源泉徴収票とは?見方や再発行についてもやさしく徹底解説します
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監修者岡田行史

人材派遣会社17年経営したのち、保険代理店に転身後16年従事、2級FP技能士・トータルライフコンサルタントMDRT成績資格会員2度取得。ファイナンシャルプランナーとしてライフプランニングや家計診断を通して老後資金の対策、節約術などを提案。また自らのがん闘病経験をふまえた生きる応援・備えるべき保障の大切さをお伝えしています。

毎年12月頃に会社からもらう源泉徴収票の内容はご存知でしょうか?

読者
そもそも源泉徴収って何なのでしょうか?何が分かるのか正しく知りたいです。

読者
源泉徴収票を再発行する方法はありますか?

今回の記事では、源泉徴収票の見方をやさしく解説します。

マガジン編集部
源泉徴収票は確定申告や転職時の手続きに必要になるため、基本的な内容は覚えておきましょう。

源泉徴収とは?

源泉徴収とは

源泉徴収とは、会社が従業員に給与や退職金などを支払うとき、予め所得税を差し引いて国に納税する制度のことです。

従業員は、給与から源泉徴収された所得税やその他の控除を差し引いた金額を毎月受け取っているのです。

マガジン編集部
なお、所得税法では会社を源泉徴収義務者と定め、源泉徴収することを義務付けています。

給与所得の源泉徴収

源泉徴収される所得で代表的なものが「給与所得」です。

源泉徴収する所得税額は、従業員の給与支給額や扶養親族等の人数、社会保険料等の金額などを基に概算します。

また、下記リンクの源泉徴収税額表を利用するケースもあります。

参考:国税庁「令和4年分 源泉徴収税額表」

ポイント

    源泉徴収される税額は、医療費控除や生命保険料控除など各種所得控除が反映されていないため正確な金額ではありません。

    そのため、年末調整や確定申告によって源泉徴収された税金の過不足精算を行うのです。

     

    源泉徴収税額は、次の通り確認できます。

    • 毎月の源泉徴収税額:給与明細の「所得税」欄に記載
    • その年の1月から12月末までの源泉徴収税額:12月に会社からもらう源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄に記載

    マガジン編集部
    なお、住民税は前年の所得に対して課税され確定した住民税額が給与から控除されるため、源泉徴収ではなく特別徴収(※)と呼びます。

    ※住民税を納税者本人が納付することを普通徴収と呼ぶのに対し、給与から天引きすることを特別徴収といいます。

    退職所得の源泉徴収

    会社を辞めたときの退職金についても所得税が源泉徴収されます。

    ポイント

    • 退職金にかかる税金は会社が計算して退職金から差し引いて支給されるため、退職者は自分で所得税額を計算したり確定申告したりする必要はありません。
    • ただし、給与所得から差し引けなかった所得控除があれば、確定申告によって源泉徴収された税金の一部が還付されます。

    源泉徴収税額は、退職金明細の「所得税」欄に記載されています。

    退職所得に対する課税の詳細については、下記リンクを参照ください。

    参考:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」

    報酬・料金等の源泉徴収

    給与や退職金以外にも、会社が支払った報酬や料金に対しても所得税の源泉徴収が義務付けられています。

    具体的には、次が該当します。

    • 原稿料や講演料など
    • 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
    • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
    • プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
    • 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビ放送等の出演等の報酬・料金 など

    参考:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」

    源泉徴収票の見方をやさしく解説します!

    源泉徴収票の見方をやさしく解説します!

    1年間に源泉徴収された所得税額は、源泉徴収票を見ると分かります。

    次に、給与所得者の源泉徴収票の見方について解説します。主な記載内容は、次の源泉徴収票イメージの①~⑧です。

    (給与所得者の源泉徴収票イメージ)

    引用:国税庁「給与所得の源泉徴収票」

    記載内容①:種別

    種別とは、給与や賞与などの所得の種類・名称のことです。

    記載内容②:支払金額

    支払金額とは、会社から支給される給与や賞与などの総額のことです。

    マガジン編集部
    残業代が出ればその金額も含みます。

    所得控除や源泉徴収税額などを差し引く前の金額です。

    記載内容③:給与所得控除後の金額

    給与所得控除後の金額とは、支払金額から給与所得控除(55万円~195万円)を差し引いた後の金額です。

    給与所得控除後の金額は次の通り計算します。

    給与所得控除後の金額

      ③給与所得控除後の金額=②支払金額-給与所得控除額

      給与所得控除額は次の通りです。

      給与所得の控除額
      収入金額(源泉徴収票の②支払金額) 給与所得控除額
      162.5万円以下 55万円
      162.5万円超180万円以下 収入金額×40%-10万円
      180万円超360万円以下 収入金額×30%+8万円
      360万円超660万円以下 収入金額×20%+44万円
      660万円超850万円以下 収入金額×10%+110万円
      850万円超 195万円(上限)

      参考:国税庁「No.1410 給与所得控除」

      記載内容④:所得控除の額の合計額

      所得控除の額の合計額は、⑥⑦などの各種所得控除の合計額です。

      所得控除の種類は次の通りです。

      ポイント

      • 基礎控除:すべての納税者一律48万円
      • 配偶者控除:最高38万円(配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合)
      • 配偶者特別控除:最高38万円(配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下の場合)
      • 扶養控除:38万円(大学生などの特定扶養親族63万円、老人扶養親族58万円または48万円)
      • 生命保険料控除:最高12万円
      • 地震保険料控除:最高5万円
      • 社会保険料控除:掛け金全額(健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料など)
      • 小規模企業共済等掛金控除:掛け金全額(確定拠出年金など)
      • 障害者控除:27万円(特別障害者は40万円または75万円)
      • 寡婦(夫)控除:27万円(特別寡婦は35万円)
      • 勤労学生控除:27万円

      ただし、次の控除は年末調整では申告できないため、確定申告が必要になります。

      • 医療費控除:10万円を超える医療費が対象
      • 寄附金控除:ふるさと納税など
      • 雑損控除:災害や盗難による損害など

      参考:国税庁「所得金額から差し引かれる金額(所得控除)」

      マガジン編集部
      毎月の源泉徴収税額の計算では、基礎控除や扶養控除、社会保険料控除などしか反映していません。

      しかし、年末調整で下記書類を提出することによって各種所得控除を反映した税額が算出されます。

      • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
      • 給与所得者の配偶者控除等申告書
      • 給与所得者の保険料控除申告書
      • 住宅借入金等特別控除申告書

      記載内容⑤:源泉徴収税額

      源泉徴収税額は、その年の1月から12月に源泉徴収された所得税額の合計金額です。

      源泉徴収税額は、次の通り計算します。

      源泉徴収税額の計算方法

        ⑤源泉徴収税額=(③給与所得控除後の金額-④所得控除の額の合計額)×所得税率

        所得税率は、次の速算表を参照します。

         

        所得税の速算表
        課税対象額(③給与所得控除後の金額-④所得控除の額の合計額) 税率 速算控除額
        1,000円~194万9,000円 5%
        195万円~329万9,000円 10% 9万7,500円
        330万円~694万9,000円 20% 42万7,500円
        695万円~899万9,000円 23% 63万6,000円
        900万円~1,799万9,000円 33% 153万6,000円
        1,800万円~3,999万9,000円 40% 279万6,000円
        4,000万円~ 45% 479万万6,000円

        参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」

        記載内容⑥:配偶者や扶養親族の情報

        配偶者や扶養親族の情報とは、控除対象となる配偶者・扶養親族の人数や所得控除額などです。

        「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の配偶者控除等申告書」で申告した内容と所得控除額などが記載されています。

        記載内容⑦:各種所得控除の額

        各種所得控除の額とは、社会保険料や生命保険料などの所得控除額です。

        「給与所得者の保険料控除申告書」「住宅借入金等特別控除申告書」で申告した内容などを反映した所得控除額が記載されています。

        記載内容⑧:摘要

        摘要欄には、老人扶養親族や障害のある扶養親族の氏名など、控除対象となる配偶者・扶養親族の詳細情報が記載されています。

        マガジン編集部
        控除対象者の状況によって控除額が変わるため、漏れなく申請しましょう。

        源泉徴収票はいつもらえる?

        源泉徴収票はいつもらえる?

        それでは、源泉徴収票はいつ会社からもらえるのでしょうか?

        給与所得の源泉徴収票と退職所得の源泉徴収票について説明します。

        給与所得の源泉徴収票がもらえる時期

        給与所得の源泉徴収票がもらえるのは、一般的に12月の後半です。

        12月の給与支給時に給与明細と一緒にもらう会社も多いでしょう。

        12月後半に会社が源泉徴収票を発行する理由は、源泉徴収票の作成には次の金額を確定する必要があるからです。

        ポイント

        • その年の1月から12月までの給与総額
        • 生命保険料控除や地震保険料控除などの各種所得控除の金額

        12月の給与支給時には1年間の給与総額が判明しています

        また、11月末頃までに従業員が会社に提出する年末調整書類によって各種所得控除の金額が確定します。

        マガジン編集部
        1年分の給与総額と各種所得控除が確定すると、1年間の所得税額も確定し源泉徴収票が作成されます。

        源泉徴収された所得税の精算

        源泉徴収された所得税額と実際の所得税額は異なることが多いため、源泉徴収票を作成する際にその差額が判明します。

        ポイント

          所得税額の差額は、一般的には12月または1月の給与で精算されます。

          毎月の所得税額は概算で源泉徴収され、実際との差額は年末調整で精算するのです。

          年末調整によって各種所得控除が反映されるため、源泉徴収された所得税額の方が多く還付されるケースが大半です。

          ただし、医療費控除や寄附金控除などがある場合、年末調整では控除されないため確定申告が必要です。

          退職所得の源泉徴収票がもらえる時期

          退職所得の源泉徴収票がもらえるのは、一般的には退職後です。

          ポイント

            退職金は所得税を源泉徴収して支払われますが、退職金の支給は退職後になるため源泉徴収票も退職後になるのです。

            退職所得については退職所得控除を反映して所得税額を会社が計算してくれるため、確定申告は不要です。

            退職後の給与所得の源泉徴収票

            退職した月に働いた分の給与は、退職翌月の給与支給日に支払われるのが一般的です。

            退職翌月の給与明細とともに、源泉徴収票が送付されます。

            源泉徴収票には、退職した年の1月以降に支給された給与総額と源泉徴収された所得税額が記載されています。

            退職した年に再就職した場合、再就職先に源泉徴収票を提出します。

            退職した会社と再就職先での給与や源泉徴収所得税は、再就職先で年末調整することによって精算されます。

            マガジン編集部
            退職した年に再就職しない場合、各種所得控除を受けるには自分で確定申告が必要です。

            源泉徴収票は再発行できる?

            源泉徴収票は再発行できる?

            源泉徴収票を紛失した場合は、勤務先に申請すれば再発行してもらえます

            再発行までにかかる期間は会社によって異なりますが、1週間から2週間くらいでしょう。

            退職所得の源泉徴収票についても、再発行の申請先は退職した会社です。

            マガジン編集部
            源泉徴収票は法律で交付が義務付けられているため、会社が再発行を渋っても遠慮なく請求しましょう。

            参考:国税庁「給与所得の源泉徴収票等の交付義務」

            ポイント

              納税のために会社は税務署に源泉徴収票を提出しますが、税務署に申請しても再発行してもらえないので覚えておきましょう。

              勤務先に変更がなく医療費控除や寄附金控除などがない場合、源泉徴収票を使うことはありません。

              ただし、次のケースでは提出が必要になるため、もし紛失したら早めに再発行を依頼しましょう。

              • 医療費控除などを受けるために確定申告する場合
              • 転職した場合(転職先から提出を求められます)
              • 住宅ローンなどを借りる場合(金融機関から提出を求められます)

              また、源泉徴収票の提出が不要な場合でも、家計収支の基本情報として下記内容を確認しておきましょう。

              • 自分の年間収入や所得(収入から各種所得控除などを差し引いた金額)
              • 所得税額
              • 社会保険料の合計金額 など

              まとめ

              源泉徴収とは、会社が従業員に給与や退職金などを支払うとき、予め所得税を差し引いて国に納税する制度のことです。

              会社が支払う給与などに対する源泉徴収には、次があります。

              • 給与所得の源泉徴収
              • 退職所得の源泉徴収
              • 報酬・料金等の源泉徴収 など

              給与所得の源泉徴収票を見ると、1年間に源泉徴収された所得税額が分かります。主な記載内容は次の通りです。

              • ①給与の支払金額
              • ②給与所得控除後の金額
              • ③所得控除の額の合計額
              • ④源泉徴収税額

              給与所得控除後の金額と源泉徴収税額は次の式で計算します。

              • ②給与所得控除後の金額=①支払金額-給与所得控除額
              • ④源泉徴収税額=(②給与所得控除後の金額-③所得控除の額の合計額)×所得税率

              源泉徴収票が見られるようになると、所得税の仕組みが理解できます。

              マガジン編集部
              社会人の基本知識として覚えておきましょう。
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