そこで今回は、掛け捨ての医療保険の特徴やメリット・デメリットについて解説します。保険料の平均相場や、どんな人におすすめかも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- 掛け捨ての医療保険は、貯蓄型の医療保険に比べて保険料が安いというメリットがあるため、一時的に大きな医療保障を用意したい時に向いています。
- 掛け捨ての医療保険を検討する際は、入院給付金日額、1入院あたりの入院給付金の支払期間の2つを意識しましょう。
- 医療保険は万が一の時の医療費をまかなう日本の健康保険制度を補うためのものなので、健康保険制度の仕組みを知っておくことも大切です。
- 自分に合った掛け捨ての医療保険を選ぶためには、保険相談窓口で専門家に相談してみることがおすすめです。
- 保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」では、40社以上の保険商品から専門家があなたにぴったりの保険をご提案します。
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掛け捨ての医療保険とは?
掛け捨て型の医療保険は、保障期間が定められた医療保険の一種で、一定の期間(例えば5年や10年)ごとに契約が更新されます。
契約期間中に病気やケガをした場合、保険会社から給付金を受け取ることができますが、契約期間が終了すると保障も終了し、払った保険料は戻りません。
編集部
しかし、貯蓄性がない分、保険料が手頃に設定されており、少ない負担で必要な保障を受けることができるという特徴があります。
貯蓄型の医療保険との違い
掛け捨て型の医療保険と貯蓄型の医療保険は、主に保障内容と保険料の使われ方に違いがあります。
掛け捨て型は、保険料が比較的安価で、加入期間中に保障を受けることができますが、解約時に返戻金はありません。必要な保障だけを選べるため、保険料を抑えつつ、高い医療費への備えをすることができます。
一方、貯蓄型の医療保険は保険料の一部が貯蓄として積み立てられ、解約時には返戻金があることが特徴です。ただし、掛け捨て型に比べて保険料が高く、保障内容も限定的になることがあります。
掛け捨ての医療保険のメリットとデメリット
ここでは、掛け捨ての医療保険に加入するメリットとデメリットを解説します。両者を理解し、自分に向いているか判断してみてください。
掛け捨ての医療保険のメリット
保険料が割安
掛け捨て型の医療保険は、解約返戻金がないため、貯蓄型医療保険に比べて保険料が割安です。
貯蓄型では、解約返戻金の原資として契約者が支払う保険料が必要ですが、掛け捨て型ではその分を保険料に反映させる必要がないため、より低い保険料で同様の保障を受けることができます。
保険の見直しがしやすい
掛け捨て型の医療保険には、保険の見直しがしやすいという大きなメリットがあります。
ポイント
- 日本の医療技術が高度になるにつれ、入院日数が短期化されたり、がんの治療を通院で行えるようになったりするなど私たちを取り巻く医療環境も変化しています。
- その流れに合わせるように、民間の医療保険も日々進化しています。
貯蓄型の医療保険では解約返戻金が発生するため、解約をためらうケースが多く、柔軟な見直しが難しくなってしまいがちです。
一方で、掛け捨ての医療保険なら、健康状態に問題がなければ、自分にとって魅力のある医療保険が販売された際、柔軟に切り替えることができます。
編集部
掛け捨ての医療保険のデメリット
解約返戻金や満期保険金がない
掛け捨ての医療保険のデメリットは、解約返戻金や満期保険金がないという点です。
保険料が安いのは魅力的ですが、加入期間中に一度も保険金の支払いを受けなければ全くお金が戻って来ません。
編集部
更新のたびに保険料が上がる可能性がある
掛け捨ての医療保険は、契約更新のたびに保険料が上がる可能性があることもデメリットです。
多くの保険は年齢が上がるごとに保険料が増加する仕組みになっており、健康状態や年齢の変化によって将来的なコストが予測しづらくなります。
編集部
特に高齢になると保険料の上昇幅が大きくなるため、掛け捨て型を長期間利用する場合は、最終的な保険料負担を考慮して選びましょう。
掛け捨ての医療保険がおすすめなのはこんな人
掛け捨ての医療保険の最大の魅力は、保険料が割安であることです。この特徴を踏まえ、以下のような方におすすめです。
掛け捨ての医療保険が向いている人
- 月々の保険料をできるだけ抑えたい人
- 医療費以外の支出が優先で、医療保障に過剰なコストをかけたくない人
- 必要に応じて保障内容を柔軟に見直したい人
掛け捨ての医療保険は、特に医療保障に過剰な費用をかけたくない人や、家計の中で他の支出を優先したい人に向いています。
また、保障内容がシンプルであるため、ライフスタイルや必要に応じて柔軟に見直しが可能です。
編集部
掛け捨ての医療保険の平均相場
掛け捨ての医療保険の平均相場は、年齢、性別、保険内容(保障額や特約など)によって大きく異なりますが、一般的な目安として以下のような相場感があります。
- 20代~30代:約1,500円~3,000円
- 40代~50代:約3,000円~5,000円
- 60代以上:約5,000円~8,000円
また、保険料は健康状態によっても大きく異なります。健康状態に問題がある場合は、保険料が割増されることも少なくありません。
編集部
掛け捨ての医療保険加入の際に知っておくべきこと
掛け捨ての医療保険に加入する際、以下のポイントを押さえておくと、保障内容や保険料をより自分に合ったものに調整できます。
入院保障額の目安
生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」(令和4年度)によると、医療保険の入院給付金日額の平均は以下の通りです。
年度 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
平成22年 | 11,000円 | 9,200円 |
平成25年 | 10,900円 | 9,000円 |
平成28年 | 10,800円 | 9,200円 |
令和元年 | 10,900円 | 9,100円 |
令和4年 | 9,600円 | 8,100円 |
出典:生命保険文化センター「1日あたりの入院保障額はどれくらい?」令和4年度をもとに作成
このように、近年では医療保険の入院給付金日額に大きな変動はなく、男性は約11,000円、女性は約9,000円が平均となっています。
自己負担費用の目安
同調査によると、入院時の自己負担費用の平均は2万700円で、以下のように分布しています。
自己負担費用 | 割合 |
---|---|
5,000円未満 | 13.8% |
5,000円~7,000円未満 | 8.8% |
7,000円~10,000円未満 | 11.5% |
10,000円~15,000円未満 | 23.3% |
15,000円~20,000円未満 | 7.9% |
20,000円~30,000円未満 | 16.0% |
30,000円~40,000円未満 | 5.5% |
40,000円以上 | 13.2% |
出典:生命保険文化センター「1日あたりの医療費(自己負担額)はどれくらい?」をもとに作成
上記の自己負担額は、高額療養費制度を利用した後の金額となっており、治療費に加えて食事代、差額ベッド代、交通費(見舞いに来る家族の交通費)、衣類、日用品費なども含まれています。
平均在院日数
厚生労働省の「令和2年患者調査」によると、退院患者の平均在院日数は32.3日でした。
疾病の内容や治療の進行具合によって在院日数は異なりますが、年齢別の平均在院日数は以下の通りです。
年齢 | 平均在院日数 |
---|---|
0歳~14歳 | 8.9日 |
15歳~34歳 | 12.2日 |
35歳~64歳 | 24.4日 |
65歳以上 | 40.3日 |
75歳以上 | 45.0日 |
年齢を重ねるごとに、入院期間が長くなる傾向が見られるため、医療保険選びでは年齢に応じた保障内容が重要となります。
公的医療制度も含めて検討しよう
ケガや病気で手術や入院をした場合、医療費がかかりますが、全額自己負担をするわけではありません。
国民健康保険や大企業の健康保険組合、協会けんぽなどの健康保険制度に加入していれば、医療費の負担割合は以下のようになります。
- 小学校入学前…医療費の2割
- 小学校入学後~69歳…3割
- 70歳~74歳…2割または3割
- 75歳以上…1割または3割
また、月々の医療費が一定額を超えた場合、高額療養費制度が適用され、その超過分が払い戻されます。
編集部
まとめ
今回は掛け捨て型の医療保険の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
掛け捨て型医療保険は、貯蓄型に比べて保険料が安いため、短期間で大きな医療保障を確保したい方におすすめです。ただし、保険料が安い反面、加入期間中に保険金の支払いを受けないと、保険料は全額戻ってこないため、「もったいない」と感じる方もいるかもしれません。
もし長期的な保障を希望する方や、保険料が戻ってくることを重視する方には、掛け捨て型の医療保険よりも終身型の医療保険の方が向いているでしょう。
医療保険を選ぶ際は、入院日額や平均在院日数など、今回ご紹介した資料を参考にしながら、自分に最適な保険を見つけてください。
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。