皆さんのご家庭には、犬や猫などのペットはいますか?今は動物病院にかかることは考えていなくても、ペットも年齢を重ねるにつれて病院のお世話になる可能性が高まります。
犬や猫などのペットは、人間と異なり、公的な健康保険が存在せず、医療費はすべて飼い主の自己負担です。そんなときに頼りになるのがペット保険です。
しかし、ペット保険について調べると「条件が良くないからペット保険はいらない」といった口コミや意見もよく見つかり、入るべきか悩んでいる人も多いでしょう。
ペット保険の必要性に関するまとめ
- ペット保険は「免責金額」の存在から治療費の全額をカバーできないため、その必要性に疑問を持つ人もいます。
- しかし、ペット保険があれば高額な治療費の一部をカバーできるため、新しい治療を試したり、ペットの症状に合わせて適切な治療を選択できるメリットがあります。
- 特に犬や猫の場合は、高齢になると治療費が10万円近くかかることも珍しくありません。
- 万が一の際に最良の治療を受けさせるためにも、ペット保険はペットが若いうちから加入することをおすすめします。
- ペット保険の加入で悩んでいる方は、無料保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」でプロに相談してみましょう。
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目次
ペット保険とは?
ペット保険は、ペットが病気やケガで動物病院にかかったときの治療費の一部を補てんする保険です。
ペットは人間のような健康保険の制度がなく、基本的に診療費の全額を飼い主が自己負担します。
編集部
ペット保険は掛け捨て型の保険
人間の医療保険には保険料が返ってこない「掛け捨て」のほかにも、解約した際に積み立てた保険料の一部が解約返戻金として返ってくる「貯蓄型」などの種類があります。
注意点
一方、ペット保険に貯蓄機能はありません。掛け捨て型の保険のみ取り扱われています。
ペット保険は保険会社から治療費の一部を補てんしてもらえますが、治療費を全額保険でカバーできるわけではないことは理解しておきましょう。
ペット保険で補償される内容
ペット保険で補償される主な内容は以下のとおりです。
ペット保険で補償される内容
- 入院代
- 手術代
- 通院費用
さらに、人間の医療保険のように保険会社ごとに用意された特約を付けることも可能です。
編集部
ペット保険の対象にならないもの
人間の医療保険などと同じく、病気やケガによる治療ではないものは動物病院にかかったとしても費用は補填されません。
たとえば、以下のような費用です。
ペット保険の補償対象外の項目
- 去勢・避妊手術費用
- 健康診断
- ワクチン接種 など
ペット保険は上記のように、補償の対象にならない項目が複数あるため加入前にしっかり確認しておきましょう。
ペット保険はいらない?治療費から考える必要性
ペットを飼うにはさまざまな費用がかかります。ペット保険を選ぶ際には「治療費」がどれだけ必要かを知っておくことも大切です。
ここでは、犬と猫の年齢・疾病ごとに必要な治療費を紹介します。
犬にかかる治療費(年齢・疾患別)
犬の年齢別の疾患に対する治療費の中央値と、平均値は以下のとおりです。アニコムの家庭動物白書から、代表的な疾患を抜粋して紹介します。
表は横にスライドできます
疾患(大分類) | 0歳 | 1~4歳 | 5~8歳 | 9~12歳 | |
循環器疾患 | 中央値 | 18,463円 | 26,460円 | 50,162円 | 75,286円 |
平均値 | 46,753円 | 50,149円 | 87,096円 | 118,894円 | |
呼吸器疾患 | 中央値 | 8,624円 | 8,813円 | 13,068円 | 21,189円 |
平均値 | 16,491円 | 21,223円 | 36,395円 | 60,315円 | |
筋骨格疾患 | 中央値 | 10,800円 | 9,908円 | 11,051円 | 14,256円 |
平均値 | 79,665円 | 47,956円 | 40,396円 | 47,174円 | |
皮膚疾患 | 中央値 | 8,100円 | 11,902円 | 16,524円 | 19,645円 |
平均値 | 16,402円 | 30,279円 | 42,766円 | 51,254円 | |
全身性の疾患 | 中央値 | 7,340円 | 8,316円 | 10,800円 | 14,256円 |
平均値 | 15,457円 | 17,865円 | 25,021円 | 37,512円 |
治療費のデータを見ると、年齢が上がるにつれて、特に循環器疾患や呼吸器疾患の治療費が増加する傾向にあります。
十分な貯蓄がある場合や、治療費がそれほどかからない犬種であれば、ペット保険が必ずしも必要ではないかもしれません。しかし、高齢犬や特定の疾患を持つ犬にとっては、ペット保険が経済的な負担を軽減する助けとなる可能性が高いです。
猫にかかる治療費(疾病・年齢別)
猫の場合、疾病ごとにかかる年齢別の治療費(中央値・平均値)は以下のとおりです。
表は横にスライドできます
疾患(大分類) | 0歳 | 1~4歳 | 5~8歳 | 9~12歳 | |
循環器疾患 | 中央値 | 23,818円 | 39,818円 | 45,684円 | 56,121円 |
平均値 | 49,725円 | 67,132円 | 78,814円 | 91,470円 | |
呼吸器疾患 | 中央値 | 7,727円 | 7,992円 | 11,920円 | 18,981円 |
平均値 | 16,746円 | 20,148円 | 37,616円 | 51,193円 | |
筋骨格疾患 | 中央値 | 8,910円 | 9,331円 | 10,881円 | 11,123円 |
平均値 | 38,026円 | 27,778円 | 30,257円 | 30,267円 | |
皮膚疾患 | 中央値 | 6,739円 | 6,264円 | 8,130円 | 9,437円 |
平均値 | 12,465円 | 13,136円 | 17,772円 | 28,601円 | |
全身性の疾患 | 中央値 | 8,424円 | 9,158円 | 11,772円 | 15,059円 |
平均値 | 17,211円 | 18,829円 | 24,986円 | 37,759円 |
犬の場合と同様に、猫も高齢になるにつれて循環器疾患や呼吸器疾患の治療費が増加する傾向にあります。猫を飼う際もペット保険の必要性をしっかりと検討することが重要です。
ペット保険のメリット
ペット保険の主なメリットは以下の通りです。
ペット保険のメリット
- 治療費の自己負担額が減る
- 治療の選択肢が広がる
- ペットの病気の早期発見に役立つ
治療費の自己負担額が減る
ペット保険に加入していれば、自己負担額が3割から5割ほど軽減されます。給付金額や対象となる診療には制限がありますが、治療費をある程度カバーできる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
たとえば、愛犬が誤飲をして検査や手術治療が必要になった場合、費用は数万円に上ることがあります。
予期しない支出となれば、経済的な負担がかかることでしょう。しかし、ペット保険があれば負担が減るため、安心して治療を受けられます。
治療の選択肢が広がる
ペット保険があれば、経済的な事情から治療を諦めることなく、ペットの症状に合わせて適切な治療方法を選択できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
ペット保険に未加入の場合、治療費は完全に自己負担となるため、経済的な制約から高額な治療が不可能になる場合も考えられます。
適切な治療を受けられるべき状況で、経済的制約のために治療を諦めるのは飼い主にとってもペットにとっても避けたい状況です。
編集部
ペットの病気の早期発見に役立つ
ペット保険に未加入の場合、治療費が完全に自己負担となるため、「できるだけ動物病院の受診を控えたい」と感じることがあるでしょう。
ただし、ペットの成長や老化スピードは通常「人の約4〜7倍である」と言われており、がんなどの病気は進行が速い傾向があります。診療をためらっている間に、症状が悪化することもあるかもしれません。
ペット保険に加入していれば、治療費の支払いを必要以上に心配せずに済み、結果的に病気やケガの早期発見と早期治療につながる可能性が高くなります。
ペット保険のデメリット
ペット保険のデメリットについては以下の通りです。
ペット保険のデメリット
- 基本的には掛け捨てのため、支払った保険料が戻ってこない
- ペットが高齢になるほど、保険料が高くなる
- 補償対象外の治療がある(去勢・避妊手術など)
基本的には掛け捨てのため、支払った保険料が戻ってこない
基本的にペット保険は掛け捨て型です。掛け捨て型とは、解約返戻金や満期保険金がほとんど出ない保険のことを言います。
例えば、ペットが健康で病院にかかる必要がなく、保険金を請求をする機会がなければ、支払った保険料は戻ってこないことになります。
編集部
ペットが高齢になるほど、保険料が高くなる
ペット保険は、人間と同様にペットの年齢が上がるにつれて、保険料も高くなる傾向にあります。
例えば、保険商品によって異なりますが、4歳で加入する場合と8歳で加入する場合では、月々の保険料が倍以上異なることもあるのです。
また、一定の年齢を超えると新規で加入できなくなるケースもあるため、早めの検討が大切です。
補償対象外の治療がある(去勢・避妊手術など)
ペット保険は、商品ごとに補償の対象となる病気や治療内容が異なります。そのため、動物病院で提供される全ての治療や処置が必ずしも保険の適用になるわけではありません。
例えば、去勢手術や避妊手術、健康診断、予防接種などは、ペット保険の補償対象外とされていることが一般的です。
編集部
ペット保険の必要性が低い人は?
ペット保険は治療費の一部をカバーできる点が魅力ですが、ペットを飼う人全員が必要というわけでもありません。
ここでは、「ペット保険が不要な人」はどんな人かを解説します。
全額補償されない点に魅力を感じない人
動物病院の治療費全てが補償されるわけではない
ペット保険の補償対象には数多くの種類がありますが、補償対象にならない治療もあります。
補償対象外の治療
- 避妊・去勢
- 予防接種
- 健康診断
- 歯の治療費 など
また、加入前に罹患していた病気・ケガに関しては原則補償の対象外です。
編集部
歯に関しては人間だけでなく犬猫でも治療を行う機会は多いのですが、原則補償されません。
免責金額も設定される
ペット保険はプラン内容によって、治療額の〇%をカバーできるかが決まります。
さらに、プランによるパーセンテージではなく「免責金額」が設定されるのも特徴です。
たとえばトータルの治療費が3万円かかった場合で考えてみましょう。
免責金額が3,000円、補償割合50%の保険であった場合、受け取れる保険金額は以下のとおりになります。
(3万円-3,000円)×0.5%=13,500円
このように、「治療費の半分を受け取る契約と思っていたら、免責金額の分だけ受け取り額が目減りする」ということになります。
また、このケースでは治療費は3,000円以下の場合は全額が自己負担になってしまうということでもあります。
編集部
高額な治療費を貯金でまかなえる人
貯金が十分にあり、ペットが病気になったりケガをしたりして高額な治療費の請求がきたとしても、まとまったお金を支払える人であれば、ペット保険に加入する必要性は低いと言えるでしょう。
注意点
ただし、ペットの治療費は非常に高額となる場合があります。
編集部
このような高額な費用をポンと出せるかどうかが、ペット保険加入の境目になるでしょう。
また、単に治療費を出すことができたとしても、他人にケガをさせた賠償が高額になると支払えない可能性もあります。
ポイント
もしペットが他人を傷つけた場合や他人のものを壊してしまった場合でも、ペット保険に加入していれば「ペット賠償責任特約」を付帯させることで万が一の際に補償が受けられます。
ペット保険の必要性が高い人は?
ペット保険がいらない人の特徴を見てきましたが、一方でペット保険はどんな人に必要なのでしょうか?
ここからは、ペット保険の必要性が高い人の特徴をご紹介していきます。
いざというときの支払いに不安がある人
「いざというときに絶対に治療費を捻出できる」という確信があるならペット保険に加入する必要性は低いでしょう。
逆にいえば、絶対に治療費を出せる確信がないのであれば、ペット保険に加入する必要性は高いといえます。
ポイント
- どれだけ飼い主が気を付けていても病気になることはありますし、防ぎようのないケガもあります。
- もし治療費が払えないためにペットの命を諦めることがあったら、耐えられるでしょうか。
編集部
高度医療などの選択肢を増やしたい人
ペットの治療技術の発達によって、最近では高度な医療も選択できるようになりました。
以前は薬でしか対処できなかった病気でも、手術による処置が可能になった、といった具合です。
手術を受けるとなれば手術代のほかに入院代も必要で、費用も高額になります。
金銭の問題で効果が見込める治療を諦めざるを得ない可能性もあるかもしれません。
ペット保険の選び方7つのポイント
ペット保険に加入する際は、以下のポイントに注目して選びましょう。
ペット保険の選び方
- 補償内容が適しているか
- 補償割合や制限の有無などの条件
- 免責の有無
- オプション(特約)
- 保険料の払込方法や割引の有無
- 補償の適用開始日
- 保険金の受け取り方法
ペットの種類や年齢、健康状態によってはペット保険に加入できない場合もあるため、はじめに加入条件はしっかり確認しておきましょう。
❶補償内容が適しているか
ペットの種類や年齢、健康状態によって必要な補償が異なります。例えば、病気やケガの治療費や手術費、予防接種などの項目が含まれているか確認しましょう。
❷補償割合や制限の有無などの条件
補償の割合や制限事項にも注目しましょう。特に手術や治療に対する補償の範囲や上限金額、年間での補償限度額などが重要です。
❸免責の有無
「免責」とは、その漢字が表す通り「責任を免れること」を指します。保険会社が支払いを免れる事由に関する契約上の条件であり、ペット保険に限らずさまざまな保険契約において使用される用語です。
免責ありの場合 | 免責なしの場合 |
---|---|
月額保険料が安く、大きなケガや病気に備えることができます。
ただし、設定金額以上の診療費にしか補償が適用されず、日常的な費用にはあまり役立ちません。 |
日常的な診療費から大きな病気まで幅広くカバーできますが、その分保険料は高くなります。 |
どちらもメリットとデメリットがあり、家計の状況やペットの健康状態に合わせて選ぶことが大切です。免責を正しく理解していないと、保険を利用する際に予想外のトラブルが発生する可能性もあります。
編集部
❹オプション(特約)
ペット保険には、「通院・入院・手術」など基本的な補償以外の支出を補償するためのオプションである特約があります。各保険会社が提供している特約は、その種類や内容が異なります。
ペット保険のオプション(特約)
- 『賠償責任特約』…ペットが他者やそのペットにケガや損害を与えた場合に、賠償金を支払う
- 『火葬費用特約』…ペットが亡くなった際に発生する火葬費用などの葬儀に関する費用を一部補償する特約
特約をうまく活用することで、補償内容がより充実したものとなるでしょう。
❺保険料の払込方法や割引の有無
保険料の支払い方法や家族割引、複数ペット割引などがあるか確認し、自身の予算や家庭の状況に合ったプランを検討しましょう。
❻補償の適用開始日
保険の契約から補償が適用されるまでの期間を確認しましょう。急な病気やケガに備え、適用開始までの日数を考慮することが重要です。
❼保険金の受け取り方法
保険金の受け取り方法や手続きについても確認しましょう。
ペット保険の保険金受け取り方法には、「窓口精算」と「後日精算」の2種類があります。窓口精算は、動物病院での支払い時に保険がその場で適用されるため、一時的に全額負担する必要がありませんが、対応していない病院も多いです。
一方、後日精算は、保険料が安く、全国どの動物病院でも利用できますが、診療費を一時的に全額自己負担しなければなりません。
編集部
まとめ
今回は、ペット保険の必要性や犬・猫の病気で必要になる治療費など、後悔しないために知っておくべき情報を詳しく解説しました。
ペット保険は「免責金額」の存在から、治療費の全額をカバーすることはできません。そのため、「条件が良くないからペット保険はいらない」といった声をよく耳にする方は多いでしょう。
しかし、ペット保険に加入すれば高額になる治療費の一部をカバーできるため、新しい治療を試せるなど選択肢が広がります。
高齢になれば犬なら1年で15万円前後、猫でも8万円近い治療費がかかることも珍しくありません。飼い主の責任で最良の治療をしてもらうためにも、ペットが若いうちからペット保険への加入を検討しましょう。
編集部