小さな子どもや妊娠中の方にとって、子どもの健康は第一。可能であれば子どもに医療保険をかけてあげたいと考えている親御さんもいるのではないでしょうか。
しかし、がんなどのリスクが低い子どもに医療保険は不要。とする意見もよく耳にします。社会保険の制度でカバーできる範囲であれば、民間の医療保険の必要性は薄いと言わざるを得ません。
今回は、子どもに医療保険は必要かどうかについて徹底解説していきます。

この記事の要点
- 子どもは一般的に受診率が低く、入院が必要になっても短期間で済むことが多いです。また、多くの自治体では公的制度で医療費の一部が補助されます。
- しかし、公的医療保険ではカバーされない費用もあり、その分を補うのが民間の医療保険です。
- 子どもの医療保険選びで失敗しないためには、保険相談窓口でプロに相談し、納得のいく保険を選ぶことが大切です。
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目次
子どもに医療保険が必要ないといわれる4つの理由
大きく4つの理由が挙げられるでしょう。
子どもは医療を受ける機会が少ないため
子どもは医療を受ける機会が少ないため、医療保険が必ずしも必要ないとされています。
厚生労働省の調査(平成29年患者調査)によると、0歳児を除いた14歳以下の子ども10万人あたりの受療率は非常に低く、特に入院については極めて少ないことがわかります。
年齢 | 入院 | 外来 |
---|---|---|
1~4歳 | 169 | 6,517 |
5~9歳 | 86 | 4,377 |
10~14歳 | 94 | 2,764 |
例えば、1~4歳の子どもで入院しているのは10万人あたりわずか169人(約0.17%)で、入院日数も平均7.4日と短期間です。
編集部
現状、医療保険の保障が入院保障が中心であることを考えれば、子どもに医療保険はいらないだろうという意見も頷けます。
公的な助成制度が充実しているため
子どもの医療費は充実した公的な助成制度によって、実質的に負担が大きく軽減されます。
また、地域によってはさらに助成があり、東京都では小学校入学前の医療費が無料(乳幼児医療費助成制度)で、小学校入学後も入院時の自己負担額が全額助成され、通院も1回あたり200円が上限となります。
さらに、小児がんなどの難病には、国の助成制度も整備されており、経済的な負担を気にせず医療を受けることができます。
編集部
予防接種や定期的な健康診断が充実しているため
予防接種や定期的な健康診断が充実していることも、子どもに医療保険がいらないと言われる理由のひとつとして挙げられるでしょう。
また、学校での健康診断や予防接種のスケジュールも整備されており、子どもが受けるべき基本的な医療サービスは公的に保障されていることが多いです。
そのため、医療費がかかるような大きな病気になるリスクは低く、過剰な医療保険の加入は避けるべきだと考えられています。
家族の保険でカバーできる場合があるため
子どもに医療保険が不要とされる理由の一つは、家族の保険で十分にカバーできる場合があるからです。
多くの保険では、親が加入している保険に子どもを家族として追加することができ、子どもの治療費が親の保険で保障される仕組みがあります。
「家族特約」や「家族加入」というオプションを利用できれば、わざわざ子どものために別途医療保険に加入する必要性は低いでしょう。
子どもに医療保険が必要なケースとは?
子どもが医療のお世話になることが少なく、受けたとしても医療費は助成される、ということがわかったと思います。ただし、公的な制度で助成されるのは、保険適用のある医療費のみという点は注意が必要です。
保険対象外の項目
- 通院の交通費
- 希望して個室に入院した場合の差額ベッド代 など
子どもが入院や通院をする際には、必然的に親の付き添いが必要になります。その際の交通費やその他の出費がかさむことも考えられます。
また、子どもの入院・通院のために仕事を休むことになれば、その分収入が減少したり、家事に手が回らなくなることも考えられます。
編集部
子どもの医療保険加入率はどれくらい?
実際に、どれくらいの子どもが医療保険に加入しているのでしょうか。
この数値は医療保険に限定せず、生命保険全般の加入率を調べたものですが、子どもが死亡保険や年金保険に加入するケースは少ないため、医療保障がおもな加入の目的と見てもいいでしょう。
編集部
※参考:生命保険文化センター:令和3年度「生命保険に関する全国実態調査」P15
子どもの医療保険加入で押さえるべきポイント
子どもの医療保険加入は義務ではなく、加入するかどうかは親の判断に委ねられています。費用面だけで考えるなら、公的な助成を活用すれば、あまり心配しなくてもよいという意見があることはお伝えした通りです。
以下では、それでも「子どものために医療保険に加入したい」と考える親御さんに向けて、どのような加入の仕方が良いのかを検討してみたいと思います。
できるだけ安価な保険を選ぶ
経済的な面から見て子どもに医療保険の必要性が薄いのであれば、できるだけ安価で、割安な保険に入るのがいいでしょう。
確率的には給付を受けない可能性のほうが高いのですから、この場合、医療保険に入っているという安心感を重視した加入といえます。
コストパフォーマンスのことだけを考えると不合理かもしれませんか、気持ちの面から保険に入るのも、保険加入の大きな動機のひとつです。
こんな考え方も…
- 医療保険が必要なときは、病気を患うなど、健康を害しているときですから、精神的にもダメージを負っています。
- そのうえ、貯蓄からお金を出さなくてはならない、という心理的な負担を軽減するのにも保険は役立ちます。
とはいえ、あまり出番がないかもしれない保険に、多額の保険料を支払って家計が圧迫されるのも本末転倒です。
加入するならこんな選び方も
- 掛け捨て型で定期タイプの医療保険に、なるべくシンプルな保障内容で加入します。
- 子どもの年齢なら、月額1,000円程度の保険料でも加入できる商品もあります。
- また、親がすでに加入している生命保険に、家族も対象になる医療保障を特約(オプション)としてセットするという方法もあります。
加入するつもりなら、生まれたらすぐ入る
子どものために医療保険に加入するつもりがあるなら、できるだけ早めに入ることをおすすめします。
なるべく早くに加入する必要がある理由
- 年齢が若いほど医療保険の保険料は安くなるため、月々の負担が軽くて済みます。
- 病気になってしまうと保険に加入しにくくなるためです。
子どもが生まれた後、ごく小さいうちに先天性の原因による病気であることが判明したり、病気が発症したりする可能性があります。
健康上の問題がないとわかれば解約してもいいでしょう。
注意点
- すでに病気の疑いがあって、検査を勧められている場合などは、診断される前であっても加入できない場合や、加入しても給付金が受け取れない可能性があります。
- 健康上の不安があるときは保険会社の担当者とよく相談のうえ加入しましょう。
終身タイプに加入し、成人したら引き継ぐ
終身タイプの医療保険に加入し、将来的に子どもへ引き継ぐという選択肢もあります。
定期タイプは保険料が安いメリットがありますが、終身タイプであれば子どものうちに加入することで、保険料が固定され、結果的に長期的に見てお得になります。
こんな考え方も…
- 早めに加入し、その保険料は当然、親が払い込むわけですが、子どもが成人したときに保険契約(保険料負担)を子ども自身に引き継ぐのです。
- 終身タイプの保険料は加入以降変わりませんから、子どもは大人になってから加入するよりもずっと安い保険料で終身の医療保障を受け続けることができるわけです。
特に、成人して間もない頃は貯蓄が十分でないため、医療保険による給付が大いに役立つ場面もあるでしょう。保険料が安ければ、なおさら助かるはずです。
編集部
医療保険以外に子どもに必要な保険は?
子どもの保険は、医療保険以外の保険についても合わせて考えておくとよいでしょう。
傷害保険
病気による入院は対象になりませんが、ケガであれば入院しなくても給付金が受け取れます。 子どもは入院が少ないことや、病気よりはケガの心配のほうが大きいイメージがあることを思えば、傷害保険は医療保険の代用としても選択肢に入るでしょう。
個人賠償責任保険
子どもがいると、子ども自身の病気やケガもさることながら、子どもが他人に対して迷惑をかけてしまうのが心配のタネになることもあるでしょう。
すでに加入済みの場合も
- 個人賠償責任保険は単独の保険商品もありますが、火災保険や自動車保険に特約として付加され、家族全員が補償対象になっていることが多いです。
そのため、すでに準備されているケースも多いと思いますが、もし付いていない場合は加入を検討しましょう。
学資保険(こども保険)
学資保険には、子どもの医療保障を特約としてセットできるものもあるため、別に医療保険に入るのではなく、医療保障のある学資保険に入ればいいのではないかと思う方もおられるかもしれません。
しかし、教育資金目的のために学資保険に入るなら、医療保障は切り分けたほうがいいでしょう。
医療保障付き学資保険には注意が必要
- 学資保険に医療保障特約を付けてしまうと、払い込んだ保険料の一部が保障準備に使われてしまい、学資保険の貯蓄部分の利率(返戻率)が下がってしまいます。
- せっかくの学資保険の意味が薄れてしまいますので、お金を貯めることと保障を得ることは別に考えるのがおすすめです。
まとめ
今回は子どもに医療保険は必要か?という切り口で、さまざまな面から検討してみました。
子どもが医療を必要とする機会は少なく、あっても短期間の入院や通院が中心です。さらに、日本は公的な助成制度が充実しているため、医療費の負担はかなり軽減されます。そのため、子どものために入院保障が中心の医療保険に加入することの必要性は低いと考える人が多いでしょう。
しかし、入院や通院が必要になった場合、公的医療保険だけではカバーしきれない部分が出てくる可能性もあります。医療保険が全く無意味とは言えません。
もし子どもに医療保険を検討するなら、家計に負担をかけない安価な保険に一時的に加入する、または終身タイプの保険に加入し、成人後に契約を引き継ぐといった方法もあります。
編集部
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。