病気やケガに備える医療保険は、一度加入して終わりではなく、定期的な見直しが必要です。
しかし、「医療保険の見直しはどのタイミングで、何年ごとにするべき?」「見直しで逆に損をしてしまわないか心配」といった疑問や不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、医療保険の見直しが必要な理由・最適なタイミング・注意点について徹底解説します。
医療保険の見直しに関するまとめ
- 年齢やライフステージの変化に伴い必要な保障は変化するため、定期的な医療保険の見直しは欠かせません。
- 医療保険の見直しに最適なタイミングは、就職や結婚・出産、子どもが独立したときなどです。
- ただし、見直しのタイミングや乗り換える保険の選択を誤ってしまうと、逆に損をしてしまう可能性があるため注意が必要です。
- 医療保険の見直しをする際は、自分一人で判断せず専門家のアドバイスも取り入れることをおすすめします。
- 保険相談窓口『ほけんのぜんぶ』では、40社以上の保険商品からFPがあなたに最適な保険をご提案!納得いくまで何度でも無料で相談可能です。
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目次
医療保険は見直したほうが良い3つの理由
医療保険の見直しとは、一定期間加入した医療保険をニーズに合った内容に見直すことです。まずは、見直しが必要な理由について見ていきましょう。
医療保険の見直したほうが良い理由
見直し理由①:医療の進歩に伴い必要な保障内容が変化するから
医療保険の見直しが必要な理由の1つ目は、医療の進歩に伴って必要な保障内容が変化するからです。
ポイント
- 以前は長期間の入院が必要だった治療も、今では日帰り入院や短期入院※で済むことが増えています。
- また、がん治療も外科的手術だけでなく、放射線治療や薬物治療、免疫治療など多様な方法が増えています。
医療保険は医療の進化に合わせて保障内容が調整されるため、その時々のニーズに合った保障を備えることが重要です。そのためには、定期的な医療保険の見直しが必要不可欠と言えます。
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見直し理由②:年齢やライフステージによって必要な保障内容が異なるから
見直し理由の2つ目は、年齢やライフステージによって必要な保障内容が異なることです。
例えば、20代のときには不要だと考えてがん入院特約を付加しない人も、リスクが高くなる40代以降はがん保障に対するニーズは高まります。
また、学生時代は親任せにしていた医療保障も、社会人になって一人暮らしをするようになると自分で備えておくことが必要になります。
編集部
見直し理由③:社会情勢などの変化によって必要な保障額が変化するから
見直し理由の3つ目は、社会情勢などの変化によって必要な保障額が変化することです。
社会情勢の変化とは、例えば物価水準の変動です。
物価水準の変動による影響
- 医療保険に加入したときに入院日額は1万円で十分だと思っていても、加入後に物価や医療費が2倍になれば入院日額を増額しなければなりません。
- また、国や地方自治体の政策で子どもの医療費が無料になれば、加入していた子どもの医療保険を解約して節約するという方法もあります。
さらに、医療保険制度自体が変更されることもあります。制度の変更によって、必要な保障内容や保障額が変わる可能性もあるでしょう。
編集部
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医療保険の見直しに最適なタイミングはいつ?
医療保険は更新時期のほか、ライフサイクルに変化が生じたときが見直しの最適なタイミングです。
医療保険の見直しをするタイミング
見直しタイミング①:社会人になったとき
見直しタイミングの1つ目は、社会人になったときです。
学生時代には親が医療保険に入ってくれていて、『いざとなれば親が援助してくれるから医療保険について考えたこともない』という人も多いでしょう。
ポイント
- 親が加入してくれていた保険を引き継ぐという方法もありますが、自分が病気やけがで入院したときに経済的に困らない保障内容であるかを確認しましょう。
- 一般的には、入院日額を1万円程度に設定すれば、一定の保障は準備できたと言えます。
保険会社によりますが、加入年齢が若いうちは特約などを付加しなければ、保険料は1,000円台から加入可能です。
独身で遺族の生活保障を準備する必要がなければ、死亡保障には加入せず医療保険だけ加入するという方法もあります。
編集部
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見直しタイミング②:結婚や子どもが生まれたとき
見直しタイミングの2つ目は、結婚したときや子どもが生まれたときです。
編集部
世帯主の場合、子どもが生まれると万が一の場合の死亡保障も重要になるので、特約を絞って医療保険の保険料を抑えることもあります。
ポイント
- 一方、子どもが生まれたときに40歳近くになっている人は、生活習慣病やがんに対する備えが必要です。
- 保険料は高くなりますが、死亡保障と医療保障の両方をバランスよく充実させるのが理想形です。
- また、女性については結婚を機に女性疾病入院特約がついた医療保険に見直すことをおすすめします。
妊娠や出産に備えるとともに、30代から増え始める乳がんや子宮がんなどに対する備えにもなるからです。
編集部
見直しタイミング③:起業したとき
見直しタイミングの3つ目は、起業したときです。
ポイント
会社に勤めているときと起業したときでは、会社による保障と社会保険の保障が大きく異なります。
会社勤めしているときは、治療のために休業しても会社からの給料、または健康保険の傷病手当金が期待できます。
一方、会社を辞めて起業した場合はどちらももらえないため、病気やけがの治療費だけでなく日常生活費も準備する必要があります。
編集部
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見直しタイミング④:子どもが独立したとき
見直しタイミングの4つ目は、子どもが独立したときです。
子どもが独立すると遺族の生活費に対する備えは少なくて済むため、死亡保障を減額して保険料を減らせます。
一方、がんや生活習慣病を含め医療に対するニーズが高まるため、医療保険の保障を充実させることがおすすめです。つまり、保障の中心を、死亡保障から入院保障にシフトするということです。
また、40代までは将来の保障見直しを前提に定期タイプの医療保険に加入していた人も、50代前後から一生涯の医療を保障する終身タイプに見直すといいでしょう。
編集部
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見直しタイミング⑤:公的医療保険が変更されたとき
見直しタイミングの5つ目は、公的医療保険が変更されたときです。
民間医療保険は、社会保険制度で不足する部分を補うために生命保険会社や損害保険会社が提供する商品です。
社会保険制度には「公的年金制度」「公的医療保険制度」「公的介護保険制度」などが含まれ、これらは定期的に改正されます。
社会保険制度に大きな変化があった場合、民間医療保険の保障内容や保険料の計算方法も変わることがあります。そのため、公的医療保険が変更されたタイミングで、民間医療保険の見直しが必要です。
見直しタイミング⑥:定期型保険の更新前
見直しタイミングの6つ目は、定期型の医療保険の更新前です。
定期型の医療保険は、契約時に定められた保険期間が終了する際、更新するか、別の保険に乗り換えるかを選ぶ必要があります。
編集部
更新の際には、ただ単に保険を継続するだけでなく、現在のライフスタイルや必要な保障内容に合った保険を選び直すことが重要です。
医療保険の見直し方法
主な医療保険の見直し方法は3通りあります。自分のニーズや状況に合わせて、最適な見直し方法を選びましょう。
見直し方法①:現在の契約を解約して新しい医療保険に加入する
見直し方法の1つ目は、現在の契約を解約して新しい医療保険に加入する方法です。
ニーズに合った最新の保険に新しく加入するので、健康上の問題がなければ自由度の高い保障見直しができます。
注意点
ただし、前回加入したときよりも年齢が上がるため、保険料は高くなり、健康上の問題があれば新しい保険に加入できないこともあります。
見直し方法②:現在の契約を残し中途付加や特約解約する
見直し方法の2つ目は、現在の契約を残し中途付加や特約解約する方法です。
編集部
中途付加する特約の保険料は現在の年齢で計算するためアップしますが、それ以外の保険料は加入時の保険料のまま継続できます。
注意点
見直し方法③:現在の契約を残し新しい医療保険に追加加入する
見直し方法の3つ目は、現在の契約を維持しつつ、新しい医療保険に追加加入する方法です。
現在の契約で不足している保障を、新しく加入する医療保険で補います。既存の契約に特約を追加するのではなく、別の保険を新たに契約することで、必要な保障をカバーすることができます。
ただし、2つの医療保険に加入することになるため、保障内容が重複したり、保険料が高くなる可能性には注意が必要です。
編集部
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医療保険の見直しをする際の5つのポイント
最後に、医療保険の見直しをするときのポイントについて説明します。次の5つのポイントを押さえることで、ニーズに合った保障見直しができます。
ポイント①:短期入院に対する備えは手厚いか
※上記グラフは厚生労働省「平成29年患者調査の概況(P11)」をもとに作成
見直しポイントの1つ目は、短期入院に対する備えを手厚くすることです。
編集部
入院一時金など、入院日数に関わりなくまとまった給付金が支払われる医療保険もあります。
また、1入院あたりの入院給付金支払限度には60日型、90日型、120日型などがありますが、60日型を選択するなどして保険料を節約する方法もあります。
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ポイント②:生活習慣病やがんに対する備えを手厚くする必要はあるか
見直しポイントの2つ目は、40代以降は生活習慣病やがんに対する備えを手厚くすることです。
がんの罹患率は40代から増え始め、50代以降は急増します。女性の場合は、30代から乳がんや子宮がんが増え始めるため女性疾病に備えた保障を手厚くしましょう。
生活習慣病やがんに対する備えを手厚くする特約は次の通りです。
生活習慣病やがんに対する備えを手厚くする特約
- 生活習慣病入院特約
- がん入院特約
- 女性疾病入院特約
- 特定疾病(3大成人病)保障特約
- 先進医療特約 など
ポイント③:定期タイプか終身タイプか
見直しポイントの3つ目は、前述の通り、若いうちは将来の保障見直しを前提に定期タイプ、保障見直しが不要になったら終身タイプを選択することです。
ポイント
老後の保険料負担を少なくするために払済を選択する方法もありますが、早期に死亡すると支払った保険料がムダになるため終身払がおすすめです。
年齢が高くなるほど医療保障ニーズは高まり保険料も高額になるため、経済的負担も大きくなります。逆に、子どもの成長とともに死亡保障ニーズは低減するため、死亡保障額を下げることで保険料の節約が可能です。
加入している生命保険を総合的に見直すことで、保険料を一定の範囲内で抑えられます。
ポイント⑤:保険料が今の収入に見合っているか
見直しポイントの5つ目は、保険料が今の収入に見合っているか確認することです。保障内容を手厚くすると安心ですが、その分、月々の保険料が高くなります。
過剰な保障を追求して、現在の生活が窮屈になっては本末転倒です。現在の収入と支出を明確に把握し、保険料が家計にどのくらい影響するか考えましょう。
今の収入に見合った保険料と保障内容を選び、万一の事態に備えつつ、現在の生活の質を保つことが大切です。
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医療保険の見直しで損をしないための注意点
医療保険の見直しはメリットが多いですが、いくつか注意すべきデメリットもあります。医療保険の見直しで損をしないために、以下4つの注意点を押さえておきましょう。
見直しで損しないための注意点
注意点①:年齢による保険料アップ
注意点の1つ目は、保障を見直すときには年齢が高くなっているため保険料が上がることです。
30歳で加入した医療保険を40歳のときに見直せば、年齢が10歳高くなったために保険料はアップします。
ポイント
「医療保険の見直し方法」で紹介したように、中途付加や追加加入の利用によって30歳で加入した保険料の安い医療保険を活用できます。
ただし、5日以上からの入院保障を日帰り入院保障に見直す場合など、現在の契約を解約して新しく加入し直さなければならないケースもあります。
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注意点②:健康上の問題
注意点の2つ目は、健康上の問題があれば保障見直しできない可能性があることです。
新しい医療保険に加入したり、特約を中途付加したりする場合、健康状態によっては見直しできないことがあります。
ポイント
保障の見直しは、20代後半や30代前半など、がんや生活習慣病が気になり始める前に行いましょう。
また、女性の場合、帝王切開の経験がある人が医療保険に加入すると、特別条件が付いていて、加入後に帝王切開で出産しても給付金が支払われない場合があります。※帝王切開後の年数によっても違いあり
編集部
注意点③:がんに対する免責期間
注意点の3つ目は、がんに対する免責期間です。
一部の医療保険やほとんどのがん保険では、がんで入院したときの免責期間が設けられています。
通常、がん保険には「90日」または「3ヶ月」の免責期間が設けられています。
注意点
現在の契約を解約すると同時に新しい医療保険に加入した場合、免責期間中はがんに対する保障がなくなるため注意が必要です。
免責期間のない医療保険なら問題ありませんが、ある場合は免責期間中は解約予定の医療保険を継続した方が安心でしょう。
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注意点④:将来見直しの可能性があれば定期タイプを選択
注意点の4つ目は、将来、保障見直しの可能性があれば定期タイプの医療保険を選択することです。
ポイント
- 終身タイプの医療保険は、入院リスクが高い高齢時も入院リスクの低い若い時期も保険料は加入時の金額から変わりません。
- 理由は、終身タイプの医療保険では高齢時の高い保険料を若いうちに支払っているからです。
そのため、終身タイプの医療保険を途中解約すると余分に支払った保険料がムダと感じてしまう人もいるでしょう。
編集部
既に加入している終身タイプの医療保険を見直す場合は、中途付加や追加加入によって現在の契約を解約せずに残せないかを検討してみましょう。
医療保険の見直し時に役立つ無料保険相談窓口
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医療保険の見直しに関するよくある質問
最後に、医療保険の見直しに関するよくある質問をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
よくある質問
- 医療保険の見直しは何年ごとにすべきでしょうか?
- 医療保険の見直し相談でしつこい勧誘はない?
- 50代が医療保険の見直しをするときのポイントは?
- 妊娠中でも医療保険の見直しは必要でしょうか?
50代が医療保険を見直しをする際のポイントは、健康状態や家族構成を考慮し、適切な保障を選ぶことです。また、保険料とのバランスを取りながら、将来の医療費リスクに備えましょう。保険プランの比較と専門家のアドバイスも重要です。家族や将来の健康ニーズに合った保険を検討し、必要なら特約も検討しましょう。
妊娠中でも医療保険の見直しは必要です。出産に伴う医療費や新生児の保障を確認し、保険料や追加の保障を検討しましょう。家計や家族の健康に合わせた適切な保険プランを選ぶことが重要です。
まとめ
本記事では、「医療保険の見直しは何年ごとにするべき?」「見直しで損をしてしまわないか心配」といった方に向けて、医療保険の見直しについて徹底解説しました。
病気やケガに備える医療保険は、医療の進歩やライフステージに合わせて定期的な見直しが必要です。見直しの最適なタイミングは、保険の更新時期とライフサイクルに変化が生じたときとなります。
特に40代〜50代はがんの罹患率が一気に上がるので、見直しの際はがんに対する保障を手厚くするのがおすすめです。現在の契約を継続したまま中途付加や追加加入する方法もあることを覚えておきましょう。
編集部
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。