そこで今回は、掛け捨ての医療保険の特徴やメリット・デメリットについて解説します。各所のデータを見ながら、自分にあった医療保険を検討する際の参考にしてください。
この記事の要点
- 掛け捨ての医療保険は、貯蓄型の医療保険に比べて保険料が安いというメリットがあるため、一時的に大きな医療保障を用意したい時に向いています。
- 掛け捨ての医療保険を検討する際は、入院給付金日額、1入院あたりの入院給付金の支払期間の2つを意識しましょう。
- 医療保険は万が一の時の医療費をまかなう日本の健康保険制度を補うためのものなので、健康保険制度の仕組みを知っておくことも大切です。
- 自分に合った掛け捨ての医療保険を選ぶためには、保険相談窓口で専門家に相談してみることがおすすめです。
- 保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」では、40社以上の保険商品から専門家があなたにぴったりの保険をご提案します。
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掛け捨ての医療保険とは?
編集部
医療保険に限らず、民間の生命保険は以下の2つのタイプがあります。
2種類の生命保険
- 貯蓄型…毎月の年齢や加入年数、保険料に応じて解約返戻金というお金が戻ってくる
- 掛け捨て型…解約をしても基本的に解約返戻金はない
掛け捨ての医療保険の種類
こちらも医療保険に限ったことではありませんが、保険は主に以下の2つに分類されます。
保険の種類
- 定期保険
- 終身保険
保険期間が満期を過ぎて、同じ内容を更新する場合は告知をする必要はありませんが、その時の年齢の保険料で更新をする必要があります。
編集部
保険期間中に保険料が上昇することはなく、また、保障期間と保険料の払込期間は必ず同じというわけではありません。
編集部
ポイント
- 同じ保障内容で比較をすると、一般的には医療保険は定期保険で加入すると保険料は安くなります。
- 次に終身保険のうち、保険料払込期間も終身にした場合、保障は一生涯で、保険料払込期間を前倒しにした場合が保険料は高くなります。
- なお、定期保険と終身保険どちらも基本的な保障内容に変わりはありません。
掛け捨ての医療保険のメリットとデメリット
掛け捨ての医療保険に加入することで得られるメリットとデメリットはどういったものでしょうか。
まずはメリットから見ていきましょう。
掛け捨ての医療保険のメリット
一般的によくいわれる掛け捨ての医療保険のメリットは以下の2つです。
保険料が割安
貯蓄型の保険で受け取れる解約返戻金の原資は、契約者が支払う保険料です。
掛け捨ての医療保険は解約返戻金の分を保険料に反映させる必要がないので、貯蓄型の医療保険よりも保険料が割安になります。
保険の見直しが容易
掛け捨て型の医療保険には、保険を見直しやすいという大きなメリットがあります。
ポイント
- 日本の医療技術が高度になるにつれ、入院日数が短期化されたり、がんの治療を通院で行えるようになったりするなど私たちを取り巻く医療環境も変化しています。
- その流れに合わせるように、民間の医療保険も日々進化しています。
貯蓄型の医療保険では解約返戻金が発生するため、解約をためらうケースが多く、柔軟な見直しが難しくなってしまいがちです。
一方で、掛け捨ての医療保険なら、健康状態に問題がなければ、自分にとって魅力のある医療保険が販売された際に簡単に切り替えることができます。
編集部
掛け捨ての医療保険のデメリット
掛け捨ての医療保険のデメリットは、解約返戻金がないという点です。
保険料が安いのは魅力的ですが、加入期間中に一度も保険金の支払いを受けなければ全くお金が戻ってこないということです。
掛け捨て型の医療保険も貯蓄型の医療保険もある人にとってはメリットになる項目も、違う人にとってはデメリットになり得ます。
編集部
掛け捨ての医療保険がおすすめなのはこんな人
掛け捨て型医療保険の最大の魅力は、その保険料の割安さです。この特徴を踏まえ、掛け捨て型が向いている人は以下のような方々です。
掛け捨ての医療保険が向いている人
- 月々の保険料をできるだけ抑えたい人
- 教育費や住宅ローンで支出が増える中、医療費の負担を避けたい人
- 医療費以外の支出を優先したい人
現在、販売されている医療保険のほとんどが掛け捨て型です。
貯蓄型は解約返戻金を受け取れますが、解約後は医療保障がなくなり、年齢とともに医療費が増える可能性が高いため、解約のタイミングが難しくなります。
編集部
掛け捨ての医療保険の平均相場
各保険会社の保険料設定や特約によって保険料が異なってくるため、一概に医療保険の相場を算出することは難しいです。
検討すべきポイント
- 自身にどのような不安があって医療保険に加入したいのか?
- 公的医療保険制度や高額療養費制度をふまえた上でどの程度医療保険でカバーしたいのか など
編集部
ここでご紹介する資料を参考に、各社の保険を検討する際の参考にしてください。
医療保険で1日あたりの入院保障額はどれくらい?
生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」(令和4年度)の調査によると、医療保険の入院給付金日額の平均は以下の表のようになっています。
年度 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
平成22年 | 11,000円 | 9,200円 |
平成25年 | 10,900円 | 9,000円 |
平成28年 | 10,800円 | 9,200円 |
令和元年 | 10,900円 | 9,100円 |
令和4年 | 9,600円 | 8,100円 |
出典:生命保険文化センター「1日あたりの入院保障額はどれくらい?」令和4年度をもとに作成
おおよそ医療保険の入院給付金日額に際立った増減はなく、男性は約11,000円、女性は約9,000円が平均ということがわかります。
1日あたりの入院保障額
男性
女性
実際の1日あたりの自己負担費用はどれくらいか?
また、生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(令和4年度)の調べによると、直近の入院時の自己負担費用は平均で2万700円となっており、内訳は以下のようになっています。
自己負担費用 | 割合 |
---|---|
5,000円未満 | 13.8% |
5,000円~7,000円未満 | 8.8% |
7,000円~10,000円未満 | 11.5% |
10,000円~15,000円未満 | 23.3% |
15,000円~20,000円未満 | 7.9% |
20,000円~30,000円未満 | 16.0% |
30,000円~40,000円未満 | 5.5% |
40,000円以上 | 13.2% |
出典:生命保険文化センター「1日あたりの医療費(自己負担額)はどれくらい?」をもとに作成
編集部
また、治療費、食事代や差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費)、衣類、日用品費などの額も含まれています。
平均在院日数は32.3日
厚生労働省の「令和2年患者調査」によると、退院患者の平均在院日数は32.3日でした。
疾病の内容によって大きく在院日数は異なりますが、年代別の平均在院日数は以下のようになっています。
年齢層 | 平均在院日数 |
---|---|
0歳~14歳 | 8.9日 |
15歳~34歳 | 12.2日 |
35歳~64歳 | 24.4日 |
65歳以上 | 40.3日 |
75歳以上 | 45.0日 |
高額療養費も含めて検討しよう
編集部
基本的に、国民健康保険や大企業の健康保険組合、協会けんぽなどなんらかの健康保険制度に加入をしていれば、負担は以下のとおりとなります。
医療費の負担割合
- 小学校入学前…医療費の2割
- 小学校入学後~69歳…3割
- 70歳~74歳…2割または3割
- 75歳以上…1割または3割
編集部
また、月の医療費が一定額を超えた場合は、超えた分を払い戻す高額療養費制度が適用されます。
また、高額療養費制度を利用した際の医療費の自己負担上限額は、収入によって区分が異なります。
加入期間の総払込保険料での比較を忘れずに
毎月の保険料という点でみると、医療保険は同じ保障内容であれば以下の順で高くなる傾向があります。
- 定期保険
- 終身保険の終身払い
- 終身保険の短期払い(保険料払込期間を前倒しにするケース)
注意点
- しかし、定期保険は満期ごとに保険料が上昇するため、高齢になると極めて保険料が割高になり、医療保険を必要とする限り支払いが終わることはありません。
- また、終身保険の終身払いも生きている限り保険料を払い続けるので長生きをすればずっと保険料を払い続ける必要があります。
その点、終身保険の短期払いは保険料の払い込みは早い段階で終了するので、長生きしても医療保険の保険料が負担になることはありません。
編集部
まとめ
今回は掛け捨て型の医療保険の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
掛け捨て型医療保険は、貯蓄型に比べて保険料が安いため、短期間で大きな医療保障を確保したい方におすすめです。ただし、保険料が安い反面、加入期間中に保険金の支払いを受けないと、保険料は全額戻ってこないため、「もったいない」と感じる方もいるかもしれません。
もし長期的な保障を希望する方や、保険料が戻ってくることを重視する方には、掛け捨て型の医療保険よりも終身型の医療保険の方が向いているでしょう。
医療保険を選ぶ際は、入院日額や平均在院日数など、今回ご紹介した資料を参考にしながら、自分に最適な保険を見つけてください。
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。