
老後資金は、住宅資金、教育資金と並ぶ人生の3大資金のひとつです。
誰もが受け取れる公的年金だけでは、老後の暮らしは成り立たないかもしれません。
保険会社と契約して、将来の年金を自分で準備することができる貯蓄性保険の一種です。
どういう仕組みなのか、メリットとデメリットは何かなど、個人年金保険の基本をまとめました。
この記事の要点
- 1.個人年金保険とは、自分の老後資金を準備するための方法の内のひとつ
- 2.ローリスクであり節税効果もあり、誰でも利用しやすく着実に老後資金を準備できる方法
- 3.投資ほどのリターンはないため、ハイリターンを望むのであれば投資などの選択肢もある
この記事は5分程度で読めます。
目次
個人年金保険とは
保険会社と契約し、一定期間、保険料を払い込むと、保険会社が払い込まれた保険料を運用して年金原資を準備してくれます。
公的年金の不足を補うための自助が必要になり、自分で用意する年金という意味で、これらを私的年金ともいいます。
私的年金の種類
- 確定拠出型年金(iDeCo)
- 国民年金基金
- 小規模企業共済
- 民間の保険会社から保険商品の形で提供されている個人年金保険
個人年金保険3つの種類
個人年金保険は、主に以下の3つに分類できます。
個人年金保険の種類
- 確定年金
- 有期年金
- 終身年金
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
確定年金
万一、年金支給期間中に受取人が亡くなったとしても、決められた年金は必ず支給され、遺族が受け取ることができます。
本人にせよ遺族にせよ、決まった額の年金を受け取れることが確定しているので確定年金と呼ばれています。
なお、年金支給前に受取人が亡くなってしまった場合は、それまでに払い込んだ保険料総額が死亡給付金という形で返金されます。
この点は他の個人年金保険にも共通する仕組みです。
有期年金
死亡保障や家族に残すお金は別に用意するとして、年金はあくまで自分が生きている間に使うものという意図であれば、有期年金が適しているでしょう。
終身年金
受取人が亡くなった時点で支給は終わりますが、受け取り開始後5~10年の間に亡くなった場合は遺族に年金が支給される「保証期間」を設けている商品もあります。
しかし、それだけの年金原資を用意するために保険料は割高になっていますし、終身年金の受け取り総額が、保険料払込総額を上回る、つまり「元がとれる」ようになるまでには、相当の期間が必要です。
終身年金には、「夫婦年金」というタイプの商品もあります。
これは、夫婦を受け取りの対象として、いずれかが生きている間、年金が支給されるというものです。
また、すべてのタイプの個人年金保険で、年金形式で受け取るのではなく、一時金でまとめて受け取ることも可能です。
ただし、一括で受け取った場合、一時金の額は年金として受け取った場合の総額よりも少なくなります(受取期間中の運用ができないためです)。
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個人年金保険のメリットとデメリット
個人年金保険に加入することで得られるメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
個人年金保険料控除の対象である
個人年金保険に加入していると、払い込んだ保険料額に応じて所得税・住民税を節税できる可能性があります。
所得控除とは
- 私たちは、年間に得た所得をもとに所得税・住民税を課税されています。
- しかし、やむをえず生じている費用などを、所得から差し引くことができる制度を所得控除といいます。
所得控除のなかに、生命保険に加入しているとき、払い込んだ保険料に応じて受けられる「生命保険料控除」があります。
生命保険料控除は、生命保険の種類によって3種類の控除があります。
生命保険料控除の種類
- 生命保険料控除
- 介護医療保険料控除
- 個人年金保険料控除
控除対象の内の1つが、個人年金保険の保険料を払い込んだときに利用できる個人年金保険料控除です。
【平成24年1月1日以後に加入した場合(新制度)の所得控除額一覧】
年間の払込保険料等 | 所得控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 払込保険料全額 |
20,000円超 40,000円以下 | (払込保険料×1/2)+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | (払込保険料×1/4)+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
所得税の税率が5%で課税されている人が、12万円の所得控除を受けた場合、課税所得総額が12万円低くなるのですから、所得税額が6,000円低くなったことになります。
なお、個人年金保険であれば必ず個人年金保険料控除を受けられるわけではなく、以下の条件を満たす商品・契約内容でなくてはなりません。
個人年金保険料控除対象の条件
- 年金の受取人が、契約者(保険料を払う人)本人か、その配偶者であること
- 受取人が被保険者であること
- 保険料を払う期間が10年以上であること
- 年金の受取開始時が60歳以降で、受取期間が10年以上であること
老後資金を着実に準備できる
老後資金が必要になるのは遠い将来のことですが、それまでにコツコツと地道に貯蓄していける人はどれくらいいるでしょうか。
個人年金保険のポイント
- 保険料は口座引き落としやカード払いが一般的ですから、自動的に貯蓄可能な仕組みになっているとも言えます。
- また、預貯金よりは高い利率で貯めることができるのも重要なポイントです。
受け取れる年金総額を払い込んだ保険料総額で割れば、どのくらい増えたのかを返戻率としてとらえることができます。
デメリット
それでは、逆に個人年金保険に加入することでデメリットとなり得る項目はどのようなものがあるのでしょうか。
インフレに対応できない
多くの個人年金保険は、契約時点で将来受け取る年金額が決まっています。
インフレリスクがある
- 受け取り時期までの間にインフレが進行し、物価が大幅に上昇すれば、相対的に受け取れる年金の将来価値は下がることになります。
月額5万円の年金が受け取れるようなプランで契約していたとしても、いざ、受け取り開始時期になったとき、物価が上がっていて、今なら5万円で買えていた品物が、もっと高くなっているかもしれない、ということです。
インフレリスクに対応した商品もある!
- 商品によっては、保険会社の運用がうまくいけば、年金額が上乗せされる「増加年金・増額年金」という商品もあります。
- インフレが進行する局面では金利も上昇するため、増加年金・増額年金が生じる可能性も高くなります。
そうした仕組みのある商品であれば、いくぶんインフレ対策もできると言えます。
途中解約をすると損をする
個人年金保険を含めた貯蓄性保険に共通する特性として、早期の解約は損をします。
個人年金保険の場合、保険料払込期間中に解約した場合、受け取れる解約返戻金総額がそれまでに払い込んだ保険料総額を下回るケースがほとんどでしょう。
預貯金であればいつ引き出しても元本割れはしませんので、この点はデメリットに数えられますが、逆に、だからこそ一度始めたら解約したくないという心理がはたらくため、使い込みリスクを抑えてお金を貯められるという考え方もできます。
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積立利率が年1.9%(2021年5月契約時の積立利率)の場合のシミュレーション
積立利率が年1.9%で一定に推移したと仮定した場合のシミュレーション |
|
保険料払込方法 ※払込方法は月払のみとなります。 | 月払 |
契約者・被保険者(年齢・性別) | 40歳男性 |
保険料払込期間 | 25年間 |
年金支払開始年齢 | 65歳 |
毎月の円での払込金額 | 10,000円/月 |
運用通貨 | 米ドル |
払込保険料総額 | 3,000,000円 |
積立金額(保険料払込満了後) |
31,004米ドル (積立金を円に換算した金額3,390,287円*1) |
積立金(円換算額)の返戻率*2 | 113% |
*1適用為替レート:1米ドル=109.35円で変動しないと仮定した場合です。
*2返戻率は積立金額を円に換算した金額を払込保険料総額で除したものです。小数第3位を切り捨てて表示しています。
※上記シミュレーションは、保険料円払込額を契約通貨に換算する際の為替レートや保険料払込期間中に適用される積立利率が、一定に推移したと仮定し、保険料円払込額の減額、払込停止、解約などがなかったと仮定したものです。
また、将来の運用成果と同様の推移や数値を保証・予測・示唆するものではありません。
※積立金額は、契約当初、払込保険料から保険関係費が大きく控除され、積み立てられます。したがって、契約当初、積立金額は払込保険料累計額に対して減少しています。詳しくは「設計書」でご確認ください。
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「ご確認いただきたいリスクについて/この保険にかかる費用について」は、こちらをご覧ください。
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詳細は「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり/約款」を、通信販売の場合は、「パンフレット」「特に重要な事項のお知らせ/商品概要のご説明/ご契約のしおり抜粋」「ご契約のしおり/約款」を必ずご確認ください。
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また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります
MLJ(営教)21050259
個人年金保険って必要?不要?必要性を紐解きます
個人年金保険の目的は老後資金の準備です。
個人年金保険以外の老後資金準備方法
- 確定拠出型年金(iDeCo)
- 国民年金基金
- 小規模企業共済
- 企業年金
- 財形年金貯蓄
- NISA・つみたてNISA
もちろん、定期預金など、預貯金で準備することもできます。
では、そうしたさまざまな手段のなかで個人年金保険を選ぶことにどういう意味があるのでしょうか。
利率が良いとはいえないが……
これは貯蓄型の保険商品全般に言えることです。結果として、インフレリスクに弱いこともすでにお伝えしたとおりです。
もし、高利率で貯めることを重視するのであれば、iDeCoやつみたてNISAといった制度を活用して、投資信託等の投資商品を活用すべきでしょう。
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投資するリスクを避けたい人には向く
とにかく増やしたい、という場合は、投資・資産運用にチャレンジするのがおすすめですが、投資にはリスクが付き物です。
注意
- 基本的に元本は保証されていませんから、大きく増やせるチャンスがある代わりに、お金を失ってしまう可能性も覚悟しなくてはなりません。
- もちろん、リスクをコントロールする方法はさまざまにあり、ギャンブルほど不確実なものではありません。
- しかし、ある程度の金融商品の知識や、こまめな情報収集、証券口座を開設したり、商品を購入したりする手間は必要です。
そうした手間を避け、リスクは負いたくないが、預貯金よりはましな利率で貯めたい、というニーズには、個人年金保険が適しているでしょう。
つまり、加入者は何の知識もなくても、代わりに投資をしてもらえるわけです。
保険会社は支払う年金額を約束しているので、リスクもコントロールされており、中途解約したり、保険会社が破綻しない限り、元本は保証されます。
終身年金を準備できる選択肢のひとつ
老後資金の問題点のひとつに、何歳まで生きるかわからないので、必要総額が掴みにくい、ということがあります。
住宅資金や教育資金はとりあえず貯めることができた金額の範囲内でなんとかする、ということもできますが、老後資金だけはそうはいかないのです。
公的年金は終身で受け取ることができますが、その他の制度や民間の商品で終身で受け取れるものは多くなく、自営業者だけが利用できる国民年金基金など、かなり限られています。
そこで、終身年金タイプの個人年金保険を活かすことができます。
保険料は割高で、「元をとる」のも難しい商品ですが、終身で受け取れるという安心感を得られる選択肢のひとつとしては、注目に値するでしょう。
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誰でも加入しやすく、利用しやすい
個人年金保険は、他の保険商品と比べても告知の必要などがなく、加入しやすい点も見逃せません。
さまざまな私的年金制度があることはお伝えしましたが、国民年金基金は自営業者だけが、企業年金や財形年金貯蓄は導入している企業の従業員だけが使える制度であり、立場を問わずに使えるものは限定されます。
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まとめ
個人年金保険について、基本的な内容をまとめました。
長い時間をかけて貯めていけばいい老後資金は、個人年金保険だけが唯一の選択肢ではありません。
しかし、投資よりはリスクを抑えて貯めていけることや、保険料控除による節税効果など、個人年金保険ならではの魅力やメリットがあることはお伝えしたとおりです。
誰でも利用しやすい、という点も見逃せないポイントです。
老後資金づくりを考えるときは、個人年金保険も含めた幅広い選択肢のなかから、自分に合うものを選んでいきたいものです。
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