貯蓄型医療保険がおすすめな人は?掛け捨て型との違いやメリットを解説

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貯蓄型医療保険とは、「保障」と「貯蓄」の両方を兼ね備えた医療保険です。

医療保険の基本的な役割は、怪我や病気の際に保障を得ることができますが、貯蓄型医療保険ではそれに加えて将来のためにお金を貯めていくことができます

具体的には、保険料の一部が医療保障に使われ、残りの一部が貯蓄として積み立てられます。

積み立てたお金は、満期を迎えると「満期保険金」や「解約返戻金」として受け取ることができ、途中で解約した場合にも一定の返戻金が支払われることが多いです。

こういった特徴から、貯蓄型医療保険は「保険料を掛け捨てにしたくない」「保障を得ながら、将来に向けて資産を積み立てていきたい」と考える人に選ばれる傾向があります。

本記事では、掛け捨てじゃない貯蓄型保険をおすすめする人や、メリット・デメリットについても紹介します。

監修者の紹介

田村明日香

銀行出身のFP(ファイナンシャルプランナー)。現在は、ほけんのぜんぶに所属。 20~80代の方まで幅広い相談に対応。お金の事だけでなく、自身の子育て経験を踏まえた提案に定評。

田村明日香

医療保険の貯蓄型と掛け捨て型の違い

医療保険の貯蓄型と掛け捨て型では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

下表で詳しくまとめましたが、満期保険金や解約返戻金の有無、保険料などにおいて両者は真逆の特徴を持っているといえます。

掛け捨て型保険との違い

両者の保険料を比較すると、貯蓄型のほうが割高で掛け捨て型のほうが割安という特徴があります。

しかしその分、貯蓄型医療保険では満期保険金や解約返戻金を受け取ることができますが、掛け捨て型では一般的に受け取ることができません。

また、両者の加入目的にも大きな違いがあり、貯蓄型の方は保障と貯蓄にダブルで備えるという目的で加入する人が多く、一方で掛け捨て型は安い保険料で大きな保障を得たいという人に選ばれています。

どちらが優れているというわけではなく、ライフスタイルや目的に応じて選ぶことが大切といえます。

貯蓄型医療保険のメリット

貯蓄型医療保険には、主に以下のようなメリットがあります。

貯蓄型医療保険のメリット

  • 保障に加えて解約返戻金や満期返戻金を受け取れる
  • 将来のライフイベント費用の準備ができる
  • 貯蓄が苦手な人でも自動的に貯められる
  • 契約者貸付制度が利用できる

保障に加えて解約返戻金や満期返戻金を受け取れる

貯蓄型医療保険に加入すると保障だけでなく解約返戻金や満期保険金でもお金を受け取れます。そのため、払い損になる心配がありません。

ただし、解約返戻金を受け取るときは元本割れに注意しましょう。元本割れとは払い込んだ保険料より返ってくる金額が少ないことを指します。

元本割れしてしまうと、これまで保険料を支払ってきた契約者にとって損になってしまいます。解約返戻金のメリットを享受したい場合は、返戻率が100%を超えたタイミングで解約しなければなりません。

将来のライフイベント費用の準備ができる

貯蓄型医療保険では、将来のライフイベントに必要なまとまった費用を準備することができます

通常預金での貯金・貯蓄をしている方も多いと思いますが、貯金とは異なり保障も付いているので、貯蓄と保障の両方に備えたい人におすすめです。

貯蓄が苦手な人でも自動的に貯められる

貯蓄の大切さはわかっていても「貯金が苦手」という人もいますが、貯蓄型医療保険に加入し保険料の引き落としを口座振替にすることで、強制的に貯蓄をすることができます

また、お金が急に必要になったとき、預金の場合は銀行の窓口で簡単に引き出せてしまいますが、保険は解約手続き後お金を手にするまで数日かかることが多くなっています。

中途解約をストップさせる効果があり、貯蓄を続けやすくなります。

契約者貸付制度が利用できる

貯蓄型医療保険に加入すると、契約者貸付制度を利用できます。契約者貸付制度とは、契約者の解約返戻金の範囲内で生命保険会社からお金を借りられる制度のことです。

貯蓄型医療保険は基本的に解約返戻金があるため、契約者貸付制度を利用できます。教育資金や住宅・自動車のローン返済などで一時的にまとまった資金が必要な時は利用してみると良いでしょう。

ただし、契約者貸付制度は解約返戻金を担保に貸付を行なっているため、返済しなければ解約返戻金や保険金の金額は減少してしまいます。返済できる範囲内で利用するようにしましょう。

出典:配当金の引出し・契約者貸付|公益財団法人 生命保険文化センター

貯蓄型医療保険のデメリット

貯蓄型医療保険にはさまざまなメリットがあることがわかりましたが、次のような気をつけたいデメリットもあります。

貯蓄型医療保険のデメリット

  • 早期解約をすると解約返戻金はほとんどない
  • インフレに対応できない
  • 掛け捨て型の保険と比べて保険料が高い

早期解約をすると解約返戻金はほとんどない

貯蓄型医療保険を早期解約すると、解約返戻金はほぼ受け取ることができません

保険会社では、保険料の一部を満期金や解約返戻金を支払うための原資として積み立てて運用しますが、早期解約をしてしまうと資金がまだ十分に貯まっておらず返戻金として支払うことができないのです。

契約して2~3年の間に解約してしまうと、解約返戻金はほとんど戻ってこないことが多いため注意が必要です。

このようなリスクを避けるために、『生命保険を解約するタイミングはいつがいい?注意点・デメリット』の記事も併せてご覧ください。

固定金利型はインフレに対応できない

固定金利型の貯蓄型医療保険は、契約時の金利が適用されるため、満期時にインフレが発生するとお金の価値が目減りし、必要な額を準備できない可能性があります。

掛け捨て型の保険と比べて保険料が高い

貯蓄型は、掛け捨て型より保険料が高くなる傾向があります。これは、保険料に貯蓄部分の運用や管理費用が含まれているためです。

一方、掛け捨て型は保障期間が限られ、解約返戻金が基本的にありません。保障にのみ保険料を払うため、保険料が安く設定されています。

貯蓄型医療保険は長期的な資産形成を重視する方に向いていますが、短期的なコストを抑えたい方には不向きかもしれません

貯蓄型医療保険がおすすめな人|6つの特徴

保険を選ぶ際は、ただ単に「加入する人が多いから」「保険会社の方におすすめされたから」といった理由ではなく、自分なりに重視するポイントを把握することが大切です。

以下では、貯蓄型医療保険がおすすめな人の特徴を解説していきます。

貯蓄型医療保険がおすすめな人

  1. 掛け捨て型の保険は無駄だと感じる人
  2. ライフイベントの資金を貯めたい人
  3. ライフプランの見直しが不要な人
  4. 貯金してきたお金を減らしたくない人
  5. 貯金では心もとないけれど投資は不安な人

掛け捨て型の保険は無駄だと感じる人

貯蓄型の医療保険の月々の保険料は掛け捨て型より高くなる傾向があります。

しかし、保険料が安かったとしても、将来まったくお金が手に入らないのはどうしても心理的に抵抗を感じる方は、保険料を上乗せすることで貯蓄性を持たせるほうが安心できるでしょう。

一定年齢に達することで満期保険金という形でお金を受け取れ、その後も継続して保障を受けることも可能です。

満期まで続けなくても、解約することで返戻金を受け取れるため、保険料が全く無駄に感じてしまうことはありません。

とはいえ、満期保険金を受け取ったあとも契約を続けると満期保険金を超える保険料を払い込むことになるかもしれません。

満期保険金を受け取ったあとは医療保険には入らずに手に入った満期保険金と貯蓄で対応するなど、老後の保険の運用に工夫が必要になるでしょう。

ライフイベントの資金を貯めたい人

貯蓄型を選ぶことで、将来に控えるライフイベントの資金を得ることができます。

60歳から65歳の満期を迎える時点で子どもの成人式・結婚、住宅ローンの繰り上げ返済などのイベントが想定されるため、そこを見据えて契約することで万が一に備えながら資金を貯めることが可能です。

保険料を払えば満期までに資金を貯める事もできるため、貯蓄を保険に任せることができます。

ライフプランの見直しが不要な人

貯蓄型は、基本的に途中解約すると当初予定していた金額を受け取れなくなり、契約からの年数が短いほどその傾向は強くなります。

つまり、ライフプランがまだ定まっていなかったり定めないという方は、予定していた満期保険金などを受け取れない可能性も出てくるかもしれません。

一方、すでにライフプランが固まっていて見直しをせずに済みそうな人であれば、当初に契約した医療保険を解約せずに満期まで契約を続けることができます。

保険料払込期間を越えれば、払い込んだ保険料を上回る解約返戻金を受け取ることができる場合もあるため、貯蓄機能を最大限に活用できるでしょう。

貯蓄型の保険は、毎月自動的に保険料を引き落とすことで積み立てられます。お金を引き出したりするには、普通預金と違って解約が必要であり、短期で解約すると払い込んだ保険料を下回る返戻金しか受け取れません。

貯金してきたお金を減らしたくない人

「これまで貯金してきたお金を減らしたくない」と考えている方は貯蓄型医療保険の加入をおすすめします。なぜならこれまで貯金してきた金額を崩さずに貯蓄性のある保険に加入できるからです。

例えば結婚し、現在500万円の預金がある方がいるとしましょう。子どもが生まれると教育資金の確保や住宅の購入などさまざまな費用が必要になり、預金を崩す必要があるかもしれません。

このような時に貯蓄型保険に加入すれば、預金を崩すことなく資金を用意できます。

貯蓄型保険は将来のライフイベントに備えるだけでなく、現在の貯蓄も守れます。貯金を切り崩したくない方は貯蓄型保険を活用してみましょう。

貯金では心もとないけれど投資は不安な人

「貯金はお金が増えないし、投資は勉強できてなくて不安」という方は貯蓄型医療保険の加入をおすすめします。なぜなら投資ほど大きく利益を出せる可能性はないですが、預金より返戻率が高いからです。

大手金融機関など、ほとんどの銀行の金利は0.001%程度になっています。これは100万円預けても年間で1,000円しか増えない計算です。

投資は年利数%から数十%の成果が見込めますが元本は保障されていません。常にリスクと戦いながら運用しなければならないのです。

一方貯蓄型保険あれば満期や解約時期によっては1%から10%程度の返戻率を見込めます。したがって貯金では心もとないけれども投資は不安と考えている方のニーズを満たせるのです。

貯蓄型医療保険をおすすめできない人

一方で、以下の3つの特徴に当てはまる人は貯蓄型医療保険が向いていない可能性があります。

貯蓄型医療保険をおすすめできない人

  • 毎月の保険料をなるべく安く抑えたい人
  • ライフステージに合わせて保険の見直しをしたい人
  • すでに保険以外の方法で貯蓄・資産運用をしている人

毎月の保険料をなるべく安く抑えたい人

貯蓄型医療保険には貯蓄機能があるため、掛け捨て型と比較すると、毎月の保険料が割高になる傾向があります。

毎月の保険料を抑えたい方にとっては、貯蓄型医療保険は負担が重く感じられるかもしれません。特に、収入が安定していない方や、他に優先的に使いたい支出がある方には、掛け捨て型の方が適しているでしょう。

ライフステージに合わせて保険の見直しをしたい人

貯蓄型医療保険は、5年や10年以上長期的な契約が前提となることが多く、契約期間中に解約した場合は元本割れのリスクもあります。このため、契約途中での見直しが難しいのが現実です。

たとえば、結婚、出産、子供の独立など、ライフステージの変化に合わせて保険の見直しをしたい場合、貯蓄型医療保険ではその柔軟性が制限されてしまいます。

すでに保険以外の方法で貯蓄・資産運用をしている人

すでに貯蓄や資産運用で十分な備えができている方にとって、貯蓄型医療保険に加入する必要性は低いかもしれません。

たとえば、投資信託や株式で資産運用を行い、その運用益が十分にリスクへの備えとして機能している場合、わざわざ高い保険料を払って貯蓄型医療保険に加入するメリットは少ないです。

そのような方には、掛け捨て型保険で必要最低限の保障を確保し、残りの資金をさらに投資や貯蓄に回す方が合理的と言えるでしょう。

よくある質問

保険料をできるだけ抑えるにはどうしたら良いですか?
保険金額を小さくしたり不要な特約を解約することをおすすめします。貯蓄型の医療保険は貯蓄と保障どちらも兼ね備えている分保険料は割高になるので、シンプルな保障にすることを心がけましょう。
貯蓄型の医療保険でできるだけ大きな保障を保つ方法を教えてください。
掛け捨ての保険と組み合わせてみましょう。具体的には最低限の保障を貯蓄型医療保険で持ちつつ、掛け捨ての保険で一定期間だけ保障を上乗せするなどの方法が考えられます。
独身に貯蓄型医療保険は必要ですか?
貯蓄目的で加入する場合、掛け捨ての医療保険と預金や資産運用などを掛け合わせた方が効率よく貯められます。しかしどの方法にもメリット・デメリットがありますので、総合的に考えて必要であれば貯蓄型医療保険も検討してみましょう。

まとめ

貯蓄型医療保険は、掛け捨て型と同等の保障に加えて将来に向けての貯蓄機能を備えた医療保険です。

一定期間まで加入することで支払った保険料の全額を受け取れるリターンタイプ一定期間ごとにお祝い金を受け取れるタイプなど、保険によって貯蓄の形態は異なります。

一方、保険料が掛け捨て型よりも割高である点や、途中で入院給付金や手術給付金などを受け取ると将来受け取る金額が少なくなるといったデメリットがあることも忘れてはいけません。

貯蓄型医療保険は、掛け捨て型保険を無駄と感じる人や、将来に控えるライフイベントの資金を保険で貯めたい人におすすめです。

監修者の紹介
岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。

岡田行史のプロフィール情報

岡田行史

監修者の紹介
恩田雅之

オンダFP事務所代表。CFP証券外務員第2種の資格を保有。初心者向け資産運用に関するセミナーと、投資信託など資産運用を中心とした記事の執筆及びクレジットカードや住宅ローンなどの記事監修を中心に活躍中。セミナーと執筆では初心者の方にもわかりやすい説明を心がけています。

恩田雅之のプロフィール情報

恩田雅之