老後資金の準備として注目されている「つみたてNISA」は、将来の資産形成をサポートする制度です。
少子高齢化や低金利の時代、効率的に資産を増やすための方法として、多くの人に利用されています。
つみたてNISAでは、投資による利益が非課税となり、税金分をそのまま運用に回せるため、効率的に資産形成が可能です。
この記事の要点
- つみたてNISAは、毎年最大40万円を20年間非課税で投資できる制度です。
- 金融庁が認めた優良商品に投資でき、リスクを分散しながら資産形成が可能です。
- 運用に不安がある方は、無料保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」でプロのアドバイスを受けることをおすすめします。
この記事は5分程度で読めます。
※この記事では2023年までのNISA制度について解説しています。
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つみたてNISAとは?
編集部
積立投資の方法は他にもありますが、非課税になることでより効率よく資産運用が可能になるのは「つみたてNISA」ならではのメリットです。
一般NISAとの違い
つみたてNISAのほかに「NISA」と呼ばれる制度に「一般NISA」もあります。
それぞれの違いを表にすると以下のとおりです。
つみたてNISA | 一般NISA | |
対象者 | 日本に住んでいて、口座開設の年の1月1日現在で満20歳以上の人 | |
---|---|---|
注意事項 | 一般NISA、つみたてNISAの併用はできない | |
投資方法 | 積立 | スポット購入・積立 |
投資上限 | 40万円 | 120万円 |
非課税の期間 | 最長20年 | 最長5年 |
非課税対象 | 金融庁の基準を満たす投資信託 | 国内・外国株式・投資信託 |
金融機関の変更 | 毎年変更できる | 毎年変更できる |
口座開設期間 | 2042年開始年まで | 2023年開始年まで |
一般NISAは積立投資だけでなく、一括購入でも投資できる点が異なります。
また金融庁の条件を満たした投資信託しか購入できないつみたてNISAと違い、個別株式なども投資対象です。
ポイント
両者の仕組みを比較すると、「投資で得られた利益にかかる税金(20.315%)が非課税になる」「国内居住の満20歳以上の人なら利用できる」「金融商品の売却や資金の引き出しが自由」という点は共通です。
編集部
特に一般NISAの非課税期間が最長5年のところ、つみたてNISAでは最長20年という点が大きく違います。
ポイント
- なお、つみたてNISAは本来、2037年までの制度でしたが、法改正によって2042年まで延長されています。
- 一般NISAの現行制度は2023年で終了しますが、2024年からは新NISAがスタートします。
つみたてNISAの目的
つみたてNISAに頼らなくても、投資で利益を得ることはできます。
編集部
安定した長期の資産形成
つみたてNISAの投資上限額は1年で40万円です。
ポイント
- 一般NISAの年間120万円と比較すると少額しか投資できません。
- その代わり、非課税期間は最長で20年もあるのがメリットです。
投資を始めたときから20年も非課税の恩恵を受けられるため、頻繁に売買をせず長期的にじっくり投資をしたい目的に向いています。
初心者でも気軽に始められる投資手段
これまで投資の経験がなかった人や、本格的な投資の経験がほとんどない人にこそ、つみたてNISAはおすすめできる制度です。
ポイント
つみたてNISAの制度を利用できる金融商品は金融庁で厳選された一部の投資信託・ETF(上場投資信託)に限られています。
「金融庁で指定している条件」は、以下のとおりです。
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと引用元:金融庁|2023年までのNISA
通常、販売されている金融商品は数千以上にものぼります。
注意点
商品特性やリスクがさまざまで、なかには初心者向けでないハイリスク・ハイリターンな銘柄も存在します。
つみたてNISAであれば、最初から厳選したラインナップの中から選ぶことができます。
編集部
少額から始める資産形成
つみたてNISAでは、毎月100円から投資を始めることができ、まとまった資金がなくても問題ありません。月額上限3万円の範囲内で、長期的に少額ずつ積み立てることができるため、投資初心者に適しています。
まとまった資金がない人でも始めやすいため、投資にそこまでお金をかけられない初心者の方に向いています。
時間をかけずに資産運用を実現
つみたてNISAでは、投資対象を選定し、毎月の積立設定を行えば、あとは自動的に積立投資が行われます。これにより、投資のタイミングを考える必要がなく、忙しい方でも手軽に資産運用を進めることが可能です。
通常の投資では、売買のタイミングを自分で判断し、市場の動向や銘柄の分析に時間をかける必要がありますが、つみたてNISAではその手間がかかりません。
編集部
つみたてNISAの仕組み
毎月決まった金額を積立投資する
つみたてNISAは文字通り、積立での投資を行うことになります。まずは、毎月または毎日積み立てる金額を設定することから投資の準備を進めましょう。
毎月の上限は3万3,333円
つみたてNISAで拠出できる金額は、1年で40万円までと決まっています、
ポイント
- なお、つみたてNISAは毎月以外に、毎日の積立も可能です。
- この場合、1日の積立金額の上限は「40万円÷その年の営業日数」までになることを覚えておきましょう。
ボーナス月の設定も可能
つみたてNISAでは通常の積立以外に、ボーナス月に積立額を増やすこともできます。
たとえば通常月の積立額が毎月2万円(1年で24万円)の場合、年2回のボーナス時に追加で8万円ずつ追加投資することで1年間の非課税の上限である40万円を綺麗に使い切ることが可能です。
注意点
ただし、通常の積立とボーナスの拠出を合わせて1年の拠出上限が40万円であることに注意しましょう。
最長20年、最大800万円までが非課税
1年に積立できる金額の合計は40万円で、さらに最長20年にわたって非課税が継続します。
編集部
もともと、つみたてNISAは2037年までの非課税制度でしたが、法改正によって2042年まで5年延長されているためです。
ポイント
- 2021年から投資を始めるとして最長で22年の時間があります。
- 今から投資を始める方でも、最大880万円の非課税の恩恵を受けることは十分に可能です。
つみたてNISAの利益・複利の仕組み
つみたてNISAを利用することで長期にわたって効率的な投資ができます。
編集部
積立NISAで効率よく資産運用できる3つの仕組み
つみたてNISAで効率よく資産運用できる大きな理由は、やはり運用益が非課税であることでしょう。
ポイント
- 投資信託の分配金が仮に1万円だったとして、通常の投資信託では受け取って再投資に回せるのは約8,000円です。
- しかし、つみたてNISAでは1万円をまるごと再投資できることで効率的な運用が可能になります。
編集部
長期分散投資によるリスクの分散
つみたてNISAで選べる銘柄はインデックスファンドが大半です。たとえば日本の東証株価指数(TOPIX)や、米国のS&P500といったベンチマークと連動した値動きを目指すことができます。
ポイント
- TOPIXであれば約2,000、S&P500なら500の企業に分散投資するのと同じ効果が得られます。
- 1つの個別銘柄の株価が大きく下落しても他の銘柄でカバーでき、資産が大きく目減りするリスクを低減できるのです。
- さらに、長期投資になることによってリスクを分散させられます。
投資のリターンは預金のように一定ではなく、大きくリターンを得られるときもあれば大きく下がるときもあります。
長期投資によって複利効果が得られる
たとえば100万円を投資して、毎年5%の利子を受け取るケースで考えてみましょう。
編集部
最初は単利と複利で受け取れる利子に差はありませんが、時間が経てば経つほど受け取れる金額は複利の方が大きくなるのです。
ドルコスト平均法による平均買付価格の低下
投資信託だけのことではありませんが、投資商品は毎日のように価格が変動しています。
一括投資の場合、購入したあと株価が値上がりするか、値下がりするかで利益を得られるかどうかが決まってしまいます。
ポイント
- 一方の積立投資では、同じ金額で長期間にわたって投資を続けることになります。
- 途中で投資信託の価格が大きく下がったとしても、長い目でみると大きく資産を増やせる可能性があります。
編集部
価格が変動する金融商品を毎月一定額で投資をすることで、価格が高いときには買付数量は自然と少なくなります。
逆に価格が安い時には買い付け数量が自然と多くなるのです。
一例として、毎月一定額を買い付ける方法(ドルコスト平均法)と、毎月一定株数を買い付ける方法で平均買付価格の違いを見てみましょう。
株価 | 100円 | 125円 | 80円 | 100円 | |
購入月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
毎月
100株購入 |
100株 | 100株 | 100株 | 100株 | 400株 |
10,000円 | 12,500円 | 8,000円 | 10,000円 | 40,500円 | |
毎月
1万円購入 |
100株 | 80株 | 125株 | 100株 | 405株 |
10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 40,000円 |
一定株数を購入する方法に比べ、一定金額を購入する方法のほうが株価が高い時に買い付け数が少なく、株価が安い時に多く購入できています。
編集部
まとめ
今回はつみたてNISAの概要としくみについて解説しました。
つみたてNISAでは毎年40万円を最長20年にわたって非課税にすることで、長期の資産形成の助けになります。投資対象も金融庁が定めた条件をクリアした優良な商品に限られるため、投資の初心者であっても効率的に資産運用がしやすくなっています。
また、つみたてNISAで投資することで自然と「分散投資」「長期投資」「ドルコスト平均法」などリスクを分散・低減できる仕組みを利用できます。
つみたてNISAの仕組みや特徴を理解して、長期の資産運用をスタートさせましょう。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。 ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。 また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
生命保険の業界歴10年。年間500世帯の相談実績。 社会保険・税金の効率化、家計・固定費の見直し、保険の新規加入・見直し、住宅購入・住宅ローン、資産形成・老後の年金対策・少額投資(iDeCo・NISAなど)、不動産投資と幅広い分野に精通。