安い学資保険は本当にお得?特徴や注意点を徹底解説!

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子どもの将来の進学に備えてお金を貯める方法として、学資保険が選択肢の一つになります。しかし、ひとくちに学資保険といっても保障内容は保険会社ごとにさまざまです。

月々の保険料を支払うことを考えると、誰もが「保険料が安い学資保険が良い」と思うでしょう。しかし、安い学資保険は本当にお得なのでしょうか?

この記事では、安い学資保険の特徴をはじめ、月々の保険料を安くするためのコツ注意点まで詳しく解説します。

マガジン編集部

学資保険を検討されている親御さんはぜひこの記事を参考にご家庭にあった保険商品を選んでくださいね。

この記事の要点

  1. 安い学資保険は、貯蓄性に絞った比較的シンプルな商品であるため、より効率的に学資金を積み立てたいと考えている方には魅力的な商品です。
  2. しかし、保険料が安いからといって必ずお得ということではなく、返戻率が低い場合は将来十分な学資金を受け取れない可能性もあります。
  3. 将来必要になる教育資金を十分に備えるためには、専門家と相談しながら判断することをおすすめします。
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安い学資保険は本当にお得?

結論から言うと、安い学資保険は必ずしもお得とは限りません

注意点

保険料が安い学資保険は一般的に契約内容がシンプルで、特約や保障などが付帯しておらず、貯蓄のみが主な目的となっていることがあるからです。

また、返戻率が低く、将来十分な教育資金を受け取れない可能性もあります。

学資保険の目的の一つは子どもの学費を確実に貯めることです。学資保険に加入する際は、保険料だけでなく、保障内容や将来的な返戻率もしっかり考慮する必要があります。

保障が充実していて安い学資保険もある

基本的に学資保険は「貯蓄型」と「保障型」に分かれています。

このうち保障型では「保障が充実していて、なおかつ保険料が比較的安い」という商品も存在します。

注意点

  • 魅力的な商品ですが、この場合は返戻率が低めに設定されている点に注意が必要です。
  • 返戻率が100%を下回る場合、払い込んだ保険料よりも受け取れる学資金が安くなります。

読者

読者
将来受け取れる学資金の額をシミュレーションしてみて、受け取れる金額が許容できる範囲内であるかどうかを確認してから加入を検討することが大切ですね。

祝い金をなくすことで返戻率が上がることがある

学資保険によっては、保険期間中に受け取れる「祝い金」の有無を設定できる場合があります。

祝い金とは?
祝い金とは、満期になったあとにもらえる満期学資金とは別に受け取れる一時金のことです。

小学校、中学校、高校の入学時などに分けて数十万円のまとまった金額を受け取れるため、入学費用が多くかかる時期の資金繰りが安定するメリットがあります。

ポイント

  • 祝い金なしのプランを選択した場合、これらのタイミングで祝い金を受け取れず、全て満期学資金でまとめて受け取りになります。
  • ただし、祝い金をなくすことで、祝い金ありのプランと比べて返戻率が高くなりやすいメリットもあります。

学資保険の保険料を安くするための4つのポイント

実は保険料の安い学資保険を選ぶ以外にも、保険料を抑えるためのポイントがあります。以下をぜひ参考にしてください。

❶他の保険と組み合わせる

学資保険を他の保険商品と組み合わせると、割引や特典が受けられる場合が多いです。

たとえば、生命保険や医療保険と学資保険を同じ会社で加入すると、通常よりも安い保険料で充実した保障を得られることがあります。

これにより、将来の教育資金の準備をしっかりと行いつつ、家計の負担を最小限に抑えることが可能です。

❷できるだけ早いうちに加入する

学資保険の保険料は加入時の年齢や加入期間に影響されるため、子どもや契約者(親)が若いうちから加入すると保険料が比較的安く抑えられます。

また、長い期間にわたって保険料を少額ずつ支払うことで、将来の教育資金を準備しやすくなるといったメリットもあります。

ただし、早期加入は選択肢も多くなるため、しっかり比較検討して自身や子供の将来に最適なプランを選ぶことが大切です。

❸余計な保障をつけない

学資保険にはさまざまなオプションや特典がありますが、必要のないものはつけないようにしましょう。

ポイント

学資保険は主に、教育資金を積み立てるためのものです。余計な保障をつけてしまうと、そのぶん保険料が高くなってしまいます。

また、保険料が高くなるだけでなく、本来の目的である教育資金の積み立てが減少してしまう可能性もあります。

必要な保障だけを選んで、無駄な出費を減らすことが大切です。

マガジン編集部

マガジン
編集部
自分では必要な保障を絞りきれないと迷う場合には、プロに相談してみることをおすすめします。

❹保険料をまとめて支払う

保険料を一括払いする場合、保険会社からの手数料や割引が受けられることがあります。通常、一括払いを選ぶと、分割払いよりも総支払額が割安になり、長期間にわたって支払う手間も省けます。

また、一括払いを選ぶことで、将来の保険料の値上げリスクも軽減できます

ポイント

学資保険は契約期間が長いため、分割払いを続けると、後の年齢での保険料が増額される可能性があります。
しかし、一括払いなら、将来の値上げに関係なく、契約時の保険料が適用されます。

一括払いは一時的に多額の支出が必要ですが、長期的な視野で見ればコストを抑えられ、効果的な方法です。

自身や子どもの教育資金を計画する際に、保険の支払い方法をよく検討してみましょう。

安い学資保険に加入する際の注意点

安い学資保険にはメリットばかりでなく、注意点・デメリットもあります。大切なことは、保険料の安さだけで保険への加入を決めてしまわないことです。

保険料が安いことは必ずしも「お得」ではない

学資保険では満期日の受取金額が同じであっても、加入年齢や払込期間で保険料が大きく変わります。保険料が安い学資保険は一見お得に感じますが、それだけで「お得な保険」とは言えません。

ポイント

学資保険では保険料の金額そのものよりも、「子どもが〇歳になるまでに〇万円を貯めたい」といった具体的な目標を設定することが大切です。

安さだけを重視して選んだ結果、目標金額を達成できなければ本末転倒です。

マガジン編集部

マガジン
編集部
保険料の安さと受取金額をバランスよく考え、目標達成に適したプランを選びましょう。

返戻率で商品を選ぶことが大切

返戻率は、100%を上回ると払込保険料を超える金額の学資金を受け取れ、逆に下回ると元本割れすることを表しています。

ポイント

  • 返戻率は「貯蓄型」「保障型」どちらのタイプに属するかによっても異なりますが、商品およびプランによっては100%を下回る学資保険もあります。
  • 返戻率が高い保険会社の場合、105%を上回る高い返戻率の商品も見つかります。

マガジン編集部

マガジン
編集部
一方の保障型は、医療保障育英年金などの仕組みが充実しています。

万が一の際の安心材料が多い一方で、保険料の一部が保障部分に回されるため、どうしても返戻率が低くなります

注意点

  • 返戻率が100%を下回ると元本割れしてしまうため、返戻率を下げてでも保障を得るかどうかは加入前に検討しておく必要があります。
  • どちらを選ぶかは家庭の状況にもよるため、一概にどちらが優れているとは言えません。

読者

読者
もし、できるだけ効率的に学資金を増やしたいのであれば、選ぶべき選択肢は貯蓄型ということになりますね。

さらに保険料を安くする方法を理解しておく

同じ保険会社の学資保険に加入しても、設定する条件次第で保険料をさらに安くすることが可能です。どのような条件で保険料が安くなるのか、以下に解説します。

保険料の払込期間をできる限り長くする

保険料の総支払額を抑える方法と、月々の保険料を低くする方法の両方を理解しておくと、学資保険を選ぶ際に役立ちます。月々の保険料を安くしたい場合は、払込期間を長く設定することが必要です。

例えば、払込期間を「10年」または「18年」から選択できる学資保険の場合、18年を選択すれば月々の支払額が安くなります。

短期払いを選択する

月々の保険料が高くなっても問題ない場合、払込期間を短くすることで、保険料の総支払額を抑えることができます。たとえば、18歳満期の学資保険でも、保険料の支払いを10歳までに済ませることが可能です。

ただし、短期払いを選ぶと月々の支払額が高くなるため、家計に与える影響をしっかり確認することが重要です。

子どもの出生前に加入する

学資保険に加入したときの子どもの年齢が若いほど、将来の返戻率は高くなる可能性があります。

子どもの出生前に加入できれば加入時の親の年齢が、出生後の加入に比べて1歳若くなることがあるため、さらに保険料を安くすることも可能です。

マガジン編集部

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ただし、全ての保険会社が出生前から加入できるわけではないため、妊娠中に学資保険に加入する予定がある場合は、早めに出生前の加入が可能な保険会社を探しておきましょう。

学資保険に関する税金についても理解しておく

学資保険に加入する際に「返戻率」「サービス内容」に関して気にする人は多いですが、一方で税金について理解しておくことも大切です。

マガジン編集部

マガジン
編集部
払い込む保険料と受け取る学資金、双方に関係する税金の知識について紹介します。

払い込んだ保険料は「生命保険料控除」になる

学資保険で払い込んだ保険料は、生命保険料控除の対象です。

生命保険料控除とは?
生命保険料控除とは所得控除の一つで、払い込んだ生命保険料に対して一定額が契約者の所得から差し引かれる制度です。

マガジン編集部

マガジン
編集部
所得税や住民税は課税所得に税率をかけることで税額が計算されます。

生命保険料控除の分が税率をかける前の所得から差し引かれることで、所得税・住民税の負担が軽減されます。

なお、ひとくちに生命保険料控除といっても、以下の3つに分類されます。

生命保険料控除

  • 一般生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除
  • 個人年金保険料控除

学資保険の場合は契約者に万が一のことがあった場合、保険料が免除になる生命保険の側面を兼ね備えているため、一般生命保険料控除に分類されます。

学資保険の控除額がいくらになるかは、払い込む保険料の額によって変わります。

具体的な控除額は以下のとおりです。

控除額(タップして表示)

表は横にスライドできます

所得税 住民税
区分 年間払込保険料額 控除される金額 年間払込保険料額 控除される金額
一般生命保険料


介護医療保険料

個人年金保険料
(税制適格特約付加)

20,000円以下 払込保険料全額 12,000円以下 払込保険料全額
20,000円超
40,000円以下
(払込保険料×1/2)
+10,000円
12,000円超
32,000円以下
(払込保険料×1/2)
+6,000円
40,000円超
80,000円以下
(払込保険料×1/4)
+20,000円
32,000円超
56,000円以下
(払込保険料×1/4)
+14,000円
80,000円超 一律40,000円 56,000円超 一律28,000円

引用元:生命保険文化センター|税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」

受け取った学資金は「一時所得」に分類される

読者

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保険料を払うことで所得税・住民税が安くなりますが、学資金を受け取った場合の税金についてはどうなるのでしょうか?

マガジン編集部

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編集部
学資保険の「満期学資金」や「祝い金」は、所得税の中でも一時所得にあたります。

一時所得の計算式は以下のとおりです。

一時所得の計算式

総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)=一時所得

ポイントは、特別控除額が50万円あることで、一時所得として増えた金額が50万円以下であれば税金がかかりません

引用元:国税庁|No.1490 一時所得

たとえば…
例えば払込保険料が200万円で受け取れる学資金が210万円(返戻率105%)というとき、払い込んだ保険料よりも10万円分多く受け取っているだけであるため税金は発生しません。

このように、学資保険を一括で受け取る場合は、特別控除の存在によって課税されないことが一般的です。

注意点

  • ただし、学資金を年金として毎年受け取る場合は一時所得ではなく雑所得として計算される可能性があります。
  • その場合は特別控除がないため、上記と控除される総額は同じでも課税される可能性があります。
  • あるいは一括受け取りでも、積立金額が大きいことで万が一受取額が50万円以上増えた場合は課税されるケースがあります。

マガジン編集部

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編集部
税金についての知識は返戻率や保障面といった学資保険の商品内容と比較すると見落とされがちですが、加入前に確認しておくことが大切です。

安い学資保険に関してよくある質問

安い学資保険はお得ですか?
安い学資保険は必ずしもお得とは言えません。学資保険を選ぶ際は安さだけでなく、給付条件や支払い期間を確認し、家族のニーズに適したものを選びましょう。保険会社の信頼性や評判も考慮し、総合的に比較すること大切です。
学資保険の保険料を安くする方法はありますか?
学資保険の保険料を安くする方法はいくつかあります。例えば、他の保険と組み合わせて割引や特典を受けること、できるだけ早いうちに加入すること、不要な保障を省くこと、そして保険料を一括でまとめて支払うことなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

まとめ

今回は、保険料が安いおすすめの学資保険やその特徴、選ぶ際の注意点について詳しく解説しました。安い学資保険は、貯蓄性に絞った比較的シンプルな商品であるため、より効率的に学資金を積み立てたいと考えている方におすすめです。

ただし、保険料が安いからといって必ずしもお得とは限りません。保険料が安い商品でも、返戻率が低い場合には将来十分な学資金を受け取れない可能性もあるからです。

保険料を安く抑えつつも返戻率を高くするためには、できるだけ早いうちに加入することや保険料をまとめて支払うことが有効です。

学資保険に加入する際は、まず「子どもが何歳のときに、いくら必要なのか」を考え、月々支払うべき保険料を逆算しましょう。

マガジン編集部

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編集部
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監修者の紹介
岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。

岡田行史のプロフィール情報

岡田行史

監修者の紹介
木村久美

専業主婦を経て、子供が4歳のときにファイナンシャルプランナー(FP)に転身。生命保険会社や大手保険代理店での勤務期間中には、数多くの店舗の立ち上げにも携わる。 約18年間で法人・個人5,000件以上のコンサルティングを担当。
自身の人生経験からもお金の大切さを痛感し、新聞社主催のマネーセミナーや女性のためのマネーセミナー、キッズセミナーなどの講師として活躍中。

木村久美のプロフィール情報

木村久美