基本的に医療保険料は毎月支払うものなので、「なるべく安いものがいい」と考える方は多いでしょう。
確かに保険料の安さは重要ですが、「保険料が安いから」という理由だけで選ぶと、肝心なときに手厚い保障を得られない可能性があり、逆に支払う保険料が割高になるかもしれません。
そこで本記事では、安い医療保険を検討する際に重視すべき6つのポイントをご紹介。また、現在加入している医療保険料をさらに安くするコツや共済についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
安い医療保険を選ぶポイントまとめ
- 医療保険を選ぶ際に「ただ安いから」という理由だけで加入すると、いざという時に必要な保障を受けられない可能性があります。最初は保険料が安い定期保険も、更新を繰り返すうちに終身保険の保険料よりも高くなる場合も。
- 医療保険を検討する際は、給付金額や給付金の支払い限度日数、保険期間など保障内容もしっかり確認しましょう。
- 「保険料を抑えつつ手厚い保障を受けられる医療保険に加入したい」「今よりも保険料の安い医療保険に加入したい」という方は、専門家に相談することをおすすめします。
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安い医療保険を選ぶ6つのポイント
医療保険は、万が一の入院や手術の費用を保障してくれます。
しかし安心への備えといえど、過剰に保障内容を付帯しているのであれば、それは貯蓄に回すべきもったいないお金になるかもしれません。
ここでは、保険料に影響を与える6つのポイントを解説します。これらを参考にして、自分にとって必要な保障と費用のバランスを考えてみましょう。
保険料が安い医療保険を選ぶポイント
①入院給付金日額は5,000円?10,000円?
入院給付金は、病気やケガで入院した際に、1日あたり一定額を受け取れる保障です。一般的には、日額5,000円または10,000円の設定が多いですが、その他の金額も選べます。
令和4年度の調査によると、男性の平均入院給付金日額は9,600円、女性は8,100円です。日額10,000円が平均的で、5,000円はその半分です。
また、医療費は健康保険が適用される場合、年齢にもよりますが原則3割を自己負担するだけで済みます。医療費が一定額を超えると、高額療養費制度が適用され、さらに自己負担額が軽減されます。
このように、自己負担や高額療養費制度を理解していれば、医療保険の入院給付金日額を抑えることが可能です。
編集部
②入院給付金の支払限度日数は?
医療保険は1回の入院で受け取ることができる入院給付金の支払限度日数が定められています。
入院給付金の支払限度日数
- 30日 ←もっとも平均在院日数に近い保障
- 40日
- 60日
- 180日
- 360日
- 730日 など
厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査」によると、退院患者の平均在院日数は33.3日となっています。もちろん疾病の内容によっても在院日数は変わりますが、目安としては参考になります。
平均在院日数が長い傾向にある疾病
- 統合失調症
- 気分(感情障害)
- 精神に関する疾病
- アルツハイマー
- 血管性及び詳細不明の認知など認知症に関する疾病
上記疾病のような、長い在院日数が見込まれる病気については、支払限度日数を長めにしておくとよいでしょう。入院給付金の支払限度日数は短くするほど保険料は安くなります。
編集部
③手術給付金は「倍率一律タイプ」?「倍率変動タイプ」?
病気やケガで所定の手術を受けた場合に医療保険の手術給付金を受け取ることができます。
手術給付金のタイプ
- 倍率変動タイプ…手術の種類や入院の有無で入院給付金額の5倍・10倍・20倍・40倍が受け取れる
- 倍率一律タイプ…手術を受けた場合の手術給付金は一律20倍のように手術の種類などで倍率が変動しない
保険料という点で比較をすると、「倍率一律タイプ」の方が保険料は安い傾向があります。
一方で、大きな手術や重篤な病気のリスクがあると考える場合には、「倍率変動タイプ」を検討することで、より手厚い保障を得ることが可能です。
編集部
④支払い方法は短期払い?終身払い?
医療保険の終身タイプは、保障は一生涯ですが払い込み終了年齢を60歳、65歳などに前倒しすることができます。一生涯の医療保障は欲しいけれど、65歳からは年金生活になることを考えると65歳以降の保険料負担は避けたいですよね。
また、終身タイプの医療保険の保障は、一生涯となります。保険料の支払いも一生涯続ける医療保険を「終身払いの医療保険」といいます。
同じ年齢で、同じ保障内容であれば毎月の保険料は一般的には終身払いの方が安くなります。
注意点
- 短期払いは決まった年齢で保険料の支払いが終了しますが、終身払いはずっと払い続けていくことになります。
- 高齢になって保険料を払い続けていくと、一定年齢で総支払保険料額は終身払いが短期払いを上回ります。
⑤保険期間は定期?終身?
医療保険の内容が定期保険か終身保険かでも保険料は異なります。
ポイント
- 定期保険…5年や10年など、一定期間だけ保障が続くタイプです。保険料は安めですが、更新時に年齢に応じて保険料が上がります。解約返戻金はほとんどありません。
- 終身保険…一生涯保障が続くタイプで、加入時の保険料がずっと変わりません。掛け捨て型と解約返戻金がある積み立て型がありますが、定期タイプに比べると保険料は高めです。
短期的に保険料を抑えたいなら定期タイプがおすすめです。
編集部
⑥特約は必要か?
医療保険の基本的な給付内容は手術給付金と入院給付金です。追加の保障が必要な場合は特約を付けることができますが、その分保険料が高くなります。
安い医療保険を選びたい場合、どの特約が本当に必要かを見極めることが大切です。
以下は、一般的な医療保険に付けられる特約の例です。それぞれの特約がどのような場合に必要かを考え、無駄な保障を避けましょう。
特約の名称 | 給付内容 |
---|---|
入院一時金特約 | ケガや病気で入院した場合、入院給付金とは別に一時金が支給される特約。 |
先進医療特約 | 厚生労働大臣が定める先進医療を受けた場合、その技術料が支給される特約。 |
通院特約 | 入院後の通院治療に対し、1日あたり定額の給付金が支給される特約。 |
女性疾病特約 | 女性特有の病気(乳がんや子宮の病気)で入院した場合、入院給付金に上乗せされる特約。 |
がん診断給付金特約 | がんと診断された場合に一時金が支給される特約。1度だけ支給され、一定期間後に再度受け取れる場合も。 |
介護特約 | 介護が必要になった場合、介護保険金が支給される特約。 |
特約を選ぶ際は、実際にどのようなリスクをカバーしたいのか、またそのために追加費用がどのくらいかかるのかをしっかりと考えましょう。
編集部
医療保険料をさらに安くする方法はある?
ここまでの内容で、医療保険の保障内容や保障対象の選択次第で、安い保険料にできることがわかりましたが、ほかにも安くできる方法があります。
医療保険料をさらに安くす方法
割引制度を利用する
医療保険を含む生命保険では、加入者間の公平性を保つために加入する際に審査を行っています。審査の結果、保険会社が定める一定の基準を満たしている方のみが加入でき、原則として年齢と性別によって保険料が決まります。
ポイント
しかし、さらに一定の条件を満たしている方に対して、保険料の割引制度を適用している商品があり、主に「非喫煙者割引」と「健康体割引」が設けられています。
タバコを吸わない方や健康状態の良好な方は、病気にかかるリスクが低くなるため保険料が安くなります。
非喫煙者割引
一般的に、喫煙者は非喫煙者と比較してがんや血管・肺の病気などのリスクが高いとされています。
ポイント
保険会社としては、病気にかかるリスクの高い人よりもリスクの低い人の方が保険金や給付金を支払う可能性が低いので、保険料を安くすることができます。
また、保険料を安くしてでも非喫煙者の加入を促したいという思いもあるでしょう。
非喫煙者として認められるには、保険会社によって基準が異なりますが、特に「過去1年間は喫煙していない(紙巻きたばこ、葉巻、パイプ、電子タバコ、ニコチンガムなどを含む)」といった点が審査されます。
編集部
健康体割引
医療保険では、保険会社が定めた健康条件を満たしている方を対象に、健康体割引(優良体割引)を適用しているものもあります。
健康体であるかどうかを判断する基準は、細かくは保険会社によって異なりますが、一般的に「BMI」や「血圧」によって判断されます。判断基準となる数値の一般的な例を以下にご紹介します。
健康体の判断基準(一例)
- BMI=体重(kg) ÷[身長(m)の2乗]
18.0以上27.0以下
- 血圧(mmHg)
最高:140以下 最低:90以下
BMIは、高すぎると健康体として認められませんが、低すぎても認められていない点に注意が必要です。なお、すでにご紹介した非喫煙者割引と健康体割引を組み合わせれば、より安い保険料になる可能性があります。
保険料の払込方法を変更する
保険料の払込方法には、月払い、半年払い、年払いなどがありますが、現在月払いにしている方は半年払い、できれば年払いにすることで保険料が安くなる可能性があります。
ポイント
月払いは、毎月同じ金額を計画的に生活費から支払えるというメリットがありますが、保険料の支払総額で考えると、年払いにすることで約1か月分の保険料が節約できる可能性があります。
たとえば、毎月1万円ずつで1年間で12万円の保険料を支払っている場合、年払いにすることで11万円程度にできるということです。
年払いの割引率は保険会社によって異なりますが、毎月支払うよりも割引されることが多いです。
保険料が安い共済とは?メリット・デメリット
入院や手術などの医療費を準備する方法として、一般の保険会社の保険商品以外に、共済を使って準備をする方法があります。
共済の特徴とともに、メリットとデメリットについても解説します。
パッケージ化されている
保険会社の医療保険は、手術給付金と入院給付金を基本的な契約として、特約を上乗せしながら保障を拡充していきます。
それに対し、共済は医療保障として必要最低限の基本的なプランをベーシックプランとし、そのベーシックプランにあらかじめ特約を上乗せした商品を総合プランなどの名称で紹介しています。
しかし、商品がパッケージ化されていることから、医療保険に死亡保障がセットされたりすることがあります。
編集部
保険料(掛け金)が安い
保険でいう保険料のことを共済では掛け金といいます。
共済は、それぞれの共済が「非営利」で運営をしており、組合員がお金を出し合って、組合員の中で困った人が現れたらその人に共済金を渡すという「相互扶助」の仕組みを採用しています。
編集部
また、高齢者向けの共済は、掛け金は現役世代の掛け金と変わらない掛け金を設定し、保障内容を下げていくプランもあるため注意が必要です。
生命保険契約者保護機構に加入をしていない
各生命保険会社は万が一保険会社が破綻した時でも、契約者の保障を維持できるよう保険契約者保護機構に加入をしています。
編集部
共済は積み立て商品が少ないという特性上、破綻のリスクは少ないといわれています。しかし、いざという時のセーフティネットがないことだけは十分に注意しておく必要があるでしょう。
安い医療保険に関するよくある質問
少しでも安い医療保険に加入したい方はこちらの項目をチェックしてみてください。
まとめ
今回は、安い医療保険を選ぶ6つのポイントをはじめ、安い掛け金で保障を受けられる制度「共済」との違いや保険料を安く抑える方法についてご紹介しました。
保険料の安さだけで医療保険を選んでしまうと、万が一のときに手厚い保障を受けられないかもしれません。保険料の安さで選んでおきながら保険金が受け取れないと、支払ってきた保険料が無駄になってしまいます。
保険料が安い医療保険を検討している場合は、加入を決める前に今回ご紹介した6つのポイントを改めて確認しておきましょう。
編集部
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。