医療保険に複数加入するメリットとデメリットは?上限はある?

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これから医療保険を検討する方の中には、医療保険は複数加入できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、似た保障内容でも医療保険に複数加入は可能です。

しかし、「複数の医療保険に加入するメリットは?」「保険金には上限があるの?」といった疑問があるかもしれません。

そこで本記事では、医療保険に複数加入するメリット・デメリット、注意点について徹底解説します。

マガジン編集部

この記事を読めば、自分には単独の医療保険で十分なのか、複数の保険を組み合わせたほうが良いのか判断できるようになりますよ。

この記事の要点

  • 同じ保険会社でも異なる保険会社でも、条件に該当すれば複数の医療保険から給付金を受け取ることができます。※ただし、職業や年齢などの条件によって上限が定められる場合があります。
  • 医療保険に複数加入することで得られるメリットもありますが、その分、保険料の負担が増え、給付金の手続きが複雑になることも考慮しなければなりません。
  • 1つの保険で保障を充実させるか、複数の保険に加入するか、それぞれのメリットを比較して、自分に合った選択をしましょう。
  • 医療保険の複数加入について不安がある場合は、保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」で専門家に相談し、納得したうえで加入することをおすすめします。

ほけんのぜんぶ

この記事は5分程度で読めます。

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医療保険に複数加入することは可能?

医療保険は医療費の金額には関係なく、契約内容に応じた給付金を受け取れるタイプの保険です。

ポイント

複数の医療保険に加入している場合でも、それぞれの医療保険の支払事由に該当していれば、保障内容に従って保険を受け取れます。

マガジン編集部

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編集部
「複数の保険契約はしてはいけない」「複数契約すると給付金額が減額される」このような内容は約款には記載されていません。

よって複数の医療保険に加入することによって、実際にかかった医療費より高い金額の給付金を受け取ることも可能です。

たとえば入院日額5,000円を受け取れる医療保険に3つ加入している場合、1日1万5,000円を受け取れる計算になります。

注意点

  • もちろん、大きな保障を受けるためには保険料負担は大きくなります。
  • むやみに加入する保険を増やすことが良い結果につながるとは決まっていません。

複数の保険に入らず、1つの保険で入院給付金の日額を増やすほうが良いケースも当然あるでしょう。

がん保険も複数加入できる

医療保険の一種であるがん保険でも、複数加入することは可能です。

たとえば…

  • 診断給付金が複数回受け取れるAがん保険
  • 入院給付金が手厚いBがん保険

がん保険も医療保険と同じく、保険ごとに強みが異なります。

複数の保険を組み合わせることで、それぞれのがん保険のメリットを享受できます。

特に診断給付金が複数回受け取れるかは重要です。

がんは転移・再発が起こる可能性がある病気ですから、今加入しているがん保険が1回しか受け取れない契約の場合、別の保険を検討する価値はあります。

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別々の保険会社でも複数加入できる

医療保険への複数加入は、同じ保険会社に限った話ではありません。以下のどちらのパターンでも複数契約できます。

ポイント

  • 同じ保険会社で別々の医療保険に複数加入
  • 異なる保険会社で複数の医療保険に加入

複数の保険に加入していても高額療養費が使える

日本の公的保険制度には「高額療養費制度」があります。

マガジン編集部

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1ヶ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合、超えた分の金額が払い戻される制度です。

また、直近12ヶ月以内に3回以上の高額療養費を利用すると、4回目以降は多数該当として1ヶ月ごとの上限額がさらに安くなることもあります。

いずれも民間医療保険に複数加入していても利用できるため、自己負担を大きく抑えることが可能です。

たとえば70歳未満の高額療養費・多数該当の上限は以下のとおりです。

【平成27年1月診療分から】

表は横にスライドできます

所得区分
自己負担限度額
多数該当

① 区分ア

(標準報酬月額83万円以上の方)
(報酬月額81万円以上の方)

252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1%
140,100円

② 区分イ

(標準報酬月額53万〜79万円の方)
(報酬月額51万5千円以上〜81万円未満の方)

167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
93,000円

③ 区分ウ

(標準報酬月額28万〜50万円の方)
(報酬月額27万円以上〜51万5千円未満の方)

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
44,400円

④ 区分エ

(標準報酬月額26万円以下の方)
(報酬月額27万円未満の方)

57,600円
44,400円

⑤ 区分オ(低所得者)

(被保険者が市区町村民税の非課税者等)

35,400円
24,600円

※1 総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。

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引用元:全国健康保険協会|高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)

自動車保険などの損害保険では複数契約は意味がない

「医療保険は複数加入できる」とお伝えしましたが、1つ注意点があります。

注意点

同じ「保険」という名称ではありますが、損害保険では複数加入していても、保険金を満額受け取れない場合があります。

代表例は火災保険自動車保険などでしょう。

損害保険では、受け取れる保険金の上限が実際の被害額までと決められています。

マガジン編集部

マガジン
編集部
これを、「実損てん補方式」と呼びます。

仮に複数の損害保険に加入していたとしても、受け取れる保険金は実損分までです。

たとえば…
たとえば時価2,000万円の土地が全焼したとして、火災保険で受け取れる金額は2,000万円までです。仮に保険金額1,000万円の保険に3つ加入したとしても、最大で2,000万円までしか保険金を受け取れません。

複数契約に効果があるのは定額給付方式である「生命保険」「医療保険(がん保険含む)」であることを覚えておきましょう。

医療保険に複数加入するメリット

受け取れる給付金が増える

複数の保険に加入すれば、それぞれの医療保険から給付金を受け取れます。

1つの支払い事由に対して受け取れる保険金・給付金額は当然大きくなります。

たとえば…
A医療保険で入院給付金1日につき1万円、B保険で入院給付金1日につき5,000円受け取れるケースで10日間入院したとしましょう。A医療保険のみに加入していた場合は10万円の入院給付金を受け取れますが、AとBの両方に加入していれば、15万円を受け取れる計算です。

複数の医療保険のメリットを全て享受できる

1つの医療保険によって備えたい保障の全てが得られない場合でも、複数の医療保険に加入すればそれぞれの保険の強みを全て享受できます。

マガジン編集部

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編集部
たとえば「入院給付金が充実したA医療保険+通院給付金が充実したB医療保険」といった具合です。

この組み合わせであれば、入院と通院のどちらが長引いても安心できるでしょう。

たとえば医療保険ではあらゆる病気・ケガをまんべんなくフォローできますが、特定の病気への備えは弱いと感じることもあります。

ポイント

  • がんに手厚く備えたい場合には医療保険に加えて「がん保険」への追加加入がおすすめです。
  • 診断給付金などが受け取れるがん保険に加入することで、がんに手厚く備えられます。

逆にがん保険の「がん以外の疾病は対象外」という欠点は、医療保険の存在でカバーできるのです。

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相談する人が増える

対面型の保険契約の場合、保険会社ごとに担当者がつくことになります。

マガジン編集部

1つの医療保険だけに加入した場合は、相談できる担当者は1人だけです。

ポイント

  • 複数の医療保険に契約すれば、その分だけ相談できる担当者も増えます。
  • また、担当者が増えることで「保険選びの材料が増える」のもメリットです。

保険会社によっておすすめする新しい保険の種類や根拠も異なります。それぞれの保険を比較することで、自分が納得する保険が見つかるでしょう。

保険会社が破綻した場合のリスクが小さくなる

保険は複数の保険会社に分散しておくことで万が一にも保険会社が破綻した場合のリスクを分散させることもできます。

可能性は低いと思われがちですが、過去には本当に保険会社が倒産した実例もあります

ポイント

  • 万が一破綻して引き継ぐ会社が現れない場合でも、保険の契約が無効になってしまうわけではありません。
  • ただ、責任準備金の削減によって契約した保険金額が減少することはあります。

もっと問題なのは「医療保険に加入できなくなる」というケースです。

保険金額が減額されて保障が不十分に感じた場合、新しく医療保険に加入したいと思うでしょう。

注意点

ただし、すでに病気になっている場合は新しい医療保険に加入できない可能性もあります。

保険会社の破綻が心配な人は、分散して契約しておくと安心できるでしょう。

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医療保険に複数加入するデメリット

保険料負担が増える

当たり前ではありますが、複数の医療保険に加入するとそれだけ保険料の負担が増えます

保険料の支払いが高くなることで、日常生活で我慢を強いられるようになるのは本末転倒です。

対策としては「支払える保険料を先に決めてしまう」ことが挙げられます。

2つ目以降に加入したい保険を「上乗せしたい保障をベース」で決めてしまうと、保険料はどうしても毎月支払える金額をオーバーしがちです。

ポイント

先に毎月支払える保険料の最大金額を決めておくと、決めた保険料の範囲内で最大限の保障が得られる組み合わせを検討できます。

家計を圧迫することなく、合理的な保障を受けられるでしょう。

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保障が被ることもある

複数の医療保険に加入したとしても、全ての保険で受けられる保障がまったく重複しないとは限りません。

マガジン編集部

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たとえば入院給付金・手術給付金は、ほとんどの医療保険で設定されています。

複数加入によって得られる給付金以上の治療費がかかった場合は複数の保険に加入した意味があるでしょうが、もし1社の医療保険で間に合う程度の金額だったら2社目以降の保険料が無駄になります。

ポイント

  • 保険会社の営業マンに相談しながら、1日に必要になる入院費用・通院費用などをシミュレーションしてみましょう。
  • 1社の保険と公的保険でカバーできることが分かれば、無理に複数の保険を契約する必要はありません。

加入手続きが大変になる

複数の保険に加入すると当然ながら、それぞれの保険に対して加入手続きが必要になるのがネックです。

それぞれの医療保険で健康状態などを確認する告知も必要になり、保険の契約成立までに時間がかかるケースもあります。

マガジン編集部

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全ての医療保険の加入手続きが終わるまで、時間と労力がかかることは覚えておかなければなりませんね。

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加入している保険の把握が大変

複数の医療保険に加入すると、さまざまなシチュエーションに対応しやすくなります。

その反面「この状況になったらA保険、この状況はB保険」といったふうに、状況別に請求する保険会社を把握しておく必要があります。

マガジン編集部

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保険加入件数が増えるほど、請求について覚えておくことは増えてしまいますね。

保険金・給付金の請求も大変

ポイント

医療保険の保険金・給付金は、入院や通院をしたら自動的に支払われるものではなく、自分で保険会社に請求する必要があります。

複数の保険会社から給付金を受け取ろうとする場合、当然ながら保険会社の数だけ請求手続きが必要になります

マガジン編集部

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主治医の診断書も、保険会社の数だけ用意しなければいけないこともあります。

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要注意!医療保険に複数加入しても給付金を受け取れない場合

加入者の年齢・職業などで上限が設定される

全ての医療保険に加入できた場合でも、保険金・給付金の全額を受け取れるわけではありません

何社もの保険に加入して全額を受け取れると、保険金目当ての事件が発生するためです。

ポイント

  • 加入者の「年齢」「職業」「収入」などによって、加入できる保険や保険金・給付金には上限が定められます。
  • たとえば「高所作業員」「トラック運転手」など、危険度が高いとされる職業に関しては受け取れる保険金・給付金が少ない傾向にあります。

実際にそれだけの保険金を受け取れるのかについては個人ごとに異なるため、加入を決めてしまう前に保険会社に連絡して確認しましょう。

所定の書類が用意できない場合

医療保険において、入院給付金を請求する場合は会社所定の様式に沿って、医師の診断書が必要になります

診断書の費用は病院によっても異なりますが、高い病院では1万円程度が相場になっています。

ポイント

  • もし費用がかかりすぎる等の理由で診断書を用意できない場合は、診断書を提出できない保険会社の医療保険の給付を受けることはできません。
  • ただし、保険会社によっては条件を満たした場合に原本ではなく、診断書のコピーの提出でも可としているところもあります。
  • また、診断書がなくても領収証があれば請求できるケースもあります。

加入している保険によっては1枚だけ診断書を発行すれば、全ての医療保険を請求できる場合もあります。

医療保険の加入や見直しにおすすめの無料相談所5選

ほけんのぜんぶ

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マガジン編集部

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マガジン編集部

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マガジン編集部

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編集部
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マガジン編集部

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まとめ

今回は「医療保険は複数加入ができるのか?」について解説しました。

同じ保険会社の別の医療保険でも、異なる保険会社の医療保険でも、支払い事由に該当すればいずれの給付金も受け取ることは可能です。ただし、職業や年齢などの条件によって上限が定められることはあります。

また、複数の保険に加入することはメリットばかりではありません。当然のことながら加入した保険の数だけ保険料の支払いが必要ですし、給付金の手続きも煩雑になります。

1つの医療保険の給付金額を充実させるのと、どちらのメリットが大きいのか、加入前にきちんと把握しておきましょう。

マガジン編集部

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編集部
もしも医療保険について悩まれたら、「ほけんのぜんぶ」をはじめとする無料保険相談所で専門家に相談することをおすすめします。
監修者の紹介
小宮崇之

大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。

小宮崇之のプロフィール情報

小宮崇之

監修者の紹介
岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。

岡田行史のプロフィール情報

岡田行史

監修者の紹介
渡辺一哲

岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。

渡辺一哲のプロフィール情報

渡辺一哲

執筆者の紹介
須山怜央

都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。

須山怜央のプロフィール情報

須山怜央

編集者の紹介
Abe

ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。

Abeのプロフィール情報

Abe