学資保険とつみたてNISAはどちらがおすすめ?向いている人の特徴
子どもの教育費用は「住宅購入費」「老後資金」と並んで「人生の三大出費」と呼ばれることがあります。子どもが大学を卒業するまでに必要な金額と、その金額を用意するための方法についてあらかじめ知っておき準備したいものですね。
基本となる方法は「預貯金」ですが、それ以外にも保険や投資などの方法を取り入れることで効率的な教育資金の準備が可能です。近年では学資保険よりも「つみたてNISA」の方がよく耳にするかもしれませんね。
学資保険とつみたてNISAならばどちらがおすすめなのか、興味を持っている方も多いでしょう。
この記事の要点
- 1.学資保険とつみたてNISAの大きな違いは、リスクの有無とリターンの大きさです。
- 2.保険商品としての安心感と投資によるリターン、どちらを重視するかで教育資金の準備方法は変わります。
- 3.学資保険と預貯金で必要な学費を確保できれば、余ったお金をつみたてNISAで効率的に運用するのも一つの手段です。
- 4. 学資保険や子どもの教育資金について悩んでいる人は、保険相談窓口で専門家に相談してみることをおすすめします。
- 5. 子育て世代の相談実績15,000件以上の「ほけんのぜんぶ」なら、専門家が将来のお金に関する不安や疑問をしっかり解消してくれます。
この記事は5分程度で読めます。
目次
学資保険で準備できる教育資金
学資保険とは、子どもの年齢にもとづいた「満期」を設定して教育資金として毎月保険料を積み立てるタイプの保険です。満期は通常、高校や大学の入学時や20歳などのタイミングで設定します。
このタイミングでまとまったお金を受け取ることで、入学金や学費に充てることが可能です。満期を迎えて満期保険金を受け取れば、そこで契約は終了です。
万が一の死亡リスクに備えられる
銀行の預金や積立投資で教育資金を準備することも、もちろんできます。
預金なら「いつでも引き出せる」、投資であれば「運用成績次第で大きな利益を得られる」といったメリットを享受できますが、万が一契約者(親)が死亡した場合、預貯金も投資もそこで積み立てがストップしてしまいますよね。
預金や投資では、教育資金が十分に準備できないリスクがあるのです。
満期時には、予定通りの満期保険金を受け取ることが可能です。
\あなたはどちらか見極めよう/
つみたてNISAで準備できる教育資金
つみたてNISAのしくみ
- 年間40万円までの非課税投資枠で投資信託を購入でき、購入した商品から得られる「譲渡益」「分配金」「配当金」に関して非課税になります。
- 非課税期間は最長で20年と長く、40万円×20年=最大800万円を非課税で運用することが可能です。
- 制度は2037年まで(2042年まで延長が予定)であり、今の30代の人が投資を始めることで40-50代になるまで非課税で運用できます。
投資対象は投資信託に限定
つみたてNISA対象の投資商品は低コストかつ長期投資に向いた「投資信託」に限定されています。
NISAには他にも「一般NISA」「ジュニアNISA」がありますが、これらは個別株などよりリスクの大きな商品にも投資が可能です。
学資保険とつみたてNISAの特徴やメリットを踏まえて、学資保険とつみたてNISAそれぞれが向いている人はどのような人なのかを見ていきましょう。
まずは学資保険が向いている人です。
学資保険が向いている人
リスクを取らずに確実にお金を貯めたい人
学資保険に向いているのは、「リスクを取らずに確実に子どもの学資保険を用意したい人」です。
ポイント
- 契約時に定めた保険料を満期まで払い続けることで、決まった金額を受け取ることができます。
- 契約時の時点で将来受け取れる満期保険金が決まっていることで、資金計画が立てやすい点もメリットです。
万が一の事態があっても子どもの学費を確保したい人
契約者が死亡するといった万が一のことがあった場合、学資保険では保険料の払込が免除されます。保険料払込が免除されても、満期時に予定通りの保険金を受け取ることが可能です。
ただし、特約を付けすぎると満期まで保険料を支払っても返戻率が100%を下回る(元本割れする)ことがあるため、安全性を高めすぎることで、リターンが少なくなるデメリットを理解しておく必要があります。
もしも安全性を高めつつ学資保険のメリットも享受したいと考えるならば、学資保険と同時に他の生命保険に加入することをおすすめしますが、いずれの場合も月々の保険料がかかってきますよね。
つみたてNISAが向いている人
一方のつみたてNISAは、投資に対して非課税になる制度であり、元本が保証されません。
注意点
- 運用成績次第では最終的に得られる金額が投資した元本を下回る可能性があります。
- 長期投資に最適な商品がセレクトされているとしても、景気の悪化によっては評価額の下落は避けられません。
リーマンショックやコロナショックのような出来事が、入学直前の資金が必要になるタイミングで発生すると、大きく元本割れすることを理解しておく必要があります。
リスクをとるのに抵抗がある場合は、満期まで契約することで元本を上回る満期保険金を受け取れる学資保険が向いているということですね。
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出典:マネードクター
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出典:保険無料相談ドットコム
子どもの教育資金はいくらかかる?
教育資金は、子どもが進むべき進路によって大きく変わります。
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」と日本政策金融公庫の令和元年度「教育費負担の実態調査結果」によると、各ステージで必要になる学費は以下のとおりです。
幼稚園〜大学まで | 学費 |
---|---|
公立幼稚園(3年間) | 約67万円 |
私立幼稚園(3年間) | 約158万円 |
公立小学校(6年間) | 約193万円 |
私立小学校(6年間) | 約959万円 |
公立中学校(3年間) | 約147万円 |
私立中学校(3年間) | 約422万円 |
公立高等学校(3年間) | 約137万円 |
私立高等学校(3年間) | 約291万円 |
国公立大学(4年間) | 約428万円 |
私立大学(文系・4年間) | 約630万円 |
私立大学(理系・4年間) | 約737万円 |
引用元:文部科学省|平成30年度子供の学習費調査の結果について/日本政策金融公庫|令和元年度「教育費負担の実態調査結果」ををもとに作成
令和2年度学校基本調査によれば、進学の仕方は以下のパターンが一般的です。
- 私立幼稚園
- 公立小学校
- 公立中学校
- 公立高等学校
- 私立大学
注釈:令和2年度学校基本調査|「総括」内の学校数が多い=利用者が多いと判断
学資保険の代わりになるその他の教育資金の準備方法
子どもの教育資金は多くのお金が必要となりますが、何も学資保険とつみたてNISAだけが準備方法ではありません。ほかにどのような準備方法があるかを見ていきましょう。
普通預金
つみたてNISAや学資保険だけでなく、ある程度の金額はすぐに引き出せる現金(普通預金)で用意しておくことが望ましいです。
学資保険やつみたてNISAでは、必要になる学費を想定して必要な分を積み立てしていくことになりますが、想定通りの金額だけでは不足する可能性はあります。
国公立の高校・大学を想定していても、本人の希望や入試の結果次第で私立を選択することもあるでしょう。想定して貯めていた分で不足した場合、定期預金などは簡単にお金を下ろせません。
また、子どもがいる家庭では、子どもが生まれた時から15歳になるまで「児童手当」を受け取ることができます。預貯金をする際はこの児童手当を全額学費のために貯金しておくことで、将来の学費に備えられます。
児童手当で受け取れる金額は以下のとおりです。
児童の年齢 | 児童手当の額(一人あたり月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上 小学校修了前 | 10,000円 (第3子以降は15,000円) |
中学生 | 一律10,000円 |
引用元:内閣府|児童手当制度の概要
財形貯蓄・自動積立
いつでも引き出せる流動性が高い普通預金と合わせて、以下のような「自動的に積み立てができる金融商品」を活用する方法もあります。
自動的に積み立てができる金融商品
- 財形貯蓄
- 自動積立定期預金
会社が財形貯蓄制度を採用していれば、手続きすることで給与から自動的に天引きしてくれます。
また、財形貯蓄の制度がなくても銀行の「自動積立定期預金」で同様の運用が可能です。
口座から一定のタイミングで自動的に引き出して定期預金に預け入れることで、貯金が苦手な人でも自動的に残高が積みあがっていきます。
普通預金は引き出しが簡単な分、何かがあった時に使ってしまうことも考えられます。積み立てであれば貯金が苦手な人でも教育資金を増やすことができるでしょう。
積立投資
つみたてNISA
紹介した「つみたてNISA」が積立投資にあたります。長期・積み立て・分散投資を支援する非課税制度で、投資可能期間は2037年まで(2042年まで延長が予定)です。
学資保険や預貯金に使って余った資金を投入することで、学資保険よりも大きなリターンを得られる可能性が高まりますが、元本が保証されません。
ジュニアNISA
ジュニアNISAとは、日本に住む0歳~19歳までの未成年者を対象にした投資制度です。年間80万円までの非課税投資枠で購入した投資商品の譲渡益・分配金・配当金が非課税になります。
ただし、2023年までの限定制度のため、ジュニアNISAの枠内で購入できるのは2023年までとなります。ジュニアNISAのデメリットとして以下の点が挙げられます。
ジュニアNISAのデメリット
- 18歳までは払い出しができない
- ジュニアNISAの枠内での購入が2023年までであるため、今から開始する場合は運用期間の短さがネックになる
なお、2024年以降は払い出し制限が撤廃されます。口座開設者である子どもが、その年の3月31日時点で18歳になっている年の1月1日以降に達していないとしても、源泉徴収されずに払い出しができるようになるのです。
保険の選択肢として「低解約返戻金型終身保険」もある
教育費用の準備に使える保険は、学資保険以外にも選択肢があります。代表的な保険が「低解約返戻金型終身保険」です。
ポイント
- 保険料払込期間中の解約返戻金は低く抑えられているため、教育資金として活用するためには早めに保険料の払込を完了させることが重要です。
- 保険料払込期間が満了すれば、通常の終身保険と同等の解約返戻金を受け取れます。
- 大学進学の時期に合わせて保険料払込期間が満了するようにしておけば、払い込んだ保険料の総額を上回る解約返戻金を受け取ることが可能です。
ただし、保険料払込期間中に解約した場合は大きく元本割れする点がデメリットです。
学資保険とは保険金受け取りのタイミングが異なる
学資保険は親が死亡した場合はその後の払込が免除されるメリットがあります。ただし、祝い金や満期保険金はあらかじめ決められたタイミングでしか受け取れません。
一方の低解約返戻金型終身保険では、万が一の際はすぐに保険金を受け取れます。
そのまま契約を続けることも
学資保険は満期がきたら満期保険金を受け取り、そこで契約が終わります。
一方の低解約返戻金型終身保険では、解約時期を自分で選択することができるため、ほかの収入によって学費がまかなえた場合はそのまま契約を継続し、老後資金など別の用途に使うこともできます。
学資保険とつみたてNISAに関するよくある質問
まとめ
学資保険とつみたてNISAを比較した時のもっとも大きな違いは「リスクの有無」と「リターンの大きさ」です。
満期まで保有することで元本が確保される学資保険に対し、つみたてNISAは投資商品の運用実績次第で大きくプラスになることも、大きくマイナスになることもあります。
ただし、つみたてNISAの中の資金を引き出すことにデメリットはありません。目標金額に達した時点でお金を引き出すことで、その後の元本割れのリスクを抑えられます。
保険商品としての安心感と投資によるリターン、どちらを重視するかで選べる商品は変わります。
学資保険と預貯金で必要な学費を確保できれば、余ったお金をつみたてNISAで効率的に運用することも考えましょう。
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