学資保険は一括払いがお得?メリット・デメリットを解説
学資保険の保険料を支払い方法で、多くの人が月払いを選択しますが、なかには一括払いを選択される方もいます。その理由としては、一括払いだと返戻率が高まるメリットがあるからです。
しかし、「学資保険は一括払いがお得」という意見は本当に正しいのでしょうか?
本記事では、学資保険の概要を解説した上で、保険料の支払い方法として一括払いを選ぶメリット・デメリットを徹底解説していきます。
編集部
この記事の要点
- 学資保険を一括払いにすると、分割払いよりも総支払保険料が安くなり、返戻率が高まります。※満期時期、満期保険金が同一の場合
- ただし、一度に多額の支出が必要であり、途中解約時には元本割れのリスクがある点や、生命保険料控除が支払った年にしか適用されない点に注意が必要です。
- 学資保険に加入する際は、保険相談窓口で専門家と相談しながら、ご自身の家庭に合ったプランを選択しましょう。
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そもそも学資保険とは
編集部
学資保険に加入するメリット
- 保険料払込免除特約を付加することで、契約者(親)に死亡や高度障害などの万が一のことがあっても以降の保険料が免除される上に、満額の保障を受けられる。
- 育英年金のある学資保険を選べば、契約者(親)に死亡や高度障害などの万が一のことがあった場合、保険満期日まで年金形式で子どもの教育費用を受け取れる。
- 他にも死亡保障や医療保障といった特約を付加して、契約者や子ども、家族の保障を備えられる。
- 生命保険料控除が適用されるため、所得から保険料が差し引かれ所得税・住民税の軽減になる。
- 貯蓄型の学資保険では、「加入時期を早くする」「保険料を前もって支払う」「保険金の受け取りを先延ばしにする」などの工夫をすることで支払った保険料よりも、多くの保険金を受け取れる可能性がある。
(※保障機能に重点を置いた保障型学資保険はこの限りでない場合もあります。)
上記からわかるように、学資保険には生命保険ならではの魅力がたくさんあります。
編集部
学資保険を一括払いするメリット
学資保険の保険料を、一括払いするメリットは以下のとおりです。
学資保険の保険料を一括払いするメリット
メリット①:総支払保険料が安くなる
まず一括払いをすることで、総支払保険料が安くなる可能性があります。その理由は以下のとおりです。
一括払いで総支払保険料が少なくなる理由
- 保険会社は、加入者が支払う保険料の運用によって利益を得ています。
- 一括払いで早期に支払ってもらうことによって運用原資をすぐ得ることができ、保険会社は「時間の利益」を得られます。
- 保険会社は得た保険料を新たな事業への資金にしたり、株式や不動産などへ投資したりするために利用でき、会社の事業を拡大することができるようになります。
- その分、加入者が支払う保険料は少なく済むのです。
編集部
メリット②:返戻率が高くなる
学資保険の返戻率の計算式
- 受け取った保険金総額÷支払った保険料総額=返戻率(%)
編集部
学資保険で受け取れる保険金は、あらかじめ決められているので、保険料が安くなると必然的に返戻率が高くなるのです。
メリット③:教育資金が確実に準備できる
そして一括払いの最後のメリットとして、教育資金が確実に準備できることが挙げられます。
編集部
編集部
学資保険を一括払いするデメリット
学資保険の一括払いには多くのメリットがありますが、デメリットについても知っておくことが重要です。
以下の4点を確認しておきましょう。
学資保険の保険料を一括払いするデメリット
デメリット①:多額の出費となる
契約内容にもよりますが通常、学資保険の保険料は数百万円単位とまとまった資金が必要になります。そのため、一時的に大きな出費となるのです。
また、十分な資金がある場合でも、学資保険にまとまった資金を支払うことで、他に魅力的な資金活用の機会を失うリスクがあります。
たとえば、250万円を一括払いで支払った場合、その資金を株式に投資していれば、10年後には500万円に増えていたかもしれません。
デメリット②:解約すると元本割れする恐れがある
編集部
編集部
デメリット③:保険料を返還請求できない
そして、もちろん一度支払った保険料は返還されません。
まとまった資金を支払った後に、資金が必要になっても手元にお金を取り戻せないのです。
もし、資金を返還してほしいなら解約するしかありませんが、早期に解約した場合に、解約返戻金も先ほどお伝えしたように元本より少なくなる恐れが高く、満額を取り戻すことはなかなか難しいでしょう。
デメリット④:生命保険料控除が支払った年にしか適用されない
実は、生命保険料控除は保険料を支払った年にしか適用されません。
つまり、一括払いすると、契約時の1回しか保険料支払いができないので、その年の所得額からしか保険料が控除されません。
すると、所得税・住民税の節税効果が薄れてしまいます。
編集部
学資保険はどの支払い方法がおすすめ?
学資保険の保険料の支払い方法は、次の5つのタイプがあります。
それぞれの特徴から、おすすめする人の特徴をご紹介していきます。
月払いをおすすめする人
月払いの特徴
- 1回の支払いが最も安い
- 総支払保険料が最も高い
- 返戻率が最も低い
- 他の支払い方法でも同様ですが、生命保険料控除を毎年利用できる
月払いは、最もオーソドックスな支払い方法です。
毎月の負担が最も軽い支払い方法であるため、まとまった資金を手放したくない方におすすめです。
半年払い・年払いをおすすめする人
半年払い・年払いの特徴
- 半年払いは、1回の支払いが月払いの次に軽く、年払いはその次に軽い
- 総支払保険料は半年払いが年払いよりも多いが、月払いよりも少ない
- 返戻率は半年払いが、年払いよりも低いが月払いよりも高い
- 他の支払い方法でも同様ですが、毎年、生命保険料控除の適用を受けられる
全期前納払いをおすすめする人
全期前納払いの特徴
- 総支払保険料が、一括払いに次いで安い
- 返戻率が一括払いに次いで高い
- 契約者が死亡した場合に、支払っていない保険料分が返還される
- 他の支払い方法でも同様ですが、毎年、生命保険料控除が適用される
まとまった資金を提供できるゆとりがある人で、生命保険料控除や保険料の返還を受けたい人におすすめです。
一括払いをおすすめする人
一括払いは、総支払保険料が最も安く返戻率が最も高いのが特徴です。
そのため、とにかく保険料を少なくしたい方や返戻率を高くしたい方におすすめです。
また定期的に保険料を支払う手間を省きたい方にもうってつけです。
編集部
学資保険の一括払いに関するよくある質問
まとめ
今回は、「学資保険の保険料は一括払いしたほうがお得なの?」と疑問を持っている方に向けて、一括払いのメリット・デメリットをご紹介しました。
学資保険は一括払いをすると、総支払い保険料が安くなる、返戻率が高くなるなどのメリットがあります。そのため、仮に一括払いで返戻率が高くなり、支払った保険料よりも受け取った保険金の方が多くなれば『一括払いしたほうがお得』ということになるでしょう。
その一方で、一括での支払いは出費がかさむ、生命保険料控除が1度しか適用されないなどのデメリットもあります。
学資保険には一括払いの他にも月払いや年払い、全期前納払いなどがあります。本記事でご紹介した通り、それぞれの特徴から自分に合った支払い方法を選ぶと良いでしょう。
編集部
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
専業主婦を経て、子供が4歳のときにファイナンシャルプランナー(FP)に転身。生命保険会社や大手保険代理店での勤務期間中には、数多くの店舗の立ち上げにも携わる。 約18年間で法人・個人5,000件以上のコンサルティングを担当。
自身の人生経験からもお金の大切さを痛感し、新聞社主催のマネーセミナーや女性のためのマネーセミナー、キッズセミナーなどの講師として活躍中。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。
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