ひとくちに医療保険といっても、年齢や保障内容など人によって保険料はさまざまです。
医療保険にすでに加入している人も、これから加入を検討している人も、「他の人は医療保険料を毎月いくら払っているのだろう?」と気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、医療保険の保険料の相場と併せて、病気やケガをしてしまった時の費用はいくらになるのかも解説します。
この記事の要点
- 医療保険は保障内容や加入者の年齢などさまざまな要素で保険料が変わるため、必ずしも保険料が高い=保障が手厚いとは限りません。
- 保険料の安さも大切ですが、『自分自身が求める保障内容を満たしているか』を判断基準にして最適な保険に加入しましょう。
- 医療保険の加入・見直しを検討している人は、保険相談窓口で専門家に相談しながら検討するのがおすすめです。
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目次
医療保険はいくら払ってる?平均相場を解説
医療保険に特化したデータは現状では存在しないため、医療保険や個人年金保険を含めた「生命保険」全体の数字を紹介します。
保険に加入している人は、一体保険料にいくら払っているのでしょうか?
年間の払込保険料の平均
生命保険文化センターの調査によれば、1世帯が年間に支払う保険料の平均額は「37.1万円」で、月額にすると「約3.1万円」という結果になりました。
過去の平均支払額の推移を見てみると、年間支払保険料は徐々に減少傾向にあることも明らかになっています。
平成27年
平成30年
世帯年間払込保険料(全生保)の分布を見てみると、不明を除けば12万円未満(月額1万円未満)が全体の19.3%と最も高くなっています。
次に12~24万円未満(月額1~2万円未満)が17.6%、その次に24~36万円未満の16.0%という順番です。
中には84万円以上を払っている人が5.4%も含まれており、高い保険料を払っている人が全体の平均額を押し上げる結果になりました。
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参考:生命保険文化センター|令和3年度「生命保険に関する全国実態調査」
世帯主の年齢別の払込保険料
編集部
55~59歳、65〜69歳が43.6万円(月額約3.6万円)でもっとも高く、その前後の世代の50~64歳も約40万円以上の保険料を払い込んでいるのが特徴です。
45~64歳という広い世代において、平均の37.1万円を上回っています。
参考:生命保険文化センター|2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」
男女の保険料の違い
生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査」では、払込保険料に男女で違いがあることが浮き彫りになりました。
その調査結果によると、男性の年間払込保険料の平均が20.6万円なのに対し、女性の平均は16.0万円でした。
男性
女性
金額の分布を見てみると、女性よりも男性のほうが約2倍ほど毎月多くの保険料を支払っていることがわかります。
参考:生命保険文化センター|令和4年度「生活保障に関する調査」
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医療保険をいくら払うか決めるときのポイント
保険に加入している人が、保険料にいくら払っているのか分かったところで、次は医療保険料を決めるときのポイントをご紹介していきます。
1. 保険期間
医療保険は大きく、以下の2種類に分けられます。
医療保険の種類
- 定期医療保険
- 終身医療保険
定期医療保険
定期医療保険は、あらかじめ設定された保険期間のみ保障を得られるタイプで、保険期間が「年満期」「歳満期」に更に細かく分かれます。
- 年満期…「契約後10年」「契約後15年」と年数で区切るタイプ
- 歳満期…「60歳まで」「65歳まで」といった契約の年齢まで保障されるタイプ
終身医療保険
一方の終身医療保険は、一生涯にわたって保障が継続されます。
定期医療保険のほうが終身医療保険より加入時の保険料は低く設定されるのが一般的です。
注意点
- その代わり、定期医療保険では更新のたびに保険料が上がります。
- 終身医療保険は生涯にわたって同じ保険料のため、どこかのタイミングで定期医療保険の保険料のほうが終身医療保険よりも高くなります。
編集部
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2. 保険料の払込期間
定期医療保険では、「保険期間=払込期間」になるのが原則です。
契約のタイミング次第ではありますが、「契約から65歳まで」といった歳満期より、「10年間」などと決められた年満期のほうが払込期間は短くなるのが原則です。
ポイント
- 一般的に、年齢を重ねるほど、ケガや病気になるリスクは上がります。
- 保険期間終了時の年齢が若い年満期のほうが割安な保険料で契約が可能です。
一方、終身医療保険は保険期間と保険料払込期間が同じとは限りません。
終身払いと短期払いの違い
- 終身払いは、文字通り契約者が亡くなるまで保険料を払い込み続ける方式です。
- 一方の短期払いは「10年で払い込み完了」「65歳で払い込み完了」といった、期間内に必要な保険料を全額払い込む方式です。
一生涯分の保険料を一生かけて支払う終身払いでは、短期払いよりも毎月の保険料は安くなります。
短期払いの場合、払込期間が短いほど、毎月の保険料が高くなるのが原則です。
ただし、終身医療保険では仕事を退職して年金暮らしになったあとも保険料を払い込み続けることになります。
生命保険文化センター「令和3年度 生命保険に関する全国実態調査」の世帯年間払込保険料を改めてご覧ください。
令和3年の世帯年間払込保険料(単位:万円) | |
全体 | 37.1 |
29歳以下 | 21.5 |
30~34歳 | 26.2 |
35~39歳 | 38.2 |
40~44歳 | 34.8 |
45~49歳 | 37.5 |
50~54歳 | 43.2 |
55~59歳 | 43.6 |
50~64歳 | 38.4 |
65~69歳 | 43.6 |
70~74歳 | 33.7 |
75~79歳 | 31.4 |
80~84歳 | 28.6 |
85~89歳 | 35.8 |
90歳以上 | 25.6 |
年金生活に入って保険を見直したり子どもの自立によって保障額を小さくしたりといったことが考えられますが、老後の保険料負担を減らすために短期払いを選択し、65歳までに保険料の支払いを終えるケースが影響していることも十分に考えられるでしょう。
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終身払いにすることで老後の生活が圧迫される可能性を考慮する
終身医療保険に加入して終身払いを選択した場合、毎月の保険料は短期払いに比べると安くなります。
注意点
- 保険料を終身払いにすることで、老後の家計が圧迫される可能性があるのです。
- 医療保険に加入する時は「現在の保険料を安くする」ことだけを考えず、「老後に保険料を払っていけるのか」についても入念に検討しなければいけません。
短期払いを選択することで収入が安定している40~50代のうちに保険料を払い終えることが可能です。
自営業と会社員で払込期間に対する考えは異なる
会社員では退職したり解雇されたりした場合「失業給付」を受けることができます。
注意点
- 一方の自営業者やフリーランスが廃業・倒産してもそのような公的制度のサポートを受けることはできません。
- 自営業者や会社経営者が失業すると、保険料の支払いがあっという間に困難になる可能性があります。
また、払い込んだ保険料のうち一定額は生命保険料控除の対象になります。
編集部
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3. 保障内容
医療保険は設定する保障内容次第で、毎月の保険料が大きく変わります。
そのほか、医療保険には「通院特約」「先進医療特約」「3大疾病特約」など保険会社によってさまざまな特約が用意されています。
編集部
医療保険で大切なのは、保険料よりも「保障内容」
ポイント
- 医療保険をはじめとする生命保険の保険料は、予定利率や予定事業費率、責任準備金(将来的に保険金の支払いに充てるための資金)などを基に算出されます。
- 予定利率などが変化すれば保険料が改訂され、同じ保障内容でも保険料に差がでてくる場合があります。
- 解約返戻金がある場合は積み立てるべき責任準備金が大きく、保険料は更に高くなります。
前述の払込方法「終身払い」「短期払い(10年払い)」「短期払い(65歳払い済み)」などの種類によって同じ保障内容でも保険料は変わります。
編集部
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4. 加入時の年齢
医療保険はケガ・病気による入院などに備える保険です。
ポイント
- 一般的に、ケガや病気にかかるリスクは加齢とともに上がるほか、ケガが治るスピードも若い人と比べて遅くなります。
- 医療保険の保険料は加入する年齢が上がるほど高くなり、加入時の年齢が若いほど保険料は安くなります。
特に終身医療保険で若い時に加入すれば、割安な保険料が文字通り生涯にわたって適用されます。
5. 加入時の健康状態
加入時の健康状態によっても、保険料が変わることがあります。
健康体割引が適用される保険もある
- 「たばこを吸わない」
- 「BMIなどの数値が保険会社に求められる数値以下である」
などの条件を満たすと病気になるリスクが相対的に低いと判断され、通常の保険料から一定額が差し引かれることがあります。
一方で、持病がある人向けに引受基準が緩和されている「引受基準緩和型」と呼ばれる保険もあります。
編集部
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病気やケガをした時の負担額はいくら?
万が一、病気やケガで入院してしまった場合は、どれくらいの金額がかかるものなのでしょうか?
ここからは、生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」を参考に病気やケガをした時にかかる負担額を見ていきます。
入院時の自己負担額の平均は19.8万円
高額療養費制度を利用した人、しなかった人(適用外を含む)の入院時の自己負担額の平均は「19.8万円」でした。
注意点
- 直近の入院時の入院日数別の自己負担費用をみてみると、入院日数が長いほど自己負担費用が高いのが特徴です。
- 61日以上の場合は、実に60.9万円の入院費用が必要になっています。
表は横にスライドできます
入院日数 | N | 5万円未満 | 5~10万円未満 | 10~20万円未満 | 20~30万円未満 | 30~50万円未満 | 50~100万円未満 | 100万円以上 | 平均 |
全体 | 573 | 9.4 | 26.5 | 33.7 | 11.5 | 10.1 | 5.8 | 3.0 | 19.8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5日未満 | 116 | 25.9 | 38.8 | 26.7 | 6.0 | 1.7 | 0.9 | 0.0 | 8.7 |
5~7日 | 162 | 6.8 | 36.4 | 34.0 | 11.1 | 8.6 | 1.9 | 1.2 | 15.2 |
8~14日 | 132 | 6.8 | 23.5 | 44.7 | 12.1 | 9.1 | 2.3 | 1.5 | 16.4 |
15~30日 | 110 | 2.7 | 11.8 | 36.4 | 14.5 | 18.2 | 12.7 | 3.6 | 28.4 |
31~60日 | 33 | 3.0 | 9.1 | 18.2 | 24.2 | 24.2 | 15.2 | 6.1 | 30.9 |
61日以上 | 14 | 0.0 | 0.0 | 14.3 | 7.1 | 14.3 | 35.7 | 28.6 | 75.9 |
(単位=%)
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引用元:生命保険文化センター|令和4年度生活保障に関する調査|59P
入院時の1日あたりの自己負担費用は平均2万700円
自己負担費用の総額を入院日数で割った1日あたりの自己負担費用を見てみると、平均で2万700円になりました。
費用の分布は1万円~1万5,000円未満が23.3%でもっとも多く、一方で4万円以上も13.2%と高い割合を示しています。
1日あたりの自己負担費用 | 割合 |
5,000円未満 | 13.8% |
5,000~7,000円未満 | 8.8% |
7,000~10,000円未満 | 11.5% |
10,000~15,000円未満 | 23.3% |
15,000~20,000円未満 | 7.9% |
20,000~30,000円未満 | 16.0% |
30,000~40,000円未満 | 5.5% |
40,000円以上 | 13,2% |
平均 | 20,700円 |
出典:生命保険文化センター|令和4年度生活保障に関する調査|59P
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編集部
※2 実施委託先:日本コンシューマーリサーチ 調査期間:2022年1月11日~1月13日 調査概要:保険相談サービスを扱う10社を対象としたブランド名イメージ調査/調査方法:インターネット調査 調査対象:子育て世代の方 551名
※3 2023年2月時点
※参考:ほけんのぜんぶ公式サイト
マネードクター
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編集部
※参考:マネードクター公式サイト
保険マンモス
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- イメージ調査ランキングで11の項目で第1位※1
- 累計申し込み数57万件突破※2
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面談場所は自宅やオンラインなど相談者の都合に合わせてくれます。子どもがいる方でも面倒を見ながら面談ができるため、誰でも利用しやすいサービスです。
編集部
※1●調査対象 :20代以上の国内在住者のうち「保険相談サービス」の提供企業9社のいずれかを5年以内に利用
●調査対象企業:あなたの FP、保険市場、保険ゲート、ほけんの時間、保険のビュッフェ、ほけんの窓口、保険マンモス、保険見直し本舗、みんなの生命保険アドバイザー(50音順)
●調査方法 :インターネット調査 ●調査期間 :2015年8月21日〜8月30日 ●回答者数 :988 件 ●調査機関 :株式会社日経 BP コンサルティング
※2 日本マーケティングリサーチ機構調べ 2020年9月期 ブランドのイメージ調査
※参考:保険マンモス公式サイト
保険市場
- オンライン相談ではコンサルタントの指名が可能
- 全国720店舗以上あり、どこからでも相談しやすい※
- 人気の医療保険ランキングをチェックできる
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「できるだけ多くの保険会社や保険商品から医療保険を選びたい」という方におすすめなのが保険市場です。保険市場では、98社※の保険会社と提携しており、複数の商品から最適なものを提案してくれます。
全国にある直営店11店舗と協力店725店舗の計736店舗で相談が可能※。また、自宅や近隣のカフェまでコンサルタントに訪問してもらうことやオンライン面談にも対応しています。
そして、公式サイトでは掲載されているランキングから人気の医療保険を確認することもできます。
編集部
※参考:保険市場公式サイト
保険無料相談ドットコム
- オンライン・訪問型だから希望の場所で相談できる
- 万が一強引な勧誘があった場合には即座に対応
- プレゼントキャンペーンが豪華
実際に利用した方のアンケートで「対応が丁寧」「基礎から知れて勉強になった」という声が多いのが、保険無料相談ドットコムの相談サービスです。
保険の知識が一切ない方にも分かりやすく丁寧な解説を行っているので、利用すれば保険の仕組みや選び方など基礎的な部分をしっかり理解できるでしょう。
そして、強引な勧誘をするコンサルタントとは一線を画しており、豊富な選択肢を提案してくれるので、最終的に自分の意思で決めることができることも保険無料相談ドットコムの良いところでしょう。
編集部
医療保険、いくら払ってる?に関するよくある質問
まとめ
今回は「他の人は医療保険料を毎月いくら払っているのだろう?」と気になっている人に向けて、医療保険料の相場と、ケガや病気をしてしまった際にかかる費用の平均をご紹介しました。
医療保険は「加入時の年齢」「保障内容」「保険料の支払方法」などによって保険料が変わるため、必ずしも保険料が高い=保障が手厚いとは限りません。
保険料の額も大切ですが、ご自身が求める保障内容を満たしているのかを判断基準にして最適な保険を探しましょう。
編集部
大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。
保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店『コミヤ保険サービス』を設立。
保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタント・MDRT成績資格会員2度取得。
ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。
また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。
岩手県出身。大学卒業後、銀行、外資系生命保険会社、建設業(企業再生)を経て、ほけんのぜんぶに入社。
保険業界経験歴は18年。岩手県生命保険協会副会長も務める。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。
その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。