学資保険の返戻率を高くする5つの方法!加入前に確認しよう
学資保険を選ぶ際に重要なポイントとなるのが、返戻率の高さです。
学資保険の加入を検討している人の中には「学資保険の返戻率は高ければ高いほど良いの?」「少しでも返戻率を高くする方法はある?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、学資保険の返戻率を高くする5つの方法をご紹介。返戻率の推移や計算方法、おすすめの学資保険ランキングについてもまとめました。
編集部
この記事の要点
- 学資保険の返戻率とは、支払った保険料に対して受け取れる総額の比率で、保険の貯蓄性を評価する指標です。
- 一般的に学資保険は返戻率が高いほど、将来の資金準備がより充実していると言えます。返戻率を高めるには、早めの加入や保険料の一括払いなどが有効です。
- ご家庭に合った学資保険を選ぶためには、保険相談窓口でプロと相談しながら検討するのがおすすめです。
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学資保険の返戻率とは?
学資保険を選ぶとき、重要なポイントになるのが「返戻率」です。
編集部
学資保険の貯蓄性を測る度合いであるため、教育資金を貯めることを第一の目的として学資保険に加入するなら、返戻率が高い商品を探すべきです。
返戻率の計算方法
- 返戻率(%)=(受け取れる学資金などの総額÷払い込む保険料の総額)×100
実際に計算してみましょう。
- 月額保険料:1万3,000円
- 学資金総額:300万円(満期時に一括受け取り)
- 保険期間:18歳満期
- 加入時の子どもの年齢:0歳
以上のような条件で加入した学資保険の場合、払い込む保険料総額は、
1万3,000円×12月×18年=280万8,000円
となります。したがって、
300万円÷280万8,000円×100=約106.83…
となり、この学資保険の返戻率は「約106.83%」です。
編集部
医療保障などが付いている商品では、保険料の一部が保障準備に使われるため、学資保険でも元本割れすることがあります。
学資保険の返戻率を高くする5つの方法
低金利時代のなかで低下が続く学資保険の返戻率ですが、できるだけ高い返戻率で加入する方法はあるのでしょうか?
ここからは、学資保険の返戻率を高くする方法を紹介します。
学資保険の返戻率を高くする5つの方法
①できるだけ早めに加入する
学資保険の保険料は、親子ともに、年齢が若いほど安くなるため、加入時期が早いほど返戻率は高くなります。
ほとんどの商品は、出産予定日の140日前から加入可能です。早めに検討して、出生前に加入されることをおすすめします。
編集部
また、父母の年齢が違う場合は、若いほうが契約者になることでわずかながら返戻率が高くなります。
ただし、払込免除の恩恵を受けるには、一家のおもな収入源となっている人が加入すべきですので、総合的に判断してください。
②短期払いで保険料を払い終える
学資保険の保険料を支払う期間には、以下の種類があります。
学資保険の主な保険料払込期間
- 全期払い…学資金などが支払われる時期まで払い込みが続く
- 短期払い…早めに払い込みを終えてしまう
- 一括払い…最初に全額を払い込んでしまう
たとえば…
18歳満期で学資金が受け取れる学資保険があったとして、
- 保険料も18歳まで継続して払い込むのが全期払い
- 12歳までに払い終えてしまうのが短期払い
編集部
払い込みが終わってから、学資金支払いまでの間に据置期間が持てるので、この期間の運用成果が上乗せされるためです。
短期払いの注意点
短期払いの注意点としては、一回の払込保険料額が上がる点があります。
払い込み期間が短いほど一度の負担は大きくなるため、無理なく支払える額で設定することが大切です。
最も返戻率を高められるのは、最初に全額を払い込んでしまう一括払いです。まとまった額になりますが、祖父母からの贈与などを受けられる場合に検討してみるのも良いでしょう。
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③保険料をまとめ払いする
学資保険では、保険料の支払い方法として以下の選択肢があります。
学資保険の保険料の支払い方法
- 月払い…毎月支払う
- 半年払い…半年ごとに支払う
- 年払い…年一回支払う
当然、まとめて支払うほうが、一度の払い込み額は大きくなりますが、半年払いや年払いの金額を月あたりの額に割ってみると、半年払い・年払いのほうが割安になっています。
編集部
④一括受け取りのシンプルなプランを選ぶ
学資保険は、学資金などの受け取り時期・回数によってさまざまなプランがあります。
学資金の受け取り時期と回数
- 17~18歳の大学入学の時期に満期となり、学資金を受け取って大学入学資金に備えるもの
- 進学のタイミングで祝い金を受け取れるもの
- 在学中にも学資金が支給されるもの
- 卒業のタイミングで受け取れるもの
家庭によって、資金が必要になるタイミングは異なるでしょう。
編集部
ですので、できるだけシンプルに、満期時に学資金を一括で受け取って終わるようなプランで契約するのが、返戻率的には良いといえます。
⑤医療保障など不要な特約は付けない
学資保険には、子どもの医療保障や親の死亡保障(育英年金)などの特約が付けられる場合があります。しかし、返戻率を高めたいなら、これらの特約は避けるのが良いでしょう。
注意点
- 保障機能を付けると、保険料の一部が保障に使われるため、返戻率が低くなります。
- もし学資保険の主な目的が教育資金の積立であれば、保障は別の保険で対応し、学資保険は貯蓄に専念する方が賢明です。
ただし、払込免除特約は人によって検討する価値があります。
別に生命保険に加入していて十分な保障額があれば不要ですが、そうでない場合は付加しておいたほうがいいかもしれません。
学資保険の返戻率の推移について
現在、学資保険の返戻率は高いもので110%程度というのが主流です。
編集部
返戻率は、保険会社が受け取った保険料をどの程度うまく運用できるかにかかっています。とはいえ、保険会社は支払う学資金を約束していますから、リスクの高い投資はできません。
おもに債券投資を中心とした安全な運用を行っているため、金利の影響を受け、低金利が続くなかで利率は下がってしまっているのです。
編集部
保険会社は、「現在の金利水準なら、このくらいの利率で運用できるはずだ」という予定を立てており、これを「予定利率」といいます。
保険の利率のもとになる「標準利率」とその推移
予定利率は各保険会社が独自に定めるものですが、これは金融庁が決める「標準利率」をもとにしており、そのため、各社ほぼ同じ水準になるのが普通です。
標準利率は国債の利回りなどから決められるもので、日本の経済状況を反映した数値とも言えるでしょう。
標準利率の推移を見てみましょう。
‘93年4月~’94年3月 | 4.75% |
---|---|
‘94年4月~’96年3月 | 3.75% |
‘96年4月~’99年3月 | 2.75% |
‘99年4月~’01年3月 | 2.00% |
‘01年4月~’13年3月 | 1.50% |
‘13年4月~’17年3月 | 1.00% |
‘17年4月~ | 0.25% |
1993年には5%近くあった標準利率はその後低下の一途をたどり、2017年に1.0%から0.25%への大幅な引き下げがありました。
編集部
学資保険の返戻率に関するよくある質問
学資保険の返戻率は、『返戻率(%)=(受け取れる学資金などの総額÷払い込む保険料の総額)×100』の計算で求められます。返戻率は高ければ高いほどよく、100%を下回る場合は今まで支払った保険料総額よりも低い金額しか受け取れない「元本割れ」状態になっていることを意味します。
まとめ
今回は学資保険の返戻率を高くする方法をはじめ、返戻率の推移や計算方法、おすすめの学資保険ランキングまで詳しく紹介しました。
学資保険の返戻率は、保険料を支払い続けて得られる受け取り総額と支払い総額の比率で、貯蓄性を測る一つの指標です。
一般的に返戻率が高いほど、将来の資金準備が充実していると言えますが、近年の低金利環境の影響で返戻率は低下しています。しかし、返戻率は加入者の年齢や受け取り方法などによって変動し、同じ保険でも選択によって異なることがあります。
したがって、返戻率が低下している今こそ、早めの加入や一括での保険料支払い、不要な特約を付けないなど少しでも高い返戻率を得るための加入方法を考えることが重要です。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
専業主婦を経て、子供が4歳のときにファイナンシャルプランナー(FP)に転身。生命保険会社や大手保険代理店での勤務期間中には、数多くの店舗の立ち上げにも携わる。 約18年間で法人・個人5,000件以上のコンサルティングを担当。
自身の人生経験からもお金の大切さを痛感し、新聞社主催のマネーセミナーや女性のためのマネーセミナー、キッズセミナーなどの講師として活躍中。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。
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