歳以降からがん罹患率が徐々に上がっていることが分かります。
編集部
60代の医療保険の加入率
では、60代の医療保険への加入率を確認していきます。
世帯主年齢別の医療保険・医療特約への世帯加入率 | |
年齢 | 加入率 |
60〜64歳 | 91.3% |
65〜69歳 | 87.4% |
(出典:生命保険文化センター令和3年度「生命保険に関する全国実態調査」)をもとに作成
上図を見てわかるように、60代でもおよそ9割の人が医療保険に加入していることがわかります。
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60代で医療保険が必要な人・不要な人
具体的に60代で、医療保険が必要な人・不要な人を確認していきましょう。
60代で医療保険が必要な人
原則的に、医療費がかさむリスクの高い60代の人は、医療保険への加入をおすすめします。
ただそのなかでも特に、医療保険が必要な人の特徴をまとめると、次のようになります。
60代で医療保険が必要な人の特徴
- 子どもや配偶者など扶養家族がいる人
- 突然の医療費負担に不安のある人
- 将来の健康状態に不安のある人
子どもや配偶者など扶養家族がいる人
60代でも、まだ子どもや配偶者を養っている人もいるでしょう。
そのような人が、病気・ケガになって働けなくなったり、医療費がかさんだりすると、家計への影響が計り知れません。
そのため、特に扶養家族のいる人は、医療保険への加入をおすすめします。
突然の医療費負担に不安のある人
病気・ケガは、突然起こるものです。
そのため、十分な資産がなく、急な医療費の出費に不安のある人は、医療保険に加入することをおすすめします。
将来の健康状態に不安のある人
将来の健康状態に不安のある人も、医療保険への加入がおすすめです。
というのも、資金不足で受けたい医療が受けられない恐れがあるからです。
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60代で医療保険が不要な人
一方で、次のような人は60代でも慌てて医療保険に加入する必要性は低いです。
60代で医療保険が不要な人
- 医療費をまかなえるだけの十分な資産がある人
- 医療保険に新たに加入する場合に、高額な保険料がかかる人
医療費をまかなえるだけの十分な資産がある人
医療費をまかなえるだけの十分な資産がある人は、医療保険に加入する必要性は低いです。
60代では病気・ケガのリスクが高いため、医療保険料も高くなる傾向にあります。
医療保険に加入するよりも、その分の保険料を資産運用に回して資金を増やしたり、日常生活を楽しんだりするのに活用してください。
医療保険に新たに加入する場合に、高額な保険料がかかる人
繰り返しになりますが、60代の医療保険料は高額になりやすいです。
そのため、あまりにも保険料が高く、現在の家計状況とバランスが合わないなら、無理して加入する必要はありません。
編集部
60代の医療保険の選び方・見直し方
ここからは、60代の医療保険の選び方について詳しく解説していきます。現在加入している医療保険の見直しを考えている方も、ぜひ次のポイントを確認してみてください。
60代が医療保険を選ぶ際のポイント
- そもそも加入できるのか
- 保障が充実しているか
- 保険料が適切か
- 貯蓄型か掛け捨て型か
- 付加できる特約は十分か
60代の場合、年齢が影響して新たに医療保険に加入できなかったり、これまでよりも保険料がグッと高くなってしまう可能性があります。
そのため、まずは加入条件をしっかり確認し、そのあと『保障の充実度と保険料のバランス』を検討しましょう。
保障を充実させれば当然、保険料は高くなります。また貯蓄型にすれば、将来の資金を蓄えられますが、こちらも保険料が高くなります。
編集部
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60代が医療保険に加入・見直しをする際に注意すべき点
60代で医療保険に加入する際には、次のような点に注意が必要です。
60歳からの保険の注意点
- 新規加入すると保険料が高くなる可能性が高い
- 保険を解約しても満足のいく解約返戻金が返還されないことがある
- 健康状態によっては保険に加入できない恐れがある
これまでに入院歴があったり持病があったりする人は、そもそも医療保険に加入できない恐れがあります。
ただそのような人には、「引受基準緩和型医療保険」や「無選択型医療保険」など、加入条件が緩和された医療保険があるので、そちらも検討してみてください。
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対応地域 | 全国どこでも可能(離島除く) |
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5.保険無料相談ドットコム
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---|---|
主要商品 | 学資保険/生命保険/医療保険/がん保険/個人年金保険/介護保険/自動車保険/火災保険/海外旅行保険/ペット保険/自転車保険/損害保険 |
対応地域 | 一部対応できない地域あり |
オンライン保険相談 | 対応可能 |
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無料保険相談所の選び方
無料の保険相談窓口はショッピングモールやテレビCMで見たことがあれど、実際に利用をしたことがないと、何を基準に窓口を選べば良いのか迷ってしまいますよね。
数ある中からあなたに合った保険相談所を見つけるには、以下の項目をチェックするとよいでしょう。
- 1.相談場所は、自宅(オンラインor電話)か、店舗か、指定した場所か
- 2.相談担当者が専門知識を有しているか
- 3.取り扱っている保険会社数の多さ
1.保険相談をする場所はどこが良いか
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、現在では各社がオンラインでの相談を実施しています。リモート業務の前後や休憩時間はもちろんのこと、お休みの時間などさくっと相談できるので大変好評なサービスです。
わざわざ外出するのは控えたいときも、気軽に自宅で相談ができます。
カメラを使用する相談も、電話のみでの相談も実施している会社もあります。まずは利用してみるのもよいかもしれません。
その他にも、よく利用するショッピングモールや駅の近隣にある店舗での相談ができる「店舗型」や、職場や自宅近くのカフェやファミレスで相談ができる「訪問型」もあります。
2.相談担当者が専門知識を有しているか
無料の保険相談窓口は多くありますが、相談に乗ってくれる担当者はどこも同じではないかと思われがちですが、実は、担当者は相談窓口によって異なることはもちろんのこと、店舗によっても異なります。
保険の相談に乗ってくれる担当者全員がFPをはじめとする資格を持っているとは限りません。FPとは、以下のような幅広い知識を持ち合わせている者を指します。
- 保険
- 教育資金
- 年金制度
- 家計にかかわる金融
- 不動産
- 住宅ローン
- 税制など
生命保険への新規加入や見直しも、家計や家族のお金に直結する項目であることから、専門知識を有している担当者のほうが、有益な提案やアドバイスができる可能性が高くなります。
3.取り扱っている保険会社数の多さ
無料の保険相談所のメリットの1つとして、複数の保険会社の商品を比較・検討できるという点が挙げられます。比較できる対象が多いほうが、ご自身や家族により最適な商品が見つかりやすいということに繋がります。
それでもどこにするか迷ったら
どの相談所も、もしも相談に乗ってくれる相談員を代えたい場合は無料で変更することが可能で、違う相談員に再度無料で相談をすることができます。
しかし、できることならば初めから質の良い相談員に担当してもらえると嬉しいですよね。
どの相談所も、担当者はこちらから選ぶことはできないため、まずは相談員が必ずFP資格を所持していると明記している「ほけんのぜんぶ」で相談をすることをおすすめします。
【番外編】医療費・保険料の還付金詐欺にご注意ください
最近、全国で60代をターゲットに「保険料の還付金があるので、ATMで受け取り手続きをしてほしい」といった電話がかかってきて、お金を騙しとる詐欺が増えています。
電話をかけながら、ATMを操作させてお金を戻すことを勧める企業や役所は絶対にありません。
このような電話があったら、相手の説明を疑い、すぐに家族や警察等にご相談ください。
60代の医療保険に関するよくある質問
60代こそ医療保険の必要性は高いと言えます。60代は加齢に伴い健康リスクが増加し、医療費の支出が増える可能性があるからです。また、60代になると公的医療制度だけではまかなえない部分も増えるため、民間の医療保険が重要になります。
60代からでも比較的安い保険料で加入できる医療保険は存在します。ただし、保険料は加入者の年齢や健康状態、保険内容によって異なります。健康状態が良好で、保険金額を抑えたり特約を絞ったりすれば、費用を抑えられるでしょう。
一般的に保険契約が60代の誕生日を迎えたときに終了する時点を指します。この時点で保険契約が満了となり、保険金の受け取りが終了します。保険料の支払いも終了するため、保険契約の内容に応じて、これ以降の医療費や入院費用のカバーは保険からは受けられなくなります。60代満期後は、必要に応じて新たな医療保険を検討することが重要です。
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(2022年度)によると、60代の年間払込保険料は男性が21.2万円(月17,600円)、女性が15.9万円(月13,250円)です。子どもが独立し退職後の人が多いこともあり、全体的に保険での保障を低めに設定している人が多いのでしょう。
まとめ
今回は60代の医療保険の必要性をはじめ、最適な選び方や注意点、今人気の医療保険ランキングなどをまとめてご紹介しました。
60代はあらゆる病気にかかるリスクが、男性・女性ともに一気に高まります。病気やケガで医療費がかさむリスクが高く、それには医療保険で備えるのが有効です。
特に、扶養家族がいる方や、十分な貯蓄を用意できていない方、将来の健康状態に不安がある方は早めに加入しておくことをおすすめします。
ただし、60代から新規で医療保険に加入する際は注意も必要です。保険料が高くなったり、健康状態によっては加入を断られてしまったりする可能性があるため慎重に行いましょう。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。 その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。
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