投資信託とは

投資信託とは資産運用の代表格だと言っても過言ではありません。ですが、特徴や仕組みがわからずに手を出せずにいる人も少なくないと思います。

そこで今回は、初心者向けに投資信託についてわかりやすく簡単に解説します。また、メリットやリスク、運用方法の種類についても解説しています。

この記事を読み終える頃には、投資信託をすぐにでも始められるだけの知識がついてるでしょう。

投資信託とは

投資信託とは

投資信託とは「投資家から集めた資金を投資のプロに運用してもらう」という金融商品です。集めた資金を運用して得た利益は投資家に分配され、配分は投資した資金額によって異なります。

 個人で少額ずつ出し合った大きな資金を投資のプロに運用してもらえるというイメージです。

運用商品の中にはプロが厳選した銘柄が詰まっています。1つ1つ自分で銘柄を選定しなくていいので、初心者の人でも問題なくチャレンジできるでしょう。

また、投資先には株や債券だけでなくさまざまな商品があります。

投資信託で運用できる商品
  • 国内・海外株式
  • 国内・海外債券
  • 国内・海外REIT(リート)※(1)
  • コモディティ※(2)

※(1)REIT(リート)とは、不動産投資の運用商品です。通常の不動産投資と同じく賃貸収入や売却益を狙って投資します。
※(2)コモディティとは、商品先物取引の投資対象である原油やガソリン、金・銀などが投資先です。

上記の商品の中から自分のお好みのものを選んで投資します。細かい銘柄などは投資のプロが選定してくれるので、個人で投資するより知識が少なくてもチャレンジできるのが大きな利点です。

商品によってリスク・リターンが異なるので、自分に合った商品を選択しましょう。国内か海外かによってもリスク・リターンが異なります。

投資信託の仕組みをわかりやすく簡単に解説

投資信託の仕組みをわかりやすく簡単に解説

投資信託は大きく分けて4つの機関または人物の間で行われる取引です。仕組みを理解しやすくするために、まずはどんな機関や人物が関わっているのか確認しましょう。

投資信託に関わる機関・人物

投資信託に関わる機関や人
  • 投資家:投資商品にお金を出す人
  • 販売会社:銀行や証券会社、郵便局
  • 信託銀行:投資家から集めたお金を保管してくれる機関
  • 運用会社:実際に投資の運用方法を指示してくれる機関

一見複雑そうに思えますが、投資信託の仕組みはいたってシンプルです。誰がどんな役割を担っているか知ることで、全体像を簡単に理解できるでしょう。

投資信託お金の流れ

投資信託の仕組みをわかりやすく簡単に解説

続いては、投資家が投資したお金がどのように流れて、利益はどういった経路で返還されるのかみていきましょう。

投資信託の仕組み・流れ
  1. 販売会社が販売している運用商品を投資家が購入
  2. 販売会社は投資家から集めた資金を信託銀行に移動
  3. 運用会社が信託銀行に対して「どの商品をどれくらい購入するか」という内容を指示
  4. 指示を受けた信託銀行は、指示通りに株・債券などを購入
  5. 運用後に利益が出た場合、信託銀行から販売会社に分配金・償還金を移動
  6. 販売会社を通して分配金・償還金を獲得

※分配金・償還金とは、簡単に言えば運用後に得た利益を投資家に分配するためのお金のことです。

また、運用会社の指示に信託銀行は絶対に従わなければなりません。勝手に買い付けることはもちろん、売却もNGです。運用会社が信託銀行に指示を出すことを「運用指図」と言い表します。

それぞれの機関が適切な役割を担っているので、投資家は安心して資産運用ができるんですね。

投資信託の種類(運用方法)

投資信託の種類(運用方法)

投資信託には運用商品によって異なる運用方法があり、自分に合った運用方法を選択します。代表的な2つの運用方法について理解し、自分がどのような運用を目指すのか考えてみましょう。

投資信託の種類(運用方法)

  • インデックス運用
  • アクティブ運用

インデックス運用

投資信託の種類(運用方法)

インデックス運用とは、目安とする指数(ベンチマーク)に連動した動きを目指す運用方法です。

 ベンチマークとは、投資信託が運用のターゲットにしている指標です。

たとえば、国内株式では日経平均TOPIXが代表的なベンチマークで、それらを目安とした場合は同じような値動きをします。

普段からニュースなどで見慣れている値動きと同じなら、比較的値動きが予想しやすいでしょう。

● インデックス運用のメリット・デメリット

メリット
  • 信託報酬などの運用コストが安い
  • 初心者でも値動きが予想しやすい
デメリット
  • 市場動向に影響されやすい

アクティブ運用

投資信託の種類(運用方法)

一方、アクティブ運用とは目安となるベンチマーク以上の運用成果を目指す運用方法です。

 目安とするベンチマーク以上の運用成果を目指す運用方法なので、インデックス運用より大きな利益を得られる可能性があります。

上手くいけば大きな利益を得られるのはアクティブ運用の魅力ですが、アクティブ運用はインデックス運用より多くのコストがかかります。

目安とするベンチマーク以上の成果を狙うアクティブ運用では、運用会社が念入りにリサーチを行うため、信託報酬が比較的高く設定されています。

また、必ずしも利益を得られるわけではないので、ある程度投資に知識がある人むけの運用方法だと言えるでしょう。

● アクティブ運用のメリット・デメリット

メリット
  • インデックス運用より大きな利益を得られる可能性がある
デメリット
  • 信託報酬が割高である
  • インデックス運用よりハイリスクな運用方法である

資産運用初心者にはインデックス運用がおすすめ

投資信託の種類(運用方法)

これから資産運用を始める人には、インデックス運用がおすすめです。

インデックス運用が初心者向けの理由
  • 保有コストである信託報酬が安い
  • 日常的に目にしている指数と連動する値動きが基本なので、初心者でも相場が予想しやすい

投資信託は100円からでもチャレンジできますし、インデックス運用なら信託報酬も割安なのでかなり参入壁が低くなっています。

 アクティブ運用に比べてローリスクなのも魅力の一つでしょう。初心者のうちは大きな利益を狙うのではなく、コツコツと成果を出す経験を積むことが重要です。

また、運用商品には株式や債券などさまざまな商品がありますが、もし投資に関する知識が全くないのであれば「バランス型」を選びましょう。

バランス型とは、株式や債券などの複数の商品を組み合わせた運用商品です。

投資信託の手数料

投資信託を運用するためには手数料を支払わなければなりません。手数料の種類は全3種類で、それぞれ特徴や目的が異なります。

投資信託にかかる手数料
  1. 販売手数料
  2. 信託報酬
  3. 信託財産保留額

1販売手数料

投資信託の手数料

販売手数料とは、投資信託を買うために支払う手数料です。

 販売手数料の支払い時期は投資信託の購入時です。稀に解約時に支払いを求められるケースもあるので、気になる人は販売会社に問い合わせてみましょう。

また、購入手数料は「申し込み金に対して〇%」という形式で設定されていて、手数料の割合は販売会社によって異なります。

中には販売手数料を不要としている商品もあり、そういった商品を「ノーロード商品」といいます。

2信託報酬

投資信託の手数料

信託報酬とは、運用会社が投資家が購入した商品を運用することに対しての手数料です。投資家は銘柄の選定などを行う必要がない代わりに、運用会社に対して信託報酬を支払う必要があります。

 また、信託報酬は投資信託の保有額に対して〇%という風に表記されています。各販売会社のWebサイトから確認できるのでぜひチェックしてみてください。

信託報酬のパーセンテージは年率で記載されている場合がほとんどです。仮に0.1%と記載されていれば、信託報酬に対する0.1%の金額が年間の信託報酬として徴収されるということになります。

自分に代わってプロの投資家に運用してもらうための対価だと言えるでしょう。

3信託財産保留額

投資信託の手数料

信託財産保留額とは、運用商品の解約時にかかる手数料です。

 運用商品を解約する際の基準価格に対して〇%という形式で、運用商品を解約して得る利益の中から自動的に差し引かれます。

基準価格とは、投資信託の価格を指します。1口、または1万口あたりの価格で記載されているケースがほとんどです。

また、信託財産保留額は「解約保留金」とも呼ばれるので覚えておきましょう。

投資信託のメリット

投資信託のメリット

主なメリット

  • 投資のプロに運用してもらえる
  • 少額でもチャレンジできる
  • 分散投資でリスクを軽減できる
  • 透明性の高い金融商品である
  • 個人では取り扱いにくい商品にも対応している
  • 銀行預金などに比べて高利回りで運用できる

投資信託には数多くのメリットが存在します。初期い費用が安くプロの投資家に運用してもらえる投資信託は、資産運用の知識が少ない人でも大して問題ありません。

実際にどんなメリットがあるのか確認していきましょう。

1投資のプロに運用してもらえる

通常、資産運用にチャレンジする場合、債券不動産などに対する専門的な知識が必要となります。

一方で、投資信託ならプロの投資家に運用してもらえる金融商品なので、個人で投資するより少ない知識でチャレンジ可能です。

 100%自分で行う投資に比べると、投資を始める前に専門的な知識を学習する手間が省けます。

また株式投資やFXなどのように、毎日変動するチャートを何度も確認しなくても問題ありません。投資家は定期的に送られてくるレポートから運用状況を確認しましょう。

1日に何度もチャートを確認せずに済むので、忙しいサラリーマンの人にもおすすめです。

2少額でもチャレンジできる

投資信託のメリット

株やFX、不動産投資などの資産運用を始めるためには多額の資金が必要だと考える人もいるでしょう。

 一方、投資信託なら1万円以下の運用商品がほとんどなので、少ない資金でもお手軽にチャレンジできます。

多くの投資家から集めた資金を運用しているので、個人の投資額が低くても問題ありません。初めて資産運用に挑む人なら少額投資で経験を積みましょう。

慣れてきたら投資額を増やしてみるのがおすすめです。

3分散投資でリスクを軽減できる

1つの商品に投資するのはリスクが高いので、分散投資を試みる人もいるでしょう。

分散投資とは
1つの銘柄に資金を全振りするのではなく、複数の銘柄に資金を分散させる投資手法です。

分散投資は数多くの商品に投資する必要があるので、ある程度まとまった資金が必要となります。投資信託なら一つ一つの運用商品が低価格で購入できるので、分散投資がお手軽にできます。

複数の銘柄に資金を分散させることで万が一のリスクに備えられます。

4透明性の高い金融商品である

投資信託のメリット

投資信託は監査法人などの行政機関から監査を受けている金融商品なので、透明性が高い商品だと言えます。

また、販売会社の営業日に毎日基準価格が公開されているので、投資家は基準価格通りの金額を投資するだけです。

投資と聞いて怪しいイメージを持つ人もいますが、投資信託なら透明性の高い金融商品なので安心して運用できます。

5個人では取り扱いにくい商品にも対応している

個人で新興国などの株式を購入しようと思っても、取り扱い金融機関がないため投資できない可能性があります。

 一方、投資信託なら海外株式・債券にも投資でき、中には日本の証券会社で取り扱っていないような銘柄も含まれています。

また、情報の少ない海外の株式を個人で選定から運用まで行うのは多くの人不安を感じるはずです。投資信託ならプロが選定した銘柄なので安心して購入できる点もメリットでしょう。

6銀行預金などに比べて高利回りで運用できる

投資信託のメリット

銀行預金や保険商品などに比べて、投資信託は比較的高利回りで運用できます。

 年0.001%程度が銀行預金の相場なのに対して、投資信託なら年3~5%で運用できる可能性が十分にあります。

仮に銀行預金の利回りが0.001%だとしたら、1000万円の貯金があっても1年間に100円しか増えません。

ただし投資信託を購入したときの価格より現状の価格が下回る”元本割れ”のリスクがあるので覚えておきましょう。

投資信託のリスク

投資信託のリスク

主なリスク

  • 価格変動リスク
  • 為替変動リスク
  • 金利変動リスク
  • 信用リスク
  • 流動性リスク
  • カントリーリスク

投資信託の主なリスクは6種類です。あらかじめどんなリスクがあるのか知った上で投資信託にチャレンジしましょう。

事前にどんなリスクがあるか知っていれば、リスク回避ができる可能性が高まります。

1価格変動リスク

投資信託のリスク

価格変動リスクとは、投資対象の有価証券が購入時の基準価格を下回ってしまうことを指します。有価証券とは、株式や債券、手形、小切手などの金融商品のことです。

有価証券に影響を与える主な要員
  • 企業の業績
  • 国内外の政治
  • 国内外の経済状況

状況が良ければ基準価格が上昇するので大きな利益を狙えますが逆も然りです。状況が悪ければ損をしてしまう可能性も十分にあるので注意しましょう。

2為替変動リスク

海外株式・債券に投資する場合、為替変動リスクにも注意しましょう。

 為替変動リスクとは、円と外貨の為替レートが変動し、外貨建てしている金融商品の価値が下がる可能性を指します。

また、為替変動リスクによって損をしやすいケースは円高が進んだ時です。基本的に、円高が進むと日本円に換算する際に元本割れしやすくなります。

為替変動リスクは、外貨建てしている金融商品を取り扱う人なら必ず理解しておきましょう。

3金利変動リスク

投資信託のリスク

金利変動リスクとは、金利の変動によって債券の価格に影響を与えることです。債券に投資する人は金利動向に注目しましょう。

知っておきたい2の変動パターン
  • 金利が上昇した場合
    →債権の価格は下落する
  • 金利が下落した場合
    →債権の価値は上昇する

もちろん例外もありますが、基本的には上記の関係性で債券の価格は変動しています。「金利と債券の値動きは反比例しやすい」と覚えておきましょう。

4信用リスク

信用リスクとは、国や企業の経済状況や財政状況が悪化した場合に投資家に悪影響を及ぼす可能性を指します。

 たとえば、投資先の企業が倒産してしまうと分配金・償還金を事前に決めていた条件で支払ってもらえなくなるかもしれません。

信用リスクを避けるためには、投資先の国や企業を徹底的にリサーチしましょう。

5流動性リスク

投資信託のリスク

流動性リスクとは、簡単に言えば所有している金融商品の売買取引ができなくなることです。

主な流動性リスク
  • 市場での取引量が非常に少ない場合
  • 発行元の企業に不祥事などの問題が発生した場合
  • 取引所が閉鎖した場合

上場廃止になった企業の株に売り注文が殺到して値が付かなくなり、売却できないといったケースが流動性リスクの代表的な例と言えます。

頻繁に起こる可能性は低いものの、念頭に置いておく必要はあるでしょう。

6カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資先の国や地域において政治や景気の変動が起こった場合に起こるリスクです。

 簡単に言えば、投資先の国や地域で悪い要因が発生した場合に、投資信託の価格が下落してしまう可能性があるということです。

カントリーリスクが起こる要因は複数考えられます。事前に何がカントリーリスクの要因となる可能性があるのか知っておくことで、ある程度のリスクを回避できるでしょう。

カントリーリスクの主な要因
  • 紛争や内戦、テロなどが起こった場合
  • 地震や津波などの自然災害が起こった場合
  • 政権交代などの政治情勢に変化が起こった場合
  • 通貨や株価が下落した場合
  • 国家経済の破綻
  • 国債の債務不執行

特に新興国ではカントリーリスクが起こりやすい傾向にあります。新興国の株や債券に投資する場合は十分注意しましょう。

まとめ

ここまで、投資信託とは何かといった内容について、簡単に分かりやすく解説してきました。

繰り返しになりますが、投資信託は投資の知識が少ない人でも簡単にチャレンジできる資産運用です。もちろんリスクはありますが、自分でリスク低い商品を選択すれば問題ありません。

また、これから投資信託を始める人にはインデックス運用がおすすめです。値動きがわかりやすいだけでなく、信託報酬が安いので気軽にチャレンジできるでしょう。

ぜひ今回の内容を参考に、投資信託をスタートしてみてくださいね。
監修者の紹介

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監修者岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、金融関連業務に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。

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