医療保険、いくら払ってる?月額平均相場を男女・年齢別に解説

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ひとくちに医療保険といっても、年齢や保障内容など人によって保険料はさまざまです。

医療保険にすでに加入している人も、これから加入を検討している人も、「他の人は医療保険料を毎月いくら払っているのだろう?」と気になっているのではないでしょうか。

そこで今回は、医療保険の保険料の相場と併せて、病気やケガをしてしまった時の費用はいくらになるのかも解説します。

マガジン編集部

医療保険の保険料設定に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

この記事の要点

  1. 医療保険は保障内容や加入者の年齢などさまざまな要素で保険料が変わるため、必ずしも保険料が高い=保障が手厚いとは限りません。
  2. 保険料の安さも大切ですが、『自分自身が求める保障内容を満たしているか』を判断基準にして最適な保険に加入しましょう。
  3. 医療保険の加入・見直しを検討している人は、保険相談窓口で専門家に相談しながら検討するのがおすすめです。
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医療保険はいくら払ってる?平均相場を解説

医療保険に特化したデータは現状では存在しないため、医療保険や個人年金保険を含めた「生命保険」全体の数字を紹介します。

保険に加入している人は、一体保険料にいくら払っているのでしょうか?

年間の払込保険料の平均

年間いくら保険料払うアンケート

生命保険文化センターの調査によれば、1世帯が年間に支払う保険料の平均額は「37.1万円」で、月額にすると「約3.1万円」という結果になりました。

過去の平均支払額の推移を見てみると、年間支払保険料は徐々に減少傾向にあることも明らかになっています。

1世帯が1年間に支払う保険料平均額

平成27年

38.5万円

平成30年

38.2万円
令和3年
37.1万円

世帯年間払込保険料(全生保)の分布を見てみると、不明を除けば12万円未満(月額1万円未満)が全体の19.3%と最も高くなっています。

次に12~24万円未満(月額1~2万円未満)が17.6%、その次に24~36万円未満の16.0%という順番です。

中には84万円以上を払っている人が5.4%も含まれており、高い保険料を払っている人が全体の平均額を押し上げる結果になりました。

参考:生命保険文化センター|令和3年度「生命保険に関する全国実態調査」

世帯主の年齢別の払込保険料

世帯主の年齢別の払込保険料

マガジン編集部

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編集部
同調査では、世帯主の年齢別の払込保険料(全生保)も公開しています。

55~59歳、65〜69歳が43.6万円(月額約3.6万円)でもっとも高く、その前後の世代の50~64歳も約40万円以上の保険料を払い込んでいるのが特徴です。

45~64歳という広い世代において、平均の37.1万円を上回っています。

参考:生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」

男女の保険料の違い

生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査」では、払込保険料に男女で違いがあることが浮き彫りになりました。

その調査結果によると、男性の年間払込保険料の平均が20.6万円なのに対し、女性の平均は16.0万円でした。

【性別別】年間払込保険料

男性

20.6万円

女性

16.0万円

金額の分布を見てみると、女性よりも男性のほうが約2倍ほど毎月多くの保険料を支払っていることがわかります。

マガジン編集部

読者
男性より女性の方が、一般的に加入している保険料が安いことが分かりますね。

参考:生命保険文化センター|令和4年度「生活保障に関する調査」

医療保険をいくら払うか決めるときのポイント

保険に加入している人が、保険料にいくら払っているのか分かったところで、次は医療保険料を決めるときのポイントをご紹介していきます。

1. 保険期間

医療保険は大きく、以下の2種類に分けられます。

医療保険の種類

  • 定期医療保険
  • 終身医療保険

定期医療保険

定期医療保険は、あらかじめ設定された保険期間のみ保障を得られるタイプで、保険期間が「年満期」「歳満期」に更に細かく分かれます。

  • 年満期…「契約後10年」「契約後15年」と年数で区切るタイプ
  • 歳満期…「60歳まで」「65歳まで」といった契約の年齢まで保障されるタイプ

終身医療保険

一方の終身医療保険は、一生涯にわたって保障が継続されます。

定期医療保険のほうが終身医療保険より加入時の保険料低く設定されるのが一般的です。

注意点

  • その代わり、定期医療保険では更新のたびに保険料が上がります。
  • 終身医療保険は生涯にわたって同じ保険料のため、どこかのタイミングで定期医療保険の保険料のほうが終身医療保険よりも高くなります。

マガジン編集部

マガジン
編集部
言い方を変えれば、終身医療保険は歳を重ねたあとに必要な保険料を前払いしているということでもあります。

2. 保険料の払込期間

定期医療保険では、「保険期間=払込期間」になるのが原則です。

マガジン編集部

読者
保険期間が10年なら払込期間は10年、歳満期で65歳までの契約であれば払込期間は契約から65歳まで、ということですね。

契約のタイミング次第ではありますが、「契約から65歳まで」といった歳満期より、「10年間」などと決められた年満期のほうが払込期間は短くなるのが原則です。

ポイント

  • 一般的に、年齢を重ねるほど、ケガや病気になるリスクは上がります。
  • 保険期間終了時の年齢が若い年満期のほうが割安な保険料で契約が可能です。

一方、終身医療保険は保険期間と保険料払込期間が同じとは限りません

マガジン編集部

終身医療保険は一生涯で得られる保障が同じでも、商品によって払込期間を「終身払い」「短期払い」から選択できます。

終身払いと短期払いの違い

  • 終身払いは、文字通り契約者が亡くなるまで保険料を払い込み続ける方式です。
  • 一方の短期払いは「10年で払い込み完了」「65歳で払い込み完了」といった、期間内に必要な保険料を全額払い込む方式です。

一生涯分の保険料を一生かけて支払う終身払いでは、短期払いよりも毎月の保険料は安くなります

短期払いの場合、払込期間が短いほど、毎月の保険料が高くなるのが原則です。

ただし、終身医療保険では仕事を退職して年金暮らしになったあとも保険料を払い込み続けることになります。

生命保険文化センター「令和3年度 生命保険に関する全国実態調査」の世帯年間払込保険料を改めてご覧ください。

世帯年間払込保険料(タップして表示)
令和3年の世帯年間払込保険料(単位:万円)
全体 37.1
29歳以下 21.5
30~34歳 26.2
35~39歳 38.2
40~44歳 34.8
45~49歳 37.5
50~54歳 43.2
55~59歳 43.6
50~64歳 38.4
65~69歳 43.6
70~74歳 33.7
75~79歳 31.4
80~84歳 28.6
85~89歳 35.8
90歳以上 25.6

参考:生命保険文化センター|令和3年度「生命保険に関する全国実態調査結果」|38P

マガジン編集部

読者
65歳を境に大幅に支払保険料が減っていることがわかりますね。

年金生活に入って保険を見直したり子どもの自立によって保障額を小さくしたりといったことが考えられますが、老後の保険料負担を減らすために短期払いを選択し、65歳までに保険料の支払いを終えるケースが影響していることも十分に考えられるでしょう。

終身払いにすることで老後の生活が圧迫される可能性を考慮する

終身医療保険に加入して終身払いを選択した場合、毎月の保険料は短期払いに比べると安くなります

マガジン編集部

しかし、退職して収入が減った老後も亡くなるまでずっと保険料を負担し続けなければいけません

注意点

  • 保険料を終身払いにすることで、老後の家計が圧迫される可能性があるのです。
  • 医療保険に加入する時は「現在の保険料を安くする」ことだけを考えず、「老後に保険料を払っていけるのか」についても入念に検討しなければいけません。

短期払いを選択することで収入が安定している40~50代のうちに保険料を払い終えることが可能です。

マガジン編集部

読者
収入が安定している50代までに払い終え、老後の負担を少なくするのも1つの考え方ですね。

自営業と会社員で払込期間に対する考えは異なる

会社員では退職したり解雇されたりした場合「失業給付」を受けることができます。

注意点

  • 一方の自営業者やフリーランスが廃業・倒産してもそのような公的制度のサポートを受けることはできません
  • 自営業者や会社経営者が失業すると、保険料の支払いがあっという間に困難になる可能性があります。

マガジン編集部

読者
起業してからの期間が浅い人や、今後ずっと自営業者として安定的に経営していけるか不安な人は、収入が安定しているうちにできるだけ多くの保険料を払い込んでしまうという方法もありますね。

また、払い込んだ保険料のうち一定額は生命保険料控除の対象になります。

マガジン編集部

マガジン
編集部
多くの保険料を払うことで結果的に所得を減らすことになり、所得税・住民税の節税にもつながるでしょう。

3. 保障内容

医療保険は設定する保障内容次第で、毎月の保険料が大きく変わります。

マガジン編集部

読者
入院給付金の日額を5,000円よりも1万円にするほうが、保険料は当然高くなるということですね。

そのほか、医療保険には「通院特約」「先進医療特約」「3大疾病特約」など保険会社によってさまざまな特約が用意されています。

マガジン編集部

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編集部
この特約を付帯することで保障が手厚くなる代わりに、毎月の保険料は高くなります。

医療保険で大切なのは、保険料よりも「保障内容」

ポイント

  • 医療保険をはじめとする生命保険の保険料は、予定利率や予定事業費率、責任準備金(将来的に保険金の支払いに充てるための資金)などを基に算出されます。
  • 予定利率などが変化すれば保険料が改訂され、同じ保障内容でも保険料に差がでてくる場合があります。
  • 解約返戻金がある場合は積み立てるべき責任準備金が大きく、保険料は更に高くなります。

前述の払込方法「終身払い」「短期払い(10年払い)」「短期払い(65歳払い済み)」などの種類によって同じ保障内容でも保険料は変わります。

マガジン編集部

読者
保険料が高いほど保障が充実している、安いほど保障内容に不安が残る、と決まっているわけではないのですね。

マガジン編集部

マガジン
編集部
あくまで「どんな保障が必要なのか」を決めることを重視し、そのあとに払込方法などで保険料を抑えることを考えるのが良いでしょう。

4. 加入時の年齢

医療保険はケガ・病気による入院などに備える保険です。

ポイント

  • 一般的に、ケガや病気にかかるリスクは加齢とともに上がるほか、ケガが治るスピードも若い人と比べて遅くなります。
  • 医療保険の保険料は加入する年齢が上がるほど高くなり、加入時の年齢が若いほど保険料は安くなります。

特に終身医療保険で若い時に加入すれば、割安な保険料が文字通り生涯にわたって適用されます。

5. 加入時の健康状態

加入時の健康状態によっても、保険料が変わることがあります。

健康体割引が適用される保険もある

  • 「たばこを吸わない」
  • 「BMIなどの数値が保険会社に求められる数値以下である」
    などの条件を満たすと病気になるリスクが相対的に低いと判断され、通常の保険料から一定額が差し引かれることがあります。

一方で、持病がある人向けに引受基準が緩和されている「引受基準緩和型」と呼ばれる保険もあります。

引受基準緩和型保険とは?
引受基準緩和型保険とは、告知内容が少ない限定告知型の保険であり、加入時の審査の基準が低いことから持病がある方でも保険に加入できる可能性があるのがメリットです。

マガジン編集部

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その代わり、健康な人よりも保険金給付の可能性が大きいため、保険料は通常の保険よりも割高になります。

病気やケガをした時の負担額はいくら?

万が一、病気やケガで入院してしまった場合は、どれくらいの金額がかかるものなのでしょうか?

ここからは、生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」を参考に病気やケガをした時にかかる負担額を見ていきます。

入院時の自己負担額の平均は19.8万円

高額療養費制度を利用した人、しなかった人(適用外を含む)の入院時の自己負担額の平均は「19.8万円」でした。

注意点

  • 直近の入院時の入院日数別の自己負担費用をみてみると、入院日数が長いほど自己負担費用が高いのが特徴です。
  • 61日以上の場合は、実に60.9万円の入院費用が必要になっています。

表は横にスライドできます

入院日数 N 5万円未満 5~10万円未満 10~20万円未満 20~30万円未満 30~50万円未満 50~100万円未満 100万円以上 平均
全体 573 9.4 26.5 33.7 11.5 10.1 5.8 3.0 19.8
5日未満 116 25.9 38.8 26.7 6.0 1.7 0.9 0.0 8.7
5~7日 162 6.8 36.4 34.0 11.1 8.6 1.9 1.2 15.2
8~14日 132 6.8 23.5 44.7 12.1 9.1 2.3 1.5 16.4
15~30日 110 2.7 11.8 36.4 14.5 18.2 12.7 3.6 28.4
31~60日 33 3.0 9.1 18.2 24.2 24.2 15.2 6.1 30.9
61日以上 14 0.0 0.0 14.3 7.1 14.3 35.7 28.6 75.9

(単位=%)

引用元:生命保険文化センター|令和4年度生活保障に関する調査|59P

入院時の1日あたりの自己負担費用は平均2万700円

自己負担費用の総額を入院日数で割った1日あたりの自己負担費用を見てみると、平均で2万700円になりました。

費用の分布は1万円~1万5,000円未満が23.3%でもっとも多く、一方で4万円以上も13.2%と高い割合を示しています。

1日あたりの自己負担費用 割合
5,000円未満 13.8%
5,000~7,000円未満 8.8%
7,000~10,000円未満 11.5%
10,000~15,000円未満 23.3%
15,000~20,000円未満 7.9%
20,000~30,000円未満 16.0%
30,000~40,000円未満 5.5%
40,000円以上 13,2%
平均 20,700円

出典:生命保険文化センター|令和4年度生活保障に関する調査|59P

医療保険、いくら払ってる?に関するよくある質問

医療保険料はみんないくら払っているのでしょうか?
生命保険文化センターの調査によると、1世帯が年間に支払う保険料の平均額は37.1万円です。月額にすると約3.1万円という結果になりました。
支払保険料の中央値を教えてください。
不明を除けば12万円未満(月額1万円未満)が全体の19.3%と最も高いことがわかっています。次に12~24万円未満(月額1~2万円未満)が17.6%、その次に24~36万円未満の16.0%という順番です。
保険料はどのように決まるのでしょうか?
保険料は「予定利率」「予定事業比率」「予定死亡率」の観点で算出されます。加入者の健康状態や年齢は、予定死亡率の観点で測っています。
医療保険を安く加入する方法はありますか?
各社の割引制度を活用したり、早期加入を検討したりしてみましょう。割引制度を活用すれば通常よりも割安な保険料で加入でき、1年でも早く加入できれば保険料は安くなります。
入院1日あたりの自己負担費用を教えてください。
入院1日あたりの自己負担費用の平均は、およそ2.1万円です。症状によっても入院費用は異なるため、あくまでも参考程度に確認しましょう。

まとめ

今回は「他の人は医療保険料を毎月いくら払っているのだろう?」と気になっている人に向けて、医療保険料の相場と、ケガや病気をしてしまった際にかかる費用の平均をご紹介しました。

医療保険は「加入時の年齢」「保障内容」「保険料の支払方法」などによって保険料が変わるため、必ずしも保険料が高い=保障が手厚いとは限りません

保険料の額も大切ですが、ご自身が求める保障内容を満たしているのかを判断基準にして最適な保険を探しましょう。

マガジン編集部

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編集部
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監修者の紹介
小宮崇之

大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。

小宮崇之のプロフィール情報

小宮崇之

監修者の紹介
岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。

岡田行史のプロフィール情報

岡田行史

監修者の紹介
渡辺一哲

岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。

渡辺一哲のプロフィール情報

渡辺一哲