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生命保険の加入が必要かどうか悩んでいる人は、「同年代の加入率はどのくらいなのだろう」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している割合は、男性が77.6%、女性が81.5%です。
今回は、生命保険の加入率を年代別、ライフステージ別、世帯年収別に徹底解説します。
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生命保険の加入率は全体で80%以上!
まずは全体と男女別の加入率を見ていきましょう。
【全体】加入率推移
調査年度 | 加入率 |
---|---|
平成13年 | 77.7% |
平成19年 | 79.9% |
平成25年 | 81.5% |
令和元年 | 82.1% |
令和4年 | 80.8% |
生命保険文化センターの「令和4年度 生活保障に関する調査」によると、個人年金保険を除く生命保険の全体の加入率(全生保)は80.8%です。
全体の加入率は穏やかな上昇を続けており、大きな変動はありません。特に平成13年から令和元年にかけて加入率はじわじわと増加していますが、令和4年にはやや横ばい傾向が見られます。
【男女別】加入率推移
調査年度 | 男性の加入率 | 女性の加入率 |
---|---|---|
平成13年 | 80.1% | 75.6% |
平成19年 | 80.8% | 79.2% |
平成25年 | 80.9% | 81.9% |
令和元年 | 81.1% | 82.9% |
令和4年 | 79.0% | 82.2% |
男女別の加入率では、男性が79.0%、女性が82.2%と女性がやや高くなっています。
加入率の推移を見ると、男性は加入率があまり変わらないのに対し、女性は増加傾向にあり、男女の加入率は逆転しました。
編集部
以下では年代別の加入率の推移について解説していきます。
20代の生命保険加入率
20代の生命保険加入率は男性46.4%、女性57.1%です。
編集部
4割以上の人が保険未加入ですが、主な理由は下記が考えられます。
20代が生命保険に未加入な理由
- 結婚していない、子どもがいない、などの理由で死亡保障に対するニーズが少ない。
- 若いので健康に自信があり、医療保障ニーズも他の年代よりは少ない。
- 収入が十分でないため、保険加入する経済的ゆとりがない。
また、全年代の加入率が増加しているのに対し、20代は低下傾向にあります。
特に、女性については他の年代の加入率が大幅に増加する中、20代だけが低下しているのが目立ちます。
20代の加入率推移
年度 | 男性の加入率 | 女性の加入率 |
---|---|---|
平成13年 | 55.8% | 59.6% |
平成19年 | 53.8% | 58.1% |
平成25年 | 52.4% | 56.8% |
令和元年 | 58.5% | 59.9% |
令和4年 | 46.4% | 57.1% |
20代の加入率が低下傾向にある主な理由は、下記が考えられます。
20代の生命保険加入率の低下理由
- 非正規社員の増加や収入の伸び悩み
- 晩婚化や少子化の影響
30代の生命保険加入率
30代の生命保険加入率は男性81.5%、女性82.8%です。
「ケガや病気に対する不安」を感じる人は20代とあまり変わりません。
一方、「死亡時の遺族の生活に対する不安」を感じる人が全体の72.9%以上と40代に次いで2番目に高くなります。
30代の生命保険加入率が上がる理由として考えれる項目は以下のとおりです。
- 結婚したり子どもができたりして死亡保障のニーズが高まる。
- 収入が安定し、保険に加入する経済的ゆとりができる。
しかし、30代男性の加入率の推移をみると低下傾向にあります。
かつては、30代から50代の加入率が最も高かったのですが、現在では60代とあまり変わりません。
30代の加入率推移
年度 | 男性の加入率 | 女性の加入率 |
---|---|---|
平成13年 | 86.6% | 74.8% |
平成19年 | 88.5% | 82.1% |
平成25年 | 84.1% | 78.5% |
令和元年 | 82.4% | 82.8% |
令和4年 | 81.5% | 82.8% |
理由としては、20代と同様に「非正規社員の増加や収入の伸び悩み」と「晩婚化や少子化の影響」が考えられます。
注意点
- 特に、30代の人は就職氷河期と呼ばれる時代に大学を卒業し非正規社員になった人も多く、結婚する経済的余裕がない人などが話題となりました。
- 現在30代の人が20代だった頃の加入率は50%強しかなく、保険加入率の低い世代であるともいえます。
一方、30代の女性の加入率は増減があるものの上昇傾向にあります。
編集部
40代の生命保険加入率
40代の生命保険加入率は男性86.1%、女性86.3%です。
編集部
加入率が最も高い理由は、子どもの教育費がかかる年代で責任が重くなるとともに、健康への不安が出始めるからです。
「生命保険に関する調査」の下記結果より、40代は死亡保障ニーズと医療保障ニーズがどちらも高い時期であることがわかります。
また、40代は生命保険に対するニーズが「死亡保障」から「医療保障」に変化しはじめる時期ともいえるでしょう。
ポイント
- 「ケガや病気に対する不安」を感じる人が93.3%(各年代の中で最も高い)
- 「死亡時の遺族の生活に対する不安」を感じる人が78.8%(各年代の中で最も高い)
40代の加入率推移
年度 | 男性の加入率 | 女性の加入率 |
---|---|---|
平成13年 | 91.7% | 82.0% |
平成19年 | 91.8% | 86.5% |
平成25年 | 87.5% | 90.0% |
令和元年 | 91.0% | 89.0% |
令和4年 | 86.1% | 86.3% |
40代の加入率の推移をみると、男性の場合は9割前後の高い加入率が続いている一方、女性の加入率は大幅に上昇しています。
40代女性の加入率が上昇している理由は、がん罹患率が40代や50代にピークを迎える乳がんや子宮がんなどに備える保険への関心が高まっていることなどが考えられます。
50代の生命保険加入率
50代の生命保険加入率は男性86.9%、女性87.8%です。
編集部
50代になると、加入ニーズに変化が見られます。
ポイント
- 「死亡時の遺族の生活に対する不安」を感じる人が減少する一方、「ケガや病気に対する不安」を感じる人は90.5%と40代に次いで2番目に高いです。
- ただし、50代で大学に通う子どもがいれば、教育費の負担が大きい上に住宅ローンの負担や老後資金の準備が加わり、まだまだ死亡保障を必要とするケースもあります。
50代の加入率推移
年度 | 男性の加入率 | 女性の加入率 |
---|---|---|
平成13年 | 85.6% | 80.8% |
平成19年 | 85.4% | 86.3% |
平成25年 | 87.6% | 88.1% |
令和元年 | 86.1% | 87.3% |
令和4年 | 86.9% | 87.8% |
50代の加入率の推移をみると、男性の加入率は平成13年以降ほぼ変わらないのに対し、女性については20代を除く他の年代と同様に加入率は上昇しています。
50代の女性についても、医療保障ニーズが高まってきています。
60代の生命保険加入率
60代の生命保険加入率は男性85.8%、女性86.5%です。
編集部
60代になってもほとんどの人が保険に加入しているのは、下記理由が考えられます。
- 60代、70代と急増する医療費負担に備えたいというニーズがある。
- 「お葬式代くらいは残しておきたい」という死亡保障ニーズがある。
60代の加入率推移
年度 | 男性の加入率 | 女性の加入率 |
---|---|---|
平成13年 | 79.6% | 76.9% |
平成19年 | 80.7% | 77.5% |
平成25年 | 83.3% | 83.0% |
令和元年 | 82.9% | 84.5% |
令和4年 | 85.8% | 86.5% |
60代の加入率の推移の特徴は、男女とも加入率が増加傾向にあることです。
編集部
生命保険の加入率【ライフステージ別】
次に、ライフステージ別の生命保険加入率をみていきます。
これまでの解説と前提条件が異なることに注意願います。次の世帯年収別の加入率についても同様です
子どものいない世帯の加入率
世帯主の年齢 | 世帯加入率 |
---|---|
40歳未満 | 60.5% |
40歳~59歳 | 90.0% |
60歳以上(有職者) | 91.5% |
参考:生命保険文化センター「令和6年度 生命保険に関する全国実態調査 -ライフステージ別にみた生命保険の加入実態、生活保障意識 」
子どものいない40歳未満の世帯では60%台と低めです。一方、40歳以上は子どもの有無に関わらず加入率が高くなる傾向があります。
子どものいる世帯の加入率
末子の進学状況 | 世帯加入率 |
---|---|
乳幼児 | 82.6% |
幼稚園・保育所 | 89.4% |
小・中学校 | 91.5% |
高校・大学 | 94.2% |
就学終了 | 91.8% |
子どもがいる世帯は総じて世帯加入率が高く、特に子どもが小・中学校や高校・大学に進学するタイミングで加入率がさらに上がることがわかります。
これは、子育てや教育費の負担増に備え、将来のリスクに対する備えをより強く意識するためと考えられるでしょう。
生命保険の加入率【世帯年収別】
最後に、世帯年収別の加入率を確認しましょう。
前述のライフステージ別と同様に世帯加入率を使って解説します。
世帯主の年収 | 世帯加入率 |
---|---|
200万円未満 | 75.5% |
200万円以上 300万円未満 | 79.9% |
300万円以上 400万円未満 | 84.9% |
400万円以上 500万円未満 | 88.4% |
500万円以上 600万円未満 | 91.2% |
600万円以上 700万円未満 | 93.1% |
700万円以上 1,000万円未満 | 94.0% |
1,000万円以上 | 94.0% |
参考:生命保険文化センター「令和6年度 生命保険に関する全国実態調査 -ライフステージ別にみた生命保険の加入実態、生活保障意識 」
世帯年収が高くなるほど、生命保険の世帯加入率も高くなる傾向が見られます。特に年収500万円以上の世帯では、9割以上が何らかの生命保険に加入しています。
一方、年収200万円未満の世帯では75.5%と比較的加入率は低めです。
編集部
まとめ
生命保険の加入率は全体で約80%前後と高く、特に30代から60代で高い傾向にあります。加入率は年代やライフステージ、収入によっても異なり、例えば子育て世代や高収入世帯では保障の必要性が高いため、加入率も高くなっています。
また、近年では女性の加入率が増加していることも注目されます。医療保障や老後の備えなど、個人のライフステージや家族構成に合わせた保険選びが重要です。
保険の必要性は個人の状況により異なります。ご自身や家族の保障が十分であるか、また今後のライフイベントに合わせて保険を見直すこともおすすめです。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。