株式会社Finatext 事業開発から見た、サービス開発の現場

今回は、株式会社Finatextの堀江 健之介さんにお話しを伺いました。

株式会社Finatextに入社した理由

堀江さん：
学生時代から株や金融商品の取引を行っており、元々金融に興味を持っていました。

その当時から、金融の複雑さを感じ、知識不足からいくつかの失敗も経験しました。そのため、金融に関わるには充実した学びが必要であるという認識を持っていました。

一度大手企業に就職しましたが、働きながら金融の勉強を両立させるのは非常に難しいと感じているうちに、金融体験の改善余地を意識するようになりました。

私は「知識のある人だけのための金融」という世界を是正したいという思いから、Finatextのミッションである「金融を‘‘サービス’’として再発明する」に共感し、入社を決めました。

株式会社Finatextで現在取り組んでいること

堀江さん：
私はBizDevという職種で、事業会社や金融機関、代理店などがデジタルで証券事業や保険事業に参入する際に、”真に顧客本位な金融サービス”を提供するための支援を行っています。

具体的には、デジタル導線や商品内容のコンサルティングを提供しています。また、Finatextでは証券や保険のSaaS型基幹システムを持っており、それを活用して新たな金融サービスのシステム構築をサポートしています。

保険クラウド「Inspire」について

サービスの概要・特徴

堀江さん：
Inspireは、保険会社や代理店のお客様であるエンドユーザーに対して、一連の保険体験（申込・契約管理・保険金請求）をデジタルで提供するためのSaaS型システムです。

ただ単に導線をデジタル化するだけではなく、エンドユーザーにとって最適な導線になるようにカスタマイズすることができます。例えば、代理店がInspireを利用して複数の保険会社の商品を搭載する開発を行う場合、いろんな保険会社の商品を1つのプラットフォームとしてエンドユーザーに届けることができます。

これにより、エンドユーザーにとって保険会社ごとに異なるフローではなく、代理店の世界観に基づいた統一された導線が提供されるため、シンプルでわかりやすい保険サービスを提供できます。

サービスの強み

堀江さん：
Inspireの大きな強みは主に3つ挙げられます。

1つ目は、『生損保を問わずあらゆる商品をデジタル化できること』。2つ目は、『ローコード開発手法を用いることで、素早くシステムを立ち上げられること』。3つ目は、『外部システムとの柔軟な連携ができること』です。

また、顧客ニーズが変化しやすい状況においても、Inspireを使って多様な商品を迅速に提供できます。Inspireは国内のAWS環境上に構築された国産のSaaSシステムです。

また、グループで少短会社を立ち上げたこともあり、Finatextのメンバーは日本の保険業界における知見や独特の商習慣に詳しく、システムによる課題解決において共に考えながらコンサルティングを行います。これらがInspireの特徴となっています。

サービスを通して解決したい課題

堀江さん：
個人向け保険や法人向け保険の契約者との接点が、対面からデジタルへと変わりつつあります。

しかし、保険のデジタル化においては、契約者には見えない裏側のオペレーションも含めて、まだ正解が存在していない状況です。

このような状況の中で、私たちは保険会社や代理店がデジタルを前提とした次のビジネスを創造し、イノベーションを加速させるための支援をしたいと考えています。

Inspireのモダンなシステム設計を基盤に、保険のデジタル化に関して保険会社や代理店と共同で新しいスタンダードを創り上げたいと思っています。

将来の展望

堀江さん：
Inspireはマルチテナント型のSaaSシステムとして設計されており、システム自体が成長していく仕組みがあります。

これにより、将来にわたって機能を拡充し時代のニーズに遅れることなく、先進的なシステムであり続けることを目指しています。

市場開拓においては、Inspireに搭載した保険商品は、さまざまな業界や団体への横展開や組み込みが容易であるという特徴を活かして、搭載商品数や提供業界数を増やしていきたいと考えています。

現在は損害保険の搭載が比較的多いですが、生命保険においても、より良質な体験を実現するために取り組んでいきたいと思っています。