国から支給される老齢年金は、老後生活を支える貴重な収入です。年金の受給額は、加入している年金の種類や保険料納付月数によって異なります。
老後に備えて、自分は年金をいくらもらえるのか把握しておくことは重要です。しかし、「具体的に月にいくらもらえるのだろう」「収入によって年金額はどれくらい差があるのだろう」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、年金の平均受給額を年代・世帯・収入別に解説。併せて、受給額の計算方法や調べ方についてもまとめてご紹介します。
この記事の要点
- 老齢年金は国民年金と厚生年金があり、自営業者など厚生年金に加入したことのない人は、国民年金しかもらえません。会社員(サラリーマン)は国民年金に加え、厚生年金をもらえます。
- 老後に夫婦でもらう年金額は、2人が厚生年金に加入していたか国民年金に加入していたかで大きく異なるため、「ねんきんネット」などを活用し年金見込額を確認し、老後資金計画を立てましょう。
- 老後の家計収支で大幅な赤字が見込まれる場合、個人年金保険で老後資金を多めに積み立てたり、65歳以降も仕事を続けたりするなど対策が必要です。
- 老後資金の不安がある方や家計の見直しを考えている方は、無料保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」でプロに相談してみましょう。
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目次
年金をいくらもらえるか知る前に受給資格を再確認
将来受け取れる年金の金額や種類は、職業によって異なります。
日本の年金は3つの階層から成り立っていますが、全ての人が3階分の年金を受け取れるわけではありません。年金の受給額を確認する前に、日本の年金制度についておさらいしましょう。
以下に、日本で一般的な年金と、その受給資格についてまとめましたので確認してみてください。
受給資格 | 受給開始時期 | |
国民年金※1 | 受給資格期間が10年以上ある場合 (平成29年8月1日に25年から短縮) | 原則65歳から (繰上げ受給や繰下げ受給も可能) |
厚生年金※2 | 国民年金を受け取れる方に厚生年金の加入期間がある場合 | 原則65歳から (繰上げ受給や繰下げ受給も可能) |
※1:日本年金機構「老齢基礎年金の受給条件・受給開始時期・年金額」より
※2:日本年金機構「老齢厚生年金の受給条件・受給開始時期・年金額」より
年金の受給資格は「国民年金」と「厚生年金」で異なるため、必ず確認しておきましょう。国民年金は受給資格期間が10年以上ある場合のみ受け取れます。
一方厚生年金は国民年金の受給資格がある方で、厚生年金に加入していた期間がある場合に受け取れます。
編集部
【番外編】年金がもらえない人はいる?
年金がもらえない人を一言でいうと、「年金を払っていない人」になります。しかし厳密にはそれぞれの年金で条件があるため、知らないと「払ったのにもらえない」なんてことになりかねません。
種類別の条件は以下の表を確認してみてください。
【種類別】年金がもらえない人の条件
年金の種類 | 条件 |
国民年金 |
保険料納付済み期間と合算対象期間の合計が10年に満たない人 |
厚生年金 |
厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上ない人(または国民年金を受け取る資格がない人) |
参照:日本年金機構「老齢厚生年金の受給条件・受給開始期・年金額」より
基本的に国民年金の受給資格を満たしていない方は、厚生年金も受け取れません。また、自営業者やフリーランスなど厚生年金に加入していない人も受け取れないでしょう。
これらのことから、国民年金の保険料納付期間が10年に満たない人が受給できないといえます。国民年金の未納は他の年金受給資格にも関わるため、追納などの対応をとりながら支払いましょう。
年金の平均支給額と種類は働き方によって異なる
最初に、老齢年金はいくらもらえるかを見ていきましょう。実際に年金をもらっている人の支給額を使って説明します。
老齢年金には2種類ある
老齢年金の種類は次の2つです。
2種類の老齢年金
- 国民年金:全国民共通の年金
- 厚生年金:厚生年金加入者に支給される年金
国民年金は自営業者にも会社員にも支給されますが、厚生年金は会社員(厚生年金の加入者)だけに支給される年金です。 また、公務員の老齢共済年金は老齢厚生年金に統合されました。支給開始年齢は国民年金も厚生年金も原則65歳以上です。
ただし、一定年齢以上の人については65歳よりも前に特別支給の老齢厚生年金が支給されます。 特別支給の老齢厚生年金が支給されるのは次の人です。
特別支給の老齢厚生年金がもらえる人
- 男性:昭和36年4月1日以前に生まれた人
- 女性:昭和41年4月1日以前に生まれた人
会社員の老齢年金は平均で月額14万4,982円
厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員など厚生年金に加入している人の支給額は平均で月額14万4,982円です。
この金額には、以下で紹介する国民年金も含まれています。
※保険料を25年以上納付した人を対象とした平均額 参考:厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 P8
自営業者の国民年金は平均で月額5万6,428円
国民年金の支給額は平均で月額5万6,428円です。
厚生年金に加入したことのない自営業者は、国民年金しかもらえません。会社員などの厚生年金加入者と比較すると、もらえるのは半分以下となります。
老齢年金の平均支給額(月額)の推移
年度によって増減はありますが、最近の5年間の平均支給額(月額)推移を見ると、厚生年金と国民年金の支給額はやや減少傾向です。
表は横にスライドできます
厚生年金の支給額 | 国民年金の支給額 | |
平成29年度 | 14万7,051円 | 5万5,615円 |
平成30年度 | 14万5,865円 | 5万5,809円 |
令和元年度 | 14万6,162円 | 5万6,049円 |
令和2年度 | 14万6,145円 | 5万6,358円 |
令和3年度 | 14万5,665円 | 5万6,479円 |
令和4年度 | 14万4,982円 | 5万6,428円 |
国民年金の増額は、昭和61年3月まで任意加入であった専業主婦が、昭和61年4月以降に第3号被保険者として国民年金に加入できるようになったことが一因です。 老齢厚生年金額が減少したのは、給付乗率の引き下げが原因です。
編集部
老齢厚生年金の給付乗率の引き下げ
給付乗率とは、老齢厚生年金の支給額の計算に用いる係数のことです。給付乗率と年金の支給額は比例するので、給付乗率が10%ダウンすると支給額も10%ダウンします。 給付乗率の引き下げは、次の2つの方法で実施されました。
ポイント
- 昭和2年4月2日以後に生まれた人の給付乗率の引き下げ
- 平成15年4月1日、全ての人に対する給付乗率の5%引き下げ
昭和2年4月2日以後に生まれた人から昭和21年4月2日以後に生まれた人まで、給付乗率は1年ごとに引き下げられました。昭和21年4月2日以後に生まれた人の給付乗率は、昭和2年4月1日以前に生まれた人の75%です。
また、平成15年4月1日の総報酬制(※)導入と同時に、給付乗率が5%引き下げられました。すでに年金を受け取っていた人を含めて支給水準は5%下がりました。 (※)厚生年金保険料を月給だけでなく賞与からも徴収し、かつ支給額にも反映させる制度
\年金だけでは足りないかも…!/
国民年金と厚生年金の計算方法
次に、老齢年金の支給額の計算方法について見てみましょう。国民年金と厚生年金とでは計算方法が異なります。
国民年金の計算方法
国民年金の計算方法は次の通りです。
国民年金の計算方法
480か月(40年間)保険料を払った人の支給額は78万900円で、この金額を国民年金の満額(毎年改定)といいます。
計算基礎となる保険料納付月は、20歳から60歳までの国民年金被保険者期間が対象です。 厚生年金保険料を支払っていた会社員も、国民年金の被保険者です。
ポイント
- 第1号被保険者:自営業者など
- 第2号被保険者:会社員や公務員など
- 第3号被保険者:第2号被保険者の被扶養配偶者(専業主婦など)
20歳から60歳まで40年間年金制度に加入し、35年分(420か月)の保険料を納付した人の国民年金の支給額は次の通りです。
保険料免除期間の計算方法
申請などによって保険料の払込が免除された期間については、納付月数を次の通りカウントします。
ポイント
- 全額免除月:1/2か月
- 1/4免除月:5/8か月
- 半額免除月:6/8か月
- 3/4免除月:7/8か月
「学生納付特例」や「納付猶予制度」を利用して保険料を納付しなかった月については、納付月数は0ヶ月になります。
\年金だけでは足りないかも…!/
厚生年金の計算方法
厚生年金(65歳未満の特別支給の老齢厚生年金を除く)の支給額は次の通りです。
厚生年金の計算方法
支給額=報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額
支給額の中心は「報酬比例年金額」です。「経過的加算」と「加給年金額」については、加算される人と加算されない人がいます。
報酬比例年金額の計算方法
報酬比例年金額は、厚生年金の加入月数と加入中の標準報酬月額などによって決まります。 また、支給額の計算方法は厚生年金に加入していた時期によって異なります。
ポイント
- 平成15年3月以前:平均標準報酬月額(※1)✕7.5/1,000✕平成15年3月以前の加入月数
- 平成15年4月以後:平均標準報酬額(※2)✕5.769/1,000✕平成15年4月以後の加入月数
※1:平成15年3月までの標準報酬月額の総額を加入月数で除して得た額 ※2:平成15年4月以後の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入月数で除して得た額
平成15年3月以前については、毎月の「標準報酬月額」を基に厚生年金保険料や老齢年金の支給額が計算されます。
しかし、総報酬制導入により平成15年4月以後は、毎月の「標準報酬月額」に加え「標準賞与額」も加味した計算が必要です。
参考:日本年金機構「老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
経過的加算の計算方法
日本年金機構「老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」では、経過的加算について次の通り解説しています。
「特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額から厚生年金保険の被保険者期間のうち昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の期間の老齢基礎年金相当額を算出し定額部分から差し引いたもの」
解説すると長くなるのと、20歳前や60歳以降に厚生年金保険に加入していなければ支給額は少額なので解説は省略します。
20歳前や60歳以降に厚生年金保険に加入していた人の経過的加算額は、20歳前や60歳以降の加入月数に1,628円を乗じて概算できます。
加給年金額の計算方法
加給年金は、厚生年金保険に20年以上加入した人が、65歳のとき扶養する配偶者や子がいるときに加算されます。加算額は次の通りです。
加給年金額の計算方法
- 配偶者:39万500円(令和3年度、昭和18年4月2日以後生まれの人)
- 子ども:1人22万4,700円(令和3年度、3人目以降は1人7万4,900円)
すでに年金を受給している厚生年金の加入期間が20年以上の配偶者は、加給年金の対象外です。また、配偶者に対する加給年金は、配偶者が65歳になり国民年金を受給するようになると支給停止されます。
子どもに対する加給年金は、高校卒業前までの子ども(または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子ども)が対象です。
厚生年金の支給額の計算方法を解説しましたが、国民年金とは異なり全て自分で計算するのは困難です。
編集部
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年金支給額の平均はいくら?【年代・年収別】
【年代別】年金支給額の平均
老齢年金の支給額は年代別で異なります。前述の「老齢年金の支給額の推移」で解説した通り、次の傾向があります。
ポイント
- 国民年金の平均支給額は若い人ほど多い。
- 厚生年金の平均支給額は年齢の高い人ほど多い。
令和3年度時点、65〜80歳の年代別支給額の平均(月額)は次の通りです。
表は横にスライドできます
厚生年金(※1) | 国民年金(※2) | |
65歳 | 14万3,504円 | 5万8,070円 |
66歳 | 14万6,891円 | 5万8,012円 |
67歳 | 14万5,757円 | 5万7,924円 |
68歳 | 14万3,898円 | 5万7,722円 |
69歳 | 14万1,881円 | 5万7,515円 |
70歳 | 14万1,350円 | 5万7,320円 |
71歳 | 14万212円 | 5万7,294円 |
72歳 | 14万2,013円 | 5万7,092円 |
73歳 | 14万5,203円 | 5万6,945円 |
74歳 | 14万4,865円 | 5万6,852円 |
75歳 | 14万4,523円 | 5万6,659円 |
76歳 | 14万4,407円 | 5万6,453円 |
77歳 | 14万6,518円 | 5万6,017円 |
78歳 | 14万7,166円 | 5万5,981円 |
79歳 | 14万8,877円 | 5万5,652円 |
80歳 | 15万1,109円 | 5万5,413円 |
※1:支給額は老齢基礎年金額を含む ※2:対象は会社員など老齢厚生年金加入者を含む
参考:厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況・P25」
【年収別】年金支給額の平均
年収別の老齢年金の支給額については、統計資料がありませんので、年収を数パターン設定してシミュレーションします。試算の対象は厚生年金に加入する会社員などです。
自営業者はいくら年収が高くても、受給できるのは国民年金(満額でも月額6.6万円弱)のみです。年収別に厚生年金の支給額を試算します。試算の前提条件は次の通りです。
ポイント
- 平成15年4月以後、厚生年金に40年間(480か月)加入
- 賞与なしで標準報酬月額は年収/12か月とする
- 40年間、年収が変わらないものとする
厚生年金の支給額は、「平均標準報酬月額✕5.769/1,000✕加入月数(480か月)」で計算できます。
年収 | 標準報酬月額 | 厚生年金の支給額 |
240万円 | 20万円 | 約55万円(約4.6万円) |
360万円 | 30万円 | 約83万円(約6.9万円) |
480万円 | 40万円 | 約111万円(約9.2万円) |
600万円 | 50万円 | 約138万円(約11.5万円) |
720万円 | 60万円 | 約166万円(約13.8万円) |
※()内は支給額の月額
年収500万円前後で40年間加入すると厚生年金の支給額の平均(月額)が10万円になります。
編集部
夫婦2人の年金支給額はいくらになる?
老後生活を夫婦2人で過ごすと仮定すると、2人の老齢年金の合計金額が気になるところです。夫婦で支給額はいくらになるかについて見ていきましょう。
夫婦の支給額は加入する年金制度で大きく異なる
年金の支給額は1人1人異なるため、単純にいくらとは言えません。特に、厚生年金に一定期間加入していたかどうかが支給額に大きく影響します。 前述しましたが、老齢年金の平均支給額は次の通りです。
老齢年金の平均支給額
- 厚生年金の支給額:月額14万4,982円
- 国民年金の支給額:月額5万6,428円
この平均額を使用すると、年金制度の加入状況別に夫婦の支給額は次の通りです。
夫の老齢年金 | 妻の老齢年金 | 夫婦の合計支給額 |
厚生年金: 14万4,982円 | 厚生年金: 14万4,982円 | 28万9,964円 |
厚生年金: 14万6,162円 | 基礎年金: 5万6,428円 | 20万2,590円 |
基礎年金: 5万6,428円 | 基礎年金: 5万6,428円 | 11万2,856円 |
夫婦とも厚生年金の平均額をもらっていれば、年金収入は月30万円近くになるので老後の生活はなんとかなるかもしれません。 しかし、夫婦とも厚生年金未加入で国民年金の平均額なら、年金だけでは家計の大幅な赤字が予想されますね。
夫婦の支給額合計は平均22万円
総務省の「家計調査報告」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の社会保障給付費は約22万円です。さまざまな社会保障給付が考えられますが、ほとんどが老齢年金とみていいでしょう。 令和5年の家計収支は次の通りです。
引用:総務省「家計調査報告2023年(令和5年)平均結果の概要・P18」
老後の家計収支を見ると、令和5年は3万7,916円の赤字です。
老後2,000万円問題の根拠は?
- 老後2,000万円問題が話題となったのは、「2017年家計調査」では家計収支が月5万4,519円の赤字だったからです。
- 毎月の赤字が30年間続くと仮定すると赤字額の合計は1,962万円となるため、老後資金として2,000万円が必要だというものです。
令和2年の家計収支に黒字転換したので安心かというと、そうではありません。令和2年は新型コロナウイルス感染症による影響で消費支出が減少する一方、特別定額給付金による収入が増えたことが黒字転換の要因です。
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実際に必要な老後資金はいくらか知っておこう
「年金がいくらもらえるかはなんとなくわかったけれど、実際生活するにはいくらかかるのだろう」と悩んでいる方もいらっしゃいますよね。
具体的な金額は各家庭によって異なりますが、統計データを確認しながら大体の目安をつけておくことが大切です。
以下に65歳以上の1人世帯・2人世帯の資金について、生活費ベースで算出しましたので確認してみてください。
費目 | 1人世帯 | 2人世帯 |
食料 | 40,103円 | 72,930円 |
住居 | 12,564円 | 16,827円 |
光熱・水道 | 14,436円 | 22,422円 |
家具・家事用品 | 5,923円 | 10,477円 |
被服及び履物 | 3,241円 | 5,159円 |
保健医療 | 7,981円 | 16,879円 |
交通・通信 | 15,086円 | 30,729円 |
教育 | 0円 | 5円 |
教養娯楽 | 15,277円 | 24,690円 |
その他支出 | 30,821円 | 50,839円 |
合計 | 145,430円 | 250,959円 |
※参照:総務省統計局「家計調査 家計支出編(年次間)2023年」より
総務省の調査によると、65歳以上の1人世帯の月間支出額合計は14万5,430円、2人世帯は25万959円という結果が出ました。世帯ごとの変化は食費や税金などの非消費支出が大半であることがわかります。
年間の金額に変えると、1人世帯がおよそ175万円で2人世帯がおよそ300万円です。
今からできる!老後資金の準備方法6選
年金額を実際に算出できた方の中には「年金額が少ない」と感じた方もいらっしゃいますよね。金額を見て物足りなさを感じた方は老後の不安が一気に押し寄せているのではないでしょうか。
そこで以下では貰える年金が少ないな、不安だなと感じた時の対処法を紹介していきます。これから学び、実践していけば老後に備えられるので実践してみてください。
老後資金に不安と感じた時の対処法
❶民間の個人年金保険で備える
「投資はリスクが高く心配」「預金は金利が低くて物足りない」と考えている方は保険で備えることをおすすめします。なぜなら投資より低リスクで、預金より高利率の成果を期待できるからです。
老後の資産形成に備えられる保険
- 終身保険
- 養老保険
- 個人年金保険
具体的に老後の資産形成に活用できるのは上記3つの保険になります。終身保険や養老保険は死亡保障が付いているため、「万が一に備えながら解約返戻金や満期保険金で老後に備えたい」という方は利用してみましょう。
また、個人年金保険は公的年金制度で不足している年金受給額を補填する任意加入の保険です。掛け金や受給希望額はご自身で選択できるため、不足している金額分追加で加入されることをおすすめします。
編集部
\老後資金の不安は専門家に相談!/
❷NISAやiDeCoなどで事前に備える
NISAとiDeCoは、金融庁が老後の資産形成のツールとしておすすめしているものです。NISAは「つみたてNISA」と「NISA」に分類され、それぞれ非課税になる金額が異なります。
またiDeCoは3階建の年金制度の3階にあたるものを指し、退職後の年金をご自身で用意できる制度です。それぞれ投資のため、元本割れのリスクがありますが、金融庁が認定している銘柄を集めています。
もちろん投資のため、全くリスクがないわけではありません。しかし、資産運用の中では比較的低リスクで始められるため、長期投資を前提に銘柄を選定してみましょう。
❸銀行預金を活用する
「流動性の高いところで準備したい」「投資や保険は手数料がもったいない」と考えている方は銀行預金を活用しましょう。預けたお金はいつでも引き出せるため、急遽お金が必要になった時でも対応できます。
しかし、銀行預金は流動性が高い分、個人によっては必要な金額が貯まらない可能性も考えられます。そのようなときは普段利用する口座とは別の口座を開設するなどの対策が必要になるでしょう。
❹会社員や公務員は財形貯蓄を活用する
会社員や公務員で財形貯蓄制度が整っている会社に属している方は、本制度を利用してみましょう。給与から天引きで貯蓄に回されるため、管理に手間がかかりません。
財形貯蓄は早期解約による元本割れのリスクもありますが、退職時や長期間保有してから計画的に解約すれば元本以上の返戻金を受け取れます。有効な貯蓄手段になるため、検討してみましょう。
❺個人事業主は小規模企業共済を活用する
小規模企業共済とは中小企業の役員や個人事業主が加入する年金制度のことを指します。退職や倒産時の補填に加入される方が多い制度です。
個人事業主や中小企業の役員は会社員と比較して加入している年金制度が少ないです。そのため、小規模共済などに加入して自助努力で年金問題を解決していかなければなりません。
編集部
❻定年後も働く
定年を迎えた時に健康な方は、定年後も働くという選択肢があります。定年後も再雇用などで働き続けて厚生年金の保険料を支払うことで、将来の年金受給額を増やすことができるのです。
職種や働き方によっては定年前より収入は減少する可能性はありますが、リタイア後の年金額が増えることで老後資金の不安を解消できるでしょう。
会社によっては定年年齢を引き上げている会社もあるため、現在勤めている会社の定年が何歳か、引き上げの可能性があるかなど調査してください。
\老後資金の不安は専門家に相談!/
老後に備えられる3つの保険とは
年金の計算ができると、問題点が浮き彫りになります。中には「年金だけでは不安」と感じている方もいらっしゃるでしょう。 そこで以下では年金対策になる生命保険を3種紹介します。
年金だけでは不安に感じている方は、参考にしてみてください。
個人年金保険
表は横にスライドできます
個人年金保険の主な種類と概要 | |
個人年金保険の種類 | 概要 |
確定年金 | 被保険者の生死にかかわらず、契約前に定めた期間年金を受け取れる保険です。受給期間内に被保険者が死亡してしまった場合、遺族が年金または一時金を受け取れます。 |
終身年金 | 被保険者が生存している限り年金を受け取り続けられる保険です。被保険者が死亡すると年金は消滅します。 |
有期年金 | 被保険者が生存している限り、定めた契約期間内は年金を受け取り続けられる保険です。契約期間内に死亡してしまった場合、年金は消滅してしまいます。 |
個人年金保険は、公的年金の不足分を補うために作られた保険です。年金対策ができる保険として最も有名な保険といえるでしょう。 同保険は細かな保障を除いて、大きく3つに分かれます。
基本的にはこの3種の中から自分に合った保障を選ぶため、相談前に概要を確認しておくとよいでしょう。
編集部
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終身保険
終身保険は、被保険者が死亡または高度障害状態になったときにお金が受け取れる保険です。死亡保険に分類される保険ですが、年金対策としても活用できます。
ただし、元本以上の解約返戻金を受け取りたい場合は、長期間の契約が前提になります。短期間で解約してしまうと元本割れしてしまうため、注意が必要です。
変額保険
変額保険とは、運用実績に応じて保険金や解約返戻金が増減する保険のことです。死亡時には死亡保険金と運用による変動保険金が受け取れ、解約時には解約返戻金が受け取れます。
同保険は「有期型」と「終身型」に分類され、ニーズに合わせて保険期間を選べることも特徴的です。有期型を選択した場合は、契約満了時に満期保険金(基本保険金額+運用による成果)が受け取れます。
編集部
老後資金の不安解消!無料保険相談窓口で専門家に相談しよう
「老後資金の準備に不安がある」「これから年金と貯金だけで生活していけるだろうか」と不安や疑問を抱えている方は、無料相談窓口で専門家に相談してみることをおすすめします。
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編集部
出典:ほけんのぜんぶ
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- 現在の保険加入状況を知りたい場合でも利用できる
保険マンモスのファイナンシャルプランナーは、厳しい採用基準をクリアした全国4,500人以上と提携しており、質の高さを強みとしています。
そのため、数多くの保険会社の商品の中から、自分のニーズに合わせてベストなプランを提案してもらえるでしょう。
仮に担当者を変更したい場合は、イエローカード制で専用フォームから手続きできるため心配する必要はありません。また、保険マンモスは新規で保険に加入しなくとも、現状把握のために相談することが可能です。
そして、日本マーケティング機構調べでは「自分にあった保険が見つかる保険相談」「優秀なFPに相談できる保険相談」「知人に紹介した保険相談」の三冠を達成しています。
編集部
出典:保険マンモス
保険市場
- 利用者がコンサルタントを指名できる
- 相談前に簡易的な保険料シミュレーションができる
- アバター経由で気軽に保険の相談ができる
保険市場では利用者がアプリやサイトから、自分のニーズにマッチしたコンサルタントを指名できます。各コンサルタントの口コミや年間相談件数などを閲覧しながら指名できるため、納得して選べるでしょう。
また、保険市場はコンサルタントとの相談前に利用できるサービスも豊富です。例えば、保険料シミュレーションは年齢と性別を入力するだけで各保険料の概算の見積りを閲覧できます。
さらに、スマホやパソコンで資料を見ながら説明してくれるため、保険の悩みや疑問を解消しやすいでしょう。事前登録は不要なため、保険について相談したいときにすぐに活用できることも嬉しいポイントです。
出典:保険市場
保険無料相談ドットコム
- 面談場所を選べる上にオンライン面談も可能
- 保険のセカンドオピニオンのような役割でも使いやすい
- 顧客満足度95.2%※というデータがあり信頼性が高い
保険無料相談ドットコムは、安心して利用できるポイントが豊富なサービスです。例えば、面談場所は利用者の都合を優先してもらえるため、自宅・職場・近くのカフェなど行きやすい所を選べます。
また、保険無料相談ドットコムは無理な勧誘が無いため、保険のセカンドオピニオンのような役割としても利用しやすいでしょう。そのため、他サービスでの提案がベストか迷った際の相談もおすすめです。
編集部
出典:保険無料相談ドットコム
※2024年6月時点
年金額に関するよくある質問
まとめ:年金額を理解し、老後に備えよう
今回は、「具体的に老齢年金はいくらもらえるのだろうか」と疑問をもつ方に向けて、年代・世帯・年収別の老齢年金の平均支給額と計算方法をご紹介しました。
老齢年金は国民年金と厚生年金があります。自営業者など厚生年金に加入したことのない人は、国民年金しかもらえません。 会社員など厚生年金に関しては国民年金に加え、厚生年金をもらえます。
保険料を25年以上納付した人の老齢年金の平均額は次の通りです。
ポイント
- 厚生年金の支給額:月額14万6,162円(老齢基礎年金額を含む)
- 国民年金の支給額:月額5万6,049円(対象は会社員など厚生年金加入者を含む)
老後に夫婦でもらう年金額は、2人が厚生年金に加入していたか国民年金に加入していたかで大きく異なります。
編集部
老後の家計収支で大幅な赤字が見込まれる場合、老後資金を多めに積み立てたり65歳以降も仕事を続けたりするなど対策が必要です。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。 ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。 また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
生命保険の業界歴10年。年間500世帯の相談実績。 社会保険・税金の効率化、家計・固定費の見直し、保険の新規加入・見直し、住宅購入・住宅ローン、資産形成・老後の年金対策・少額投資(iDeCo・NISAなど)、不動産投資と幅広い分野に精通。