がん保険には掛け捨て型と貯蓄型の2種類があり、「どちらを選べばいいのか分からない」と迷っている方は多いのではないでしょうか。
多くのがん保険は解約返戻金がない「掛け捨て型」が主流ですが、どちらのタイプもそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが優れているかを一概に判断するのは難しいです。
この記事では、特に「掛け捨て型」のがん保険に焦点を当て、その特徴やメリット・デメリット、貯蓄型保険との違いについて徹底解説します。
編集部
この記事の要点
- 掛け捨て型のがん保険は、保険料が安く広範な保障が得られますが、保険料は戻ってこないため、貯蓄機能がありません。
- 一方、貯蓄型のがん保険は、万が一の保障と将来の備えが同時にできますが、掛け捨て型よりも数倍高い保険料が必要です。
- 掛け捨て型のがん保険は、一定期間だけがんのリスクに備えたい方や保険料をできるだけ抑えたい方におすすめです。
- がん保険を選ぶ際は、保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」で専門家と相談してみましょう。専門家があなたのニーズに合わせて40社以上の保険商品から最適な保険をご提案!相談料は何度でも無料です。
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目次
がん保険の掛け捨て型と貯蓄型とは?
掛け捨て型のがん保険は保障に特化している
掛け捨て型のがん保険とは、解約した時に解約返戻金や満期金などを受け取れない、あるいは受け取ることができてもごくわずかな金額の保険のことです。
編集部
掛け捨て型のがん保険は解約返戻金が返ってくる貯蓄性の高い保険に比べて、保険料が安くなるのが特徴です。
貯蓄型のがん保険は解約返戻金が受け取れる
貯蓄型の保険は、解約した場合に払い込んだ保険料の一部を解約返戻金として受け取れるため貯蓄型と呼ばれます。
給付金を受け取る理由が全くないとしても、解約返戻金という形で一部を受け取れるため、保険料が全て無駄になるということがありません。
編集部
掛け捨て型がん保険のメリット・デメリット
掛け捨て型のがん保険のメリット
掛け捨て型がん保険のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
掛け捨て型のメリット
それぞれについて見ていきましょう。
貯蓄型と比べて保険料が安い
掛け捨て型がん保険の最大のメリットは、貯蓄型よりも保険料が割安に抑えられることです。
例えば、子育て世代は子どもの教育費や住宅ローンなどの負担が大きい時期なので、がん保険だけでなく家計のあらゆる出費は最小限にしたいと思うでしょう。
編集部
小さな保険料で大きな保障が得られる
掛け捨て型のがん保険は、保険料の負担を最小限にしつつ、がんに対して大きな保障を得られます。
ただし、注意点としては貯蓄性能がない分、将来の備えは自分の手で行わなければいけません。
浮いたお金を趣味や娯楽費に使うこともできますが、若いうちから老後を見据えて資産形成を進めておくべきです。
保険の見直しが容易
医療の技術は日進月歩であり、保険もそれに合わせて進化しています。
ひと昔前の保険では、入院した場合に数日の免責期間が設定されるのが一般的でした。現在では入院日数が減少して通院による治療にシフトしており、入院時の免責期間があると支払い対象にならないまま退院してしまうこともあります。
従来は「がん」と診断された場合の一時金を重視した保険商品が一般的でしたが、現在は医療の進歩に合わせて入院1日目から保険金を受け取れる保険が大半です。
編集部
このように、時代の変化に即した新しい保険のほうが、従来の保険よりも現代のニーズに合っていることがあります。
今の保険よりご自身に合う保険を見つけた場合は、保険の切り替えが必要になるでしょう。
注意点
- 一方の貯蓄型の場合、短期で中途解約をすると支払った保険料よりも少ない解約返戻金しか受け取れません。
- 場合によっては元本割れのリスクがあるため、新しい保険への切り替えが難しい場合があります。
掛け捨てならそもそも解約返戻金がありません。
編集部
掛け捨て型がん保険のデメリット
掛け捨て型はメリットが大きい保険ですが、もちろんデメリットもあります。
契約前に以下のデメリットを把握しておきましょう。
掛け捨て型のデメリット
それぞれについて見ていきましょう。
途中で解約しても解約返戻金がない
掛け捨て型の保険料が割安なのは、解約返戻金や還付給付金が受け取れないことによります。
編集部
「貯蓄と保障を一緒に準備したい」というニーズには対応できないため、加入者自身が
- 別の貯蓄型の保険に加入する
- 将来を見据えて自発的に預貯金・投資を行う
等といったアクションが必要です。
保険期間が決まっている商品がある
ひとくちに掛け捨て型といっても、保険によって保険期間はさまざまです。
終身タイプのほか、5年・10年など定期タイプの保険もあります。
このような定期タイプの保険の場合、保険期間満了時に更新するか解約して他の保険に切り替えるかを決める必要があります。
注意点
- 更新タイプの保険料は終身よりは保険料が安めに設定されていますが、更新を重ねるごとに年齢に合わせて保険料が上がるのが一般的です。
- 最終的には終身型よりも保険料が割高になることは知っておきましょう。
貯蓄型のがん保険のメリット・デメリット
貯蓄型のがん保険のメリット
解約返戻金を受け取れる
貯蓄型のがん保険を途中で解約する場合、解約返戻金を受け取れることがあります。
保険料のうち一部が積み立てられることで、解約時の解約返戻金に充てられます。
編集部
貯蓄型の保険はがん保険以外では終身保険・養老保険・学資保険などがメジャーな存在です。
1つの保険で保障と貯蓄がセットで得られる
保険を契約する人の中には、保障と同じくらい貯蓄性を重視する人もいます。
ポイント
- 貯蓄型のがん保険を選択することで、がんへの保障と資産運用を1つの契約で行えるのがメリットです。
- 保険料を積み立てることで自動的に貯蓄できるので、普通預金ではすぐ現金が引き出せるため上手に貯められない人にも向いています。
契約者貸付を利用できる
自分自身で今まで積み立ててきたお金を利用するため、貸付けを受けるのにも厳しい審査は必要ありません。
本当に保険を解約して解約返戻金を受け取る場合、その後に病気やケガをすると保障を受けられなくなります。
編集部
自動振替制度を利用できる
出費が重なったとき、一時的に口座の残高が不足して保険料を支払いできない事態が考えられます。
編集部
貯蓄型のがん保険のデメリット
貯蓄型のデメリット
掛け捨て型よりも保険料が高い
解約返戻金という形のメリットを享受できる反面、保険料の一部を積み立てるために掛け捨て型と比較すると保険料が高くなるのがデメリットです。
注意点
- 掛け捨て型では保障部分に対してのみ保険料を支払いますが、貯蓄型では保障部分と積立部分の両方に保険料の支払いが必要になります。
- そのため、負担する保険料が掛け捨て型の2倍以上になることも珍しくありません。
- 特約を追加すると保険料はさらに高くなるため、その分保障を減らしてしまっては本来の目的であるがんへの備えが手薄になることも考えられます。
途中解約すると貯蓄性の高さが発揮できない
貯蓄型の解約返戻金は、長く契約することで少しずつ金額が大きくなっていきます。
注意点
短期間での解約では、解約返戻金が払込保険料を大きく下回るリスクがあります。
短期間で解約してしまった場合、高い保険料を支払うことによって得られる貯蓄型のメリットが十分に発揮されません。
高い返戻率が期待できない
貯蓄型と聞くと、高い貯蓄性がメリットになると考えるでしょう。
しかし、がん保険の場合は貯蓄型といっても返戻率はそこまで高くありません。
注意点
長く加入することで解約返戻金が支払保険料を上回る保険としては終身保険・養老保険・学資保険などが有力ですが、これらと比較して解約返戻率は低く設定されるのが一般的です。
掛け捨て型と貯蓄型のがん保険、どちらを選べばいい?
がん保険における貯蓄型、掛け捨て型の違いを以下の表にまとめました。
貯蓄型 | 掛け捨て型 | |
保険料 |
△ 掛け捨て型より割高 |
○ 貯蓄型より割安 |
解約返戻金 | ○
商品次第であり |
×
なし |
満期保険金 | ○
商品次第であり |
×
なし |
魅力 | ・貯蓄性がある
・解約返戻金がある ・契約者貸付が使える |
・保険料が割安 ・その分特約を付けて保障を充実させやすい・見直しがしやすい |
注意点 | ・保険料が高め
・早期解約の場合、返戻金は少ないか全くない |
・保険料は戻ってこない
・更新のたびに保険料が高くなる |
加入の目的 | ・保障と貯蓄を一緒に行いたい
・保険の見直しを行う予定がない |
・できるだけ保険料を抑えたい
・シンプルな商品を選びたい |
上記から分かるように、掛け捨て型と貯蓄型のがん保険、どちらが優れているかは一概に言えるものではありません。
また、掛け捨て型も貯蓄型も基本的な保障内容は大きく変わらないため、個々のライフスタイルや予算、将来の資金計画によって選択すべきでしょう。
編集部
掛け捨て型のがん保険、保険料の相場は?
年齢によって相場は異なる
基本的に年齢が上がるにつれて保険料は高くなります。
編集部
掛け捨てで終身のタイプは各社豊富なプランを用意しているため、保障の手厚さによって保険料はまた変わってきます。
シンプルなプランでは40代で約2,000円でも、手厚い保障が付帯する場合は保険料が5,000円近い金額になることも考えられます。
がん保険のタイプによる保険料の違い
終身・掛け捨て型がん保険
終身・掛け捨て型がん保険は保険料がずっと一定のタイプです。
ポイント
- 保険料の払込期間を「60歳まで」「65歳まで」と決めることができます。
- ずっと払い続ける「終身払い」よりも、1ヶ月当たりの保険料は高くなるのが特徴です。
- その代わり、払込期間後は保険料負担なしで一生涯の保障が受けられます。
終身・貯蓄型がん保険
終身・貯蓄型のがん保険は、終身・掛け捨てと同様に保険料が一定です。
注意点
- ただし、保険料は掛け捨て型の数倍にもなることがある点には注意が必要です。
- 還付金を受け取った後も保険に加入したい場合、その割高な保険料を払い続けなければいけません。
還付金を受け取ったとしても、生涯を通じて保障に対して割高な保険料を払い続けることになる点は理解しておきましょう。
掛け捨て・定期がん保険
ある決まった期間に保険料を支払い、その期間だけ保障が受けられるタイプです。
編集部
更新は5年単位であり、若いうちの保険料は終身より安いのが特徴です。
注意点
- ただし、原則として更新のたびに保険料は上がっていきます。
- おおむね50歳までは終身保険と比較して割安ですが、50歳を超えて更新すると保険料は上がって終身を上回る可能性があります。
一生の保障として終身がん保険に加入したうえで、働き盛りの間だけ定期がん保険に加入するといった使い方も可能です。
編集部
掛け捨て型のがん保険がおすすめな人の特徴
では、実際に掛け捨て型のがん保険はどのような人におすすめなのでしょうか?以下の項目に、どれくらい当てはまるか確認してみてください。
おすすめな人の特徴
- 一定期間だけがんのリスクに備えたい人
- なるべく保険料を安く抑えたい人
- 一時金の受け取りを希望する人
- 他の生命保険と組み合わせてリスクに備えたい人
自分のライフスタイルやニーズを今一度整理して保険商品を選びましょう。
一定期間だけがんのリスクに備えたい人
掛け捨て型は契約期間を設定できるため、将来の特定の期間においてがんの発症リスクに備えるのに適しています。
例えば、子供の学費をまかなうために特定の期間内に給付金が必要な場合や、住宅ローンの返済期間中にリスクをカバーしたい場合におすすめです。
編集部
なるべく保険料を安く抑えたい人
掛け捨て型は通常、終身型よりも保険料が安い傾向にあります。
リーズナブルな保険料でがんのリスクに備えられるため、若い世代や子どもの教育費や生活費で支出の多い世代でも利用しやすいでしょう。
一時金の受け取りを希望する人
掛け捨て型の場合は、がんが発症した場合に一括で給付金が支払われます。そのため、がん治療や生活費用の急な支出に対応できるか不安な人におすすめです。
また、一時金の利用方法は自由であり、治療費用だけでなく、家計の支えや追加の医療機器購入などにも活用できます。
編集部
他の生命保険と組み合わせてリスクに備えたい人
一般的に、生命保険は死亡時や入院時に給付金が支払われるものであり、がん以外の疾病や事故に対する補償が含まれています。
一方、がん保険はがんの発症に特化した給付金を提供します。したがって、両者を組み合わせることで、がんに限らず幅広いリスクに備えることが可能です。
掛け捨て型のがん保険は比較的安い保険料で利用でき、特定の契約期間内のリスクに備える柔軟性があります。そのため、他の生命保険との組み合わせると、効果的に包括的な保障を得られます。
掛け捨て型のがん保険の選び方
掛け捨て型のがん保険を選ぶ際には、どのような点に気を付けて選べばよいのでしょうか。主な3つのポイントをご紹介しますので、がん保険を選ぶ際の参考にしてください。
がん保険を選ぶ際のポイント
- 保険料の安さだけを求めない
- 契約更新時は見直しのチャンス
- 契約更新ができないこともあるので終身型がおすすめ
保険料の安さだけを求めない
掛け捨て型がん保険に加入する方は、「保険料を安くしたい」と考える方が多いです。
注意点
もちろん、同じ保障内容であれば保険料が安い方がお得ですが、必要な保障を外したり、給付金が受け取れる条件を厳しくしたりして保険料を安くしている可能性もあります。
そのため、保険料の安さだけでなく必要な保障がカバーされているか、保障内容を確認するとともに、給付金の支払い条件もしっかりチェックするようにしましょう。
契約更新時は見直しのチャンス
掛け捨て型がん保険は、保障期間が10年や20年といったように、一定期間に限定されている「定期型がん保険」のこともあります。
定期型がん保険は、保険期間満了時に契約更新手続きをすることが多いです。
ポイント
その際に、同じがん保険で更新するのももちろん良いですが、保障の見直しをするとともに新しく発売されたがん保険も検討すると良いでしょう。
医療の進歩により、がんの治療法には日々新しい技術が取り入れられています。それに合わせて、がん保険の保障内容も変更されているので、10年や20年前のがん保険とは保障内容が大きく変わっている可能性があります。
貯蓄型がん保険は、解約返戻率が小さくなってしまうということもあり、簡単に解約することが難しいですが、掛け捨て型がん保険であれば解約返戻金を気にせずに最新のがん保険に乗り換えることができます。
契約更新ができないこともあるので終身型がおすすめ
注意点
掛け捨て型で定期型がん保険に加入している場合、保険期間満了時に契約更新の手続きをしたいと思っても、一度がんに罹患してしまっていたり更新時の健康状態が良好でなかったりする場合は、契約更新ができない可能性があります。
がんは、高齢になるにつれ罹患率が高くなっていく疾病です。
編集部
しかし、一度がんに罹患してしまった、または健康状態が良好でなくなってしまったという場合は更新ができず、がん保障が付けられない可能性があります。
必要な年代に必要な保障が得られなくなる可能性があるため、高齢期のがん保障にもしっかりと備えた方は、終身型のがん保険を検討することをおすすめします。
まとめ
今回は、掛け捨て型のがん保険にスポットを当てて、特徴やメリット・デメリット、保険料の相場をご紹介しました。
掛け捨て型のがん保険とは、解約時に解約返戻金や満期金などを受け取れない保険のことです。手頃な保険料で広範な保障を手に入れられる反面、保険料が戻ってこないため貯蓄性がないといった特徴があります。
これらの特徴から、掛け捨て型のがん保険は一定期間だけがんのリスクに備えたい方や、なるべく毎月の保険料を安く抑えたい方などにおすすめです。
加入の際は、保険料の安さだけでなく必要な保障がカバーされているか、保障内容とともに給付金の支払い条件もしっかり確認して選びましょう。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。 ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。 また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
愛知県出身。社会保険・税金の効率化、家計・固定費の見直し、保険の新規加入・見直し、住宅購入・住宅ローン、資産形成・老後の年金対策・少額投資(iDeCo・NISAなど)の相談を得意とする。