最長20年にわたって非課税が適用される「積立NISA(つみたてNISA)」。今後の将来の資産形成のひとつとして注目している人も多いのではないでしょうか。
巷ではメリットの部分が多く聞かれますが、つみたてNISAにも注意すべきリスクがあります。
そこで本記事では、つみたてNISAをやめたほうがいい理由や損しやすい人の特徴、知っておくべき注意点について徹底解説します。
編集部
この記事の要点
- つみたてNISAはやめたほうがいいと言われる理由は「すぐにはお金が増えない」「投資できる商品が限られている」などです。
- つみたてNISAは短期間で大きく儲けたい人や、投資のリスクを許容できない人は損しやすいでしょう。
- 一方、長期間コツコツ投資できる人や、資産運用について相談できるプロがいる人は得をしやすいです。
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目次
つみたてNISAとは?
もう1つ、同じNISAと呼ばれている制度に「一般NISA」もあり、こちらは年120万円まで最長で5年にわたって非課税になる制度です。
編集部
特徴1.積立投資専用の方法
つみたてNISAは、長期・分散・積立投資を目的とした資産運用制度です。この制度では、短期トレードや株式・ETF投資商品は対象外となり、積立投資に特化した商品だけが認可されています。
「積立投資だけでは機会損失では?」と感じる人もいるかもしれませんが、この仕組みによって、初心者でも安心して投資を始められるよう工夫されています。
また、数十年単位での運用を前提としているため、相場の変動リスクを軽減できる効果も期待できます。
特徴2.最大20年まで運用益が非課税
つみたてNISAは、口座内で運用した投資信託の利益が最長20年にわたって非課税になる制度です。
仮に1,000円の利益が得られた場合、通常であれば手元に残るのは800円弱です。1,000円まるごと再投資に回すことで、より効率的に資産運用ができるようになります。
編集部
特徴3.投資できるのは金融庁お墨付きの「投資信託」のみ
つみたてNISAで投資できるのは、金融庁から認可を受けた投資信託のみです。粗悪な投資信託を購入してしまわないよう、あらかじめ選別されています。
金融庁は「長期・積立・分散投資」に適した商品のみ認可しています。約6,000銘柄あるといわれていて、そのうちの約200銘柄のみ購入できるのです。
選定されている242銘柄※は、優良ファンドとして認可されたものばかりです。資産形成として活用するには十分なファンドのため、安心して購入できるでしょう。
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つみたてNISAをやめたほうがいい6つの理由
つみたてNISAをはじめた人のなかには「やめたほうがよかった」と後悔する人もいるようです。
ここからは、その理由を6つご紹介していきます。
つみたてNISAをやめたほうがいい理由
❶ 投資できる商品が限定されているから
紹介したとおり、つみたてNISAで購入できるのは金融庁が設定した条件をクリアした公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)のみです。
投資初心者にとっては扱いやすいメリットがある一方、慣れてくると「個別株」や「REIT(不動産投資信託)」など、つみたてNISA対象外の商品にも投資したくなることがあります。
その場合、つみたてNISAの非課税枠を活かすことができなくなり、他の口座で運用を考える必要が出てきます。
つみたてNISA対象外商品の投資方法
- 特定口座で個別株を購入する
- 投資信託も個別株も非課税になる一般NISAを利用する
このような対策が必要です。ただし、一般NISAは非課税期間が最長5年であり、長期的な資産運用には向きません。
編集部
❷非課税枠の上限が少ないから
つみたてNISAの非課税枠は年40万円です。一方、一般NISAは年120万円と実に3倍の金額が非課税になります。
一方、1万円以内の少額からコツコツと資産を積み立てたい場合や、初心者向けの投資方法を探している人にはおすすめです。
自身の資産目標や投資スタイルに合わせて、つみたてNISAを始めるか検討することが重要でしょう。
編集部
❸損失が出た場合の恩恵がないから
つみたてNISAは主に利益に対する非課税特典がありますが、損失を補填する仕組みは備わっていません。また、投資であるため、絶対に利益が出せると決まっているわけでもないです。
つみたてNISA内での損失は、そのまま吸収される形となります。したがって、投資のリスクを負いつつも、潜在的な損失が非課税特典の対象外であるため、慎重に運用する必要があります。
編集部
❹元本割れする可能性があるから
つみたてNISAには元本保証がなく、投資対象となる金融商品が値下がりすると元本割れのリスクがあります。
特に長期的な積立投資では、市場の短期的な変動に影響され、元本を下回ることも珍しくありません。
つみたてNISAを利用する際は、元本割れのリスクを十分に理解し、リスク許容度を考慮した上で投資することが重要です。
編集部
❺短期投資には向かないから
つみたてNISAの最大の利点は、長期間にわたって投資を続けることによる非課税運用であり、このメリットを最大化するには時間が必要です。
つみたてNISAは長期間の積立を前提に設計されており、短期間での解約では本来のメリットを得ることができません。
簡単に解約できる点は便利ですが、短期的な利益を求めて解約してしまうと、長期的な資産形成の利点を活かしきれません。
つみたてNISAを最大限に活用するためには、相応の意思の強さと継続的な投資が求められます。
❻一度使うと投資非課税枠を再利用できないから
つみたてNISAの口座内で積み立ててきた投資信託を解約して、新しい投資信託に乗り換えたいと思うこともあるでしょう。
これまでの投資信託の運用を続けたまま、新しい投資信託を購入することはできます。丸ごと新しい商品に鞍替えするような「預け替え」はできません。

編集部
つみたてNISAで損しやすい人の特徴
やっぱり投資なんて難しそうだからやめたほうが良いのでしょうか?投資をしても、損するだけならやりたくない気持ちが出てきてもおかしくはありません。
実際、積立NISA(つみたてNISA)も投資制度であり、運用方法や市場の変動によっては元本を下回るリスクもあります。
つみたてNISAをやめたほうがいい人の特徴
すぐにでも資産を大きく増やしたい人
結論から言うと、つみたてNISAは短期間で資産を大きく増やしたい人には向いていません。なぜなら、つみたてNISAで選べるのは投資信託、その多くがインデックスファンドだからです。
インデックスファンドの年間リターンは一般的に5〜7%程度であり、1年で資産を2倍にするような急激な成長は期待できません。
例えば、6%のリターンで資産を2倍にするには12年かかります。短期間で急激に資産を増やしたいなら、個別株やFX、仮想通貨など、別の投資方法を検討すべきです。
編集部
10年~20年にわたって資産をほったらかしにできない人
つみたてNISAの最大のメリットは、なんといっても20年もの長い期間にわたって非課税が継続することです。
編集部
投資のリスクを許容できない人
つみたてNISAも投資である以上、元本を大きく下回るリスクがあります。たとえば2020年3月に発生したコロナショックでは日経平均株価は約30%下落しました。
その直前に投資を開始した人は、投資した資産の30%を失っていることになります。しかし、ここで「投資なんて始めなければよかった…」とやめてしまうのはもったいないです。
実際にコロナショック後、日経平均株価は短期間で回復し、2020年11月には元の水準に戻りました。一時的な元本割れでも、長く投資を続けることで利益を目指すことは十分に可能です。
編集部
ただし、元本割れを許容できない人にとっては、長期投資は難しいかもしれません。
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つみたてNISAで得しやすい人の特徴
積立NISA(つみたてNISA)は少額から始められ、20年以上の長期運用が可能です。また、投資対象は金融庁が定めた条件を満たした商品に限定されているため、比較的安心して利用できます。
こういった積立NISA(つみたてNISA)の特徴を最大限に活用できるのは、どのような人でしょうか?その特徴を見ていきましょう。
つみたてNISAがおすすめできる人の特徴
投資の経験がない・または少ない人
投資経験がほとんどない、または少ない人には、つみたてNISAをおすすめします。なぜなら、金融庁が厳選したファンドを購入できるからです。
つみたてNISAでは、あ金融庁が約6,000銘柄の中から「長期・分散・積立投資」に適した約200銘柄に厳選しています。ある程度絞り込まれた中から購入でき、トラブルを未然に防げるのです。
編集部
将来の支出に備えたい20代から30代の人
将来の支出に備えたい20代から30代の人には、積立NISA(つみたてNISA)がおすすめです。
積立NISAは、若ければ若いほど長期間にわたって積み立てることができ、複利効果を最大限活用できるため、少額からでも資産を大きく増やすことが可能です。
さらに、積立NISAはいつでも解約可能なため、ライフスタイルの変化が多い20代には、柔軟に資産形成を進めつつ、必要なときにはすぐに資産を取り出せるという大きなメリットがあります。
子どもの教育費を準備したい人
積立NISA(つみたてNISA)は、子どもの教育費を準備する方法としてもおすすめです。
子どもが生まれる前から始めることができれば、大学入学の18歳までに20年弱の運用期間を確保できるので、まとまった資産が形成できるでしょう。
子どもが大学入学になる年にいくら貯めたいのかを検討し、そこから毎月の掛け金を逆算すると必要な金額を導き出せます。
編集部
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老後の生活費を準備し始める40代の人
40代はまだ子育てや住宅ローンの返済などにお金のかかる世代です。しかし、あと数年後には子どもも独立し、住宅ローンの完済も近づいてくることから、老後の生活費の準備を始める人もでてきます。
特に「老後の生活費には2,000万円が必要」といったことを耳にするようになってから、老後資金は早めに準備した方が良いと考える人も多いでしょう。
積立NISAは長期間の運用をすることでより大きな資産を築くことが可能なので、40代のうちから積立NISAで老後資金を準備するのもおすすめです。
老後の生活費不足が心配な50から60代の人
50代や60代になってから「退職金が少ない」、「預貯金を切り崩してしまった」などの理由で老後資金が足りなくなる恐れがある人も出てくるでしょう。
老後資金の準備方法としてはiDeCo(個人型確定拠出年金)もありますが、掛け金を拠出できるのは60歳までなので、十分な期間利用することができません。
定年退職後も働いて、その間積立NISA(つみたてNISA)での運用を続けると、高齢期の生活費に充当することができます。
つみたてNISAを成功させるための4つのコツ
つみたてNISAは投資のため、必ず成功が保障される方法はありません。しかし、成功に近づけるコツはいくつかあります。
以下ではつみたてNISAを成功させるための4つのコツを紹介します。これから始める方はぜひ参考にしてください。
つみたてNISAを成功させるためのコツ
1. 支出を抑えて入金額を増やす
これからつみたてNISAを始める方は、支出を抑えて入金できる金額を非課税枠いっぱいに使えるようにしましょう。なぜなら入金力があれば将来的に複利の力が大きく働くからです。
年間40万円の非課税枠を余すことなく使うには、月額3.3万円程度の入金が必要になります。これから始める方は無駄な支出を省いて満額入金できるようにしましょう。
編集部
2. ネット証券を活用する
これからつみたてNISAを始める方はネット証券を活用されると良いでしょう。なぜなら取扱い銘柄数が多かったり、少額から投資できたりするからです。
また、20年間の非課税期間が終わった後も投資を続ける場合、ネット証券であれば取引にかかる手数料が安くなります。手数料は投資金額が大きくなるほど差が出てくるため、初めから手数料のかからない証券会社で取引しましょう。
つみたてNISAにかかる手数料
- 販売手数料:購入時にかかる
- 信託報酬:投資信託を保有している間にかかる
- 信託財産留保額:解約時にかかる
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3. 毎月一定額積立続ける
つみたてNISAを成功させたい方は、毎月一定額積立続けることをおすすめします。なぜなら毎月積立続けることでリスクが分散されるからです。
ドルコスト平均法を活用すると、銘柄の価値が高い時も安い時も買い続けられるため、リスクを平準化できます。
相場の動きを予測してタイミングを判断するのが難しい初心者の方には、特に有効な方法です。
4. 長期的な目線を持つ
つみたてNISAを利用するときは長期的な目線を持つことが大切です。なぜならつみたてNISA自体の方針が「長期・積立」を推奨しているものだからです。
金融庁は少額からの長期・積立・分散投資を支援するために、つみたてNISAの制度を開始しました。対象となっている商品はインデックスファンドが多いことからも長期的な投資を支援していることがわかります。
編集部
つみたてNISAに関する悩みは専門家に相談しよう
つみたてNISAのメリット・デメリットを理解しても、自分に適しているか判断が難しい場合があります。これは、人それぞれ収入や環境、考え方が異なるためです。
お金や投資の悩みがある方は、無料でFP(ファイナンシャルプランナー)に相談できる保険相談窓口を活用するのがおすすめです。あなたの収入やライフスタイルに合った最適なプランを提案してくれます。
編集部
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編集部
出典:ほけんのぜんぶ
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編集部
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編集部
出典:保険マンモス
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つみたてNISAの注意点
積立NISA(つみたてNISA)を始める際は、以下の点に注意する必要があります。
口座を開設できるのは1つの金融機関のみ
つみたてNISAの口座は、1つの金融機関でしか開設できません。そのため、自分が積み立てたい投資信託を取り扱っている金融機関を選ぶ必要があります。
毎年どちらかの口座に切り替えて交互に利用することも不可能ではありませんが、口座の管理が難しくなるためあまりおすすめはできません。
編集部
【重要】2024年1月から始まった新NISAについて
新NISAとは、2022年末に「令和5年度税制改正」が公表された新制度のことです。2024年1月からは「新NISA(新しいNISA制度)」が始まりました。
2023年までの現行NISA制度と2024年からの新NISA制度の主な違いは以下のとおりです。
新NISAでは、一般NISAとつみたてNISAの併用が可能になり、年間投資上限額が最大360万円まで引き上げられました。
また、非課税保有期間が無期限になり、非課税保有限度額も大幅に拡大し、制度の恒久化が実現されました。これにより、投資家はより多くの資産を長期間にわたり非課税で運用できるようになります。
編集部
まとめ
今回は、積立NISA(つみたてNISA)をやめたほうがいい6つの理由をはじめ、損しやすい人の特徴や知っておくべき注意点などを詳しく解説しました。
つみたてNISAはあくまでも投資商品であるため、経済動向次第では元本を大きく下回ってしまう可能性があります。また、複利効果を最大限に引き出すためには、最長20年間にわたって継続的に投資を続けることが必要です。
すぐにでも資産を大きく増やしたい方や、投資リスクを許容できない方、または10年以上の長期間にわたって投資を続ける自信がない方には向いていないでしょう。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。 ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。 また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
生命保険の業界歴10年。年間500世帯の相談実績。 社会保険・税金の効率化、家計・固定費の見直し、保険の新規加入・見直し、住宅購入・住宅ローン、資産形成・老後の年金対策・少額投資(iDeCo・NISAなど)、不動産投資と幅広い分野に精通。