生命保険の見積もりやシミュレーションを行うと、保険会社や商品によって保険料に大きな差があることを知り驚く人も多いでしょう。
生命保険に加入するなら保険料は安いほうが嬉しいと思いますが、その分「手厚い保障を受けられない」「安かろう悪かろう」ということはないのでしょうか?
そこで本記事では、安い生命保険がなぜ安いのか、加入する上で知っておくべき注意点や選び方などを掘り下げてご紹介します。
編集部
安い生命保険に関するまとめ
- 保険料が安い生命保険の多くは、掛け捨て型や定期型など、保障内容がシンプルなものがほとんどです。
- 保険料は保障内容と密接に関係していますので、安い生命保険に加入する際は必要な保障を確保できているか必ず確認しましょう。
- 生命保険は単純に保険料の安さだけで決められるものではありません。自分や家族にとって本当に必要な保障を得るためには、専門家に相談することをおすすめします。
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安い生命保険はなぜ安い?
保険料が「安い」と感じられる生命保険は、なぜ安いのでしょうか。
そもそも、どのようにして保険料は決まっているのかを紐解いていくことで、保険料が安く感じられる理由が理解できるかもしれません。
❶掛け捨て型・定期型の生命保険だから
生命保険は大きく分けて”貯蓄型”と”掛け捨て型”の2種類に分けられますが、掛け捨て型は貯蓄のために使われる部分がないため、そのぶん保険料が安くなります。
また、保険期間(保障期間)の観点からも、生命保険は”終身型”と”定期型”の2種類に分けられますが、一般的に定期型のほうが保障期間が限られているため保険料が安くなることが多いです。
編集部
❷シンプルな保障内容だから
特約を付けないシンプルな保障内容ほど、毎月支払う生命保険料が安くなる傾向にあります。
保障内容の違いから考えると…
- 給付金額(保障額)
- 特約の有無
生命保険は、加入者が支払った保険料をもとに保障を準備するのですから、手厚い保障を準備するためには、当然それだけの保険料が必要です。
編集部
逆に、給付金額が低いほど、保険料は安くなります。特約も同じ考え方です。
しかし、たくさんの特約を付けるほど、付けなかったときに比べて保険料は高くなります。
編集部
❸加入者の持つリスクが低いから
加入者の持つリスクによっても、保険料が安くなる場合があります。下記の要素は、保険料に影響します。
加入者による違い
- 年齢
- 性別
- 職業
- 健康状態
注意点
- プロの格闘技選手やスタントマン、レーサー、消防士、潜水士、といった職業の人は、デスクワークの会社員に比べると、仕事を通じてケガや生命の危険にさらされたり、不慮の事故に遭いやすいことは想像できます。
- つまり、他の職業よりも「保険金を受け取る確率が高い」といえるので、他の職業の人と同じ保険料では公平ではないのです。
編集部
❹ネットでの販売を主体とする保険会社・商品だから
もちろん、保険会社による違いもあります。私たちが支払う保険料は、以下の2種類から成り立っています。
保険料の成り立ち
- 保障や貯蓄の準備に使われる「純保険料」
- 保険会社の経費にあてられる「付加保険料」
純保険料は、ここまで述べてきたような、保険の種類や保障内容、加入者によって決まるもので、同じような内容の保険であれば、同じくらいになるため、保険会社間であまり差がありません。
編集部
付加保険料からは、保険会社の職員の人件費、オフィスの維持費用、広告の費用などがまかなわれています。
ポイント
- 営業担当が自宅や職場を訪れ、提案や相談を重ねていた従来の保険営業に比べて、加入者が自分でインターネット上の情報を確認し、そのまま申し込みもできるネット販売は、大幅にコストを下げることができます。
❺共済・少額短期保険だから
一般的に、共済も少額短期保険も比較的保険料が安いと言われています。
共済も少額短期保険も実質的には保険と同じようなものですので、私たちが保険加入を検討するとき、選択肢として考えてかまいません。
注意点
- ただし、保険が金融庁の管轄にあり、保険業法という法律にもとづいたものであるのに対して、共済は監督省庁が異なり、根拠法も違います。(「こくみん共済(全労済)」「都道府県民共済」「CO・OP共済」は厚生労働省の管轄で、消費者生活協同組合法にもとづいており、「JA共済」は農林水産省が管轄で農業協同組合法にもとづく)
共済は非営利の事業であるため、先に述べた付加保険料にあたる部分が少ないことなどから、保険料(掛け金)は安めです。
少額短期保険は、保険業法の改正により、規制緩和の結果として生まれた少額短期保険業者が運営する保険商品です。
通常の保険に比べて、保障内容や保険期間が限定されているため、保険料が安いことが多いです。
編集部
安い生命保険を選ぶ際のポイント
ここからは、安い生命保険の選び方をご紹介します。保険料が安い生命保険を選ぶときに押さえておきたいポイントは以下の通りです。
安い生命保険を選ぶ際のポイント
目的に合った保障内容か
保険に加入する際、目的に合った保障内容かどうかは重要なポイントです。
なんのために保険に入ろうとしているのか一度振り返ってみましょう。保険加入の目的とは、たとえば次のようなことです。
保険加入の目的(例)
- 自分にもしものことがあったとき、家族が生活に困らないようにしたい
- 自分の葬式費用を準備しておきたい
- 子どもの教育資金や、夫婦の老後資金を準備しておきたい
- 病気やケガになったときの、医療費を準備しておきたい
編集部
保険の目的を確認したら、必要な保障額(保険金額)を、なるべく正確に見積もります。
注意点
保障額を下げるほど保険料も下がりますが、保険料を下げる目的で保障額を設定すべきではありません。
ムダのない保障額にすることが、もっとも安い保険料で保険に入る方法だと考えてください。
編集部
死亡保険の場合、保障額は次のように考えます。
必要保障額の考え方
- 自分が亡くなった場合の生活費を考える
- その他の必要資金を考える
- 公的年金から支給される額を考える
- 現在の貯蓄(資産)額と将来の収入を確認する
- 将来の収入と支出の差額を計算する
❶自分が亡くなった場合の生活費を考える
今現在の生活費を参考に、自分が亡くなった後、家族がどれくらいの生活費を必要とするのかを考えます。
ポイント
一般に、夫婦と子どもという世帯で夫婦のどちらかが亡くなった場合、以後の生活費はそれまでの7割程度になるとされています。
また、子どもが独立して配偶者だけになったときは、現在の5割程度になると考えるのが普通です。
従って、
必要額の計算方法
❷その他の必要資金を考える
生活費以外に、将来必要になるだろうと思われる、まとまった資金の額を見積もります。たとえば、次のようなものです。
生活費以外に必要な資金(例)
- 自身の葬式費用
- 子どもの生活費
- 子どもの結婚資金の援助
❸公的年金から支給される額を考える
もしものことがあった後のお金は、すべて保険や貯蓄で準備しなくてもかまいません。
ポイント
- 遺族年金の額などを確認しておきましょう。
- 「ねんきん定期便」などを参考に、自分で調べることもできますが、社労士やファイナンシャルプランナーなどの専門家に調べてもらうのが確実です。
❹現在の貯蓄(資産)額と将来の収入を確認する
今現在の銀行預金をはじめ、金融資産の額を確認しましょう。また、残された家族自身が働いて収入を得ることもできます。
編集部
❺将来の収入と支出の差額を計算する
将来の収入と支出をそれぞれ合計してみましょう。
収入から支出を差し引いた差額が、現在の状況のまま、もしものことがあったら不足する額と考えられます。
編集部
以上が、必要保障額の求め方ですが、正確に行おうとすると、簡単なことではないのがおわかりいただけるでしょう。
できれば、これについてもファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
複数の保険商品を比較・検討したか
安い生命保険を選ぶ際は、必ず複数の保険商品を比較・検討するようにしましょう。
なぜなら、保険料が安くても、万が一の時に必要な保障が不足したり、自己負担額が高くついてしまったりする可能性があるからです。
あとから後悔しないように、しっかり比較して自身や家族のニーズに合ったものを選べれば、長期的に保険料は安く済むでしょう。
編集部
安い生命保険に加入する際の注意点
実際に保険料が安い保険を、「安いから」という理由で選んで良いのでしょうか?安い生命保険を加入する際には、以下の3点を確認してみてください。
安い生命保険に加入する際の注意点
❶目的に合った保険の種類を選んでいるか?
保険の種類に応じて、保険料の傾向があることはお伝えしました。
死亡保険について、安いものを選びたいなら、種類でいえば定期保険が安いです。
注意点
- 定期保険はその名のとおり、一定期間だけしか保障がない保険です。
- 定期保険を保険期間以上に継続するには更新が必要ですが、更新のたびに保険料は高くなっていきます。
- 長期間加入したい場合は、はじめから終身保険にしておいたほうが、トータルでは保険料が安くなる可能性もあります。
また、保障と併せて資金準備もしていきたい、という場合は、掛け捨ての定期保険ではなく、貯蓄性のある終身保険や養老保険を選ぶべきでしょう。
保険料は高くなりますが、その一部は貯蓄されるのですから、単純に掛け捨て保険の保険料と額面だけで比べることはできません。
❷必要な保障額を確保できているか?
生命保険の目的の一つは保障のはずです。
保障額が高いほど保険料は高くなるので、安い保険を望むなら、保障額を抑えるのもひとつの方法です。
もちろん、「保険料が高くて払い続けることができず解約してしまった…」となるのも困ります。
編集部
❸共済・少額短期保険と保険の違いを理解しているか?
比較的、保険料が安いものとして、共済や少額短期保険というものがあることをお伝えしました。
注意点
- 先に述べたように、これらは保障内容が限定されているため、必要な保障を得られるかどうかという点が重要です。
- 加えて、保険とはもしもの場合のセーフティーネットの状況が違うことも理解しておきましょう。
保険は、万が一保険会社が破綻した場合は、保険契約者保護機構によって責任準備金の一部が保護され、契約者が損をしないように対策がとられます。
払い込んだ保険料や契約した保障内容が100%守られるとは限りませんが、できる限りの救済措置が行われる決まりになっています。
一方、共済と少額短期保険はこの仕組みの対象ではありません。
編集部
生命保険では、十分な保障を確保しておきたい一方で、保険料は少しでも安くしたいという気持ちもあります。
そこで、保険料を安くするためのコツを4つご紹介しますので、保険の見直しも兼ねて確認してください。
保険料を少しでも安くするコツ
❶保険のプロに相談する
生命保険の保険料を安くするには、ご紹介してきたように、特約を外したり保障額を小さくしたり、ネット保険に加入したりする方法があります。
編集部
また、ネット保険は自分で保障内容を決めなくてはならないため、保険の知識が少ない人は十分な保障を備えた保険の選び方がわからないかもしれません。
そのような場合は、無料の保険相談窓口などを利用して、保険のプロに相談してみましょう。十分な保障を得つつも保険料を安くできるポイントを一緒に探せます。
❷不要な特約を外す
現在加入中の生命保険を解約せずに保険料を安くする方法として、不要な特約を外すという方法があります。
ポイント
❸保障額を減額する
保障額を減額することも、生命保険を解約せずに保険料を安くできる方法です。
たとえば、生命保険に加入したのが結婚や子どもが生まれたことがきっかけだった場合、万が一に備えて大きな保障額で加入してあることが多いです。
編集部
そのため、現在は契約当初ほど高額な保障額が必要ではない可能性がありますので、保障のサイズダウンを図ってみましょう。
❹ネット保険に加入する
ネット保険は、いつでもWeb上で申込みできができる保険商品で、対面式で加入する生命保険よりも一般的に保険料が割安です。
保険会社の担当者と相談しながら加入するのではなく、加入希望者がひとりで申し込み手続きを行うため、保障内容がシンプルにわかりやすく設計されています。
ポイント
- なお、ネット保険の保険料が安いのは、決して保障内容が不十分だからというわけではなく、店舗を構えないので店舗維持費や人件費などがかからないためです。
- また、Web上で販売することで広告も兼ねているので、広告宣伝費を使う必要がないのです。
好きな時間に自分で好きな保障を選べるうえ、保険料が安いネット保険も選択肢のひとつに入れると良いでしょう。
安い生命保険に関するよくある質問
最後に、安い生命保険に関するよくある質問に回答していきます。
生命保険に加入する際、安さ以外に以下のポイントを確認しましょう。
・目的に合った保障内容か
・保険金額は十分か
・複数の保険商品を比較・検討したか
これらを確認することで、将来のリスクに備えつつ、適切な保障を選ぶことができるはずです。
まとめ
本記事では、安い生命保険がなぜ安いのか、安い生命保険に加入する前に知っておくべき注意点や選び方のポイントについて詳しくご紹介しました。
生命保険は種類や保障内容、加入者などの条件から保険料が決まり、同じような商品でも保険会社によって保険料が異なります。
特に掛け捨て型や定期型など、保障内容がシンプルな生命保険は保険料が安い傾向にあります。
安いのは良いことですが、保障内容と密接に関係している以上、手厚い保障を受けられない可能性があるということを十分に理解しておかなければなりません。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。