特定疾病の定義と民間の特定疾病保障保険のメリットや注意点を徹底解説
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監修者岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。

民間の医療保険や公的介護保険で「特定疾病」という言葉が使われますが、対象となる病気は異なります。

読者
特定疾病ってどういう意味なのでしょうか?医療保険の特定疾病はどんな病気を指すのでしょうか?

読者
公的介護保険の特定疾病について知りたいです。

今回の記事では、特定疾病について解説します。

マガジン編集部
各保険制度における特定疾病の内容も紹介しますので、公的・私的保険制度の基本知識として覚えておきましょう。

この記事の要点

  • 1.特定疾病とは、日本の各保険制度において他の疾病と異なる取り扱いをする疾病のことで、何を特定疾病とするかは各保険制度によって異なります。
  • 2.特定疾病保障保険は、大きな病気をした時に自由に使えるまとまったお金を準備できるというメリットがあります。
  • 3.特定疾病保障保険に加入するかどうかは、医療保険などその他の保障を総合的に勘案して決めましょう。
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この記事は5分程度で読めます。

特定疾病とは?

特定疾病とは?

特定疾病とは、日本の各保険制度において他の疾病と異なる取り扱いをすると定められた疾病のことです。

何を特定疾病とするかは、各保険制度によって異なります。

保険制度には次のようなものがあります。

日本における様々な保険制度

  • 公的介護保険制度
  • 健康保険制度
  • 民間の医療保険
  • その他の制度

「公的介護保険制度」の特定疾病と「民間の医療保険」の特定疾病については、後で詳しく説明します。

健康保険制度の特定疾病

「健康保険制度」の特定疾病とは、厚生労働大臣が定めた次の3つです。

健康保険制度の特定疾病

  • 人工腎臓を実施している慢性腎不全(人工透析)
  • 血漿分画製剤を投与している先天性血液凝固第8因子障害及び第9因子障害(血友病)
  • 抗ウイルス薬を投与している後天性免疫不全症候群(ただし、血液凝固因子製剤の投与に起因するもののみ)

これらの疾病に関しては長期間にわたる医療を必要とすることから、1か月の医療費の自己負担額は原則として1万円(または2万円)までとされています。

患者は「高額療養費支給申請書」を保険者に提出することによって、1万円を超えて支払った医療費を還付してもらえます。

マガジン編集部
ただし、医療機関ごとに入院・通院別で自己負担限度額が1万円となるので注意しましょう。

参考:全国健康保険協会「特定疾病に係る高額療養費支給特例について」

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その他の制度の特定疾病

公的介護保険や健康保険、民間の医療保険以外でも「特定疾病」という言葉を使うことがあります。

例えば、地方公共団体の医療費助成制度などです。

 

ポイント

  • 東京都では「小児慢性特定疾病」にかかった児童に対し、医療費の助成を行っています。
  • 小児慢性特定疾病に該当する疾病は、介護保険などとは異なります。

参考:東京都福祉保健局「小児慢性特定疾病医療費助成制度の概要」

また、難病法による医療費助成について、対象となる「指定難病」のことを「特定疾病」と呼ぶこともあります。

参考:厚生労働省「難病対策」

介護保険制度の特定疾病とは?

介護保険制度の特定疾病とは?

次に、公的介護保険制度における特定疾病についてみていきましょう。

介護保険制度の特定疾病とは

介護保険制度の被保険者には、次の2種類があります。

介護保険制度の特定疾病

  • 第1号被保険者:65歳以上の人
  • 第2号被保険者:40歳~64歳の人

第1号被保険者は所定の要介護状態になった時に介護保険サービスを受けられますが、第2号被保険者には1つの制限があります。

第2号被保険者については、所定の「特定疾病(加齢に起因する疾病)」を原因として要介護状態になった場合にのみ介護保険サービスが受けられるのです。

マガジン編集部
要介護状態になった第2号被保険者にとっては、要介護の原因が特定疾病であるかどうかが重要になります。

参考:厚生労働省「介護保険制度の概要」

介護保険制度の特定疾病の要件

介護保険制度における特定疾病とは、次の2つの条件を満たす疾病です。

介護保険制度の特定疾病の要件

  • 65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められる等、罹患率や有病率等について加齢との関係が認められる疾病であり、医学的概念を明確に定義できるもの
  • 3か月~6か月以上継続して要介護状態又は要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病

つまり、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病のことです。

参考:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」

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介護保険制度の特定疾病の種類

介護保険制度の特定疾病は、介護保険法に定める次の16種類です。

介護保険制度の特定疾病
特定疾病 症状など
1 がん

・医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの

・余命が6月間程度であると判断される場合

2 関節リウマチ

・自己の免疫が主に手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる代表的な膠原病の1つ

・炎症性自己免疫疾患

3 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

・重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患、運動ニューロン病の一種

・極めて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する

4 後縦靱帯骨化症

・後縦靭帯が骨化する疾患

・脊髄の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて知覚障害や運動障害が現れる

5 骨折を伴う骨粗鬆症

・骨形成速度よりも骨吸収速度が高いことにより、骨に小さな穴が多発する疾病

・背中が曲がることに現れる骨の変形、骨性の痛み、さらに骨折の原因となる

6

初老期における認知症

・40歳から64歳の年齢層において生じる認知症で、若年性認知症とも言われる

・原因はアルツハイマー病、前頭側頭型認知症、血管性認知症、レビー小体病、クロイツフェルトヤコブ病など

7

進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病

・進行性核上性麻痺:脳の特定の部位 (基底核、脳幹、小脳) の神経細胞が減少し、運動機能や認知機能に障害が出る疾病

・大脳皮質基底核変性症:パーキンソン症状(運動障害や歩行障害など)と大脳皮質症状(手が不自由、動作がぎこちないなど) が同時にみられる疾病

・パーキンソン病:脳内の中脳という場所の黒質という部分の神経細胞の数が減ることが原因で、ふるえ、動作緩慢、小刻み歩行などの症状が出る

8 脊髄小脳変性症

・歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状とする神経の疾患

・主に小脳の一部が病気になったときに現れる。症状を総称して運動失調症状という

9 脊柱管狭窄症

・脊椎にある脊柱管という神経を囲んでいる管が狭窄する疾病

・歩行しているとだんだん足が痺れたり痛くなり、休むと回復するのが特徴

10 早老症 ・体細胞分裂時の染色体の不安定性が認められ、加齢促進状態をもたらす疾病
11 多系統萎縮症 ・線条体黒質変性症:ふらつきや排尿障害などが出現
・オリーブ橋小脳萎縮症:中年以降に発病、初発・早期症状として小脳性運動失調
・シャイ・ドレーガー症候群:自律神経症状が主要症状
12

糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

・糖尿病を起因とする神経障害、腎症、網膜症の合併症が存在する疾病
13 脳血管疾患 ・脳梗塞と脳出血、くも膜下出血などの脳の疾病
14 閉塞性動脈硬化症

・動脈硬化症に伴って腹部大動脈末梢側、四肢の主幹動脈、下肢の中等度の動脈等に閉塞が見られる状態

・安静時痛、潰瘍、壊死等の状態に該当するもの

15 慢性閉塞性肺疾患 ・慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎の状態に該当するもの
16 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ・両膝関節または股関節が何らかの原因で変形し、機能障害や痛みを起こした状態

特定疾病に該当するかどうかは、主治医意見書の記載内容に基づき市町村等に置かれる「介護認定審査会」が確認します。

マガジン編集部
診断基準の詳細については、こちらにて確認ください。

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医療保険の特定疾病保障保険とは?

医療保険の特定疾病保障保険とは?

民間の医療保険における特定疾病と「特定疾病保障保険」について説明します。

特定疾病保障保険の概要

特定疾病保障保険とは、生命保険会社が定めた所定の疾病(特定疾病)に罹患した場合、一時金(100万円・300万円・500万円など)が支給される保険です。

特定疾病保障保険は保障期間や保障内容などによって分類されます。

特定疾病保険の分類

  • 保障期間による分類:定期保険(保障期間が一定期間)と終身保険(一生涯保障)
  • 保障内容による分類:死亡・高度障害の保障がある保険とない保険

 

特定疾病に該当して特定疾病給付金が支払われたり、高度障害状態になって高度障害保険金が支払われると保険契約は消滅します。

引用:生命保険文化センター「特定疾病保障保険」

また、特定疾病に対する保障が主契約の「特定疾病保障保険」と、保障が特約として付加される「特定疾病保障特約」に分類することができます。

マガジン編集部
「特定疾病保障保険」の保険金を受給すると保険契約は消滅しますが、「特定疾病保障特約」の給付金を受け取った場合、特約だけが消滅し主契約は残ります。
 

特定疾病保障保険の対象となる疾病

特定疾病保障保険の対象となる疾病は、主に次の3つです。3大疾病保障保険と呼ばれることもあります。

特定疾病保障保険の対象疾病

  • 悪性新生物(がん):上皮内がんや皮膚がん(悪性黒色腫を除く)以外の悪性新生物
  • 急性心筋梗塞:虚血性心疾患のうち急性心筋梗塞(狭心症等を除く)
  • 脳卒中:脳血管疾患のうちくも膜下出血、脳内出血、脳動脈の狭窄(脳血栓・脳塞栓)

各疾病が特定疾病保障保険の対象になるかどうかの要件詳細は、保険会社によって異なります。

特定疾病の要件
特定疾病 要件詳細
悪性新生物(がん)
  • 責任開始期前を含めて「初めて悪性新生物(がん)に罹患」したと医師によって診断確定されたもの
  • 給付の責任開始期までに「90日の待ち期間待ち期間(免責期間)」がある(加入から90日間に罹患したがんは保障されない)
急性心筋梗塞
  • 医師の診療を受けた日から「60日以上労働の制限を必要とする所定の状態が継続」したと医師によって診断されたもの
脳卒中
  • 医師の診療を受けた日から「60日以上所定の後遺症が継続」したと医師によって診断されたもの

保険会社によっては、急性心筋梗塞や脳卒中について「公的医療保険制度の手術料の算定対象となる手術」または「先進医療に該当する手術」を受けた場合も保険金が支給されます。

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特定疾病保障保険のメリットと注意点

特定疾病保障保険のメリットと注意点

最後に、特定疾病保障保険のメリットと注意点を紹介します。

特定疾病保障保険のメリット

特定疾病保障保険の主なメリットは次の通りです。

支払事由に該当すればまとまった一時金を受け取ることができる

特定疾病保障保険の保険金は、100万円から1,000万円程度のまとまった金額です。

特定疾病保障保険のメリット

  • 実際の治療費にかかわらず、特定疾病と診断されれば受け取れるため手元に一定の資金を準備でき安心です。
  • 保険金の使用目的は定められていないため、入院給付金などでは不足する治療費や生活費に充てることもできます。

読者
大きな病気をすると経済的な不安を感じますが、自由に使えるまとまったお金が手元にあると安心ですね。

死亡率の高い3大疾病に備えることができる

特定疾病保障保険の対象となる「悪性新生物(がん)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」は、日本人の死亡原因の上位3位を占めます。(老衰は除く)

日本人の死亡原因上位3位

  • 悪性新生物:27.6%
  • 心疾患(高血圧性を除く):15.0%
  • 脳血管疾患:7.5%

参考:「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況」

罹患率や死亡率が高く、治療も長期化しやすい特定疾病への備えとして、特定疾病保障保険は有効です。

死亡保障を兼ねることもできる

特定疾病保障保険の多くは、死亡・所定の高度障害状態になった時にも特定疾病と同額の保険金が受け取れます。

特定疾病保障保険の保険金額も、死亡保険金額に含まれると考えれば定期保険などの死亡保障を抑えることができます。

 

特定疾病保障保険の注意点

特定疾病保障保険の主な注意点は次の通りです。

支給要件に該当しなければ保険料は掛け捨てになる

特定疾病保障保険のほとんどは定期保険です。

マガジン編集部
終身保険にすると保険料がかなり高くなるからです。

定期保険は加入期間中に保険金支払い事故がなければ満期金なしで終了します。つまり、掛け捨てになるというわけです。

一度保険金を受け取ると契約は消滅する

特定疾病保障保険は保険金を受け取ると、契約が消滅します。

入院保障特約などをつけた場合、入院保障も消滅する上に健康上の理由で再加入も難しくなります

読者
入院保障などについては、特定疾病保障保険とは別に医療保険などで準備するのが良さそうですね。

支給対象となる特定疾病の条件が厳しい

特定疾病にかかっても、特定疾病保険金が支払われないこともあります

注意点

  • 悪性新生物については免責期間に注意が必要です。
  • また、急性心筋梗塞は「60日以上労働の制限」、脳卒中は「60日以上所定の後遺症が継続」などの条件があります。
 

まとめ

特定疾病とは、日本の各保険制度において他の疾病と異なる取り扱いをする疾病のことで、何を特定疾病とするかは各保険制度によって異なります。

介護保険制度の特定疾病は介護保険法に定める16の疾病で、介護保険制度の第2号被保険者(40歳~64歳の人)が介護保険サービスを受けるための要件として定められています。

また、医療保険の特定疾病は、特定疾病保障保険の支給対象となる疾病として生命保険会社が任意で設定します。

一般的には、「悪性新生物(がん)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」の3つの疾病が特定疾病に該当します。

特定疾病保障保険は、大きな病気をした時に自由に使えるまとまったお金を準備できるというメリットがあります。

ただし、保険料は高い上に保険金の支払いがなければ掛け捨てとなります。

特定疾病保障保険に加入するかどうかは、医療保険などその他の保障を総合的に勘案して決めましょう。

マガジン編集部
もしも特定疾病保障保険について悩まれる際は、「ほけんのぜんぶ」をはじめとする無料保険相談所で専門家に相談することをおすすめします。
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