死亡保険金はいくら必要?必要保障額の目安や決め方を解説
結論から言うと、生命保険の死亡保険金額は、家計状況や備えたい保障額によって異なります。とはいえ、死亡保険金額は家族構成・年齢・収入によって一定の傾向があります。
今回は生命保険文化センターの資料を参考に、年齢や収入、ライフステージ別に死亡保険金額の平均をご紹介します。
編集部
死亡保険金に関するまとめ
- 2023年度の「生命保険に関する全国実態調査」によれば、世帯主の平均的な死亡保険金額は1,386万円です。
- ただし、死亡保険金がいくら必要かは、それぞれの家庭環境によっても異なります。
- 死亡保険金の設定は重要な選択なため、自分で適切な死亡保険金を決められるか不安な方は専門家に相談しましょう。
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生命保険の死亡保険金はいくら必要?
生命保険の死亡保険金は一体いくら必要なのでしょうか?まずは他の人がいくらの死亡保険金を設定しているのかみていきましょう。
以下の表では、世帯主の死亡保険金額の割合をまとめています。
死亡保険金 | 割合 |
---|---|
200万円未満 | 8.7% |
200万〜500万円未満 | 15.3% |
500万〜1,000万円未満 | 16.7% |
1,000万〜1,500万円未満 | 15.8% |
1,500万〜2,000万円未満 | 5.0% |
2,000万〜3,000万円未満 | 10.2% |
3,000万〜5,000万円未満 | 9.2% |
5,000万〜1億円未満 | 3.0% |
1億円以上 | 0.4% |
不明 | 15.7% |
編集部
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死亡保険金の平均額【年齢別】
年齢 | 平均死亡保険金額 |
---|---|
29歳以下 | 1,440万円 |
30〜34歳 | 1,793万円 |
35〜39歳 | 1,945万円 |
40〜44歳 | 1,964万円 |
45〜49歳 | 2,040万円 |
50〜54歳 | 1,650万円 |
55〜59歳 | 1,545万円 |
60〜64歳 | 1,215万円 |
65〜69歳 | 772万円 |
70〜74歳 | 788万円 |
75〜79歳 | 592万円 |
80〜84歳 | 580万円 |
85〜89歳 | 557万円 |
90歳以上 | 353万円 |
上の表からわかるように、死亡保険金の保障額は45〜49歳が2,040万円と最も多い金額となっています。
世帯主が35〜39歳の家庭には、子どもが高校・大学に通っているところが多く、死亡保険金の保障が厚くなっているのでしょう。
編集部
死亡保険金の平均額【世帯収入別】
世帯年収 | 平均死亡保険金額 |
---|---|
200万円未満 | 689万円 |
200万〜300万円未満 | 735万円 |
300万〜400万円未満 | 1,106万円 |
400万〜500万円未満 | 1,373万円 |
500万〜600万円未満 | 1,746万円 |
600万〜700万円未満 | 1,830万円 |
700万〜1,000万円未満 | 2,051万円 |
1,000万円以上 | 3,339万円 |
次の表から死亡保険金額も、保険料と同じく収入が高いほど、多くなっているのがわかります。
収入が上がると死亡保険金額も上がる背景
- 収入が増えると、死亡保険金額も上がっていることから、自助努力で備える動きがあまりないことがわかります。
- その理由として、収入が上がるにつれて、生活水準が上がって、世帯主が亡くなった後に生活を維持するための死亡保険金額も高くなっていると考えられます。
死亡保険金の平均額【ライフステージ別】
ライフステージ別にみると、どのような家庭が最も死亡保険金を高く設定しているのかがわかります。
世帯状況 | 割合 |
---|---|
夫婦のみ(40歳未満) | 1,282万円 |
夫婦のみ(40〜59歳) | 1,326万円 |
末子乳児 | 1,945万円 |
末子保育園児・幼稚園児 | 1,961万円 |
末子小・中学生 | 2,093万円 |
末子高校・短大・大学生 | 1,709万円 |
末子就学終了 | 1,112万円 |
高齢夫婦有職(60歳以上) | 873万円 |
高齢夫婦無職(60歳以上) | 577万円 |
出典:生命保険文化センター 令和3年度「生命保険に関する全国実態調査」
子どもが生まれて、中学を卒業するまでのまだ幼いころが、一般的に最も死亡保険金額が多いことがわかりますね。
編集部
共働きの妻の死亡保険金はいくら必要?
以前は、女性は結婚した後は家庭に入って専業主婦になることや、働くとしても夫の扶養の範囲内に収めることが多く、家計を支える役割を担うケースはそれほど多くはありませんでした。
しかし、現在の若い既婚女性や子育てがひと段落ついた女性の中には、フルタイムで働き家計を支える人が増えており、夫と同じように万が一のことがあった場合の生命保険に加入する必要性が高まっています。
編集部
そのため、働く女性にも万が一に備えた死亡保障が必要といえます。
共働きの女性が必要な死亡保障額
共働きの女性が必要な死亡保障金額は、夫婦の年齢や子どもの有無・人数、住宅ローンの有無、ライフプランなどによって異なります。
そこで、夫婦と子ども2人の家庭の場合を例にとって、共働きの女性が必要な死亡保障を考えてみましょう。
モデルケース
- 家族構成:夫(32歳)、妻(30)、子ども2人(4歳、2歳)
- 月収(手取り額):夫25万円、妻16万円
- 生命保険:夫:死亡保障3,000万円の生命保険に加入、妻:医療保険のみ
- 住宅ローン:借入金額2,500万円(夫が団体信用生命保険に加入)
この家族は、夫婦と子ども2人の4人家族で、月の収入が41万円、生命保険は夫のみ死亡保障3,000万円の保険に加入しています。
また、すでに住宅取得済みで団体信用生命保険に加入しています。
住宅ローンについては団体信用生命保険に加入していることから、夫に万が一のことがあった場合、それ以降の住宅ローンの支払いは団体信用生命保険から支払われるため、別途生命保険などで備える必要はありません。
編集部
一般的に、子どもひとりあたり2,000万円~3,000万円程度の備えが必要とされているため、子ども2人では5,000万円前後の備えが必要になります。
すでに夫が3,000万円の死亡保障の生命保険に加入していることから、妻は2,000万円程度の死亡保障の付いた生命保険に加入することが望ましいでしょう。
ポイント
このように、共働きの女性に必要な死亡保障は、備えが必要な金額から夫の死亡保険金を差し引いた金額を目安に考えると良いでしょう。
もちろん、万が一のときには公的年金制度から遺族年金が支払われますが、支給される条件は細かく決められており必ずしも十分な金額が受け取れるとは限らないため、自主的に備えておくことが大切です。
死亡保障をつけられるおすすめの生命保険
共働きの女性が死亡保障を付ける際には、「終身保険」「定期預金」「収入保障保険」といった商品が候補に上がります。
ポイント
- 終身保険は一生涯の保障が得られるので、安心して万が一に備えられるというメリットがありますが、保険料が高額というデメリットがあります。
- もし保険料の支払いはできるだけ抑えたいという場合は、掛け捨て型の定期預金であれば安い保険料で大きな保障を付けることができます。
また、定期保険の一種である「収入保障保険」は、被保険者が死亡したときから保険期間満了時まで、毎月年金のように保険金が受け取れる生命保険です。
子どもの成長に合わせて死亡保障額が徐々に減少していくため、保険料がさらに安く済みます。
編集部
生命保険の死亡保険金額の決め方
いざ自分で死亡保険金額を決めるときには、どのように考えたらよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。
確かに、ここまでお伝えしてきたデータは、あくまで統計上の平均値にすぎません。各個人がどのように保険料や保険金額を決めるとよいのかを解説します。
まずは必要保障金額を計算してみましょう。保険金額は備えたい必要保障金額で決まり、保険料は受け取りたい保険金額によって決まるからです。
編集部
死亡保険の場合の必要保障金額は、「収入を得ている人(世帯主)の死亡後にかかる支出に対する収入の不足分」となります。
世帯主が亡くなった後の収入 | 世帯主が亡くなった後の支出 |
---|---|
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|
つまり、「世帯主が亡くなった後の収入−世帯主が亡くなった後の支出=必要保障額」となり、備えるべきおおよその死亡保険金額がわかります。
その後、その死亡保険金額に見合う保険料を無理なく支払えるかどうかを検討して、今の家計状況などから調整していくのがいいでしょう。
編集部
死亡保険金額に関してよくある質問
例えば、夫・妻・子ども2人の世帯で、生命保険の契約者かつ被保険者の夫が亡くなった場合、この場合、法定相続人は妻と子ども2人です。したがって、法定相続人3人×500万円=1,500万円の死亡保険金を非課税で受け取れます。
まとめ
生命保険の死亡保険金額の平均は全体で1,386万円です。保険金額は、年齢や収入、家族構成、ライフステージによって一定の傾向があるため、自分の状況に最も近いところを参考にしてみてください。
まずは自分や自分の家族の必要保障額を「世帯主が亡くなった後の収入−世帯主が亡くなった後の支出」の式で計算し、保険金額と保険料を決めていくのがおすすめです。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
愛知県出身。社会保険・税金の効率化、家計・固定費の見直し、保険の新規加入・見直し、住宅購入・住宅ローン、資産形成・老後の年金対策・少額投資(iDeCo・NISAなど)の相談を得意とする。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。
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