idecoとは

老後資金に2,000万円が必要だといわれる昨今、資産運用方法のひとつとして知っておきたいのが「iDeCo(イデコ)」です。

では、そもそもiDeCo(イデコ)とは、どんな資産運用方法なのでしょうか?

今回はそんな方のために、iDeCo(イデコ)の仕組みから加入資格などの特徴、メリットなどについてもわかりやすくまとめ、何がお得なのかを解説していきます。

iDeCo(イデコ )を始めようか少しでも悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

iDeCoとは?仕組みをわかりやすく解説

iDeCoとは?仕組みをわかりやすく解説

iDeCo(イデコ)とは「毎月一定の金額を積み立てながら資産運用も並行して行う」といった内容で、個人型確定拠出年金とも呼ばれます。

毎月一定の金額を積み立てることを「掛金を拠出する」と言い表します。

簡単に言えば「貯金×資産運用」のような仕組みで、銀行預金で老後資金を貯めるより、大きな資産を形成できる可能性があります。

iDeCoの3つの特徴

iDeCoには、主に以下のような特徴があります。

  • iDeCo(個人確定拠出年金)は任意で加入する私的年金の制度である
  • 自分で決めた金額を毎月積み立てながら資産運用を行う
  • iDeCoには所得税控除などの節税対策効果がある

サラリーマンの方であれば「国民年金+厚生年金+iDeCo」の合計額が将来的に受け取れるので、老後資金として十分な金額になるでしょう。

ただし、原則60歳になるまでは資産を受け取れません。また、iDeCoに加入していた期間によって、受け取り可能な年齢が異なります。

通算加入者期間 受給開始年齢
1か月以上、2年未満 満65歳以上
2年以上、4年未満 満64歳以上
4年以上、6年未満 満63歳以上
6年以上、8年未満 満62歳以上
8年以上、10年未満 満61歳以上
10年以上 満60歳以上

iDeCoの資産運用方法は2種類

iDeCoとは?仕組みをわかりやすく解説

iDeCoの資産運用では、下記の2種類から好みの商品を運用できます。

  1. 元本確保商品(定期預金・保険商品など)
  2. 投資信託

資産運用と聞いて「積み立てた資産減ってしまうのでは」と不安を感じる方もいると思いますが、選択する運用方法によっては元本割れのリスクを避けられます。

元本割れを避けたい人は、定期預金・保険商品を選択しましょう。

1元本確保商品

元本確保商品には、定期預金や保険商品があります。「定期預金なら銀行に貯金すればいいのでは」と思ってしまいますが、iDeCoで定期預金をすれば、掛金が所得から全額控除されるのでおすすめです。

 毎年の年収から、iDeCoに拠出した掛金の合計額を差し引けるということです。

貯金するだけで節税対策になるのは魅力的でしょう。

2投資信託

iDeCoとは?仕組みをわかりやすく解説

一方「元本割れするリスクより資産を少しでも増やしたい」という方であれば、iDeCoの投資信託がおすすめです。

投資信託の中には、債権と株式の2種類の投資先があります。さらに細かく分類すると国内債券・株式、または外国債券・株式に分けられ、それぞれリスクとリターンが異なります。

投資信託をリスク・リターンが高い順に紹介
  1. 外国株式:もっともハイリスク・ハイリターンな商品
  2. 国内株式:外国株式と比べるとリスク・リターンは低い
  3. 外国債券:国内株式とほとんど同じ
  4. 国内債券:もっともローリスク・ローリターンな商品

 

 

 

どれにするか迷うのであれば、バランス型と呼ばれる国内株式か外国債券がいいでしょう。また、投資信託はプロの投資家が行ってくれるので、iDeCo加入者は商品を選択するだけです。

とくに投資に対する知識がなくても大丈夫なので、リスクー・リターンを基準としてどこに投資するか選択しましょう。

iDeCoの参加加入資格・掛金は?

年金

iDeCoは、日本国内に在住している20歳以上60歳未満の方であれば、ほとんどの方が加入できます。

iDeCoに加入できる人・できない人

詳しい条件については、以下の表をご参照ください。

iDeCoに加入できる人の特徴 ・国内在住で年齢が20歳以上、60歳未満

・国民年金・厚生年金に加入している

・自営業・フリーランス・会社員・学生など

iDeCoに加入できない人の特徴 ・農業年金の被保険者である

・国民年金のの保険料を免除している

・企業型確定拠出年金に加入している

ほとんどの国民が加入対象ですが、農業者の方や自営業で国民年金の保険料を免除している方は加入できません。

 また、サラリーマンの方は所属する企業がすでに企業型確定拠出年金に加入している場合、併用できない場合があります。

ただし、企業が個人型の同時加入を認めているのであれば、加入できます(2021年7月時点)。

サラリーマンでiDeCoへの加入を検討している方は、勤務先の人事や総務に問い合わせてみましょう。

iDeCoの掛金はいくらから?上限は?

iDeCoの参加加入資格・掛金について

iDeConの掛金について、知っておきたいポイントは以下の通りです。

  • iDeCoの掛金は月々5,000円程度からはじめられる
  • 人によって毎月の拠出上限額が異なる
  • 掛金額の変更は年に1回1,000円単位で変更可能

iDeCoの掛金は、月々最低5,000円程度からはじめられます。

 もし途中で掛金額を上げたいと思っても、年に1度しか変更できないのでご注意ください。

また、毎月積み立てる金額の上限額が定められています。主に、国民年金の被保険者種別(職業)によって上限額が異なるため、以下の表からご参照ください。

職業 毎月の掛金
上限額
年間の掛金
上限額
自営業(第一号被保険者) 68,000円 81万6,000円
公務員(第二号被保険者) 12,000円 14万4,000円
専業主夫(第三号被保険者) 23,000円 27万6,000円

一般的に自営業(第一号被保険者)の方がもっとも上限額が高いのは、国民年金しか積み立てられないからです。iDeCoは職業別に、最適な老後資金を用意できるようになっています。

自営業の方以外は、国民年金と厚生年金を積み立てているケースがほとんどです。

第二号被保険者に該当するサラリーマンは?

iDeCoの参加加入資格・掛金について

さらに、第二号被保険者に該当するサラリーマンの方は、加入している年金制度などの条件によって上限額が異なります

サラリーマンの条件 毎月の掛金
上限額
年間の掛金
上限額
所属する企業に企業年金がない 23,000円 27万6,000円
企業型確定拠出年金のみに加入している 20,000円 24万円
企業年金のみに加入している 12,000円 14万4,000円
企業年金と企業型確定拠出年金に加入している

企業方確定拠出年金を「企業型DC」、企業年金を「DB」と言い表します。

 また、毎月積み立てる掛金は全額所得控除の対象です。

収入と税金のバランスを考慮しつつ、無理のない範囲で掛金を設定しましょう。積み立てしながら、住民税・所得税を軽減できるのは魅力的です。

iDeCoのメリット

iDeCoのメリット

iDeCoのメリットは、主に以下3つです。

  1. 貯蓄しながら節税対策ができる
  2. 運用益に対して税金がかからない
  3. 受け取るときも税負担が軽減される

iDeCoは単純な積み立て貯金ではありません。受け取る際の税負担が軽減されたり、積立期間も住民税・所得税の節税対策になったりと、さまざまなメリットがあります。

1貯蓄しながら節税対策ができる

iDeCoのメリット

iDeCoの掛金は、全額所得控除できます。

 その理由は、iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象だからです。

通常、年収に対して住民税・所得税が課税されるので、年収を低く見積もれれば税負担を軽減できます。

住民税・所得税の計算方法
  1. 年間の総収入-必要経費=所得金額
  2. 所得金額-所得控除(iDeCoの掛金など)=課税所得金額
  3. 課税所得金額×税率(金額に応じた住民税・所得税の税率)

仮に毎月2万円積み立てたら、年間24万円分所得金額から所得控除できる計算になります。

減税の計算例を紹介

仮に、年収500万円のサラリーマンの方が毎月2万円の掛金を拠出した場合、以下のようになります。

年収500万円のサラリーマンが毎月2万円の掛金を拠出した場合
  1. 500万円(年間の総収入)-0円(必要経費)=500万円(所得金額)
  2. 500万円(所得金額)-24万円(所得控除)=476万円(課税所得金額)
  3. 476万円(課税所得金額)×住民税率・所得税率

給与所得以外に副業などで収入を得ていないサラリーマンは、年間総収入=所得金額です。上記のように課税所得金額を算出した後に、住民税率・所得税率を掛け合わせます。

住民税率は住んでる地域ごとに異なり、平均10%程度です。所得税率に関しては、以下の表をご参照ください。

課税所得金額 税率 控除額
1,000~194万9,000円まで 5% 0円
195万~329万9,000円まで 10% 9万7,500円
330万~694万9,000円まで 20% 42万7,500円
695万~899万9,000円まで 23% 63万6,000円
900万~1799万9,000円まで 33% 153万6,000円
1800万~3999万9,000円まで 40% 279万6,000円
4000万円以上 45% 479万6,000円

参照:国税庁 所得税の税率

前述の例のように、年収500万円で課税所得金額が476万円なら20%を掛け合わせます。さらに控除額である42万7500円を差し引いた金額が、所得税として納税する金額です。

計算式
476万円×20%-42万7500円=52万4500円(所得税額)
ちなみに、iDeCoの掛金で所得控除をするのであれば、確定申告・年末調整が必須です。

2運用益に対して税金がかからない

iDeCoのメリット

通常、投資信託を運用して得た利益(運用益)や定期預金の利息には、20.315%の税金がかかります。

 20.315%の内訳は、所得税(復興特別所得税含む)15.315%+住民税5%です。

iDeCoでも同じように運用益や利息を得るわけですが、それらの利益に対する税金はかかりません。要するに、iDeCoで得た運用益や利息はそのまま運用できるので、複利効果が非常に高くなっています。

複利効果とは利益が利益を生みだし続け、雪だるま式にどんどん膨らんでいくことを指します。また、iDeCoの複利効果の恩恵を最大限に受けるためには、なるべく早くから加入することが重要です。

60歳までの期間が長ければ長いほど、複利効果の恩恵を受けられます。

3受け取るときも税負担が軽減される

iDeCoのメリット

iDeCoの受け取りについては、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • iDeCoの受け取り方は年金と一時金の2種類
  • 年金で受け取るなら「公的年金等控除」が適用される
  • 一時金で受け取るなら「退職所得控除」の対象に

年金とは、iDeCoで貯蓄した資産を5年以上20年以内の期間で分割して受け取る方法です。

 一方、一時金とは貯蓄した資産を一括で受け取る方法を指します。

iDeCoでは、貯めた資産の受け取り方法が選べることに加え、それぞれの方法に適した節税対策ができるようになっています。

それぞれどんな節税対策なのかみていきましょう。

公的年金控除の場合

iDeCoのメリット

まずは、年金で受け取った場合に適用される「公的年金等控除」についてです。

 公的年金等控除とは、年金受給者に対して用意されている控除です。65歳未満か65歳以上によって所得から控除できる金額が異なります。

65歳未満の方なら70万円まで、65歳以上の方なら120万円までの範囲は税金がかかりません。もしそれらの範囲を超えるのであれば課税対象となり、雑所得の計算方法を用いて手元に残る金額を計算します。

雑所得とは、公的年金等の収入やフリマアプリなどで売却した利益、仮想通貨(暗号資産)で得た利益を指します。雑所得の計算方法は「公的年金等の収入金額×税率-控除額」です。

公的年金等の収入額 割合 控除額
65歳未満 60万超え、130万円未満 100% 60万円
130万超え、410万円未満 75% 27万5,000円
410万超え、770万円未満 85% 68万5,000円
770万超え、1000万円未満 95% 145万5,000円
1000万円円以上 100% 195万5,000円
65歳以上 60万超え、130万円未満 100% 110万円
130万超え、410万円未満 75% 27万5,000円
410万超え、770万円未満 85% 68万5,000円
770万超え、1,000万円未満 95% 145万5,000円
1,000万円円以上 100% 195万5,000円

参考:国税庁│公的年金等に係る雑所得の金額の計算方法

60歳になったときに毎月15万円ずつiDeCo積み立てた金額を受け取った場合、雑所得は以下の手順で算出できます。

60歳になりiDeCoで積み立てた資産を毎月15万円ずつ受けとった場合
  1. 15万円×12か月=180万円(公的年金等の収入総額)
  2. 180万円×0.75(75%)-27万5000円=107万5000円

上記の結果から、1年間の公的年金等の収入総額が180万円の場合、手元に残る金額は107万5000円だとわかります。

退職所得控除の場合

一方、一時金として一括で積み立てた金額を受け取った場合に適用される「退職所得控除」とはどのような制度なのでしょうか。

iDeCoのメリット

「退職所得控除」とは、退職金に対して課税される税金を一部控除できるお得な制度です。

 つまり、退職金を受け取った後にかかる税金を抑えられるということです。

退職金にも税金がかかるのは知っておきたいポイントです。また、退職所得控除は勤続年数が20年を超えるのかによって、控除額が変動します。iDeCoで適用させる場合には、加入年数を当てはめしょう。

iDeCoの加入年数(勤続年数) 退職所得控除の計算方法
20年以下の場合 40万円 ×iDeCoの加入年数(勤続年数)
(80万円未満の場合は80万円)
20年超えの場合 800万円 + 70万円 × (iDeCoの加入者年数- 20年)

参考:国税庁│退職所得控除額の計算方法

iDeCoの加入年数が10年1か月など、1年未満の端数がある場合は切り上げます。

10年1か月なら、11年になるということです。

iDeCoのデメリット

メリット・デメリット

一見メリットばかりのように思えるiDeCoにも、いくつかのデメリットがあります。iDeCoの主なデメリットは、以下の3つです。

  1. 原則60歳までは年金資金を受け取れない
  2. 資産が減ってしまう可能性がある
  3. 各種手数料がかかる

新しい年金制度として生まれたiDeCoには、どのようなデメリットがあるのでしょうか。デメリットも考慮した上で、加入するか検討しましょう。

1原則60歳までは年金資金を受け取れない

iDeCoのデメリット

iDeCoは原則60歳まで積み立てた資金を受け取れません。また、60歳で受け取るためには加入期間が10年を超えている必要があります。

60歳になった時点で加入期間が10年未満の場合、最長で65歳まで受け取れなくなります。

2資産が減ってしまう可能性がある

iDeCoのデメリット

iDeCoで資産運用をする人は元本割れのリスクがあります。プロの投資家が運用してくれるとはいえ、資産運用の特性上仕方がありません。

資産運用と比べて貯蓄を膨らませにくいですが、元本割れリスクを避けるなら定期預金か保険商品を選択しましょう。

3各種手数料がかかる

iDeCoにかかる代表的な手数料一覧
  • 口座開設手数料
  • 口座管理手数料
  • 給付事務手数料
  • 環付事務手数料

iDeCoを利用する上では、さまざまな手数料がかかります。決して高いものではありませんが、金融機関・証券会社によって金額が異なるので必ず確認しましょう。

iDeCo口座を開設する前の注意点

ideco

iDeCo始めるには、証券口座の開設をしなくてはなりません。口座を開設する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 金融機関・証券会社にかかる手数料無料としているか
  • 運用商品のラインナップにどんなものがあるか
  • サポート・サービスが整っているか

まずは「口座管理手数料」を無料としている金融機関・証券会社を絞り込みましょう。

口座管理手数料は、金融機関・証券会社によって異なります。無料~月額500円程度までのふり幅があるので、無料としているところを選択するのがおすすめです。

次に、運用商品のラインナップを確認します。金融機関・証券会社によって運用商品に大きな差があるので、自分のタイプに合った商品があるか必ず確認しましょう。

また、サポート・サービスも金融機関・証券会社によってまちまちです。

コールセンターの営業時間や、Webサイト・アプリの操作画面が使いやすそうか確認してみてください。

まとめ

ここまで、iDeCo(イデコ)についてわかりやすく簡単に解説してきました。

iDeCo(イデコ)とは老後資金を用意する手段として活用できる新しい年金制度で、幅広い方が加入資格を持っています。

さらに「運用益に対して税金がかからない」「受け取り時に税金の負担が軽減される」など魅力的なメリットが多いので、比較的始めやすい資産運用と言えるでしょう。

今回の内容からiDeCo(イデコ )とは何か正しく理解して、自分にあった資産運用に一歩踏み出してみてくださいね。
監修者の紹介

監修者の写真

監修者岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、金融関連業務に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。

・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等を提供する企業等の意見を代表するものではありません。
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