生命保険料の平均相場はいくら?年齢・ライフステージ別に解説
今回は、生命保険料の平均相場を年齢別、ライフステージ別に徹底解説します。また、保険料から考える生命保険選びのポイントについても詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の要点
- 生命保険文化センターの調査によると、生命保険加入者の年間平均支払額は、37万1,000円(月3万916円)です。
- ただし、あくまでこの金額は全体の平均であり、加入者の年齢やライフスタイルによって保険料の支払額は異なります。
- 生命保険を選ぶ際は、目的を明確にし、自身の貯蓄額をもとに必要な保障額を計算することが重要です。
- 自分で最適な保険を選べるか心配な方は、保険相談窓口等で専門家と相談しながら検討することをおすすめします。
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目次
生命保険料の平均は年37万1,000円(月3万916円)
※個人年金保険を含む
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「平成18〜30年・令和3度 生命保険に関する全国実態調査」
2021(令和3)年度 「生命保険に関する全国実態調査」によると、全体の生命保険料の平均は年37万1000円。月額に換算すると、月3万916円です。
「毎月みんなこんなに払っているの?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでこの金額は全体の平均です。
保険料の支払額は、加入者の年齢やライフスタイルなどそれぞれの状況によって異なります。
編集部
生命保険料の平均額【年代別】
まずは生命保険料の月額平均を年代別にみていきましょう。生命保険の加入率が高い30代・40代・50代は、さらに詳しく解説しています。
あなたの年代をタップ!
【全年代】月額平均支払額
表は横にスライドできます
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
男性 | 9,900円 | 1万6,500円 | 1万8,600円 | 2万1,200円 | 1万7,600円 |
女性 | 8,000円 | 1万1,600円 | 1万5,500円 | 1万5,800円 | 1万3,200円 |
全体 | 8,900円 | 1万4,000円 | 1万7,000円 | 1万8,500円 | 1万5,400円 |
全体、男女とも概ね、20代の保険料は少なめで、年代が上がるごとに月額平均支払額は増加し50代でピークを迎えます。
30代から50代にかけて、実際に加入している生命保険の死亡保障額は減少するにもかかわらず、保険料の支払額が増える原因は下記が考えられます。
保険料の支払額が増える要因
- 年齢が高くなるため保険料も高くなる
- 高齢になるにしたがって手厚い医療保障を準備するようになる など
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※「令和4年度 生活保障に関する調査」の年間保険料を月額換算し100円未満を切り捨てて計算。
30代の月額平均支払額
30代全体の月額平均支払額は1万4,000円です。男性が1万6,500円に対し女性が1万1,600円で、20代と比較して男性の保険料アップが目立ちます。
30代の月額平均支払額の分布
表は横にスライドできます
1万円未満 | 1〜2万円未満 | 2〜3万円未満 | 3〜4万円未満 | 4〜5万円未満 | 5万円以上 | |
男性 | 30.5% | 32.5% | 17.5% | 5.0% | 1.0% | 4.5% |
女性 | 44.6% | 30.2% | 14.0% | 2.2% | 0.7% | 1.1% |
上記の月額平均支払額の分布を見てみると、30代女性の平均支払額は「1万円未満」が44.6%が最多です。一方で、男性の場合は「1万円以上2万円未満」が32.5%と最多で、さらに2万円以上の人が28%もいます。
30代は結婚や子どもができるなどして責任が重くなる人が多い傾向です。
40代の月額平均支払額
40代の月額平均支払額は1万7,000円です。男性の平均支払額は1万8,600円、女性は1万5,500円で、男女とも40代よりもやや高くなっています。
40代の月額平均支払額の分布
表は横にスライドできます
1万円未満 | 1〜2万円未満 | 2〜3万円未満 | 3〜4万円未満 | 4〜5万円未満 | 5万円以上 | |
男性 | 21.9% | 33.8% | 19.1% | 7.2% | 2.9% | 4.3% |
女性 | 38.9% | 31.8% | 13.4% | 3.8% | 2.4% | 3.3% |
上記の月額平均支払額の分布を見てみると、男性は「1万円以上2万円未満」が、女性は「1万円未満」が最も多くなっています。
「令和4年度 生活保障に関する調査」(P141)でも、「死亡時の遺族の生活に対する不安」を感じる人の割合は、40代が最も高くなっています。
年代 | 不安を感じる人の割合 |
---|---|
20代 | 58.4% |
30代 | 72.9% |
40代 | 78.7% |
50代 | 65.6% |
60代 | 56.2% |
全体 | 63.2% |
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50代の月額平均支払額
50代の月額平均支払額は1万8,500円です。男性が2万1,200円、女性が1万5,800円で、男女とも40代よりもアップして全年代で最高になります。
50代の月額平均支払額の分布
表は横にスライドできます
1万円未満 | 1〜2万円未満 | 2〜3万円未満 | 3〜4万円未満 | 4〜5万円未満 | 5万円以上 | |
男性 | 20.6% | 29.0% | 21.8% | 9.5% | 4.2% | 6.1% |
女性 | 37.1% | 32.7% | 12.3% | 4.6% | 2.3% | 3.6% |
男性は「1万円以上2万円未満」が、女性は「1万円未満」が最も多くなっています。しかし、40代よりも支払額の分布が高額にシフトしている傾向です。
子どもの独立や住宅ローンの完済などで死亡保障ニーズは下がりますが、逆に「医療保障ニーズが高まる」ことや「高齢になって保険料が高くなる」ことから、高い保険料を払う人の割合が増加していることが予想されます。
要因として、個人年金保険や介護保険・介護特約の加入率が全世代の中で最も高いことも影響していることが考えられそうです。
表は横にスライドできます
個人年金保険 | 介護保険・介護特約 | |||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
20代 | 11.5% | 9.5% | 5.1% | 5.2% |
30代 | 23.0% | 22.9% | 12.0% | 9.6% |
40代 | 22.7% | 22.7% | 10.4% | 12.0% |
50代 | 23.7% | 25.2% | 13.1% | 15.4% |
60代 | 19.2% | 22.4% | 8.5% | 9.3% |
全体 | 17.7% | 19.8% | 9.0% | 9.9% |
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生命保険料の平均額【ライフステージ別】
次に、ライフステージ別に月額平均支払額をみていきます。
未婚・既婚の区分や子どもの有無、子どもの進学状況によってライフステージを区分し、男女別に平均支払額を出しています。
表は横にスライドできます
男性 | 女性 | 合計 | |
未婚 | 1万4,400円 | 1万2,800円 | 1万3,700円 |
既婚・子どもなし | 1万7,700円 | 1万5,200円 | 1万6,300円 |
既婚・末子が未就学 | 1万9,000円 | 1万4,100円 | 1万6,100円 |
既婚・末子が小学生 | 1万8,500円 | 1万3,500円 | 1万5,500円 |
既婚・末子が中、高校生 | 1万9,500円 | 1万4,000円 | 1万5,800円 |
既婚・末子が大学生など | 2万2,600円 | 1万4,100円 | 1万7,400円 |
既婚・子ども卒業(未婚) | 1万7,600円 | 1万3,000円 | 1万4,700円 |
既婚・子ども卒業(既婚) | 1万5,500円 | 1万2,300円 | 1万3,500円 |
上表より既婚者と未婚者の平均支払額について下記の特徴があります。
既婚者と未婚者の平均支払額の特徴
- 既婚者全体と比較して、未婚者の平均支払額は少ない。
- ただし、女性についてみると大差はない。
次に、既婚者の「末子が未就学」から「末子が大学生」までをみると下記の特徴があります。
末子が未就学から末子が大学生までの平均支払額の特徴
- 子どもの就学状況が進むにつれて平均支払額が増えていく。
- 女性については「末子が大学生」のときに平均支払額が大幅にアップする。
「末子が未就学」の親は20代や30代が多く、「末子が大学生」の親は40代や50代が多いことが、上記の理由だと考えられます。
年齢別で解説したとおり、「保障ニーズの変化」「高齢で保険料が高くなる」などによって、年齢が上がるほど平均支払額は多くなるからです。
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生命保険の平均受取額はいくら?
生命保険の平均受取額(死亡保険金額)は957万円です。
男性が1,373万円なのに対し女性は647万円で、男性の平均受取額は女性の2倍以上です。
<男性の平均受取額>
<女性の平均受取額>
また、平均受給額は低下傾向にあり、特に男性は平成8年度の2,672万円から1,000万円近く下がっています。
表は横にスライドできます
平成8年 | 平成13年 | 平成19年 | 令和元年 | 令和4年 | |
男性 | 2,672万円 | 2,197万円 | 2,382万円 | 1,866万円 | 1,373万円 |
女性 | 1,156万円 | 1,073万円 | 980万円 | 801万円 | 647万円 |
全体 | 1,884万円 | 1,600万円 | 1,626万円 | 1,261万円 | 957万円 |
出典:生命保険文化センター『2022年度 生活保障に関する調査』(P153)
【年代別】平均受取額
次に、年代別の平均受取額をみていきます。
男性 | 女性 | |
20代 | 1,001万円 | 751万円 |
30代 | 2,065万円 | 768万円 |
40代 | 1,883万円 | 807万円 |
50代 | 1,629万円 | 737万円 |
60代 | 1,071万円 | 507万円 |
30代男性の平均受取額は2,331万円で全年代の中で最も高く、40代、50代と進むにつれて平均受取額は下がっていきます。
この理由は、一般的に最も大きな死亡保障が必要だといわれる「末子の誕生」が30代前後で、子どもが成長するとともに必要保障額は減っていくからです。
子どもが大学生でお金がかかったり、住宅ローンの返済が残っていたりするなど、まだまだ死亡保障を必要とする人が多いからだと考えられます。
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【ライフステージ別】平均受取額
最後に、ライフステージ別の平均受取額を確認しましょう。
表は横にスライドできます
男性 | 女性 | 合計 | |
未婚 | 962万円 | 645万円 | 827万円 |
既婚・子どもなし | 982万円 | 694万円 | 830万円 |
既婚・末子が未就学 | 2,078万円 | 966万円 | 1,446万円 |
既婚・末子が小学生 | 2,471万円 | 743万円 | 1,475万円 |
既婚・末子が中、高校生 | 2,001万円 | 829万円 | 1,203万円 |
既婚・末子が大学生など | 1,934万円 | 628万円 | 1,162万円 |
既婚・子ども卒業(未婚) | 1,297万円 | 535万円 | 836万円 |
既婚・子ども卒業(既婚) | 714万円 | 475万円 | 571万円 |
「未婚」、「既婚・子どもなし」、「既婚の子どもあり」の順に平均受取額がアップし、結婚や子どもができたことをきっかけに死亡保障を増額していることがわかります。
さらに、既婚者の「末子が未就学」から「末子が大学生」までの平均受取額があまり変わらないことから、子どもの成長とともに必要保障額は低下するものの、子どもが独立するまでは死亡保障額を減らさない傾向がうかがえます。
また、ライフステージ別の月額平均支払額では「既婚・子どもなし」世帯が「既婚の子どもあり」世帯を上回るところもありましたが、平均受取額は下回ります。
保険料から考える生命保険の賢い選び方
ここまで保険料の平均支払額・受取額を見てきましたが、実際に生命保険を選ぶ際にはどんな点を意識すれば良いのでしょうか?
ここからは、保険料から考える生命保険の賢い選び方をご紹介していきます。
❶貯蓄額をもとに必要な保険金額を考える
万が一のことが起こった場合に、現在の貯蓄額でどれくらい補えるのか考えてみましょう。
もし現在の貯蓄額では足りないと感じるのであれば、不足分を補える保険金額を設定するのが一般的です。
生命保険の種類によっては、万が一の保障を得ながら貯蓄できる保険もあります。貯蓄が苦手な人は、貯蓄機能をもった生命保険を検討するのも良いでしょう。
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❷生命保険に加入する目的を優先しよう
保険料を重視することも大切ですが、せっかく保険料の安い生命保険を選んでも、本当に必要なときに使えなければ意味がありません。
ポイント
生命保険に加入する際は「何に対して、いつまでに・いくら備えたいのか」という点を優先しましょう。
あくまで保険に加入することは「働けなくなったときに生活できる保障を確保したい」「将来の老後資金を準備したい」といった目的を達成するための手段なのです。
編集部
❸毎月の保険料の目安は手取り年収の5~7%
毎月の保険料は手取り年収の5〜7%程度に抑えましょう。
保険料の目安(例)
例えば、年収300万円の人であれば、5%は年間15万円(月額1万25000円)です。6%は年間18万円(月額1万5000円)、7%は年間21万円(月額1万7500円)ということになります。
保険料は、家計に負担のない金額に設定することが重要です。無理なく支払える保険料と必要な保障のバランスを考えて選びましょう。
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❹将来のライフプランを考慮する
将来のライフプランを考えた上で選ぶことも重要です。
若い人であれば、今後結婚や出産、住宅の購入など大きなイベントがあるでしょう。そこで、保障内容を変更できる保険に入っておけばその時々の状況に合わせて柔軟に対応できるはずです。
必ずしもライフプラン通りに進むとは限りませんが、ある程度計画を立てておくことで今入っておくべき保険が見えてくるかもしれません。
編集部
❺自分の健康状態を振り返る
生命保険は例え同じ年齢であっても、加入者の死亡・病気のリスクの高さによって保険料は異なります。
ポイント
例えば、「健康体割引」や「優良体割引」といった割引制度のある保険では、健康であればあるほど保険料を安く設定することが可能です。
割引制度のある保険会社は主に、喫煙の有無・体重バランス(BMI)・血圧の範囲の3つの適用条件を設定しています。
編集部
生命保険の加入や見直しにおすすめの無料保険相談所
「毎月の保険料を今より安くしたい」「無理のない保険料で、しっかり必要保障を得られる保険に加入したい」と考えている人も多いでしょう。
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まとめ
生命保険加入者の全体の年間平均支払額は、37万1,000円(月3万916円)です。
年代別に見てみると、平均支払額が最も多いのは50代男性(2万4,300円)ですが、30代から50代までの期間では、世帯主である男性の支払額が女性を大きく上回ります。
また、ライフサイクル別にみると、未婚者の平均支払額は少なく、子どものいる世帯では子どもの就学状況が進むにつれて平均支払額が増加する傾向があります。
生命保険の全体の平均受取額は1,261万円です。年代別に見ると、30代男性の平均受取額が2,331万円で最も高く、40代・50代と進むにつれて平均受取額は減少します。
必要保障額に応じて保険金額を決めましょうといわれますが、全額を生命保険で準備すると保険料は高額になります。保険選びには保障内容と保険料のバランスも重要です。
編集部
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その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
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