定期保険とは?メリット・デメリットや必要性をわかりやすく解説
定期保険とは、比較的安い保険料で大きな死亡保障を準備できる生命保険の一つです。
しかし「定期保険と終身保険の違いは何?」「定期保険にはどんなメリットがある?」など悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、定期保険の種類や主な保障内容をはじめ、終身保険との違いについてシミュレーションを用いてわかりやすく解説します。
この記事の要点
- 定期保険とは死亡保険の一つで、一定期間(契約期間)にわたって保障を提供する保険です。契約者が亡くなった場合、あらかじめ決められた死亡保険金を受け取れますが、契約期間終了後には保障がなくなります。
- 定期保険の主なメリットは、割安な保険料で大きな保障を準備でき、保障の見直しがしやすいところです。
- 定期保険のメリットを活かしながら終身の死亡保障を準備したい場合は、定期保険付終身保険も視野に入れると良いでしょう。
- 自分はどんな定期保険を選ぶべきか迷っている人は、保険相談窓口でプロに相談するのがおすすめです。
- 保険相談窓口「ほけんのぜんぶ」なら、FP資格を保有したプロが40社以上から無料であなたに合った保険を紹介してくれます。
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目次
定期保険とは?
定期保険は死亡保険の一種
定期保険は、一定期間(契約期間)にわたって保障を提供する保険です。契約者が亡くなった場合、予め決められた死亡保険金を受け取れますが、契約期間終了後には保障がなくなります。
生存時の保険金は支給されないため、主に家族の経済的な安定を考えて利用されます。保険料は終身型の保険に比べて低めで、高額の保障を得られるのが特徴です。
子どもが独立するまで、退職するまでなど、将来のリスクをカバーするための一時的な保障として選ばれることが多いです。
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引用:生命保険協会「STEP.6主な個人保険商品の種類」(以下同様)
定期保険の種類
定期保険は死亡保険の一種で一定期間の死亡を保障しますが、保障期間などによってさまざまな種類に分類できます。
保障期間による分類(歳満期と年満期)
定期保険の保障期間は保険加入時に決めますが、満期の設定方法で「歳満期」と「年満期」に分類できます。
ポイント
- 歳満期:60歳満期、70歳満期など
- 年満期:10年満期、20年満期など
60歳満期の保険は、保険加入時から60歳まで死亡保障のある定期保険です。
10年満期の保険は、保険加入時から10年間死亡保障のある定期保険です。一般的には一定年齢(80歳など)まで更新が可能です。
更新の有無による分類(全期型と更新型)
満期になった時に契約が終了する定期保険を「全期型」、満期後に契約が更新されて継続する定期保険を「更新型」と呼びます。
全期型と更新型の保障期間は、一般的に次の通りです。
ポイント
- 全期型:60歳満期、70歳満期などの歳満期
- 更新型:10年満期、20年満期などの年満期
更新型の定期保険は、満期になると健康状態などに関係なく自動的に更新されるのが一般的です。
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全期型と更新型の保険料の比較
更新型と全期型の保険料には、それぞれの特徴があります。
更新型の特徴 | 全期型の特徴 |
---|---|
契約を更新するたびに年齢に応じて保険料が上がる。 →契約を続けると保険料が増えてしまう | 全期型では契約期間中の保険料が一定。 →若い時期から加入すると、更新型よりも保険料が高くなる |
簡単に言えば、更新型は契約を続けると保険料が上がり、全期型は契約期間中は一定です。
ポイント
更新型は若いうちから契約するとお得ですが、年齢を重ねると保険料が高くなります。一方、全期型は契約期間中は安定した保険料が続きますが、若い時期には保険料が高めです。
全期型の保険料は、40年間の合計額で見ると更新型よりも安くなることがあります。ただし、若い年代で保険料を抑える場合には、更新型も選択肢の1つとなります。
また、更新型は50代の保険料がかなり高額ですが、子供が独立していれば死亡保障を減額して保険料を下げるという方法もあります。
死亡保険金額の変動による分類(定額型・逓増型・逓減型)
保障期間の間、死亡保険金額は変動しない定期保険が一般的ですが、死亡保険金額が増加したり減少したりする定期保険もあります。
ポイント
- 定額型:保障期間の間、死亡保険金額が一定の定期保険
- 逓増型:死亡保険金額が増えていく定期保険
- 逓減型:死亡保険金額が減っていく定期保険
「逓減型」の定期保険は、子供の成長に伴い必要な死亡保険金額は低下していくためライフサイクルにあった定期保険と言えます。
法人契約の場合、「逓増型」は保険料の一部が損金扱いとなるため、会社の節税対策の一環として利用されることもあります。
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定期保険のメリット・デメリット
次に、定期保険のメリットとデメリットについて紹介します。
定期保険のメリット
定期保険の主なメリットは次の2つです。
割安な保険料で大きな保障を準備できる
定期保険のメリットの1つ目は、割安な保険料で大きな保障を準備できることです。
「定期保険と終身保険の比較」で紹介したように、子供のいる35歳男性が3,000万円の死亡保障を準備する場合、10年更新の定期保険ならば保険料は3,580円で済みます。
終身保険なら貯蓄性もありますが、高額の死亡保障を準備するには何万円もの保険料が必要です。
ライフステージに応じて保障見直しがしやすい
メリットの2つ目は、ライフステージに応じて死亡保険金額を見直しやすいことです。
ライフステージごとに必要な死亡保険金額は変化します。
例えば、独身時代や子供が独立した後は大きな死亡保障は不要ですが、子供が小さいうちは万一に備えて高額の死亡保障を準備したいものです。
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定期保険のデメリット
定期保険の主なデメリットは次の3つです。
保険料が掛け捨てになる
定期保険のデメリットの1つ目は、死亡事故がなければ保険料が掛け捨てになることです。
定期保険は、保険期間が終了する際に満期金などが支給されることはありません。したがって、保険料を支払ったにも関わらず、死亡事故がなければ支払った保険料の返戻はありません。
更新時に保険料がアップする
デメリットの2つ目は、更新時に保険料がアップすることです。
20代や30代の保険料はそれほど変わらない場合もありますが、40代、50代と進むにつれ保険料は2倍ぐらいアップすることが一般的です。
ポイント
しかし、一般的に年齢が上がるにつれ必要な死亡保険金額は低下するため、死亡保険金額を減額することによって保険料アップを抑えられます。
年齢やライフステージに合わせて、保険の見直しを検討することが重要と言えるでしょう。
自動更新限度に達すると死亡保障がなくなる
デメリットの3つ目は、自動更新限度に達すると死亡保障がなくなってしまうことです。
通常、定期保険は満期になると自動的に更新されることが一般的ですが、例えば80歳などの自動更新限度に到達すると、保険契約は終了してしまいます。その結果、80歳以降も死亡保障が必要な場合、定期保険では対応できなくなります。
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定期保険の必要性が高い人の特徴
ここまで定期保険のメリット・デメリットを見てきましたが、一体定期保険はどんな人にとって必要性が高いと言えるのでしょうか?
以下の項目に自分がいくつ当てはまるか確認してみてください。
定期保険の必要性が高い人の特徴
- 家族を養う責任がある人
- 借金やローンがある人
- 万が一の経済的リスクに備えたい人
- 大きな保障を得つつも月々の保険料を抑えたい人
定期保険の必要性が高い人の特徴は、主に家族を養う責任がある人です。結婚や子供の誕生に伴い、家族の生活を支える収入が重要な場合、定期保険は家族を経済的に守る手段となります。
また、住宅ローンや教育ローンを抱えている人も、突然の事故や病気で亡くなった場合、保険金が残された債務をカバーする助けとなります。
上記に1つ以上でも当てはまった人は、自身や家族の経済的リスクに備えるために、定期保険の必要性が高いと言えるでしょう。
編集部
定期保険を見直すべき4つのタイミング
「若い時に定期保険に加入したけれど、これからも今の保障内容で大丈夫かな」と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
定期保険は、収入の増減など、生活に変化があったときに見直しが必要です。具体的な見直しタイミングは以下のとおりです。
おすすめの見直しタイミング
- 保険期間の終了前
- 結婚・出産したとき
- 住宅を購入したとき
- 転職・独立したとき
ライフスタイルやライフステージの変化に伴い、保険のニーズは変化します。人生のさまざまな局面で定期保険を見直すことで、現在のライフスタイルや家計に合った適切な保障額や期間を調整できます。
これにより、無駄な支払いを避けられたり、新たな保険商品やサービスの登場でより良い条件で加入できるかもしれません。
定期保険と終身保険の違い【徹底比較】
死亡保険には定期保険や終身保険、養老保険、収入保障保険などがありますが、よく比較されるのが定期保険と終身保険です。
養老保険は貯蓄目的での加入が多く、収入保障保険は加入件数自体があまり多くありません。
終身保険の特徴
定期保険と終身保険を比較する前に、終身保険の特徴について見ていきましょう。主な特徴は次の通りです。
保障期間は終身(一生涯)
終身保険の保障期間は終身(一生涯)です。
何歳で死亡しても死亡保険金額は同額で、定期保険とは異なり中途解約しなければ必ず受け取れます。
保険料払込期間は払済と終身払い
終身保険の保険料払込期間は次の2つのタイプに分かれます。
終身保険の保険料払込期間
- 払済タイプ:60歳払済など一定年齢で保険料が払い終わるタイプ
- 終身払いタイプ:契約が終了するまで払込の続くタイプ
早めに保険料の払込が終わると老後は保険料負担なしに死亡保障を確保できますが、その代わりに保険料は高くなります。
払済タイプと終身払いタイプの保険料の比較
20歳から50歳の男性が死亡保障1,000万円の終身保険に加入したと仮定し、保険料をシミュレーションしてみましょう。
B生命保険の終身保険で、60歳払済と終身払いの保険料を比較します。
加入時の年齢 | 60歳払済 | 終身払い |
20歳の男性 | 1万5,360円 | 1万0,180円 |
30歳の男性 | 2万1,640円 | 1万2,710円 |
40歳の男性 | 3万4,510円 | 1万6,530円 |
50歳の男性 | 7万4,110円 | 2万2,570円 |
終身保険の保険料は、加入時の年齢が上がると急激にアップします。
さらに、60歳払済では50歳男性の保険料は、20歳男性の5倍近くにも急増します。
また、60歳払済と終身払いの保険料を比較すると、年齢が高くなるほどその差は大きく(60歳払済の方が高い)なります。
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途中解約しても解約払戻金がある
定期保険は満期や途中解約した時に返戻金がない(または僅か)のに対し、終身保険を途中解約した時は解約返戻金が戻ってきます。
ポイント
保険加入後、すぐに解約した場合は解約返戻金はほとんどありませんが、加入年数が長くなるほど、一般的に解約返戻金は増えます。
養老保険は満期によって満期金を受け取ると返戻率(※)が最も高くなり、終身保険は中途解約する年齢が高いほど返戻率が高くなります。
※保険料支払の総額に対する満期(または途中解約)で戻ってくる満期保険金(または解約返戻金)の割合。
保険料を100万円支払って満期や途中解約で120万円戻ってくれば、返戻率は120%となります。
定期保険と終身保険の比較
これまでに説明してきた定期保険と終身保険の特徴を比較して、その違いを確認してみましょう。
定期保険 | 終身保険 | |
保障期間 | 一定期間 | 一生涯 |
保険料払込期間 | 保障期間と同じ | ・払済タイプ ・終身払いタイプ |
更新の有無 | あり | なし |
解約返戻金 | 原則なし | あり※ |
※早期解約の場合はなし
定期保険と終身保険の違いを理解した上で、次の3つのケースで保険料を比較してみましょう。
定期保険は前述のA生命保険、終身保険は前述のB生命保険の保険商品でシミュレーションします。
(ケース1)25歳独身で大きな死亡保障は不要なケース(死亡保障500万円とする)
10年更新の定期保険と60歳払済の終身保険の保険料は次の通りです。
シミュレーション結果
- 定期保険(10年更新):585円
- 終身保険(60歳払済):9,060円
死亡率の低い20代や30代の定期保険の保険料は、かなり安くなります。
終身保険は保険料が高くなりますが、解約返戻金があるので保険料の一部を貯蓄していると考えることもできます。
(ケース2)35歳既婚で子供が生まれ大きな死亡保障が必要なケース(死亡保障3,000万円とする)
10年更新の定期保険と60歳払済の終身保険の保険料は次の通りです。
ポイント
- 定期保険(10年更新):3,580円
- 終身保険(60歳払済):8万280円
家族のために大きな死亡保障に加入すると、死亡保険金額に比例して保険料もアップします。
(ケース3)55歳既婚で子供が独立し大きな死亡保障は不要なケース(死亡保障500万円とする)
10年更新の定期保険と終身払いの終身保険の保険料は次の通りです。
ポイント
- 定期保険(10年更新):3,270円
- 終身保険(終身払い):1万3,520円
死亡保険金額を抑えても、年齢が高くなると保険料もアップします。
定期保険の方が保険料は安いですが自動更新限度(更新可能な年齢)は80歳がほとんどであるため、死亡保障は80歳でなくなってしまいます。
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定期保険と終身保険、どちらがおすすめ?
定期保険と終身保険のどちらがおすすめかは、個人の状況によって異なります。
定期保険がおすすめの人
定期保険がおすすめなのは、主に次のような人です。
定期保険がおすすめの人
- 月々の保険料をできるだけ抑えたい人
- 小さな子供がいて大きな死亡保障が必要な人
- 高齢になってから死亡保障は要らない人
- 定期的に保障の見直しをしたい人
保険料を抑えながら一定額以上の死亡保障を準備したい場合、掛け捨てになりますが定期保険がおすすめです。
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終身保険がおすすめの人
終身保険がおすすめなのは、主に次のような人です。
終身保険がおすすめの人
- 一生涯にわたって死亡保障が必要な人
- 保険料が掛け捨てになるのが嫌な人(貯蓄性のある保険が好きな人)
終身の死亡保障を準備したい人は、「相続対策として遺族に現金を残したい」「小さな子供や障害者の子など、遺族に対する保障が必要」などさまざまな理由があるでしょう。
上記のように、終身保険は貯蓄性があるため魅力を感じる人もいますが、大きな死亡保障が必要な場合は、保険料が高額となるため注意が必要です。
定期保険付終身保険とは?
定期付終身保険とは、定期保険と終身保険をセットにした保険です。
主契約は一生涯続く終身保険で、定期保険は一定年齢まで特約として付加できます。
定期保険付終身保険の死亡保険金額
定期付終身保険の死亡保険金額は、終身保険の保険金額と定期保険特約の保険金額の合計です。
一般的に保険金額は保険料の高い終身保険を100万円から500万円程度に抑え、定期保険特約を大きく設定します。
ポイント
子供のいる家庭などでは、死亡保険金額を終身保険と定期保険特約の合計2,000万円から5,000万円くらいで加入するのが一般的です。
定期保険付終身保険の保険料
定期付終身保険の保険料は、終身保険の保険料と定期保険特約の保険料の合計です。
ポイント
- 終身保険の保険料は一定、または定期保険特約の更新時に多少アップします。
- 定期保険特約の保険料は更新ごとにアップします。
- 保険料の払込期間は、定期保険特約の満了時までです。終身保険の保険料は定期保険特約満了時に払い終わることになります。
定期保険特約は10年更新にするケースが多く、40代や50代で保険料がアップした時に定期保険特約を減額して保険料を抑えることもできます。
医療保障については、定期保険付終身保険に入院特約などを付加するか、別途医療保険に加入するかして準備します。
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定期保険についてよくある質問
定期保険は、一定期間中だけ死亡保険を提供する保険です。契約者がその期間中に亡くなると、予め設定された死亡保険金が支払われます。しかし、契約期間が終了すると、保険の保障も終了します。生きて契約期間を迎えた場合にはお金が戻ってこないので、生存時の支給はありません。
定期保険は、10年、20年、または60歳までのように、あらかじめ契約期間を設定して入る保険です。この契約期間中、契約者は支払いを続けることになります。
まとめ
今回は、定期保険にはどんな種類があるのか、終身保険とどっちがおすすめなのかをシミュレーションを用いてわかりやすく解説しました。
定期保険とは死亡保険の一種で、一定期間の死亡を保障します。主なメリットは次の通りです。
- 割安な保険料で大きな保障を準備できる
- ライフステージに応じて保障見直しがしやすい
ただし、「保険料が掛け捨てになる」「更新時に保険料がアップする」「一生涯の死亡保障は得られない」などのデメリットもあります。
貯蓄性のある終身保険に魅力を感じる人もいますが、一定の保険料で大きな死亡保障を準備する場合は定期保険が最適です。
定期保険のメリットを活かしながら終身の死亡保障を準備したければ、定期保険付終身保険も選択肢の1つです。
都内の私立大学を卒業後、日系生命保険会社に就職。主に個人・中小企業の保険営業とマネジメント業務を担当した。 その後、2021年11月にライターとして独立。実務経験を活かし、保険・税金・クレジットカードなど金融ジャンルを中心に記事執筆から編集まで行う。
ライターとして経験を積んだのち、ほけんのぜんぶマガジンの編集者を担当。保険業界の最新情報をいち早く掴み、読者に役立つ情報をわかりやすく提供することを心がけています。 質の高いコンテンツを通じて、読者が自分に合った保険やサービスを選べるようにサポートしていきます。
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