子どもの将来の進学に備えてお金を貯める方法として、学資保険が選択肢の一つになります。しかし、ひとくちに学資保険といっても保障内容は保険会社ごとにさまざまです。
月々の保険料を支払うことを考えると、誰もが「保険料が安い学資保険が良い」と思うでしょう。しかし、安い学資保険は本当にお得なのでしょうか?
この記事では、安い学資保険の特徴をはじめ、月々の保険料を安くするためのコツ、注意点まで詳しく解説します。
この記事の要点
- 安い学資保険は、貯蓄性に絞った比較的シンプルな商品であるため、より効率的に学資金を積み立てたいと考えている方には魅力的な商品です。
- しかし、保険料が安いからといって必ずお得ということではなく、返戻率が低い場合は将来十分な学資金を受け取れない可能性もあります。
- 将来必要になる教育資金を十分に備えるためには、無料保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」で専門家と相談しながら判断することをおすすめします。相談料は何度でも無料です。
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安い学資保険は本当にお得?
結論から言うと、安い学資保険は必ずしもお得とは限りません。
また、返戻率が低く、将来十分な教育資金を受け取れない可能性もあります。
学資保険に加入する際は、保険料だけでなく、保障内容や返戻率もしっかりと考慮することが大切です。
保障が充実していて安い学資保険もある
学資保険は基本的に「貯蓄型」と「保障型」に分かれますが、保障型の商品でも「保障が充実しており、なおかつ保険料が比較的安い」というものがあります。
しかし、そのような商品は返戻率が低めに設定されていることが多く、払い込んだ保険料よりも受け取れる学資金が少なくなる可能性もあります。

編集部
祝い金をなくすことで返戻率が上がることがある
学資保険によっては、保険期間中に受け取れる「祝い金」の有無を設定できる場合があります。
小学校、中学校、高校の入学時などに分けて数十万円のまとまった金額を受け取れるため、入学費用が多くかかる時期の資金繰りが安定するメリットがあります。
ポイント
- 祝い金なしのプランを選択した場合、これらのタイミングで祝い金を受け取れず、全て満期学資金でまとめて受け取りになります。
- ただし、祝い金をなくすことで、祝い金ありのプランと比べて返戻率が高くなりやすいメリットもあります。
学資保険の保険料を安くするための4つのポイント
実は保険料の安い学資保険を選ぶ以外にも、保険料を抑えるためのポイントがあります。以下をぜひ参考にしてください。
保険料を安くするための方法
❶他の保険と組み合わせる
学資保険を他の保険商品と組み合わせると、割引や特典が受けられる場合が多いです。
たとえば、生命保険や医療保険と学資保険を同じ会社で加入すると、通常よりも安い保険料で充実した保障を得られることがあります。
これにより、将来の教育資金の準備をしっかりと行いつつ、家計の負担を最小限に抑えることが可能です。
❷できるだけ早いうちに加入する
学資保険の保険料は加入時の年齢や加入期間に影響されるため、子どもや契約者(親)が若いうちから加入すると保険料が比較的安く抑えられます。
また、長い期間にわたって保険料を少額ずつ支払うことで、将来の教育資金を準備しやすくなるといったメリットもあります。
ただし、早期加入は選択肢も多くなるため、しっかり比較検討して自身や子供の将来に最適なプランを選ぶことが大切です。
❸余計な保障をつけない
学資保険にはさまざまなオプションや特典がありますが、必要のないものはつけないようにしましょう。
また、保険料が高くなるだけでなく、本来の目的である教育資金の積み立てが減少してしまう可能性もあります。
必要な保障だけを選んで、無駄な出費を減らすことが大切です。
編集部
❹保険料をまとめて支払う
保険料を一括で支払うと、保険会社から割引が適用されることがあります。また、分割払いの場合に発生する手数料が不要となり、長期間にわたる支払いの手間も省けます。
一括払いは初期にまとまった金額が必要ですが、長期的に見るとコストを抑えることができ、効果的な方法と言えます。
支払い方法を選ぶ際には、家計の状況を考慮し、一括払いのメリットを十分に活用することを検討してみましょう。
安い学資保険に加入する際の注意点
安い学資保険にはメリットばかりでなく、注意点・デメリットもあります。大切なことは、保険料の安さだけで保険への加入を決めてしまわないことです。
保険料が安いことは必ずしも「お得」ではない
学資保険では満期日の受取金額が同じであっても、加入年齢や払込期間で保険料が大きく変わります。保険料が安い学資保険は一見お得に感じますが、それだけで「お得な保険」とは言えません。
安さだけを重視して選んだ結果、目標金額を達成できなければ本末転倒です。
編集部
返戻率で商品を選ぶことが大切
返戻率は、100%を上回ると払込保険料を超える金額の学資金を受け取れ、逆に下回ると元本割れすることを表しています。
ポイント
- 返戻率は「貯蓄型」「保障型」どちらのタイプに属するかによっても異なりますが、商品およびプランによっては100%を下回る学資保険もあります。
- 返戻率が高い保険会社の場合、105%を上回る高い返戻率の商品も見つかります。
編集部
万が一の際の安心材料が多い一方で、保険料の一部が保障部分に回されるため、どうしても返戻率が低くなります。
注意点
- 返戻率が100%を下回ると元本割れしてしまうため、返戻率を下げてでも保障を得るかどうかは加入前に検討しておく必要があります。
- どちらを選ぶかは家庭の状況にもよるため、一概にどちらが優れているとは言えません。
さらに保険料を安くする方法を理解しておく
同じ保険会社の学資保険に加入しても、設定する条件次第で保険料をさらに安くすることが可能です。どのような条件で保険料が安くなるのか、以下に解説します。
保険料の払込期間をできる限り長くする
保険料の総支払額を抑える方法と、月々の保険料を低くする方法の両方を理解しておくと、学資保険を選ぶ際に役立ちます。月々の保険料を安くしたい場合は、払込期間を長く設定することが必要です。
短期払いを選択する
月々の保険料が高くなっても問題ない場合、払込期間を短くすることで、保険料の総支払額を抑えることができます。たとえば、18歳満期の学資保険でも、保険料の支払いを10歳までに済ませることが可能です。
ただし、短期払いを選ぶと月々の支払額が高くなるため、家計に与える影響をしっかり確認することが重要です。
子どもの出生前に加入する
学資保険に加入したときの子どもの年齢が若いほど、将来の返戻率は高くなる可能性があります。
子どもの出生前に加入できれば加入時の親の年齢が、出生後の加入に比べて1歳若くなることがあるため、さらに保険料を安くすることも可能です。
編集部
学資保険に関する税金についても理解しておく
学資保険に加入する際に「返戻率」「サービス内容」に関して気にする人は多いですが、一方で税金について理解しておくことも大切です。
編集部
払い込んだ保険料は「生命保険料控除」になる
学資保険で払い込んだ保険料は、生命保険料控除の対象です。
編集部
生命保険料控除の分が税率をかける前の所得から差し引かれることで、所得税・住民税の負担が軽減されます。
なお、ひとくちに生命保険料控除といっても、以下の3つに分類されます。
生命保険料控除
- 一般生命保険料控除
- 介護医療保険料控除
- 個人年金保険料控除
学資保険の場合は契約者に万が一のことがあった場合、保険料が免除になる生命保険の側面を兼ね備えているため、一般生命保険料控除に分類されます。
学資保険の控除額がいくらになるかは、払い込む保険料の額によって変わります。
具体的な控除額は以下のとおりです。
表は横にスライドできます
所得税 | 住民税 | |||
---|---|---|---|---|
区分 | 年間払込保険料額 | 控除される金額 | 年間払込保険料額 | 控除される金額 |
一般生命保険料
・ |
20,000円以下 | 払込保険料全額 | 12,000円以下 | 払込保険料全額 |
20,000円超 40,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +10,000円 |
12,000円超 32,000円以下 |
(払込保険料×1/2) +6,000円 |
|
40,000円超 80,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +20,000円 |
32,000円超 56,000円以下 |
(払込保険料×1/4) +14,000円 |
|
80,000円超 | 一律40,000円 | 56,000円超 | 一律28,000円 |
受け取った学資金は「一時所得」に分類される
編集部
一時所得の計算式は以下のとおりです。
一時所得の計算式
総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)=一時所得
ポイントは、特別控除額が50万円あることで、一時所得として増えた金額が50万円以下であれば税金がかかりません。
引用元:国税庁|No.1490 一時所得
このように、学資保険を一括で受け取る場合は、特別控除の存在によって課税されないことが一般的です。
注意点
- ただし、学資金を年金として毎年受け取る場合は一時所得ではなく雑所得として計算される可能性があります。
- その場合は特別控除がないため、上記と控除される総額は同じでも課税される可能性があります。
- あるいは一括受け取りでも、積立金額が大きいことで万が一受取額が50万円以上増えた場合は課税されるケースがあります。
編集部
安い学資保険に関してよくある質問
まとめ
今回は、安い学資保険が本当にお得なのか、月々の保険料を安くするためのコツ、そしてその際の注意点について詳しく解説しました。
学資保険は保険料が安くても、必ずしもお得とは限りません。保険料が低い商品でも返戻率が低い場合、将来の学資金が足りなくなる可能性があるからです。
保険料を安く抑えつつ返戻率を高くするためには、早期加入や保険料のまとめ払いが効果的です。
学資保険に加入する際は、「子どもが何歳のときに、いくら必要か」を考え、月々の保険料を逆算して決めましょう。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
専業主婦を経て、子供が4歳のときにファイナンシャルプランナー(FP)に転身。生命保険会社や大手保険代理店での勤務期間中には、数多くの店舗の立ち上げにも携わる。 約18年間で法人・個人5,000件以上のコンサルティングを担当。
自身の人生経験からもお金の大切さを痛感し、新聞社主催のマネーセミナーや女性のためのマネーセミナー、キッズセミナーなどの講師として活躍中。